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歴史的な猛暑の中、渋谷の東急・文化村で開催中の「ルドンの黒」展を観に行ってきました。途中の東急百貨店の壁面の展覧会の垂れ幕に書かれた「ルドンの黒」の文字は、からっと晴れ渡る強い日差しの中でたなびいていました。
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さて、ボクとしてはルドンと聞いて思い出すのは、子供の頃少年マガジンに連載中であった(先日は戦争の悲惨を描いた作品「総員玉砕せよ!」で深い感動を与えてくれた)水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」に登場した目玉が異様にデフォルメされた妖怪「バックベアード」です。ボクにとってこの妖怪は、ほんとにこんなものが
目の前に出てきたら腰を抜かしてしまうだろうと子供心に強烈なイメージを与えてくれました。ゲゲゲの鬼太郎のお父さんの「目玉おやじ」は小さいから受け入れられるのですが、「バックベアード」はでかい、そして西洋の妖怪達を従えているので強い、そんな印象があり無意識下に刷り込まれた原型的な存在となってしまいました。
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バックベアード
つまり、巨大な宙に浮く不気味な目玉はまず最初に水木しげるの漫画で出会ったわけです。のちにその妖怪はルドンの絵から着想を得たことを知り、ルドンという画家の名前をしっかりと記憶にとどめることになったわけです。
その後、6年前に開催された「ルドン展」を観に行ったのが最初のルドン体験。その時はあの浮遊する巨大な目玉は展示されていませんでした。そして今回の展覧会、ルドン前期の幻想世界を描いた黒の時代とでも言うべき部分にスポットを当てた展覧会が開催され、期待を持って観に行ったわけです。
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2001年ルドン展
↓
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2007年ルドンの黒
お目当ての作品ありました、水木しげるが描いた妖怪のもとになった絵、『エドガー・ポーに』眼は奇妙な気球のように無限に向かう、です。感想は、子供のときに漫画で受けた感じた不気味な印象はなく、むしろかわいかった?ルドンの描く幻想の怪物たちはいずれも怖ろしいというよりは、どことなくユーモアで愛嬌がありました。黒一色というと死や恐怖、不安といったことを連想させのですが、ルドンの根は後半期の色彩の世界に展開していったように明るいのかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/89/2c3847fa56be579a5464f9ca790e2f4d.jpg)
『エドガー・ポーに』眼は奇妙な気球のように無限に向かう
“形象芸術の世界にあっては、眼こそは根源的器官であり、原初の器官である。眼こそは、見るものを暗闇へと引き入れ、彼に暗闇の呪文を投げるのである。妖しく、哀しげに、また優しく。”(「ルドンの黒」展覧会カタログ・木島俊介「オディロン・ルドン:魂の放擲」より抜粋)
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さて、ボクとしてはルドンと聞いて思い出すのは、子供の頃少年マガジンに連載中であった(先日は戦争の悲惨を描いた作品「総員玉砕せよ!」で深い感動を与えてくれた)水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」に登場した目玉が異様にデフォルメされた妖怪「バックベアード」です。ボクにとってこの妖怪は、ほんとにこんなものが
目の前に出てきたら腰を抜かしてしまうだろうと子供心に強烈なイメージを与えてくれました。ゲゲゲの鬼太郎のお父さんの「目玉おやじ」は小さいから受け入れられるのですが、「バックベアード」はでかい、そして西洋の妖怪達を従えているので強い、そんな印象があり無意識下に刷り込まれた原型的な存在となってしまいました。
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バックベアード
つまり、巨大な宙に浮く不気味な目玉はまず最初に水木しげるの漫画で出会ったわけです。のちにその妖怪はルドンの絵から着想を得たことを知り、ルドンという画家の名前をしっかりと記憶にとどめることになったわけです。
その後、6年前に開催された「ルドン展」を観に行ったのが最初のルドン体験。その時はあの浮遊する巨大な目玉は展示されていませんでした。そして今回の展覧会、ルドン前期の幻想世界を描いた黒の時代とでも言うべき部分にスポットを当てた展覧会が開催され、期待を持って観に行ったわけです。
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2007年ルドンの黒
お目当ての作品ありました、水木しげるが描いた妖怪のもとになった絵、『エドガー・ポーに』眼は奇妙な気球のように無限に向かう、です。感想は、子供のときに漫画で受けた感じた不気味な印象はなく、むしろかわいかった?ルドンの描く幻想の怪物たちはいずれも怖ろしいというよりは、どことなくユーモアで愛嬌がありました。黒一色というと死や恐怖、不安といったことを連想させのですが、ルドンの根は後半期の色彩の世界に展開していったように明るいのかもしれません。
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『エドガー・ポーに』眼は奇妙な気球のように無限に向かう
“形象芸術の世界にあっては、眼こそは根源的器官であり、原初の器官である。眼こそは、見るものを暗闇へと引き入れ、彼に暗闇の呪文を投げるのである。妖しく、哀しげに、また優しく。”(「ルドンの黒」展覧会カタログ・木島俊介「オディロン・ルドン:魂の放擲」より抜粋)
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