M's diary

よかったを探そう

安全第一

2005年05月09日 22時30分18秒 | Weblog
 若い頃はJR大阪環状線で通勤していた。きっと今も同じなのだろうが、朝の通勤ラッシュ時に阪急梅田駅からJR大阪駅に通じる地下道を歩くには覚悟が要った。大阪人は日本で一番歩くのが速いと言うけれど、あの地下道を移動する群衆の速さは尋常ではない(その中には、大阪人ではない人間も多数いるが)。
 そして、環状線がまたすごかった。ラッシュ時には、今、電車が出ていったと思ったら、すぐ次の電車が来る。関西人はいらち(せっかち)だから、みんな焦って我先にと乗り込む。環状線の車掌さんもいらちなのか、情け容赦なくドアを閉める。お客が挟まっていようが、カバンが挟まっていようが、一向にかまわない。動き出した車両のドアからは、女子高生の三つ編みやOLのコートの裾がはみ出していた。乗客も慣れた様子で、挟まれた物をドアの隙間から抜きとっていた。
 そういう光景が、笑える間はまだいいが、殺人的なスケジュールで電車が動き、運転手も車掌も肩に重い荷を負わされて、絶えず気を張りつめて仕事をしているとしたら、当然、安全第一ではなくなってくるだろう。
 過去にも旅客機の事故などで同じ思いを味わったが、人の命を預かって仕事をしている人たちには、ことさらに気持ちのゆとりが必要なのだと痛感させられる。
 顧客を獲得するために、より速く、より便利にと人々を急き立てる姿勢は、この社会のどこにでもある。それが尼崎の事故を引き起こしたのだと思うと、背筋がゾッとするような恐ろしさを感じる。

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