M's diary

よかったを探そう

台風で危機一髪。ほんまに命拾いした話。

2011年09月21日 21時32分23秒 | Weblog
本日午後、台風15号が関東を直撃するかも、とのことで、
バイク通勤はあきらめ、
工房主さんに車で送ってもらった。


学校は急遽、午前中授業に切り替えられ、
子供たちは給食後すぐに下校。

教員は
近くの交差点で子供たちを見送り、
職員室に戻って仕事をつづけた。


職員室の広い窓からは
外の様子が丸見えである。

風雨が次第に強まり、
窓ガラスがガタガタ鳴る。

プールの屋根の波板がはがれて
校庭に飛んでいった。


「この様子じゃ
 JRが止まるのも時間の問題だよ。
 先生方、早めに切り上げて
 帰ってくださいね」
と管理職の先生が言われた。

ベテランの先生方は
決断が早い。

さっと休暇を取って
帰って行かれる姿に
潔さを感じた。


3時を過ぎて、
ますます風が強くなってきた。

「こんな本格的な台風、
 今までなかったよねえ」
と先生方がつぶやき始める。


そのうち、
工房主さんが迎えに来てくれたので、
玄関から外に出ようとしたが、
ものすごい風で傘が差せない。

なんとか無事に車に乗り込み
道路に出たものの、
雨がフロントガラスに吹き付けて、
前方がかなり見えにくい。

バイクで来なくてよかったと
つくづく感謝した。


途中、
桜並木の大きな枝が折れて、
道路を完全に封鎖していた。

ヘルメットをかぶった
作業員の方が、
電気ノコギリで枝を切り、
すばやく退けてくださった。

(そやけど、
 このオジサンたちは、
 どうしてここにいるんやろうか。

 木が折れていることを
 誰かが通報して
 かけつけてくれたんかな。

 大変な仕事やなあ)。


家に足りない物を思い出し、
家の近くのスーパーに寄った。

工房主さんが
入り口の前で車を停めてくれたので
外に出ようと助手席のドアを開けたら
後ろから突風が吹いて
ドアが反対側にバタンと開き、
元に戻すことができなくなった。

なんとかドアを閉めようと思ったが、
逆風が強くてなかなか閉まらない。

それでも力まかせに閉め、
すぐに店の中に入ったが、
ほんの一瞬でずぶ濡れである。


そそくさと買い物をすませ、
荷物を持って
工房主さんより先に
車に戻った。

助手席のドアを開けようとしたが、
まったく開かない。

さっきの衝撃で
ドアの前方部分が曲がってしまっている。
(あちゃー。
 初めからぼろい車やけど、
 またやってもうた……)。


スライドドアを開けて
後部座席に乗り込んだ。

荷物を置いて、
やれやれと思った時、
ガツンという大きな音がした。

何かが上から落ちてきて
車に当たったのだ。

外を見ると、
車のちょうど横に、
業務用エアコンの巨大な室外機が落ちていた。

なーんや、エアコンか、
と思った。

暴風雨のほうに恐怖を感じていて、
もはや、
何が落ちてこようが
あまり気にならなかった。


しかし、あんな音がしたのだから、
うちの車がへこんだのに違いない。

店の人に知らせてこよう、
とドアを開けようとしたが、
ドアはまったく開かない。

ええ~。
スライドドアまで壊れたんか……。


そして気づいた。

私が車にのりこむのが
あと1分遅かったら、
あの室外機は
私を直撃していたのに違いない。

そしたら、
即死か、
意識不明の重体だったかも……。

血まみれで倒れている自分の姿を想像して、
ギョッとした。

ひょっとしたら、
私は危機一髪で助かったのでは……。

風がますます強くなり、
車が左右に大きく揺れた。
車ごと飛ばされるのではないかと恐くなった。


……その後、
店の人だけでなく、
お巡りさんも来てくださり、
書類を書いたり、
写真を撮ったり、
いろいろありましたが、
何とか無事に帰宅できました。


生きているのは当たり前ではないんやなあ。

神さまに生かされて
こうして生きていられるんやなあと
あらためて思った次第です。

(台風は東京から去ったようで、
 今は虫の音だけが響いてます。
 それにしても、
 自然の力を甘く見たらあきまへんな)。
        

スーパー残暑

2011年09月18日 21時18分13秒 | Weblog
残暑の厳しい毎日がつづきますが、
みなさま、お元気でしょうか?


新学期が始まり、
あっという間に2週間が過ぎた。

教室も職員室も、
室温は連日、33℃から35℃。

湿度が異様に高くて
服がべっとり張り付く感じだ。

子供たちも先生方も、
7月よりも疲れているのがわかる。


高学年のあるクラスに行くと、
机に肘をついたり、
うつぶせになったりしている子が目立つ。

いつもは真っ先に手を挙げるMちゃんも
目がとろんとして元気がない。

「調子悪いの?」
と尋ねると、
「昨日、早退したんだ。
 今日もまだだるいの。
 でも、保健室に行くほどじゃないから
 がんばるよ」。


午後になると、ますます暑くなってくる。
太陽の位置が低くなってきたせいか、
教室の窓から日光がまともに入ってくる。

夏の日光が白色だとすると、
今は黄色く感じられる。

あまりの暑さにカーテンを引くと、
風のためにバタバタとはためいて、
勉強にならない。

かといって、
窓を閉めると暑くてたまらない。

どうすりゃいいんだ?


こんな日々がつづいていたところに、
この連休。
本当にありがたい。



さて、
朝顔とフウセンカズラで作った
緑のカーテンに
蛾の幼虫がついています。

 

何だろうと思って調べてみたら、
どうやら
エビガラスズメというスズメガの一種のよう。


それから、
なんちゃって藤棚のほうですが、
羽衣ジャスミンは
完全に根付き、
どんどん支柱を上っていっています。




さて、
猛暑の中、
無理矢理に移植した藤は……。

気の毒なことに、
ずっと成長が止まっていましたが、
今朝見ると、
地面に近いところに
新しい芽が出ているではないか。



これも根付いたようだ。
さすが藤。
でも、無理をさせてごめんね。
        

研修で勉強したこと

2011年09月02日 22時48分18秒 | Weblog
台風というものは、
サッと来て、サッと去っていくものだと思っていたが、
今回は、えらいダラダラしよりますな。

「金曜日は暴風雨らしいよ」
と聞いていたのに、
午前中は晴れたり曇ったりで
子供たちはプールに入っていた。

気温はそんなに高くないのに、
異様にじめじめしていて気持ちが悪い。

夕方から、
風が強くなってきたけど、
果たして明日は暴風雨になるのでしょうか……。



さて、
この夏は
5つの研修に参加した。

バイクで出かけるおかげで、
顔も腕も真っ黒。
シミも増えまくりだ。
この年で、こんなに焼けていいのかな。


夏休み中は給料も交通費も出ないのに、
なぜ研修なんかに行ったのか。



私は学校の中でも
特に勉強の苦手な子供たちと関わっている。

なぜ苦手なのか。
それぞれに、
いろんな理由がありそうだ。


ある子は極端に集中力がない。

たえずキョロキョロして、
誰かに話しかけたり、
歌を口ずさんだりしている。


また、ある子は、
授業の中身がおもしろくないと感じると、
急に立ち上がる。

そのうち、床に寝転がり、
ふら~っと教室から出て行ってしまう。

(だけど、
 興味のある授業になると
 俄然やる気を出す。
 ものすごく偏っているのだ)。


別の子は、
何でもすぐに忘れてしまう。

くり上がりの数をメモしても、
メモしたこと自体を
忘れてしまうらしい。
当然、宿題も忘れてくる。


また、
複雑な家庭環境にあるために
自信を失い、
学習意欲をなくしている子たちもいる。

本当は力があるはずなのに、
授業中、ぼーっとしたり、
急に体調不良を訴えて
保健室に行くことも多い。


他にも、
いろ~んな子がいる。
それぞれが
違う課題を抱えている。

そして、
その数は決して少なくない。


一つのクラスに
そんな子供たちが
5人、10人と固まっていることさえある。

担任の先生は、
本当に大変だ。


だから、
私のような者が
お手伝いをするのであるが、
私だって、
どうすればいいのかわからない。


勉強以前に、
ふらふら出て行くAくん。

九九が覚えられないBちゃん、
くり上がりのある足し算ができないCちゃん。

普通の足し算ならできるのに、
三角形の内角の和になったとたん
頭が真っ白になってしまうDくん。


単に、繰り返して練習させれば
できるようになるというのでもない。

「ちゃんとしなさい!」
とか、
「なんで、
 こんなことができないの!」
とか怒鳴っても意味がない。


彼らは
一斉授業の中では置いていかれてしまう。

だけど、逆に言えば、
彼らのニーズに合った方法で支援すれば
わかるのだ。

どういう教え方をすれば
わかってもらえるのか。


私はそれが知りたくて、
一般に「特別支援教育」と呼ばれる研修を
選んで参加した。


研修を受けたから
Aちゃんに合った教え方、
Bくんに合った教え方が
即座にできるようになるわけじゃない。

だけど、
「この子は何がわかりにくいのかな。
 こうしてみたらどうだろう」
と、考えながら接していくヒントは
もらえたような気がする。



研修の中で、
講師の先生がこんなことを言われていた。

「特別支援は、まず、
 保護者や先生が
 自分自身を知るところから始まります。

 みなさん、
 『私は普通』『私には発達障がいはない』と
 思っていませんか。

 でも、よーく考えてみてください。
 人には誰でも凸凹があります。
 偏りがあります。

 普段はわからなくても
 人は追い詰められた時に
 本性が出てきます。

 保護者や先生が
 自分自身の偏りに気づき、
 『あら、ひょっとして
  私にも変わったところがあるのかも』
 と思い始めると、
 子供たちとの関係が変わってきます。

 大人が変わった時、
 不思議なことに
 子供たちも変わってくるのです」



人間は十人十色である。

ひょっとしたら
「普通の人」なんて
いないのかもしれない。


ADHDだとか、LDだとか、
○○症候群だとか、
診断名をつけられている子もいる。

だけど、
人にレッテルを貼って
上から目線で眺めていても
たぶん何も生まれないだろう。


なんとか勉強を教えようと、
ついつい
肩に力を入れてしまうけど、
まず、
子供たち自身が発信しているものがあるのだ。

それを
柔軟な心で受け取っていくことができれば、
彼らのニーズもわかってくるのかも。



「折り紙ばかりして、
 他のことは何もしない子がいます。

 『どうすればいいんですか』
 と聞かれますが、
 そういう子には、
 先生が一緒に折り紙をしてあげればいいんです」。


まず、その子を知ることだ。
その子と仲良くなることだ。

そんなことを考えさせられた研修でした。