まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

上岡龍太郎『”隠居のススメ”好き勝手に生きる』日がな1日、「通販」の楽しみ 

2019-03-12 08:36:34 | 

「隠居」とはコトバ辞典で調べたら、

官を辞し、世間での立場を退き、または家督を譲って世の中から遠ざかって暮らすこと。
また、一般的に、家長が生存中に、自分の自由意志によって、その権利を相続人に譲ること。
江戸時代、公家または士分の者に科した刑の一つ。

世の中のわずらわしさを避けて山野など閑静な所に引きこもって暮らすこと。隠棲。閑居。楽隠居。
表舞台から去ること。身をかくすこと。

老人。老人を呼ぶ場合、また老人の自称としても用いる。

とあったけれど、私がすぐに浮かぶ「隠居」は下の3つかしら。 

上岡龍太郎『”隠居のススメ”好き勝手に生きる』
素晴らしいタイトルじゃないの、と読み始めたが、やっぱりいかん!
どうも男性が書くこの手のテーマは読んでいて怒りたくなる、もちろん偏見。
合わない、好きじゃない、気に入らん、鼻持ちならん、と散々。
ほっぽり投げようとすると、そうだそうだうーんそう来たかと同調したくなる中味が出てきたりして。
我ながら困ってしまい、結局最後まで付き合ったわ。

その「そうだそうだ、そのとおりよ」の最たる項目が、
第四章”暇つぶし”のの極意
『日がな1日、「通販」の楽しみ』 

ほんとうは全文書き写したいところだが、まさかそれはできないからね、ま、抜き書きです、しかも切れ切れです。
意味不明かもしれませんが、そこは深く考えずに適当にご判断ください。
通販に嵌っている人はおのれの心理分析をどうぞ。
通販なんてやらないと言う人は冷やかしでどうぞ。
そんなのめんどくさいの人はすっ飛ばしてください。
いやいやあらゆる場面で、ぴったり当てはまる人の顔が浮かんでくるのです。そして含み笑いが。

長くなります。

通販で物を買うには、豊富な経験が必要だ。
やっぱり通販で買った○○はダメだ、と言い立てる輩は不見識もはなはだしい。
そんな素人考えで通販をやってはイケナイ。

そうだ。私は絶対そう思うものね。2度と買うまいと決心して通販やってないもんね。素人だ、どうだエライもんだ。

通販でモノを買い始めると、たちまち押入れがいっぱいになり、ただちに脳みそは空になる。
カタログを広げた途端、アタマは買うことだけで満たされてしまう。
何か買いたいものがあるとか、買わなければいけない必要なものがあるから、
それをカタログから探して買うのではない。
買いたいなぁ・・・何か買いたいなァ・・・何かないかなァとカタログをめくり始め、めくり続ける。
これが物を買うことの原点だ。

そうそう、あの人の姿がまたもや浮かぶ、そのとおりよ。

買うという行動は、買ったモノをどのように使うかを考えるというような不純な動機から
始まってはならない。欲しいから買うのでも、必要だから買うのでもない。
買いたいから買う。買うことのために買う。一本ピシーッと筋が通っている。
そんなもの買ってどうするの、という声が耳元で聞こえたら、通販道を極めたと言ってよい。
世間のそしりや家族の冷たい視線を受け止めながら、カタログをめくる恍惚感。

理解できるようなできないような、何ともおかしくて。
知っている知っているの、そういう人がいることを。
別に必要じゃないんじゃないの、持ってるじゃんと突っ込みたくなる輩が。
そうか、その人は通販道を邁進しているのか。

通販の楽しみは、カタログを見ながらゆったり1日を過ごすことにある。
買う前に十分すぎるほどの喜びを得ているというのに、通販はさらに凄い楽しみをもたらしてくれる。
通販で買った商品は、すぐに手に入らない。これがヨロシイ。
通販が趣味として最高位に位置するのは、待つことが行為の中に含まれているからだ。
忘れた頃にやってくる絶妙の間もまた通信販売の妙味である。

私なんか待つことが嫌でたまらないのにね。通販道ってそういうことか、じゃあ極めなくていいわ。


受け取ってしばらく、梱包された品物を膝に置き、買った時のカタログの内容を思い返す。
ひと通り思い返すことができたら、満足して押し入れの中へ片づける。
私の中の通販はとうの昔に終わっている。カタログを手にして、眺めて、考えて、注文したとき、
喜びは燃焼し尽くしている。待っている間の余韻も消えた。品物が届くのは余分のことだ。

何を迷ったか、開けてしまうこともある。
ニッコリ笑って、「そうやろねぇ、やっぱりこんなもんやろねぇ」「ちょっとちゃっちいなぁ」と苦笑する。
使ってみると、全然思っていたモノと違うこともある。
あれだけカタログを睨みつけたのだから、考えていたものとは違うとは口が裂けても言えない。
ただただ自分の鑑識眼のなさを恥じるのみだ。通販のものを使うヤツの気がしれない。

どうよ、身近なあの友の顔が浮かんでは消え浮かんでは消え、あなたのやっていることとぴったりね。
とニヤニヤするのである。
ああ、これが暇つぶしの極意。ツアーカタログ眺める暇つぶしと同じなのね。

おすすめの1冊か、はたまた高みの見物的隠居の戯言ととみなすか、難しいわ。
いややっぱり難しくないな、そうに決まっているわ。

 

コメント (2)
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