prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「オードリー・ローズ」

2018年04月15日 | 映画
9歳の娘アイビーがいる夫婦マーシャ・メースンとジョン・ベックのところに、アイビーは5歳で交通事故死した自分の娘オードリー・ローズの生まれ変わりだと主張する男アンソニー・ホプキンスが訪れる。

アイビーはしばしば狂乱して窓ガラスを叩き、熱いものに触ったわけでもないのに火傷するといった事故で焼け死んだ時の状態を再現する症状を見せる。

アイビーが初めの方で友達に初潮が来たと母親に話すあたり、「エクソシスト」同様に子供だと思っていた娘の性の目覚めに対する親の戸惑いと恐怖といったモチーフもいくらかうかがえるし、怪しげな男(ブレイクする前とはいえ、後のレクター博士ですからね)に父親の座を奪われかねない反発といったドラマもある。

途中からインドの輪廻思想が語られてる一方、怪異現象に科学的・合理的なアプローチをあれこれ試みるあたり、ちょっと「ヒアアフター」みたいにどこまで映画の作者がオカルト的価値観を信じているのかよくわからず、どうも落ち着かない。

「エクソシスト」の前半のさまざまな医学的なアプローチの描写も相当に残酷だったが、これはあの前半の残酷さだけに絞ったような作り。

悪魔の仕業のどぎつかったりグロテスクな描写は完全に抑えて、淡々とした中に飽きさせないで見せるのはロバート・ワイズらしいが、見ようによっては合理的ゆえの残酷さがかえって強く出てしまった感があって、結末からしてこれでいいのだろうかと首を傾げた。




4月14日(土)のつぶやき

2018年04月15日 | Weblog