ひねもすのたりにて

阿蘇に過ごす日々は良きかな。
旅の空の下にて過ごす日々もまた良きかな。

風の森 露葉風807

2023年09月13日 | 酒と料理と
土曜日のBSで「おとなの嗜呑」という番組がある。
2時間ドラマの帝王、船越英一郎が美味い日本酒を味わうという、飲兵衛の番組である。
これで紹介されたのが、風の森 露葉風807という酒で、船越さん絶賛の生酒。
で、早速取り寄せる。

露葉風というのは酒米の名前で、風の森では「秋津穂」という酒米でも酒を醸している。
秋津穂では657と507が販売されていて、露葉風は807と507が販売されている。
数字の意味は、前2桁が精米度合いで最後の一つが酵母名。
807の場合、精米度80%で7号酵母を使った酒だという意味のようだ。


開栓注意のタグ付き

風の森のこのシリーズは生酒ということもあって、強くはないがシュワシュワとした発泡感がある。
開栓時は非常に気を遣う。
まず冷蔵庫で十分に冷やしておいて、蓋が飛んでもいいように電灯等のある場所を避ける。
また開栓後は冷蔵庫に立てて保管する、等々の処置が望ましい。

まず口が広めの器(ぐい飲みくらいの大きさがいい)に注ぐと、細かい泡が軽やかに立つ。
口にするとフルーティーな中に米の香りがあって、酒が米を原料にしていることを感じさせる。
味は中口、濃淡も中くらいに感じるが、どこかどっしりとした味わいがあって、非常に美味い。

「おとなの嗜呑」の中で、船越さんが「豪胆にして繊細」というちょっと分かりにくい感想を言っていたが、
飲んでみるとそれも宜なるかなという気がする。

さて酒の肴だが、丁度ホームベーカリーで焼き上がったパンがあったので、
4枚切りの大きさに熱々のパンを切って、カルディで買った塗る明太チーズを伸ばす。
焼きたてのパンだが、これをオーブンに入れて3分程火を通す。
塗ったチーズが柔らかくなり、パンもカリッと焼けて、これをつまみにする。
つまみと食事の両方を兼ねた一石二鳥のつまみとなる。
多分だが、カマンベールチーズのフライあたりもいい肴になりそうな酒だ。
いろいろ肴を試せる酒という気がする。
ではもう一杯!
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霜月記ほか

2023年09月01日 | 最近読んだ本
読んだ本の前回で少し触れた砂原浩太郎さんの「霜月記」。
神山藩シリーズの第3作になる。
今回の主人公は、神山藩の町奉行に18歳で就任せざるを得なくなった草壁総次郎と、
かって名奉行と言われたその祖父が関わっていく事件の話。



同じ神山藩シリーズではあるが、主人公の職責はそれぞれ異なり、それぞれの面白さがある。
私としてはやはり初めて接した「高瀬庄左衛門御留書」を一押ししたい。

そのほかには、宮部みゆきの「青瓜不動 三島屋変調百物語九之続」。
三島屋シリーズの最新作で、第5作までは不思議物語の聞き役は「おちか」で、
第6作目からは三島屋の次男坊「富次郎」に替わり今回は第9作になる。



実はこのシリーズは数年前にNHKで主演が波留でドラマ化されて放送されている。
宮部みゆきさんの作品はミステリーからSF風のもの、怪談物など多岐にわたるが、
三島屋シリーズは、得意分野の一つである怪談物に分類されるだろう。
そのドラマを見たせいか、波留の「おちか」が今でも鮮明に残っていて、
主人公が富次郎に替わってからは、場面が脳の中で映像的に結ばない気がして、今ひとつ入り込めない。

最後に、太田 愛さんの「未明の砦」。
巨大自動車産業に仕事する非正規社員、契約社員、季節労働者を取り上げたミステリーで、
社会派ミステリーと言っていいのかな、太田愛さんの弱者に注ぐ温かいまなざしが感じられる作品になっている。
この本を読むと、労働者に関する日本の法律がいかに企業に都合のいいように作られているのか驚くことになるだろう。



政治は常に強者に優しく、弱者に厳しい。
何故なら強者は声高で、弱者の声は小さくて届かないからである。
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