電車でさりげなく席を確保する方法
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/3272057.html?from=mixi_news&check_ok=1
朝の成田駅、2番線ホーム。ここでは毎朝きっかり同じ時間、06:57に戦争が始まります。
到着前、ホームに並ぶ人々はそれぞれ思い思いの事をしています。携帯をいじっている者、新聞や文庫本を読んでいる者、時には栄養ドリンクを飲んでいる者まで。
彼らは皆、これから始める熾烈な攻防に備えて鋭気を養っているのです。
知力・体力・時の運、すべてを兼ね備えた者だけがこの戦争を生き残る事ができます。
一日のうちのエネルギーを8割方ここで使うと聴きます。すべてはこの戦いに勝ってこそ、そうでなくては仕事をする意味もありません。
到着一分前、先頭のおっさんがさり気なく新聞を折り畳んでカバンに入れました。
それを見て2番目のおっさんは携帯をポケットにしまいます。ストラップも一緒につっこむところが、この戦いがいかに激しいものになるだろうかという想像がつきますね。
三番目のおっさんは持っていた栄養ドリンクの蓋を閉め、丁寧にカバンにしまい込みます。もちろん中身は空ですが、ごみ箱に捨てに行く間に後ろのハイエナ共に順番を奪われるわけにはいきませんので。
その時点で場の空気は剃刀のように鋭いものになっています。
ヤるか、ヤられるか、殺閥とした空気が流れます。この空気に耐え切れず、戦線離脱する者も現われる程です。
そして向こうから電車が来ました。ゆっくりと停まる電車、この時点で心理戦は始まっています。
一歩も動けずに視線だけで開いてる席をサーチするおっさん達。
自分が入るドアに一番近く、なおかつ席が空いてている、または空きそうな位置をこれまでの経験で得たすべての知識をフル動員して検索します。
そしてドアが開いた瞬間、ここからが本当の戦いの始まりです。
降りようとする人を素早い身のこなしですりぬけ、まっしぐらに空いてる席に走っていくおっさん達。
1番目のおっさんは人目も顧みず必死に走ったおかげで無事座る事ができ、とても満足そうに新聞を取り出します。
2番目のおっさんは1番目とは逆方向にダッシュします。
そう、彼には秘策があったのです。
彼が向かった先は女子高生の前!成田で降りるであろう学生の空いた席狙いでした。
そして狙い通り女子高生は席を立ち、電車を降りていきます。2番目のおっさんは、「お!ラッキー!たまたま前の女子高生が席を立ったから本当は座るつもりなかったんだけどせっかくだから座っていこう、他に座りたい人もいないみたいだし」
という顔をしてややゆっくり目に席に座れます。周囲のおっさん達の白い目などなんのその。たまたま席が空いただけというスタンスを貫き通すつもりです。
そして哀れ3番目のおっさん。彼は結局席に座る事が出来ず、虚しく吊り革に掴まりながら広告を眺めるふりをしています。
あぁ、あの時栄養ドリンクを買う為に自販機で立ち止まったのが敗因だった。ちくしょう。もし止まらずに列に並んでいれば…くそっくそおおお!とでも思っているのでしょうか。
目の前で満足気に新聞を読む一番目の憎たらしい顔が余計に屈辱感を生みます。
明日は覚えてろよ。明日ここにお前の席はない!その王座の椅子に座るのはこの、俺だ!
こうしてわずか数秒の間に繰り広げられた壮絶な戦いは幕を閉じました。
しかし戦いは明日も続きます。
椅子に座るということにどんな意味があるというのでしょう。たった数十分で疲れが癒えるとも思いません。
彼らがこの戦いを繰り広げることの意味は、彼らにしかわかりません。
座ることに意味があるのではなく、この戦いに勝利する為、ひとときの栄光の為に、毎朝戦い続けるのかも知れません。
一方、4番目のおっさん(僕)は、次の電車を待つことにしました。
だって、次の電車は成田発だから確実に座れるんだもの。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/3272057.html?from=mixi_news&check_ok=1
朝の成田駅、2番線ホーム。ここでは毎朝きっかり同じ時間、06:57に戦争が始まります。
到着前、ホームに並ぶ人々はそれぞれ思い思いの事をしています。携帯をいじっている者、新聞や文庫本を読んでいる者、時には栄養ドリンクを飲んでいる者まで。
彼らは皆、これから始める熾烈な攻防に備えて鋭気を養っているのです。
知力・体力・時の運、すべてを兼ね備えた者だけがこの戦争を生き残る事ができます。
一日のうちのエネルギーを8割方ここで使うと聴きます。すべてはこの戦いに勝ってこそ、そうでなくては仕事をする意味もありません。
到着一分前、先頭のおっさんがさり気なく新聞を折り畳んでカバンに入れました。
それを見て2番目のおっさんは携帯をポケットにしまいます。ストラップも一緒につっこむところが、この戦いがいかに激しいものになるだろうかという想像がつきますね。
三番目のおっさんは持っていた栄養ドリンクの蓋を閉め、丁寧にカバンにしまい込みます。もちろん中身は空ですが、ごみ箱に捨てに行く間に後ろのハイエナ共に順番を奪われるわけにはいきませんので。
その時点で場の空気は剃刀のように鋭いものになっています。
ヤるか、ヤられるか、殺閥とした空気が流れます。この空気に耐え切れず、戦線離脱する者も現われる程です。
そして向こうから電車が来ました。ゆっくりと停まる電車、この時点で心理戦は始まっています。
一歩も動けずに視線だけで開いてる席をサーチするおっさん達。
自分が入るドアに一番近く、なおかつ席が空いてている、または空きそうな位置をこれまでの経験で得たすべての知識をフル動員して検索します。
そしてドアが開いた瞬間、ここからが本当の戦いの始まりです。
降りようとする人を素早い身のこなしですりぬけ、まっしぐらに空いてる席に走っていくおっさん達。
1番目のおっさんは人目も顧みず必死に走ったおかげで無事座る事ができ、とても満足そうに新聞を取り出します。
2番目のおっさんは1番目とは逆方向にダッシュします。
そう、彼には秘策があったのです。
彼が向かった先は女子高生の前!成田で降りるであろう学生の空いた席狙いでした。
そして狙い通り女子高生は席を立ち、電車を降りていきます。2番目のおっさんは、「お!ラッキー!たまたま前の女子高生が席を立ったから本当は座るつもりなかったんだけどせっかくだから座っていこう、他に座りたい人もいないみたいだし」
という顔をしてややゆっくり目に席に座れます。周囲のおっさん達の白い目などなんのその。たまたま席が空いただけというスタンスを貫き通すつもりです。
そして哀れ3番目のおっさん。彼は結局席に座る事が出来ず、虚しく吊り革に掴まりながら広告を眺めるふりをしています。
あぁ、あの時栄養ドリンクを買う為に自販機で立ち止まったのが敗因だった。ちくしょう。もし止まらずに列に並んでいれば…くそっくそおおお!とでも思っているのでしょうか。
目の前で満足気に新聞を読む一番目の憎たらしい顔が余計に屈辱感を生みます。
明日は覚えてろよ。明日ここにお前の席はない!その王座の椅子に座るのはこの、俺だ!
こうしてわずか数秒の間に繰り広げられた壮絶な戦いは幕を閉じました。
しかし戦いは明日も続きます。
椅子に座るということにどんな意味があるというのでしょう。たった数十分で疲れが癒えるとも思いません。
彼らがこの戦いを繰り広げることの意味は、彼らにしかわかりません。
座ることに意味があるのではなく、この戦いに勝利する為、ひとときの栄光の為に、毎朝戦い続けるのかも知れません。
一方、4番目のおっさん(僕)は、次の電車を待つことにしました。
だって、次の電車は成田発だから確実に座れるんだもの。