・橋本知事の「脱原発」発言には十分に納得・賛同出来るレベルではない。例によって人気を考えての言うだけ発言のようにも感じられる。これは福島原発事故で被災された人達、復旧に努力されている人達に非常に無責任な、気持ちを無視した発言であると思う。
・福島原発事故で被災された人々のことを思う気持ちは非常に強くなってきている。また、毎日復旧に努力してくれている人達への感謝の気持ちも非常に強くなってきている。しかし、だからと言って「原発がなければ良かったのに」と思うのは少し無理がある。東日本大震災の影響で原発事故に繋がったことには違いない。しかし、これだけの事故、いや今後も更に大きくなるかもしれない事故となったのは単に大震災と原発の存在だからと決めつけるのには早すぎる様に思われる。
・原発の耐震設計、原発の緊急時対応設備・システム、東電の原発の緊急時対応マニュアルと訓練実績、事故発生時の初期対応、緊急連絡体制、政府の緊急対応等にも多くの問題があったものと推定出来る。原発事故は大地震による単なる災害ではなく人・システムの不十分であったためから来る事故の要素が大きかったように推定出来るのだ。これらのどれかとどれかが十分であればこれほどの原発事故とはならなかったものと推定出来るのだ。
・被災された人々の気持ちを考えると私なんかが言う事ではないと思うが、「福島に原発がなかったら」と思うよりもどんな事実経過で、どんな状況となり、どんな対応が取られたのかを解明することも重要と考えられる。そしてそれらに不十分な事はなかったのか、見直し、改善すべきことはなかったのかを検討し解明することも重要と思われるのだ。これも被災された人達や復旧に努力されている人達のために早急に必ず全分野で実施すべきであると思う。
・橋本知事の「脱原発」発言は無責任である。どのような状況・原因で福島原発事故が大きくなったのかを考えることをしていない。単に関西各府県や関西電力などに原発に頼らない将来構想づくりを呼びかけているだけである。福島原発事故で被災された人々とその人達を思うわれわれの気持ちを利用し、考えての単なる人気取り発言のようにも思える。極端ではあるがこれは「飛行機がなければ飛行機事故が起こらなかったのに」とか、「母親と子供がいなければ虐待もなかったのに」と言ったことと同じようなものとも思える。
・橋本知事は関西広域連合の会合でも提案するとのことである。知事としてはもっともっと話し合う事もあるのではと思われる。安心できる道路の通じた避難場所の確保が出来ているか、仮設住宅予定場所が確保出来ているか、またその仮設住宅建設のための材料がどこにどの程度の軒数分が確保出来ているのか、子供や老人のための薬等の保管・取り換えがどの程度できているのか、緊急時の水や食料の運搬道路等のケーススタディが出来ているか。これらについて再度確認しようと提案してほしいものだ。
・原発推進派でなくてもこのような感じを持つのは当然であると思う。早く福島原発事故について解析をしてほしいものだ。