きゃおきゃおの庭

近代建築から現代建築までPHOTOたてもの探訪の記録。大切にしているものなど写真で綴ります。

夏の飛騨と信州の旅3 古川 八ツ三館

2012-08-16 | 飛騨
その旅館は、荒城川沿いにありました。
  



旅の一日目の宿八ツ三館
車を停めさせてもらい、町歩きをしようと向かったのです。



玄関前に車を止めると、慇懃に迎えられ 帳場脇の応接室 鹿鳴に通されました。



「荷物を置かせてもらったら、すぐ散策に行きますから…」といったにもかかわらず
「少しお待ちください。お茶をご用意いたします」といわれ 椅子に座ってしばし待つことに。



お茶はお茶でも…抹茶が運ばれてきました。
外の暑さを忘れる 美味しさです。

20年位前に古川を旅したことを係りの方に話し、お寺前に大きな店があったけど無いですねと話しかけたら
それは「アラキ呉服店」で、今は駐車場になってしまったんですよ。洋館の病院もありましたが、今は更地になりました。
とのこと。もっと古い洋館の病院があったらしい。
古い建物がお好きなら、ぜひ当館の古い玄関など見てくださいね…。

町歩きの後、館内を探検したのはもちろんです。


国登録有形文化財に登録されているのだそうです。







お風呂は、婦人用は五右衛門風呂がバラ風呂となっていました。
ざぶんと身を沈めると ざざーっと湯がこぼれ
バラの花も流れ落ちそうになり あわてて両手を広げて囲いました。
大輪の色とりどりのバラを見てると、気分はお姫様~。
室内の湯船からつながっている露天風呂というのは初めて。
びっくりしました。


夕食は、個室食事どころへ。


食前酒
 

食事の部屋は、庭を見渡せる掘りごたつ式のテーブルのある和室でした。
はじめは、古川の夜の雰囲気をお楽しみくださいね。
照明はしばらく消させていただきます。とのこと。
ゆらゆらとたなびく和ろうそくの炎に見入りながら 今日一日のことを思い返しました。

料理はそのつど運ばれてきて、わくわくしながら頂きました。
お造りの 河ふぐに一番驚きました。
季節感のある手の込んだ品の数々。
地酒の冷酒を注文したら、氷の張った器に花が添えられて運ばれ、
涼しげなガラスの盃が4つ。好きなものを選べるのです。

先付けから始まり14品。
目もお腹もいっぱい。ごちそうさまでした。

帳場前に、線香花火が置いてあり
旅館前の道路で 楽しみました。



和紙の巻いてある線香花火は、頼りなさげに点火し
ジジーッと火の玉ができ 繊細な火花がはじけます。
いきなり ぽとりと火玉が落ちておしまい。
はかないところが 線香花火の良さかな。



旅館のパンフレットに書いてあることば
「おかえりなさい」

ふっと 聞こえたような気がしました。



隅々まで もてなしのこころの詰まった旅館です。
きちんと着物をまとった美しい若女将さんに また会いたいな。
もっと近ければ良いのに…。
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする