このは紅葉のお絵かき日記

トランプ大統領・たつき監督・irodoriの味方だよ

#538 北風昏迷録(8)

2007年10月14日 | そのほか
「男がスカートはくなんて変じゃねえか?」
「女装趣味のヘンタイだよな」
「同じクラスにヘンタイがいるなんてイヤだな」


「誰がヘンタイだって!? あたしは男じゃないぞ!」
「なにムキになってるのよ! 誰もおまえのことだとは一言も言ってないぜ!」
「そんなにムキになるなんて、やっぱりおまえは男だったんだな」
「女装趣味のヘンタイオンナオトコ!」
「なんだと!」

「ヘンタイ!」
「ヘンタイ!」
男子グループが大声ではやし立てると、ほかの男子たちも加わって大勢で島崎さんを取り囲み、いっせいに侮蔑の言葉をぶつけました。
「あたしだって…」

ほかの女子が割って入りますが、言葉の暴力はやみません。
島崎さんがこらえきれずに泣き出してしまいました。
「やった! 泣いたぞ!」
「俺たちの勝ちだ!」

「紅葉ちゃんどうしたの?」





「なんだ、こいつ!? 怒ってるのか?」
「紅葉が怒ったのを初めて見た。こいつでも怒ることがあるのか?」
「なんか…やばくないか?」

「紅葉ちゃん!」
わたしは意識が遠くなって倒れ込みました。

「紅葉が死んだ!」
「オレ、知らね!」
「オレも、しーらね!」
男子グループはその場を逃げるように立ち去ったと言うことです。
(「死んだ」というのはわたしが倒れてぐったりしたときに、男子たちが使っていた言葉です。わたしが倒れるのは珍しいことではありませんでした。)

つづく…