
原題 DIE HERBSTZEITLOSEN/LATE BLOOMERS
製作年度 2006年
上映時間 89分
製作国・地域 スイス
脚本 ザビーヌ・ポッホハンマー
監督 ベティナ・オベルリ
出演シュテファニー・グラーザー/ハイジ・マリア・グレスナー/アンネマリー・デューリンガー/モニカ・グブザー/ハンスペーター・ミュラー
スイスの谷間の小さな村を舞台に、80歳のおばあちゃんたちがランジェリーショップを開くために奮闘する様を描いた人間ドラマ

夫の死後、何ヶ月も立ち直れないでいたマルタを3人の友人は心配するが、
そんな彼女たちにもそれぞれに厳しい現実が差し迫ってきていて・・・
マルタが商売に身が入らないのを良い事に、村の牧師であるマルタの息子は
マルタに店を明け渡してもらって「聖書の会」の集会に使うつもりだった。
息子のそんな思惑など知らないマルタは、合唱団の生地を買いに街に出た際に、昔よく行ったその生地の店で美しいレースなどに遭遇し、結婚前の自分の夢を思い出す。
昔作った自分のランジェリーを、片付けにきた親友のリージにみられて、その腕前を知っているリージは彼女の夢の唯一の応援者となり、
ランジェリーショップのオープンに向けて二人は秘かに、準備を進める。
保守的な村の人たちの手前もあってフリーダやハンニは応援できないという立場をとっていたものの、それぞれに老いから生じてくる問題もあって
ついに4人の仲良しお婆ちゃんは結束するのですが…―

保守的と、一言で片付けられないような男性たちの身勝手さ、横暴さ。
それを当然のように受け入れてきた女性たちの歴史も感じさせますが、そんな閉鎖的な村にもパソコンが普及してきて、
新しいものに取り組む人たちがマルタを救い、流れが変わっていくのが嬉しい。
緑いっぱいのスイスの村の、可愛らしい家並みや花が咲き乱れる窓辺、可愛いレースのカーテンなどに囲まれて
おばあちゃんが奮闘する楽しい作品でした

スイスと言えば昔から時計が有名ですが、刺繍も有名なんですよね。
昔、お土産に貰った刺繍のハンカチと小物入れは可愛らしくて豪華すぎて、とても実用的ではなかったですが、
この作品を観た次の日に、恭子ちゃんの「下妻物語」で、主人公の桃子がボンネットに施した刺繍、
BABYの社長に頼まれてドレスに可愛らしいリボン刺繍を刺す映像をみながら
やっぱり刺繍っていいなあ~と改めて思いました~

kiraさんはレンタル観賞の作品選びのセンスも良いですね。
この作品大好きです。(*^-^*
映画祭で初上映された時の仮タイトルは『遅咲きの乙女たち』だったんですけど、
高齢になってもオシャレ心があって新しい事を始めようとしていく
前向きな彼女達は素敵ですね。
私も好きな映画です。
スイスの山あいの村の、緑と花と白いレースに囲まれた家々、非常に美しい風景でしたが
保守的で閉鎖的という点においては
何処も同じだなとつくづく思いました。
特にマルタの息子、
牧師のくせにそこまでするか?というくらい
酷かったですよね。
邦画とヨーロッパ映画の視点のご指摘、
なるほどなあ~と思いました。
「マルタのやさしい刺繍」も解りやすくて良いけれど、
『遅咲きの乙女たち』を聞いてしまうと、まあ鑑賞後だからかも知れませんが
その方が作品にぴったりという気がしますね
一人では難しいことも、理解して一緒になって突き進んでいく姿が
可愛くもあり、頼もしくも思えて、いろいろその後を想像してみたい作品でした♪
>保守的で閉鎖的という点においては
>何処も同じだなとつくづく思いました
zooeyさんはほぼ私と同年代だと勝手に思っているのですが、
それもあってこの作品から受ける印象も、たぶん感想も
同じような感じを受けられたのだと想像できるのです。
そうそう、施設に入れようとする息子とか、
免許を取らせなかったのも夫で、、それを受け入れてきた女性たちにも
かなりガマンの歴史を感じて、余計に爽快な展開でした
何を始めるにしても遅過ぎるってことはないですよね。
特に本人がやりたいのであれば。
女性や老人は中にっていうのは、どこでも同じなんですね。
それも少しずつ変わっていくのでしょうね。
馴染みのないスイスの映画でしたが、女性としては
この封建的な村も、老いて発奮するおばあちゃん達も
凄く身近に感じられ、キモチが元気になれました
若い人が変えていくんじゃなく、老人がリードするっていうのが嬉しいですよね