to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

バンクーバーの朝日

2014-12-27 22:01:37 | the cinema (ハ行)

明日も見えない異国の地で、
そのチームは希望になった。

上映時間 133分
脚本 奥寺佐渡子
監督 石井裕也
出演 妻夫木聡/亀梨和也/勝地涼/上地雄輔/池松壮亮/高畑充希/宮崎あおい/貫地谷しほり/田口トモロヲ/鶴見辰吾/光石研/石田えり/佐藤浩市

戦前のカナダ・バンクーバーで活躍し、2003年にはカナダ野球の殿堂入りを果たした実在の日本人野球チーム“バンクーバー朝日”の感動の物語
1900年代初頭、多くの日本人が新天地での成功を夢見てカナダへと渡った。しかし、そこに待っていたのは容赦ない差別と低賃金による過酷な肉体労働だった。貧困にあえぐ日系移民の人々は、その日を生きるのに精一杯で、夢や希望を抱くこともできぬまま、塗炭の苦しみを味わい続けていた。そんな中、移民二世のレジー笠原は仲間を集めて日本人野球チーム“バンクーバー朝日”を結成する。最初は白人チーム相手に体力的にまるで歯が立たず、皆からバカにされるレジーたちだったが…。

予告で感じたよりももっと、、日系移民の惨憺たる現実に重点を置いた、
ゆえに閉塞感に満ちた作品でしたが、日本で撮影したというのが信じられない美術スタッフの頑張り、
キャストも嵌っていて、佳い作品でした。


カナダで3年真面目に働けば、大金を手にすることが出来る――そんな甘い言葉を真に受けて、、
レジー(妻夫木聡)の父笠原清二(佐藤浩市)も海を渡った。
そして、何もなかった原っぱは日本人の手によって日本人街ができ、そうして二世たちが成長した頃、
差別もそれによる仕事からの締め出しも厳しさを増し、いよいよ貧困に拍車がかかる。

そんな2世たちの、遣りきれない生活の中で唯一の楽しみは野球。
“バンクーバー朝日”は、差別と貧困に喘ぐ多くの日本人の希望の星ともいえる存在だったが…


実際には、1914年から1941年まで活動していたチームのお話を、
ざっくり1年のドラマにしてあったのが潔いといえば潔く、観やすい。
作品中のセリフで、ニッポンではプロ野球チームが出来たらしいぞとか情報としてあるから
設定としては1930年代後半なのだろうけど、
ここでも戦争が若者の希望を奪っていく―。

母国日本を知らず、カナダの地に生まれ、差別を受けて成長し、、「敵対外国人」にされる。。
祖国に帰れば、徴兵されて、また外地に行かされる――。
そんな時代でも、日本人らしく生きた、闘いの青春ドラマ。良かったです!





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Merry Christmas! | トップ | ゴーン・ガール  »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

the cinema (ハ行)」カテゴリの最新記事