to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

九月に降る風

2009-10-25 11:59:28 | the cinema (カ行)
この煌めきが風になる
製作年度 2008年
原題 九降風/WINDS OF SEPTEMBER
製作国・地域 台湾
上映時間 107分 PG-12
プロデューサー エリック・ツァン(曾志偉)、イェ・ルーフェン(葉如芬)
監督・脚本 トム・リン(林書宇)
出演 リディアン・ヴォーン(鳳小岳)/チャン・チエ(張捷)/ジェニファー・チュウ(初家晴)/ワン・ポーチエ(王柏傑)/リン・チータイ(林祺泰)/シェン・ウェイニエン(沈威年)/チウ・イーチェン(邱翊橙)/チー・ペイホイ(紀培慧)/リー・ユエチェン(李岳承)

台湾期待の新鋭・トム・リン監督が、自身の高校時代を重ね合わせて描く切なくも瑞々しい青春グラフィティ。
1969年9月、高校3年生のタン(チャン・チエ)は仲間たちと野球観戦に出かける。親友のイェン(リディアン・ヴォーン)を筆頭に、最年長だがいまだ高校2年生のヤオシン(ワン・ポーチエ)や、1年生のチーション(チウ・イーチェン)らを含む7人組はいつも騒動の渦中にいた。今回も彼らは野球場でばか騒ぎし、教官室に呼び出され……。

リーダー格のイェンは公認の恋人ユンがいるが、街で可愛い子を見かけるとナンパし、ポケベルの番号を訊きだす。
そんな彼と親友でありながら同級生のタンは、ユンの数学を見てあげているが、実は彼女に惹かれている。
もう一人の3年生で超人というあだ名のチンチャオは実はイェンが好き。タンには複雑な思いを抱えている。

それでも放課後にはポケベルで連絡を取り合い、憧れのプロ野球選手リャオ・ミンシュンの試合を観戦したり、
夜のプールで皆でじゃれあったりと仲良しだ。
このポケベルも懐かしいアイテムだけど、重要なキーとなる。

チョイト見のブログで、この7人の友情に何かがあって、
その友情にひびが入る的なことがかいてあったと思うので、
かなり序盤からドキドキして、はしゃぎ過ぎな彼らを見守っていました。。。

107分という短い時間に、彼らの関係性は短く語られていて無駄なセリフも無く、
ちょっとでも聞き逃したり、見逃せば??が残るかも知れない緻密でタイトな作品。


たったひとつの行動が・・ちょっとしたいつもの思い遣りが・・たったひとつの嘘が・・・

何もしなければ、何事も起こらなかったかもしれないあの頃・・・
何が起こっても不思議ではなかったともいえるあの頃・・・
幾つものもし・・を、この彼らに代わって遡ってみたくなり、
かけがえのない青春の痛みを知る物語にこころはもう水色...

監督自身の学生時代の体験を基に脚色されたものらしいですが、
よくある学校の問題児のエピソードばかりなのに、
この7人の性格が、ちょっとしたセリフや何気ないショットでちゃんと表現されていて、
2度と戻らない青春の輝きと傷痕に心が震える。忘れられないドラマになっていました

九降風=台湾北西部の町、新竹に9月になると降る季節風。
この時期の台湾では卒業と入学が続く人生の節目の季節なので、日本で言えば桜のような存在だとチラシにありました。

迷いながら行った『ジャック&ベティ』,若い女性が多かったですが、
これ、、男子に観て欲しい作品です
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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは。 (ジョー)
2009-10-25 22:09:52
とうとうご覧になったのですね。
しかも、ジャック&べティで。
黄金町っていうから、どんなに派手な町かと
思ったら、場末といった感じでびっくりした
記憶があります。
でも、個性的な映画を上映する貴重な映画館です。
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瑞々しい! (sabunori)
2009-10-25 22:55:33
kiraさん、こんばんは。
この作品よかったですよね!
おっしゃるとおり7人の性格が最小限のエピソードの中で実にキチンと描かれている作品でした。
普通7人もいたら1人や2人ゴッチャになってしまう子がいたりするものですが、この作品はそういうことがなく7人7様の個性が出ていましたね。
この作品は台湾映画ですが実は香港編、中国編もあるんですって。
私はとりあえず香港編を観たのですが、個人的には台湾編の方が好みですね。
10年前という時代設定もノスタルジックさが加わってよかったと思います。
返信する
 (とらねこ)
2009-10-26 13:44:28
kiraさんこんにちは~♪
ジャック&ベティって、何かな?と思ったら、映画館だったのですね。
ミニシアター系しかかからない映画館て、何かと個性的で、初めて行くとオヤ、なんて思いますよね

さてこの作品ですが、淡い優しさに溢れているというか、馬鹿なことをする青年たちのそれぞれの焦点の当て方がとても上手で、
kiraさんのおっしゃる通り、無駄のない描き方がなされていました。
こういうことをさりげなく描き、かつ全体の雰囲気がとてもある、というところに、すごく評価をしたくなってしまいます。
返信する
ジョーさん* (kira)
2009-10-27 19:02:01
そうなんですよ~。「ジャック&ベティ」
地図は黄金町で調べて行ったのに、土壇場でひとつ手前で降りてしまい・・・
焦りました!が、
なんとか開演には間に合いました♪
もう、1日に1回の上映になっていましたが、無理して行って良かったと思える作品でした!
この映画館、なかなかのラインナップですよね~。
返信する
sabunoriさん* (kira)
2009-10-27 19:14:44
ほんと、私の中で台湾青春映画のベストの
「藍色夏恋」みたいな感じかな~と思っていたのですが、
全く雰囲気は違いました!
思えば楽しくつるんでいた最初の頃から、
爆発するあの頃に至る伏線のような、
7人の個性を何気に映し出していたんですね~。
素晴らしい脚本でした!

sabunoriさんの香港編の記事、読ませていただきました!
韓国以外のアジアのDVDは、ほとんど置いていないのでまず観れないだろうと思いますが、
今回のように名画座などの上映があればいいなぁ~と思っています。

あ、そうそう、私も落第2年生のヤオシンくんが好みです~
返信する
とらねこさん* (kira)
2009-10-27 19:24:39
見逃して追いかけると、どうしても遠出になってしまい、
しかも行ったこともない名画座とかだと本当に戸惑うことも多いですよね
でも、今回のこの映画館は作品のチョイスが結構面白いので、
近々また行くかも知れません。
(今度こそ迷わずに

最近はちょっとハリウッドモノに食傷気味というか、
なのでこの瑞々しい青春映画が、とても新鮮で
こころに懐かしい風が吹き込んだ感じです
返信する
こんばんは^^ (rose_chocolat)
2009-11-01 03:00:45
TBとコメントのお返しの時間がなかなか取れませず、こんな時間に徘徊しております(苦笑

ジャクベでご覧になったんですね!
ジャクベの方が実はうちは近いんですが、ユーロに行ってしまいました。 ジャクベは見逃してしまった映画がかかるので、何気に要チェックですね。
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rose_chocolatさん* (kira)
2009-11-02 22:57:12
この映画館がお近くなんですか?

近くに結構大きなシネコンが幾つかありますが、
けっこう似たようなラインナップなんですよね~。
これは見逃してしまうと、恐らくそのまま観れなくなる予感がして追いかけましたが、
満足の、私好みの作品でした
返信する
Unknown (Hitomi)
2009-12-16 19:51:01
kiraさん、こんばんは。

自分の青春時代を思い出す作品でしたよね、あの頃って些細な事が楽しくてその楽しい事って永遠に続くような気がしてたんですよね。

この映画にでてる彼らもまさにそんな感じ、でもちょっとしたボタンの掛け違いで簡単に崩れていってしまう。

高校時代という輝いててでもガラス細工のように脆い感じが上手く表現されてましたね。
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Hitomiさん* (kira)
2009-12-31 10:24:16
群青劇って、実はあまりいつもは惹かれないんですが、
コレは良かった!
7人それぞれに個性があり、このストーリーにそれが上手くかみ合って絡んでいました。

そうですね、、何事も無いような高校時代も、傷つき傷つけあって居たのかも知れないと、
心にチクチクとした痛みが懐かしい作品でしたね
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