横須賀市が回転サーチライトに対し規制条例を制定

2006-12-10 23:10:59 | 環境
このほど、横須賀市の市議会議員の原田あきひろさんが駅頭で配布したチラしに、「サーチライト規制で夜空を」という見出しを見つけました。横須賀市がサーチライトを規制する条例制定に向けて動いているという内容のものでした。私もその昔、原田市議会議員さんに直接メールで苦言を寄せたことがあります。

私の住む星空環境は年々悪化の一途をたどり、観測を続けている天文屋にとっては死活問題になってきています。最近では4年前より、ついに夜空に回転サーチライトまで登場し、観測には致命的ともいえる環境になってしまいました。家の西南方向に見られる上空に照射しているその施設は、長井にあるラブホであることはつきとめました。もう我慢にも限界があり、なんとかせねばという気持ちから、
横須賀市にも我々天文屋からの悲鳴の声を届けました。市に条例で規制して欲しいと。
市の方では、規制するための法律や条例がないものの、サーチライトを照らしている事業者に対し、照射の自粛を要請してきたようですが、実際のところ、改善は見られなかったようです。
国でも「光害対策ガイドライン」「地域照明環境計画策定マニュアル」「光害防止制度に関するガイドブック」を策定し光害への対応の指針をしめすものの、実際の効果は期待できないものとなっているようです。そこで、横須賀市も我々の苦言を尊重してくださったようで、条例設定に踏み切ってくれたようです。自然の暗さが大事であることを理解してくれたようです。

ベテラン観測者に聞きますと、約40年前は横須賀市でも天の川が見えたといいます。
それが今は4等星が肉眼でやっとの夜空ですから、写真はもとより眼視観測でも暗い星は確実に見えなくなってきてます。夜空の光は地球に平等に降り注いでいます。日々星を見る天文屋にとっては、遠征しなければ星が見られない状況下では困ります。夜空には無数の星が輝きその光を放っています。
夜空を見上げると何の変化もないように思われがちですが、実は我々生命を持つものと同様、星の世界も、誕生から死、また誕生へと輪廻を繰り返してます。その変化をはっきりと見せてくれる星、それが変光星なのです。

他の地で同様の問題に悩む天文ファンの方、今こそ立ちあがってください。
もう泣き寝入りは禁物です。「暗い夜空を取り戻しましょう」っていうか、
これ以上悪化しないように行政に働きかけましょう。