木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

質問をいただきました

2017-05-30 21:47:37 | お便りコーナー
PTA非会員の子供に記念品等を渡さない行為について (サイトン)
2017-05-27 13:29:53
 はじめまして、タイトルの行為に関する以下の①②の主張についてご意見をいただけると幸いです。

 卒業式の際等にPTA非会員の子供に対してだけPTAが用意した記念品等を渡さないということが現実起こっているようですね。
 そのような行為を肯定する人間に理由を聴取したところ以下のようなことを述べました。

①PTA会員がお金を出し合って用意した記念品なので非会員の子供に与えないのは当然のこと、ただし、その分の実費を負担するのであれば与える。PTAは社会教育関係団体であり、ボランティア団体ではない。

 それに対して以下のような疑問をぶつけましたが特に明確な回答はありませんでした。先生はどう思われますか。
 公的な行事の中で非会員の子供を排除するような行為は学校の子供を支援するというPTAの理念に反するのではないか。お金も払っていないのに欲しがるな、ではなく、払わない人の子供にはあげないようなものをPTAが用意するのがそもそもおかしいのではないか。

 ただ、それに対して以下のような主張も受けました。
②では、公的な行事以外の時間に学校以外の場で会員の子供のみに配る。それなら問題ないだろう。
 
 これについても学校の施設等を無償利用できる等の特別な便宜を受けている団体の活動である以上、公的な行事以外の時間であってもそのようなこと会の理念に反し、許されないように思うのですがいかがでしょう。先生はどう思われますか。



まず、①そのPTAがどのような団体であるかは、
そのPTAの規約によります。

そこに、「会員限定のサービス、利益提供団体」であることが明確に書いてあれば、
そのPTAは「学校に通う子どもたち全員のための」ボランティア団体ではないと言い切れるでしょう。
(社会教育団体であることとボランティア団体であることは矛盾しないので、
 社会教育団体云々というのは、どうでもよい主張に見えますが)

なので、相手PTAの規約を見せてもらい、
そこに会員限定の趣旨が明確に記載されていなければ、
そもそも、「お前らPTAの理念に反している」と言えるでしょう。

次に、明確に会員限定サービス団体だった場合には、そういう団体を学内で活動させることが
いじめ防止対策推進法の趣旨に照らしてまずいので、やめるよう教育委員会に指導してもらう必要あり
といったところでしょうか。


ただ、実費を払う非会員にもサービスなどを提供するのであれば、
希望する全員のための活動なので、非会員を排除しているとはいいがたいかもしれません。


また、②学校以外の場で会員の子どものみに配るのであれば、
それは、学習塾やスポーツクラブなどのプレゼントと一緒なので、基本的には問題がなさそうです。
ただ、それが非会員や、プレゼントをもらわない子供へのいじめを誘発する危険があれば、
やはり、いじめ危険事案として、学校から一言言ってもらうべき事案でしょう。

という感じかなと思いますが、
何か状況で理解できていないことがあれば教えてください。

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8 コメント

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Unknown (サイトン)
2017-05-30 23:02:23
 ご回答ありがとうございます。規約を確認するという方法がありましたね。学校ではなく教育委員会にいうという発想も抜け落ちておりました。
 ありがとうございます。

>ただ、実費を払う非会員にもサービスなどを提供するのであれば、希望する全員のための活動なので、非会員を排除しているとはいいがたいかもしれません。
 (意見)
 貧困等を理由に実費を用意できない家庭があった場合は、結果として“その子供だけにあげない”ということになり、当該児童が劣等感を抱いたり、他の子供の差別感情をいたずらに煽ることに繋がると思うのですがいかがでしょう。学校の子供が無条件での支援の対象である以上、実費負担を求めるのも“できる限り”にとどめておくべきであるように感じます。

>(社会教育団体であることとボランティア団体であることは矛盾しないので、
 社会教育団体云々というのは、どうでもよい主張に見えますが)
 (意見)
 そうですね。これは私も言われた際、意図するところがよくわかりませんでした。

>学習塾やスポーツクラブなどのプレゼントと一緒なので、基本的には問題がなさそうです。
 (意見)
 配る場所さえ学校でなければ問題ないということでしょうか。それで“学校の子供たちを分け隔てなく支援しよう”というPTAの活動理念を果たしていると言えるのでしょうか。
 プレゼントを用意する当のPTAは学校施設の無償利用等の特別な便宜を受け、その環境の中で打ち合わせをするなどして用意したプレゼントを配るということだと思います。
 どこで配るかは、その長いプロセスのほんの一部でしかないのではないでしょうか。最初の打ち合わせから全て学校の施設外でやりきるというのであればまだわかりますが。

(なお、私の質問はかなりしつこいので、キリの良いところできりあげていただければと思います。この質問も返答いただけなくとも構いません。)
>サイトンさま (kimkimlr)
2017-05-31 20:16:26
まず、有料会員限定サービスについては、
やはりまずい気がしてきました。
非会員からお気持ちをいただくことはともかく、
強制は会費そのほかまずいですね。

あと、外で渡すプレゼント問題については、
もちろん、最初の打ち合わせから学校の外でやるイメージでした。

あまり便りにならない可能性もあるのですが、
公立学校の場合、
会員限定サービスの団体に学校が施設を利用させているのだが、
これは公共施設の不適切な利用ではないか
ということを、地元自治体の監査委員会に相談するという道(あるいは、監査委員会への相談も視野に入れていると指摘したうえで、学校施設の管理責任者、すなわち校長にかけあう)もあると思います。

どんなもんでしょうね。
Unknown (サイトン)
2017-06-02 01:06:16
 丁寧にありがとうございます。
 実費負担しないと非会員の子供には渡さないようなプレゼントをPTAが行事用に用意するのはやはりおかしい、という認識でよろしいでしょうか。

>あと、外で渡すプレゼント問題については、
もちろん、最初の打ち合わせから学校の外でやるイメージでした。
 (意見)
 ただそれでも、PTAという団体の活動として一部の子供だけを支援するというのはやはりおかしいのではないでしょうか。
 [会員]⇒[PTA]⇒[会員の子供]
 という限定されたモノの移動であればそもそもPTAを挟む必要がないと思います。
 PTAが受けている種々の特権を一切享受しない“プレゼント交換会”といった団体を新たに立ち上げて、その会員の中でプレゼントを渡しあうような体制なら何も文句はないんですが。
 [会員]⇒[会員の子供]

>地元自治体の監査委員会に相談するという道
 (意見)
 すみません。恥ずかしながらあまりよく理解していないのですが、監査委員については公金の支出等が適正に行われたかをチェックする仕事、というイメージでおりました。施設利用が適当かどうかの判断にまで介入できるものなんですか。

 以下の資料を斜め読みしただけなので、認識が誤っていたらすみません。

現行の地方公共団体の監査機能について
http://www.soumu.go.jp/main_content/000059448.pdf
>サイトンさま (kimkimlr)
2017-06-02 07:19:33
そうですねえ、
休日に野球チームやサッカー教室が
学校を使うことはあるわけで、
会員限定サービスを学校活動と
完全に独立にやる場合には、
学校施設の利用を認めても違法ではないような気がします。
このあたりは教育委員会や文科省に確認していただければ、いろいろ出てくるかもしれませんが。

あと監査委員会はお金だけでなく
公有財産の不適切な使用により自治体に損害を与えた場合にも活動する委員会ですよ。
本来とるべき使用料をとっていないのが違法だ
という議論をもっていけば、
相談に乗ってくれる可能性はります。
Unknown (非会員です。)
2017-06-02 18:19:23
私も、しつこく質問させていただくこと (しかも長文) をお許し下さい。

木村先生の御意見、「学校教育法137条により、学校施設の学校教育以外での利用は、社会教育その他公共のために使う場合でなければならず、会員(の子)限定サービスは 『公共のため』 とはいえなからダメ」 というのは、下記【A】~【C】の、何を指しているのでしょうか? (すべて該当?)

【A】…PTA主催イベント等の活動場所として、学校施設 (校庭や体育館など) を使わせてもらえる。
【B】…【A】だけでなく、365日いつでも、学校施設内に事務局 (PTA室) を置かせてもらっている。
【C】単に学校施設 (学校という場所) を使わせてもらえる (【A】と【B】) だけでなく、しょっちゅうプリントや記念品を先生に配ってもらったり、授業時間に入り込んで親子レクをさせてもらったり、会費の集金,役員の選出,総会の開催・・・「学校の内部組織?」と誤解されるほどに、全面的に学校 (=公務員である先生たち) の協力を得ながら、運営させてもらっている。

【A】について、「スポ少や ママさんバレー,自治会,子供会など、PTA以外の団体も、放課後や休日に 学校の体育館や校庭を借りて、団員や会員だけが対象の活動をすることが許されている。だからPTAも、学校カリキュラム外であれば、会員(の子)限定で活動しても構わないはずだ」、と言う人達がいます。

(たとえば、この会話 ⇒ https://twitter.com/JingujiPico/status/869907554100322305

このような主張は、基本的には正しくて、「PTAも、これらの団体と同じ手順で、施設利用申請の手続きをするのであれば、学校教育時間外(放課後や休日)に 校庭や体育館を使わせてもらって、 会員(の子)限定の活動をしても問題なし」、なのですね?
(非会員の子へのイジメに繋がらないよう、やり方を工夫する配慮は必要でしょうけど。)

※実際、入退会自由化を実現していることで有名な岡山西小学校PTAは、プール開放 (体育授業の一環ではなく、PTAによる娯楽サービス) の参加資格を、会員の子だけに限定しているそうです。
PTAは児童を差別してはダメなはずなのに、おかしいんじゃないか? と私は思っていましたが、夏休み中のイベントですから学校カリキュラムとは無関係ですし、
岡山西小PTAが、どのような手順でプールの使用許可を取っているのかは存じませんが、もし スポ少などが校庭を使わせてもらうのと同じ手続きを経ているのであれば、「会員の子 限定」でも問題なし?

※ そのPTAが、「すべての子が対象」 という規約を持っていれば、規約には反することになりますが、この場合の規約違反 = 法律違反ではないし、
任意団体である以上、何なら 「学校カリキュラム外の活動に於いては、会員(の子)限定でサービスを提供する」 と規約を改定し、「アメリカでPTAが発祥した当時の 崇高な理念は知っているが、それに合わせるつもりはない。我が単Pは、こういう方針だ!」と開き直ってしまうことも、理屈としては可能なのでしょうから。

では、学校長が、そのような規約を持っていたり、実際に 「学校教育時間外に、会員(の子)だけを対象に活動」 しているPTAに対して、【B】や【C】のような特権を与えることは、適切であると言えるでしょうか?

「スポ少だって校庭や体育館 を使って会員限定活動をしているのに、なぜPTAだけダメなんだ」と主張する人に対して、
「スポ少とは違ってPTAには、【B】や【C】のようなことまで認められているでしょう? すべての児童を対象とする団体だからこそ得られる特権だ」 と私が言うと、

「【B】や【C】のような特権と引き換えに、PTAは、金銭的・物理的に学校を支援している。会費から学校へ寄付したり(←場合によっては違法?)、学校行事を手伝ったりして、それは全ての児童への恩恵となる。」
「 “学校カリキュラム外での、会員の子 限定サービス活動だけ” を行っている団体が、【B】や【C】のような特権を得ているのなら、それは確かに変な話だが、“会員の子 限定サービス” と並行して、“学校運営の支援(=全ての児童が対象)” も担っている団体であれば、【B】や【C】のような特権が認められても良いはずだ」、という答えが返ってくるのです。

例えて言うなら(変な例え話かもしれませんが)・・・
もしPTAも保護者会も存在せず、先生と児童だけで間に合う範囲内で、細々と運動会などをしている公立小学校があったとして。
その地域の市民合唱団のメンバー達が、「これからは私達が、学校運営を支援します。コーラスの練習や発表などの活動は今まで通りに続けますが、それと並行して、学校行事を手伝ったり、児童たちの安全を見守ったり、お金も寄付します。 その代わり、合唱団の事務局を学校内に置かせて下さい。また、団費の集金や、役員選出作業など、団の運営に先生たちの協力も お願いします」と言い出したら?

合唱団のメンバー達による、「コーラスの練習や発表」 という活動は、 「すべての児童の為の活動」 ではないけれど、
それと並行して学校運営の支援もしてくれるというなら、すべての児童のために貢献する団体であるとも言える。
その場合、学校長の裁量で、合唱団に対して 【B】や【C】のような特権を与えることは、適切なのか、どうなのか?

・・・きっと、法律家の方々の間でも色々と意見が分かれそうですが、木村先生個人の感覚では、いかが思われますか?

(お忙しい先生に対して、こんな質問をさせていただいて恐縮ですが、実際に、「木村草太氏は学校教育法137条が云々…と言うけど、でもスポ少や子供会だって、会員限定活動の為に学校施設を使わせてもらってるじゃないか」、と言う人達がいるのです。 私としても以前から気になっている点ですので、ぜひ先生の見解をお伺いしたいです。 よろしくお願いします。)
Unknown (非会員です。)
2017-06-02 21:52:28
考えれば考えるほど分からなくなってきて、混乱しています。

「学校運営を支援したり、すべての児童を対象にサービスを提供する団体だから、【B】や【C】のような特権を許されている」 と言われているけど、

でも、そもそもはボランティア団体じゃなくて、成人教育団体。
よき大人として成長したり、親睦を目的に、PとTとが一緒に勉強会や講演会、コーラスやバレーボール…本来は、そういう活動のはずなんですよね。

ボランティアと呼ばれる部分は、「勉強会で学んだ結果、『忙しい先生たちをP会員が手伝ったり、子供が喜ぶイベントをしたり、記念品を配ったり、安全を見守ったりすれば、子供たちは幸せになるはずだ』、と気付いたから やってます」 という位置づけ?

(「ボランティア = 自発的意思による奉仕活動」 というのも また、学ぶための一つの手段と成り得るだろうけど。)

絶対にボランティアしなきゃいけないということはなく、P会員とT会員による勉強会やバレーボールだけでも、立派なPTA活動。
…ただ、そういうPTAが、【B】や【C】の特権を与えられていたら、それは何か変な感じ。

でも、本当に 「PTAに入って、学びたい、交流を楽しみたい」 という動機を持つPとTだけが加入する、“本来あるべき姿” ならば、加入者は少ないだろうし、別に【B】や【C】の特権なんか無くても、無理なく楽しく運営できそう、と感じる…。

なんか取り留めのない文章になってしまいましたが、雑感でした。
Unknown (サイトン)
2017-06-03 12:09:30
>学校施設の利用を認めても違法ではないような気がします。
 (意見)
 ここでの“学校施設の利用”とは、新しいブログエントリに書かれた例ではどれに該当するのでしょう。【B】は会員限定PTAに対しては認められないと思うのですが、“一部だけ”会員限定サービスもあるPTAに大してであれば許されるものなのでしょうか。

>公有財産の不適切な使用により自治体に損害を与えた場合にも活動する委員会ですよ。
 (意見)
 勉強不足でした。地方自治法等にそのような規定が設けられているのでしょうか。当該条文をお教えいただきたいのですがよろしいでしょうか。
 あと、委員会とのことですが、株式会社に設置される監査委員会とは異なり、地方自治体の場合の監査委員は独任制であり委員会形式ではないと認識しているのですがいかがでしょう。
Unknown (サイトン)
2017-06-03 12:10:58
×「“一部だけ”会員限定サービスもあるPTAに大してで」
〇「“一部だけ”会員限定サービスもあるPTAに対して」

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