木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

法律学の基本の基本

2012-05-21 16:49:31 | お便りコーナー
推薦図書 (来年がラストチャンス)
2012-05-21 15:44:57
こんにちは。
急所・ブログで憲法の勉強をしている受験生です。

昨日、司法試験が終了したことで燃え尽きてしまい、来年の試験に向けた勉強を始められません。
このままだと、合格発表までずるずる堕落した生活を送ってしまいそうです。
そこで、この際、「法律とは何か」という基本中の基本を見直したいと思っています。
何かお勧めの図書があれば教えて頂けませんか?

お忙しいところ、大変恐縮ですが、宜しくお願い致します。



 こんにちは。
 お疲れ様でございました。
 三日間の長丁場というのは、私、体験したことなく、
 頭の下がる思いであります。

 さて、基本中の基本ということですが、
 近いうちにわたくし、
 法学入門的なものを出版する予定がないではないのですが、
 残念ながらまだ、原稿になっておりません。

 というわけで、少々真面目に、
 「法律とは何か」を教えてくれる本ですが、
 以下、掲げます。


 1 長尾龍一『法学に遊ぶ』慈学社
 2 長尾龍一『法哲学入門』講談社学術文庫
 3 木庭顕『ローマ法案内』羽鳥書店
 4 木庭顕『現代日本法へのカタバシス』羽鳥書店

 という感じかと思います。

 1、2は日本最高の法哲学者・法思想史学者の手によるもので、
 平易でユーモラスな文体で、
 法の本質をえぐる議論が展開されます。

 3は、著名なローマ法学者の政治・デモクラシー・法の三部作を
 総括的に論じたもの。
 4は、『ローマ法案内』の思想を背景に、
 初学者にも丁寧に、政治・デモクラシー・法の基礎を教えるための著書です。

 試験直後は、なかなか問題集も手につかないかと思いますが、
 法律の基礎の基礎に遡り、法律家とは何かを根本から考えるには、
 とても良い時期かと思います。

 お忙しいこととは思われますが、
 以上の著作は、今後、法律家としてのキャリアを積んで行くにあたり、
 絶対に損にならない良書かと思います。

最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
占有について (試験前太郎、改め、試験後太郎)
2012-05-21 20:26:17
木村先生、図書のご推薦いただきありがとうございます。
大学時代、ある教授が木庭先生のローマ法を聞き占有について考えてみるとよい、それをせずに卒業するのは勿体ないという趣旨の発言をされていたのを思い出しました。
結局ローマ法には出ずじまいだったのですが、良い機会なので読んでみようと思います。
ありがとうございます (来年がラストチャンス)
2012-05-21 22:36:08
木村先生

お忙しいところ、ありがとうございました!
明日、書店で探してみます。

先生の法学入門の原稿が近々発表されるのを期待しています。
>みなさま (kimkimlr)
2012-05-24 10:16:54
>試験後太郎さま
そうでしたか。私も友人や先生から
ローマ法には出ろといわれたのですが、
いろいろあってでませんでした。

当時は『政治の成立』しか出版されておらず
全貌が良くわからなかったのですが、
最近は学術書から入門書まで至れり尽くせりで
とてもうらやましく思います。

ではでは、楽しんでください。

>来年さま
ははは。ぜひぜひ頑張ってください。
Unknown (88-L12)
2012-06-01 02:12:24
長尾先生はその昔、文Ⅰ法学の講義で法学の基本を教えて頂きました。
当時は日本政治裁判史何たらという分厚い本とジュリスト増刊の戦後判例百選のようなもので法律・判例のイロハを学んだような。
時代は変わり、自分よりもずっと若い先生がインターネットという双方向システムで情報発信するようになるとは夢にも思っていませんでした。
先日このブログを見つけ「急所」のことを知り、さっそく憲法を勉強し直しています。このような学生目線の本が出るようになったことも良い意味で驚かされました。
研究にブログに今後のますますのご活躍を願っております。
>88-L12さま (kimkimlr)
2012-06-01 21:26:45
どうもありがとうございます。

大先輩にそのように言って頂けて
とてもうれしいです。
今後も楽しんで頂けますと幸いです。

コメントを投稿