蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

遠山記念館(3)  埼玉県比企郡

2014-04-19 22:52:57 | 古民家、庭園
多くの豪農の館に準じて、この邸宅の庭園は特別なお客のためだけに作られている。


庭園に立ち入るにはそれなりの構えの門を通過する必要がある。




私が知る範囲の豪農の館では、庭への門をくぐると母屋の脇に出る。
庭の景観は原則的に母屋側から眺めるように作られているからだろう。これは伝統的な古民家の文法のように思っていた。
しかし、遠山記念館はそれとは異なる造りになっている。庭への門をくぐって最初に目に入るのは中棟と西棟を庭の奥から眺めた姿である。
数歩進めば、庭の奥に設置された流れにかかる石橋となる。




中棟の広間から見る庭は芝が主体である。建物への日当りを良くする配慮があるのだろうが、それには西洋式の芝生のバックガーデンの影響が少し感じられる。

もしかすると、この邸宅の庭のもっともおもしろいところは正面に構えた池泉回遊式庭園ではないのかもしれない。




東棟と中棟の間は短い距離だが、建物自体はそれぞれ独立していて渡り廊下でつながれている。
渡り廊下の前には、建物で囲まれ限定された空間ができる。
東棟では、それを月見台に使っている。




中棟と西棟も同様に、渡り廊下で結ばれている。
西棟は茶室を基本とする造りである。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (j-garden-hirasato)
2014-04-20 10:36:36
こんな素敵な庭園があったんですね。
個人宅で芝を取り入れたのは、
やはり、明治以降でしょう。
芝生を手前に植えることで、
空間に広がりが生まれ、
開放的になりますね。
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Unknown (雪だるま)
2014-04-21 06:25:52
緑の季節に
こちらの庭園は見てみたいですね

石組みの配置
灯篭の位置など
宗教色のない
純粋に庭園という庭は
緑の季節が一番ですね
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Unknown (kikouchi)
2014-04-21 22:06:12
>j-garden-hirasatoさん
明治以前の日本庭園の用語を用いながら、そのあまりに豪勢に飾られた姿は、飾る手段を豊富に手に入れた近代の姿そのまま。
そうは言いながら、近代の庭にも上中下、格付けは付いて回るでしょう。それで言えば上の上を見事に維持してきた庭に思われます。
最新式の英国風ランドスケープガーデンの要素まで取り入れた感じがあります。
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Unknown (kikouchi)
2014-04-21 22:14:30
>雪だるまさん
緑がほとばしる様は、生命の移り変わりをきっちりと反映しているように思います。豊穣の夏を予告する春は、宗教性のない庭でも、それを一番意識させる物なのかもしれません。
春たけなわの植物のはかなさが感じられないと、あまりに現世的な庭に終わってしまう姿かもしれません。

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