原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

『死の淵を見た男』<3/15 午前6時、大きな衝撃音 ~死に装束に見えた~> ※54回目の紹介

2016-05-11 22:00:00 | 【吉田昌郎と福島第一原発の500日】

 *『死の淵を見た男』著者 門田隆将 を複数回に分け紹介します。54回目の紹介

『死の淵を見た男』著者 門田隆将

「その時、もう完全にダメだと思ったんですよ。椅子に座っていられなくてね。椅子をどけて、机の下で、座禅じゃないけど、胡坐をかいて机に背を向けて座ったんです。終わりだっていうか、あとはもう、それこそ神様、仏さまに任せるしかねぇっていうのがあってね」

それは、吉田にとって極限の場面だった。こいつならいっしょに死んでくれる、こいつも死んでくれるだろう、とそれぞれの顔を吉田は思い浮かべていた。「死」という言葉が何度も吉田の口から出た。それは、「日本」を守るために戦う男のぎりぎりの姿だった。(本文より)

吉田昌郎、菅直人、斑目春樹・・・当事者たちが赤裸々に語った「原子力事故」驚愕の真実。

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**『死の淵を見た男』著書の紹介

第17章 死に装束

 「死に装束に見えた」 P269~

(前回からの続き)

 多くの人間が、さまざまな事情によって、2Fへの退避を自分自身で決断したのは、「人として」当然のことだっただろう。

 この時、人の流れとは逆に2回の緊対室に駆け上がったのが、防災安全グループにいた佐藤眞理(49)である。

 防災安全グループとは、文字通り、こういう災害の時に、職員の安全や誘導など、さまざまな作業をおこなうためにいる。地震発生の時、まだ揺れがつづいている最中に、緊急放送設備に飛びつき、所内中に響き渡るマイクで「緊急避難!」と叫んだのも、彼女だった。

 しかし、天井の化粧板がバリバリと落ちる中で、緊急放送の回線がちぎれ飛び、彼女の放送はその一言で終わっている。以来、彼女は、免震重要棟に踏みとどまって、作業員の世話や食事関係から、現場の消防車の燃料補給に至るまで多くの活動を行った。免震重要棟には、この時、佐藤のような女性がまだ大勢残っていたのである。

「みんなそれまでに、悲惨な状況になっていました。誰も、お風呂にも入れないし、そもそも水さえなくなっているんですから。しかも、天井とかも落ちて、みんな頭が真っ白になったまま、そのままいるわけでしょう。男の人はひげ面で、顔も洗えないないんだから、女の人は頭はペッチャンコだし、お化粧っ気もなく、みんな素顔なんですよ。たまたま白いマスクが手に入ると、ちょうど顔を隠せていいな、ってつけてました。トイレも流れませんからすごいことになっているし、そんな中で、雑魚寝しているわけですから、それはひどい状況でした」

 そして、3月15日の朝に、吉田所長による「退避命令」が出たのである。佐藤は、吉田の命令が出た時に1階にいたため、その声を直接聞いていない。だが、続々と退避する人間が1階に降りてきて、事情を知った。

 1階には、外に出るための装備がある。タイベックに全面マスク、そして靴にはビニールのカバーをつけて順番に並ぶのである。

 だが、退避する人たちが全員マスクをつけていくと、残って作業をする人間のマスクがなくなってしまう。そうなれば、「現場に近づくこと」ができなくなる。

 残る人間のために一部のマスクは隠された。絶対数が足りなくなったため、多くの人の奪い合いとなった。

 マスクを確保できない人間は、ハンカチを口にあててバスに飛び乗ったり、駐車場においてある通勤用の自家用車に分乗していった。

 そんな光景を見ながら、佐藤は、ふと自分と一緒に活動していた若い人間が緊対室にまだ残っているのではないか、と思った。

 もし、残っていたら、彼らを死なせるわけにはいかない。佐藤は、そう思って緊対室に駆け上がった。入っていくと、シーンとした中で、吉田たち幹部が円卓に座っていた。

「本当にみんな黙って、吉田所長をはじめ50名近くの管理職の人が円卓にいましたね。静粛というか、シーンとしていました。それまで緊対の中は、ずっとわさわさしてたのに、印象的な光景でした」

 その円卓の向こう、入り口から見れば、一番遠くの壁にあるテレビ会議のディスプレイの下に、3人の若者が床に車座になってすわりこんでいるのが見えた。消化班の人間だった。

 佐藤は、幹部たちが座る円卓の横を通って、ディスプレイの方に近づいていった。

「もうみんな装備して、下で待ってるよ」

佐藤は、そう声をかけた。だが、彼らは反応を示さない。

 もう一度語りかけたが、それでも彼らは立ち上がろうとしなかった。彼らは佐藤に対して何も言葉を発しなかったのだ。

「私、ここに残るということは、本当に死ぬことだと思ってたので、ただ若い人は死なせたくないって思ったんですよね。管理職の方は責任があるから仕方がありませんが、その若い人たちは、ここでむざむざ死ぬのがわかっていて、どうしても置いていけないと思いました。他の人たちはバラバラと免振棟を出ているんだけど、”ね、下で待っているからね、早く行きましょう”って言ったけど、動かないんですよ」

 3人は残る覚悟を決めていたのだろう。佐藤は、その意思が固いことを知った。

(中略)

 深く礼をした佐藤は、もう振り返らなかった。

「私は、振り返りませんでした。神聖な雰囲気ですから、その円卓に座っている50人ほどは、もう死に装束で腹を切ろうとしてる人たちですから、振り返るなんて、そんな失礼なことはできませんでした。私らみたいな雑兵はやっぱり、そそくさと出るだけです。本当に緊対室はシーンとしていましたから・・・」

 会うのは、これが最後 - 復旧にかかわる技術系の人間を除いたほかの人間が退避する中で最後に部屋を出て行った佐藤眞理は、そう語った。

  (次回は 「残るべきものが残った」)

※続き『死の淵を見た男』~吉田昌郎と福島第一原発の500日~は、

2016/5/12(木)22:00に投稿予定です。

死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日


5月10日(火)のつぶやき

2016-05-11 02:40:51 | つぶやき

2014年4月
”突然死”遺体を解剖した女性医師
「外形は健康そうに見えても、内臓は老人のようにダメージ受けていた」
blog.goo.ne.jp/jpnx05/e/813aa…

チェルノブイリ周辺国の人口は事故後26年で1300万人減少
ベラルーシは被災者『孫世代』の障害発生率95%

26 件 リツイートされました

touyoui 2012年10月
東京はもう住めない。

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cmk2wl
広瀬隆
私が住んでいるのは杉並区です。

なんと庭のセシウム汚染は
1万7160Bq/m2

近くの公園は9万2235Bq/m2

子供が遊ぶところですよ。

たんぽぽ舎が
何度も厳密にやってこれ。

66 件 リツイートされました

"meg1273116 2015年4月静岡

今日は眼科へ
長女の視力が片方急降下…
もう片方は良いから眼鏡は免れた

娘の前の患者さんは
眼球に水が溜まってるから
市立病院に回され緊急手術、

その前の患者さんも
目の中に出血があり、失明寸前だと

まだ50代くらいなのに"

4 件 リツイートされました

"LXE48LOVE 2014年11月栃木県宇都宮市

手術を受けたのは
済生会宇都宮病院で

仮に発見が遅れてたら視神経にまで
支障をきたし失明するところでした。

当時アトピー性皮膚炎の
治療目的で通院
「どうも見え方がおかしい」
という事で眼科を受診した所、

そこで…"

5 件 リツイートされました

2014年3月
面積が広い「福島・いわき市」では、

目の治療機会を逃しがちな高齢者に、
深刻な事態が起こっているという。

島田医師は
「失明いっぱいいますよ。両目失明とか
意外と痛くもかゆくもない。失明する時って・・」
blog.goo.ne.jp/jpnx05/e/ab4f6…

13 件 リツイートされました

"RieMatsuda 2014年5月31日

微粒子が視神経に入ると
目が見えなくなってしまう。

原発爆発後、被災地で応援されてた
シェフの突然の失明と、

都内の汚染の酷い場所に暮らす犬も
目が濁ってないのに全盲になった

と聞いて、やっぱりと思った。
"

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hoverpeel 2012年3月3日
こんな状況で走ったら被曝。

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cmk2wl
【失明の危険】
接着剤を塗布した布(10×30㎝)
貼付けた車で平均時速40km

都内約3時間走行
13.0μSV/h検出

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低線量被曝の症状

・口の中の皮がむける

・のどの痛み

・目のかゆみ

・ぼんやりする・集中力がない・記憶力の低下

・理由のない抑うつ状態・不眠

・暑い寒いに対応できないなどの自律神経の異常

(日本DEATHS 2013/05/09)より

14 件 リツイートされました

原発は海水を冷却水として利用するので
100万キロワット原発1基は、秒当たり海水70tの温度を7度ほど上昇させる。
blog.goo.ne.jp/jpnx05/e/8978b…

東京大のミト・イワオ教授
‘原子力発電所’と呼ぶ事は正しくない。
正確に言えば、‘海沸かし装置’だ”と、指摘

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