Lars Kepler(ラーシュ・ケプレル)著『Hypnose』を読了。先日読んだ『Contract』と同じシリーズですが、この『Hypnose』が第一作目です。日本では『催眠』という邦題で出版されています。私は、オランダ語版を読みました。
この本の主人公は、刑事のヨーナというよりは、精神科医で催眠術を使って患者のトラウマを告白させる治療を研究していたエリックです。彼は約10年前に「もう催眠術は二度と行なわない」と決めたのですが、ある事件の被害者に催眠術を使うことをヨーナに依頼され、人を助けるためと催眠術を行ないます。その後、彼の息子が誘拐されて、事件に巻き込まれていきます。
アメリカのTVドラマシリーズで最近ずっと見ているのに、「THE MENTALIST」というのがあり、これは、催眠術が得意の捜査コンサルタントが主人公です。その影響もあって、催眠術というものにちょっと興味がありました。
事件が始まるのが12月8日で、スウェーデンのクリスマスシーズンの風景が、この悲惨なドラマの背景描写にうまく描きこまれていて、スリラーでありながら文学的色彩にも富んだ読み物だと思いました。私は北欧には一度も行ったことがないのですが、雪のシーンが数多くあり、フィンランドの場面もあるのですが、一日がずっと暗い様子など、オランダと同じヨーロッパとはいえ、とてもエキゾチックな感じがあって、興味深かったです。こういう点でも、オランダで現在、北欧のミステリーに人気があるのでしょう。
残酷なシーンも多いので、その点は割り引いても、この北欧の風景とともに映画化されたら是非見てみたいなーと思います(ラッセ・ハルストレム監督で2012年秋公開予定で映画化されるようです!)。スティーグ・ラーソンのミレニアムシリーズは、映画版を見ましたが、面白かったです。
最後までなかなか誘拐の犯人がわからず、ぐいぐいとページをめくらずにはいられない訴求力がありました。また『Contract』もそうですが、人の人生を深く描いており、深みを感じました。
そして、この本のテーマは「親子」だと思いますが、『Contract』と全然ちがうテーマと展開で、クオリティの高い物語りを生み出す、その筆力はすごいものです。私は、テーマと一章一章が短くコンパクトな『Contract』のほうが好みですけれど、刑事ヨーナのシリーズを読んでいきたいなら、第一作の『Hypnose』から読むことをおすすめします。それにしても肝心の刑事ヨーナに関する描写が小出しなのが気になります。
第三作はまだ出ていませんが、出たら是非読みたいです。
体調は良好です。
この本の主人公は、刑事のヨーナというよりは、精神科医で催眠術を使って患者のトラウマを告白させる治療を研究していたエリックです。彼は約10年前に「もう催眠術は二度と行なわない」と決めたのですが、ある事件の被害者に催眠術を使うことをヨーナに依頼され、人を助けるためと催眠術を行ないます。その後、彼の息子が誘拐されて、事件に巻き込まれていきます。
アメリカのTVドラマシリーズで最近ずっと見ているのに、「THE MENTALIST」というのがあり、これは、催眠術が得意の捜査コンサルタントが主人公です。その影響もあって、催眠術というものにちょっと興味がありました。
事件が始まるのが12月8日で、スウェーデンのクリスマスシーズンの風景が、この悲惨なドラマの背景描写にうまく描きこまれていて、スリラーでありながら文学的色彩にも富んだ読み物だと思いました。私は北欧には一度も行ったことがないのですが、雪のシーンが数多くあり、フィンランドの場面もあるのですが、一日がずっと暗い様子など、オランダと同じヨーロッパとはいえ、とてもエキゾチックな感じがあって、興味深かったです。こういう点でも、オランダで現在、北欧のミステリーに人気があるのでしょう。
残酷なシーンも多いので、その点は割り引いても、この北欧の風景とともに映画化されたら是非見てみたいなーと思います(ラッセ・ハルストレム監督で2012年秋公開予定で映画化されるようです!)。スティーグ・ラーソンのミレニアムシリーズは、映画版を見ましたが、面白かったです。
最後までなかなか誘拐の犯人がわからず、ぐいぐいとページをめくらずにはいられない訴求力がありました。また『Contract』もそうですが、人の人生を深く描いており、深みを感じました。
そして、この本のテーマは「親子」だと思いますが、『Contract』と全然ちがうテーマと展開で、クオリティの高い物語りを生み出す、その筆力はすごいものです。私は、テーマと一章一章が短くコンパクトな『Contract』のほうが好みですけれど、刑事ヨーナのシリーズを読んでいきたいなら、第一作の『Hypnose』から読むことをおすすめします。それにしても肝心の刑事ヨーナに関する描写が小出しなのが気になります。
第三作はまだ出ていませんが、出たら是非読みたいです。
体調は良好です。

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