「やはり世界は、女性によって成り立っているのだ」我が家の女性陣は本当にカッコいいと魔王ユキは思う。
魔族の中で悪魔族と自称する一派がローガルト帝国と組み、アーリシア王国と魔界に対して宣戦布告してきた。これに対して、王国と魔界はエルフやドワーフ、獣人ら勢力と「種族無き同盟軍」を結成。
かわいい嫁さんや家族を危険にさらさないため、戦わせないため、魔界王の招聘に応じて同盟軍に加わった魔王ユキだったが、悪魔族が人間至上主義の帝国と組んだことより、その動きに疑念を覚えた。
「－－もしかすると、帝国はダンジョンなんじゃないか？」
種族を越えて多数の国を巻き込む大戦勃発と、その渦中にエンだけを伴いツッコんでいく魔王ユキの冒険譚。いくら古代龍や勇者にすごい力があったって、それを破壊や殺戮のために使わせたくないのだ。だって嫁さんだもの。
【魔王になったので、ダンジョン造って人外娘とほのぼのする10】【流優】【だぶ竜】【カドカワＢＯＯＫＳ】【トラック転生】【自由に暮らしたい魔王黙示録】【小説家になろう】【人工アンデッド】【神槍】
「世の中には農業を営みながら竜王になる者もいるのです。メイドとして働きながら竜王をやったところで、何の問題も生じないでしょう？」
「王家なんて誇りを失えば埃の様に吹き飛ぶもんだけど、自分で無能で無才で無知で無力だと知りながら這いずり回るしか出来なかった惨めな代王が誇りを見せたんだよ」
「そんな酔狂で－－世界を敵に回したらダメよ」
宏たちの社会復帰も順調。大学進学も問題ない成績を維持している。問題と言えば春菜と始めた家庭菜園が予想以上に豊作で、取れすぎたゴーヤを道の駅で売ることにしたくらいだろうか。澪もいろいろ性格に問題を抱えながらも深雪の助けもあって中学生活に馴染もうとしている。
彼女はティーンエイジャーから圧倒的な支持を受けているカリスマモデルで、ゲームに参加する時のアバターも自分そっくりのキャラクターだ。しかし、本人であるとは言わない。あくまで某カリスマモデルそっくりのアバターを使っている別人というスタンスだ。そして、そのプレイは狡猾にして卑劣。サンラクのクソゲー仲間であり、時には敵、時には味方として対峙する腐れ縁だ。
「人間は才能だけで生きるわけでも、才能だけで人生が決まるわけでもない」
「恋と愛は銀河を救います」
立ち上げたガラス工房の事業も順調で、アイザック叔父の残した魔法陣に関する論文はエカテリーナに多くの着想のヒントを与えた。新たにレンズ開発にも手を広げる一方、染料「天井の青」も着々と販路を開拓していった。つまりすべて順調なのだ。
「先生、確認ですが、クワで竜を倒した人っているんですか？」
天災などによって飢饉に陥っていた村々を支援するアッシュだったが、その中の１つの村はもう手の打ちようがなさそうに思われた。
「愛は偉大だよ。何だって超えられるもん！」
「ルーシーね、赤ママに教わったの。誰かを守ることが大事だって」
「汚いは大人にとっては褒め言葉だ」
