Jerry Emma Laura Piano

Mina, Dalida, Barbara, Laura, Lara....美人大好き! あっ、Mihoが一番好き

源太郎、、、人間やっばりアナログ

2017年10月06日 | 毎日の話

源太郎、冷んやりとした朝、久しぶりに都内に向かう

現役時代、通勤で乗り慣れた新幹線

いつもの車両の、いつも席に座り周りを見渡す

連休前の金曜日、まだ新幹線は空いている

 

娘は今日は都内に出張らしく

すでに大阪から新幹線の車中で爆睡していると思う

彼女は昔から乗り物に乗るとすぐに眠りに入る

Lauraとほとんど変わらない

もう大人だから「そんなことはないわ」と言われそうだが

これは「間違いない」

夜には実家に帰るということだから、きっとのびのび

彼女に頼まれて撮りためてある録画をお酒を飲みながら見るにちがいない

Lauraとほとんど変わらないじゃないか(笑)

 

夜は明けているが曇天で、午後からは雨が降るようだ

そう、今日は「雨男」と都内で打ち合わせなので、

しっかりとした傘を杖代わりして持ってきている

 

ヘッドフォンからGigliola Cinquettiが珍しく歌うシャンソンが流れている

「Ne Me Quitte Pas」・・・

 

昨日、とてもお世話になっている親戚のご夫妻から「ジェリーに」とお花をいただいた

納骨はまだなので、早速Mihoちゃんがお供えした。

「ねえ、ガラスの花瓶どこにあったけ」

「知らないよ。花瓶を片付けるとしたら君だろ」

「だよね」

ちょうど娘も帰ってくるので、Jerryが尻尾を振り回して歓迎してくれるだろうよ

 

ちょうど今、ヘッドフォンから「枯葉」が流れてきた

「おい源太郎、それでお前はどっちのセンテンスが好きなんだ」

と友人の何人からメールがあった

 

答えは簡単「それは美人が歌ってさえいればどちらだって」

と答えたが、やっぱり「仏語」の方がしっくりくる

ただ、美人で大好きなPatriciaやDalidaも歌ってはいるが、

二人の歌い方はこの曲には似合わないと思う

やっぱりちょっと陰があって、囁かないととね

と言ってもピアフのようにこねくり回すのも好きになれない

Juliette Grécoがいいのかもしれない

 

車窓から流れて行く景色を見ると

本当に秋になったと思う

Jerryが頑張って乗り切った暑い夏はもうここにはない

老眼鏡から見える曇天の景色はモノクロ映画のように流れていく

 

そういえば鹿児島と宮崎をまたぐ新燃岳が再び活動というニュースが流れていた

あの時、小さな噴石がヘルメットにパチパチ当たる時

噴出物の厚さを調査した記憶が蘇った

細かい噴出物がどのくらい水を透過するか

この噴出物にはポゾラン効果があるか

どんな範囲に降り注いでいるか

 

簡単な一尺角の太さ一寸木枠を作り

そこに定量の水を注ぐ

するとゆっくりと水が浸透する

それは堆積の厚さには関係ない

誰かがペットボトルで講釈して噴出物は透過性が低いと言っていたが

「ほんとかいな?」

ペットボトルを差し込んだって負圧が働いてしまう

それで「浸透しにくい」ということことだが「?」だ

 

それより水を含んでクラフト紙のように、

ミルフィーユのように固まった方が怖いのに

要は、灰がポゾラン効果で固結して薄いコンクリートのように固結されると

水は浸透できなくなり、一気に雨や水が流れ下る

だから、ポゾラン効果があるかどうかに注意をする方がいいはず

でも、誰もそれには興味を示さない

 

火山灰の固結という経験則が、セメントの起源ということを忘れてしまったのか

今は、皆優秀になり、何でもかんでも数値解析、文献もデータベース

それもいいが、専門家は幅広い経験則を持っていないと応用問題は解けない

優秀な建築家がいても、優秀な大工さんがいなけれは家は建たない

その前に、ここにこんな建物を建てたいという想像力がないといけない

そう源太郎はこの歳になってやっと思えるようになった

 

昨日、Mihoちゃんと再放送の「C571」の改修記録のドキュメンタリーを見ていた

もう80歳を超えている職人たちの直感、感覚、そして執念

ある者は溶接のプロ、ある者は鋳型のプロ

「軸受けのメタル」を加工する微細な手の動き

数値旋盤ではできない技術

そこには、コンピューターではできない昔の技術の奥深さ

 

源太郎はD52によく乗った

駅でC62-2の特急つばさの機関車を見た時

「こんなすごいものがある」と感激したことを話した

やるなら「C62」を国家予算で一から作って見るくらいの夢がなくては

でも老社長が言った

「今の基準ではこれは許されない構造。だから、作り直すと別な姿になる」

この言葉が最も心に響いた。

 

もしかすると、我々は「伝承」という言葉をコンピューターに頼りきってしまったのではないかなぁ

「見て、烏口で図面引いているわ、すごいこんなに綺麗な曲線」

Mihoちゃんが声をあげた

「懐かしいなぁ、昔よく描いたよね」

「でもすごいわ」

「先輩によく怒られたなぁ。研ぎすぎて図面をカットしてね」

 

やっぱり生きている生の音、感覚、匂い、振動、指先の感覚・・・・

人間は生きているのだから、連続性のあるアナログでなければ

いつか、復元や修復ができなくなってしまうだろう

 

そんな職人、マエストロたちには第1級の報酬を与えるくらいの文化になりたい

彼の国が、文化を否定した時代もあった

それで何が得られたのだろう

 

そんなことを考えながら、今日は新しい基準作りの打ち合わせ

はてさて、どうなることやら

 

良い週末を。一杯の珈琲を飲んで会議です