くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

工藤直子講演 秋田大会二日目

2015-11-07 11:28:53 | 〈企画〉
 秋田大会二日目はSLAの報告と、工藤直子さんの講演です。
 学校に司書を置くように努力することが決められたもののなかなか現状は厳しいこと。司書教諭、学校司書ともに学習センター・情報センターとしての学校図書館を作っていくことが求められることを伝えられました。
 で、全国の調査から司書配置状況とか予算とかの傾向が出ていたのですが。
 蔵書数平均10450冊、予算平均70万円……。
 


 この空白は、わたしのショックを物語っているとご判断ください……。 うちは、蔵書数五千(学級文庫等別置を除く)、予算十二まんえん……です。


 気を取り直して、工藤さんのお話を。
 いつも、会場の雰囲気を大切にしたいのであらかじめ講演原稿は用意されないそうです。
 幼いころの思い出(台湾で育ったので雪を知らなかった)、小学校一年生で習った五十音でことばのリズムの楽しさを感じたというお話から、「のはらうた」に移っていきます。
 工藤さんは擬音のひびきを大切にされている印象を受けます。
 一般的ではないけど、読む人にすとんと伝わる擬音。
 また、朗読について、自分の感情を含まないで原文どおりに読んでみてくださいました。耳で聞いて読点や区切りをそのまま書き文字として再現できれば、音読者の「勝ち」だそうです。
 でも、作品は作者個人のものではない。読者が自分というフィルターを通して読むもの。では、作品は誰のものなのか。

 工藤さんは言います。
「好きになった人のもの」。
 工藤さん自身、好きな作品にめぐりあうと「これは自分の作品だ」と思うのだそう。そこに、自分のための作品があると感じるということですね。また、そういう作品には、ゆとりと可能性があるとおっしゃっていました。
 同じ作品を読んでも、一人ひとりの解釈は違う。「のはらうた」でも、かまきりくんのうたをめぐって、「元気そのもの」「カッコをつけているつらさ」などの考えが出てきたことがあるとか。
 作品を受け取るこちらも、しっかりしないといけないなと思いました。
 とても明るくてのびやかで楽しい時間でした。八十歳になって最初の講演とのこと。
 現在、やり投げを練習しており、マスターズへの出場を目指しているそうです。パワフル!

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