ミカ書 2:1-5
その床の上で不義を計り、悪を行う者はわざわいである。彼らはその手に力あるゆえ、夜が明けるとこれを行う。 彼らは田畑をむさぼってこれを奪い、家をむさぼってこれを取る。彼らは人をしえたげてその家を奪い、人をしえたげてその嗣業を奪う。 それゆえ、主はこう言われる、見よ、わたしはこのやからにむかって災を下そうと計る。あなたがたはその首をこれから、はずすことはできない。また、まっすぐに立って歩くことはできない。これは災の時だからである。 その日、人々は歌を作ってあなたがたをののしり、悲しみの歌をもって嘆き悲しみ、「われわれはことごとく滅ぼされる、わが民の分は人に与えられる。どうしてこれはわたしから離れるのであろう。われわれの田畑はわれわれを捕えた者の間に分け与えられる」と言う。 それゆえ、主の会衆のうちにはくじによって測りなわを張る者はひとりもなくなる。
人が悪事を働くとき、用意周到に計画します。ユダの有力者たちは私腹を肥やすために、権力を笠に着て貧しい人々から家屋や田畑、嗣業の地までもかすめ奪いました。しかしこれは神様の祝福の原則に反することです。本来、イスラエルが所領としていた土地はすべて神様のもので、神様から部族ごと、家系ごとに永遠の嗣業として授けられていたもので、たとい人の手に渡ってもヨベルの年にはすべて元の持ち主に返さなければならないものでした。しかし貪欲の罪に駆られたユダの権力者たちは、これらをすべて自分の所有とするために策略を練ったのです。それゆえ神様は、かすめ奪った地は他国の民のものとなり、自分のものとはならなくなると裁きの預言を下したのです。貪欲に心を奪われ、主の掟に逆らうことは、今、手の中にある祝福さえも奪われる結果となります。
http://bible.com/81/mic.2.1-5.ja1955
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ミカ書 2:6-11
彼らは言う、「あなたがたは説教してはならない。そのような事について説教してはならない。そうすればわれわれは恥をこうむることがない」と。 ヤコブの家よ、そんなことは言えるのだろうか。主は気短な方であろうか。これらは主のみわざなのであろうか。わが言葉は正しく歩む者に、益とならないのであろうか。 ところが、あなたがたは立ってわが民の敵となり、いくさのことを知らずに、安らかに過ぎゆく者から、平和な者から、上着をはぎ取り、 わが民の女たちをその楽しい家から追い出し、その子どもから、わが栄えをとこしえに奪う。 立って去れ、これはあなたがたの休み場所ではない。これは汚れのゆえに滅びる。その滅びは悲惨な滅びだ。 もし人が風に歩み、偽りを言い、「わたしはぶどう酒と濃き酒とについて、あなたに説教しよう」と言うならば、その人はこの民の説教者となるであろう。
ミカの預言を聞いたユダの人々は、そんな不吉な説教をするなと激しく抵抗しました。しかしミカは、神様の預言は正しい者には益とならないだろうかと反論します。それでもユダの人々はミカの預言に聞く耳を持たず、偽預言書にぶどう酒などの報酬を払って、自分にとって都合の良い甘言を語ることを要望しました。まことの神の御言葉に真摯に耳を傾けようとせず、相変わらず貧しい人々から搾取を続けていたユダの人々に向かって、ミカは、この地から立ち去れ、お前たちの安息の地ではないと、厳しく叱責しました。今の時代も、人々は自分にとって都合の良い教え、心地よい癒しの言葉を求め、表面的な幸せと一時的な安息を得ることに躍起になっています。しかし私たちがまことの神、主の警告の御言葉に耳を傾け、罪を悔い改めて義の道に歩まない限り、永遠の平安は得ることはできません。
http://bible.com/81/mic.2.6-11.ja1955
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ミカ書 2:12-13
ヤコブよ、わたしは必ずあなたをことごとく集め、イスラエルの残れる者を集める。わたしはこれをおりの羊のように、牧場の中の群れのように共におく。これは人の多きによって騒がしくなる。 打ち破る者は彼らに先だって登りゆき、彼らは門を打ち破り、これをとおって外に出て行く。彼らの王はその前に進み、主はその先頭に立たれる。
ミカの預言は罪を悔い改めようとしない貪欲なユダの人々から離れ、主の御言葉に忠実に聞き従う「残れる者」に向けられます。12節の「おりの羊」という言葉は「ボツラの羊」とも訳される言葉で、罪の世にあっても正しい道を歩み、世の終わりの裁きを免れる場所にいる人々を指します。この羊を導く王とは、良い羊飼いであられるイエス様です。「わたしは門である」と語られたイエス様の教えのように、偽りの平安を語る偽預言者の声に聞き従わず、良い羊飼いの声を聞き分ける者となり、主イエスの十字架という狭き門を通って、永遠の平安と祝福の御国に入れていただく私たちでありますように。
http://bible.com/81/mic.2.12-13.ja1955