とても面白い、聞き応えがあるCDです。
『アパラチアン・シャミセン』
○
まず昔話から先にしてあと武春さんのCD。
小泉文夫という日本の民族音楽研究を発展させた
えらい先生がいらっしゃいました。
ラジオなどで穏やかな感じを受けました。
世界の民族音楽を研究し、メディアを活用して人々に
クラシックやポップスの西洋モノだけが音楽ではなく
世界中に豊かな財産があることを教えて下さった。
惜しくも若死にされましたが今でも私たちの記憶に
強く残る方です。
『世界の民族音楽』というレコード50枚組みだったか
の全集を出されました。
(結構難しいものが多かったけれど)
日本では沖縄の音楽を大変高く評価されていましたね。
台湾の高砂族の合唱も衝撃的でした。
ヨーロッパでもよく知られるもの以外にマイナーでも
沢山の音楽があることを知りました。
彼はまた日本の学校教育が西洋音楽に偏重することに
異議をとなえ、伝統音楽を取り入れるように主張され
ました。
現在はその主張が通ってきたのかなあ。
世界的なエスニック音楽の盛り上がりの中、邦楽の
復権も喜ばしいものがあります。
○
三味線で今の音楽を、というと津軽三味線の上妻さん
は面白いですね。
初期のCDでも結構幅広い音楽をしています。
同じ三味線ですから国本さんのものも若干カブル面は
あるかもしれません。
でも、あちらは電子音だし。
ブルーグラスを伝統的に演奏しながら楽器に三味線を
加えてある、というか三味線が中心の音楽です。
アコースティックなものだけに音の世界が違えばダメ
なのでしょうがとてもなじんでいます。
バンジョーの代わりを三味線が出来るというのでは
それほど面白くありません。
なるほど三味線もアリ!
という音楽になっていますのでブルーグラスとか
カントリーとか好きな方で未体験の方がいらっしゃい
ましたらお勧めです。
◎
国本武春さんは、そうあの国本武春さん。
若手で唯一人?頑張っている浪曲師です。
語り、三味線を弾き、タレント豊かです。
笑いも多いし。
NHKの演芸番組ではかなり昔から出演していますね。
年齢層の高い客が不思議にノッてるのもいいですな。