諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

亀鳴くや~# VOL.3

2020-05-31 15:08:18 | 日記・エッセイ・コラム

 

  沼亀は  はす葉の水に ひたりいて

          カメラ目線で  吾を睨(にら)みつ

                                夢 蔡

 

 

  

 私も乗りたいのですが、乗ると蓮の葉が沈んでしまいます。

 

  亀は、もともと鳴きません。

  「亀鳴く」は、春の季語。

  春になると、亀も雄が雌を慕って鳴くとする空想の季題。

 

  亀鳴くを鬱(ふさ)ぎの虫と聞き知れり(相生垣瓜人)

 

  模糊とした雰囲気を出すのには、便利なイメージ語です。

                (角川「歳時記」)より。

 

  水中にいる時のアカミミガメは、結構素早いものです。

  蓮のウテナにいても、こちらを観察している。

  危険を察知すれば、アッという間に水中に潜る。

  陸上では、ノロノロとしているが、

  それは、そうする必要がないからである。

  イソップ寓話だって、競争の場が、水中だったらどうだろう。

  亀が、昼寝をすることになるだろうか~ネ。

 

  人であれ、動物であれ、植物であれ、それぞれの固有の

  特性や能力を持っている。

  SNS上の悪口・罵倒は、卑怯な悪である。

 

  「充分に検討せずに悪と決めつける急性さは、

   傲慢と怠惰の表れである。」( ラ・ロシュフーコ )

 

    

        ------<了>------

 

 

 

 

 


雉 鳴きて~# 終章

2020-05-29 13:57:06 | 日記・エッセイ・コラム

 

  朝明けの 雑草(あらくさ)わけて 雉 行かむ

       貌(かお)赤あかと 大見得(おおみえ)切りて

                                  夢 蔡

 

  もともとは、この近郊に、雉は棲息していなかった。

 

   しかし、周辺開発まえの利根川水系の小河川・粕川は、

  禁猟区の指定外であった。それに目を付けて、

  20数年前に、ハンター愛好者が、雉をかなりの数、放鳥した。

  毎年、猟期に入るや、愛好心を満たすため、小型ジープを

  乗り入れ、猟犬を放した。その後で、猟銃の炸裂音が何度もした。

  

   枯れ葎(むぐら) 鉄砲打ちの 影ありて

            雉よ 逃げろと  無言にさけぶ

                                無 才

  

   幸い、この一帯は、禁猟区となり、かなりの雉が生き残った。

   

   最初の放鳥組からの生き残りは、その後、繁殖に成功する。

   雉の寿命は、約10年とされている。

   今、盛んに鳴いているのは、2~3世代目くらいかも知れない。

 

   写真の 雉は、急ぎ足である。

 

  2~3週間後に、ブロッコリー畑になる,荒起こしの土の中を横切る。

  雉の行く先は、皆出ていった廃屋。いまは、雑草群落である。

  廃屋跡とは言え、一応、村の内側である。

  しかし、人影ほとんど無し。限界集落的でもある。--

  故に、ここが、安全地帯ーーー

  ちょっとした、皮肉な出来事である  ーー 

 

   辺りを伺いつつ、この後、雑草群落の中へ入って行った。

   時に、雌雄が走り出ることがある。土手際で、食事かー

 

    【 雉も鳴かずば 撃たれまい 】

  「 鳴くことがなかったら、猟師にきずかれず、撃たれまいに。

   転じて、無用なこと言ったばっかりに、災難をこうむる。」

   とかの”言い回し”に使われておりますが、

   キジ曰く、「 迷惑で~すーーー  」

 

   雉=オス雉は、鳴くことを義務付けられている。

   ① 「メスへのアプローチーー 」 声の大きさー

   ② 縄張り宣言ーー

    「 これだけの面積(安全性‣食料)を確保しているーー!

      故に、君を飢えさせることがな~い。

     安心して、卵を抱いていなさい。ヒナをかえしなさい。」

     故に ケン・ケーンと二声に鳴くのである。

     いや、鳴かねば、男が、”すたる”のである。

 

  ーーー 参考 添付

  「 雉子(きじ)の雌鳥(めんどり)薄(すすき)のもとで

                    妻を尋ねて”ほろろ“打つ」 

        岩波文庫  「山家鳥虫歌」(近世諸国民謡集)より

   *注 「ほろろ(を)打つ」 雉が羽ばたきして鳴くこと。

    

    「春の野の繁き草葉の妻恋に

             とびた立つきじのほろろとぞなく」

                   (古今集 1033  平貞文)

     :*注 「ほろろ・・」 は、人の方では 涙流すこと。

     雉子は、古来、親子・男女間の深い愛情の歌には、

     欠かせない”アイテム”であったのです。

     万葉・古今以来、日本人には、身近なと言うよりも

     日常生活に接した鳥でした。

     

     いま、雉の声に起こされ、藪の中の彼らの生態を

     想像している。

 

     

     「 自然は、あらゆる真理を、

            おのおのそれ自身の中に置いた 」

                              ( パスカル )

 

          

          ------<了>-------

     

        

 

 

   

   

 

  

   

   

 

  


雉 鳴きて~# ②

2020-05-27 17:55:36 | 日記・エッセイ・コラム

 

 草払(はら)う 音に驚(おどろ)き 雉 奔(はし)る

         矢車(やぐるま)折れて 恋唄 哀(かな)し

                                  夢 蔡

 

  地目は、畑(1haほど)であります。雑草が、伸び放題。

  雉が、身を潜ませるには、ほどよい繁り具合か。

  

  毎年、晩春(新芽ふく)から、晩秋(草の芽が出ない)まで、

  刈払機が、4~5回(1回2~3時間)は、活躍はする。

  見かねた友人が、小型耕運機で、0.5haほどの

  ”家庭菜園”を作てくれた。

  その分は、楽になってゃずだが、体力が落ちてしまって、

  やはり 3時間近くの”運動”で、思わず座り込む程ー

  それでも、 汗かきまくりは、ケッコウな達成感がある。

 

  本日は、草刈りの日である。

   エンジン、回転する”刈刃”は、軽快な音を立てた。

 

 刈り始めて、5分も経たなかった。 

 雉が、 ”矢車の花”やカモガヤ群落 から飛び出した。

 それは、アッと言う間で、雉は遥か彼方であった。

 

 刈り進むと、畑の端に、椿があり、根元にドクダミ群落があった。

 そこは、臨家との境で、普段は、近づかない場所である。

 草刈りも、その手前でほとんど終わる。

 

 ドクダミの群落の中央から、雉が、跳び出し、飛んだ。

 それは、普段あまり見かけない、メスの雉であった。

 卵を抱いていたのである。

 こんな人家の近くで、巣ごもりしていたのだ。

 

 雌キジが、もどるかもしれない。

 この日は、草刈りの場を変えた。

 

 この日に、雌キジは、一度だけ、巣の近くに姿を現した。

 しかし・・・、どこか巣の周りの雰囲気が異様に感じたか-?

 再び現れず、巣は放棄されてしまった。

 卵は、其のままであると、カラスが、喰ってしまうだろう。

 又は、くっさってしまうだろう。

 

 シャベルを持ち出して、厚く土をかけた。

 

                

   足早に、去ってゆく、キジ夫婦。

   その早いこと、早いことーーーー

  

  *注 写真は、ここ一週間位に,撮りだめたものである。

  本文の内容は、当日のドキュメントである。

     

 

   

       本日はこれにて---<了>------

 

 

 

                          


雉 鳴きて~#

2020-05-26 15:57:52 | 日記・エッセイ・コラム

 

   いずこより 雉子(きぎす)たか鳴く 朝明けの

                見ていた夢が 思い出せない

                                  夢 蔡

 

  シャッターチャンスを逃しました。--(

   この姿勢の次の瞬間ー大きく羽ばたきーー 

   雉は、ケーン ケーーンと張り裂けんばかりに鳴きました。

     ( 雉のバック、枯れ草は、除草剤にてのモノ )

   

   まだ、「 暁を覚えず 」に、何やらの夢を見ておりました。

   この”ケーン ケーン”に起こされたのであります。

   割と近くで、何回も鳴くので、2階ベランダに取りあえず、

   カメラ片手に出ました。

   ( その結果が、上の写真です。ーー )

 

  キジは、早朝には、人の往来がないことを知っているのです。

  それでも、ここは農道です。辺りをうかがいます。

  

   早起きの農家の人が、牛蒡畑を見に来るかもしれない。

    ( マア~、キジは、そんなことを考えません~

           そう考えさせると、面白いかな~~#)とか

 

   構えていると、緊張します。

  一息入れます。気を入れ替えます。

 もう一度、道に出ました。忍び足で進みます。

 ここか 200m足らずには、もう民家があります。

 人間の住まう近くで何をしているのでしょうか。

 

 その時、軽トラックのエンジン音が近づいてきました。

 雉は、やおら飛びました。

 

 100m近く飛んだ後に、身を低くして走りました。

 もう、そこは、利根水系の粕川の土手沿いの 草むらです。

 蔓の長い葛が繁茂し始めております。

 雉は、その草むらの奥へ消えました。

 

    戦(たたか)わず 逃げることなり 雉の術

                傷つけ合いし ことの虚しさ

                                無 才

  折から、TBS・TVで、

        「 逃げるは恥だが役に立つ 」とかいう

        ドラマやっております。

  雉のこと~ではないこと、わかっておりま~す~#

 

  雉が、何で民家の近くに、しばしば現れるかが解りました。

  この続きは、明日にでも致します。

 

 

              ーーーー--<了>----

   

   


白きツツジの舞うがごとき

2020-05-21 10:42:10 | 日記・エッセイ・コラム

   

  夕されど  庭辺(にわべ)に咲きし 白つつじ

         蛍光の下(もと)  耀(かがや)きており

                                 夢 蔡

 

 

  花芯の真ん中に突き出した“メシベ”を数本の”オシベ”が囲む。

  そのメシベ,オシベらは、エロースの矢に射抜かれた如くに、

  妖艶なさまで立ち上がっている。

  そうして、恋の狂気へと導かれているのである。

  (*注 エロースは、創造神、ゼウスに使える、恋の神である。)

 

 

 

 

   性 魯鈍(ろどん)で愛へと動かされにくい人を見たら、

   かのエロースの賜物に値えせぬ人と思うがよい。

   鋭く、心熱く、炎のように突き進む人を見たら、

   かのエロースの友と想いなさい。

      (「イソップ寓話集」444 人間世界のエロース)

 

    

           -----<了>------