諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

真っすぐな農道

2018-07-25 14:11:13 | 日記・エッセイ・コラム

  田園は せせらぎ水草 魚(うを)絶えて 改良側溝 濁りて疾(はや)し  

                                            夢  蔡

  かつて、子供たちは、夏休みに入ると、沼までの曲がりくねった田圃道を走った。

 田圃っ川には、メダカ・セバヤ・クチボソ、ドジョウ、時には、小ナマズがいた。

 小型の網を持って立ちこんで追うと、いずれかは必ず取れたもんだ。

  しかし、今日の目的は、小川で魚獲りではない。

  伊与久沼で泳ぐことである。

  岸から5m程度が浅瀬だけが、2~3m進むと、1mを超えて、深くなってゆく。

  小学校5年生以下は、沼に入れなかった。(村の餓鬼大将による規則)

   所々に繁茂するヒシをよけながら、弁天島まで競争である。

   だが、この風景は、もうない。-----<>---

  土地改良事業が始まり、大型農耕機が動き回れるように圃場が整備された。

 そして、子供らが、走った曲がりくねった田圃道は、直線的に切り取られた。

   かつての小川の一部が残っていた。S字の100m程の田圃道に沿って、

  数件の墓地があったため、そこは、直線で切り取れなかったのだろう。

  稲の活着を則するために、水量は豊富であり、澄んではいるが、まるで、生命感が

  ないのだ。

 

 機械化農法で、効率的に【田圃】を管理してゆくために、畔部分の雑草退治には、

 当然、除草剤が撒かれる。

 流れの中で生きる魚類は、絶えてしまう。

 イナゴ‣トノサマバッタ・昆虫類もいなくなった。 

 水は、利根川水系を源流とする用水路によって引き込まれている。

 田に入った水は入れ替わるので、トノサマガエルは,かろうじて生き残っている。

  改良された四角形の田圃と、U字型側溝の【田圃っ川】本流である。

 深さは、60cm程だが、水の力はは圧倒的である。

 写真は、静かに流れているように見えるが、健康な大人でも捕まっていなければ、

 流されるだろう。

  参考・・・人間が、改良・造成したものは、暴れ出すと制御できない。

            ----< 了・・>---


白 鷺 エピソード 1

2018-07-06 14:49:54 | 日記

   梅雨明けした途端に、台風と前線のミックスが、日本列島に張り付き、

   各所で、氾濫寸前の河川の様子やがけ崩れがテレビ画面流されています。

   関東北隅の平野部は、雨はそれほどでもなく、時々小雨、、静かであります。

   パソコンとハードディスクにたまった写真を整理したりしておりました。

   白鷺のケッコウ迫力のある写真が見つかりました。

   白鷺の一種 <コサギ>が 舞い降りるところ。見ているのは,ゴイサギです。

  万葉集 巻第16は、由緒ある雑歌(いわれを有する様々な歌)特集であります。

 3831 白鷲の木を啄(く)ひて飛ぶを詠む歌

    池神の 力士舞(りきしまい)かも 白鷺の 

              桙(ほこ)啄(く)ひ持ちて 飛び渡るらし

  ※訳 池の神の演じる力士舞いとでもいうのであろうか、白鷺が長柄の桙を

     くわえて飛び渡っている。

  ☆ 力士舞 伎楽の一つ。やや卑猥な舞 (伊藤 博 (『新版万葉集』) 

  写真が、上記の万葉の歌のイメージによく合っていると思い掲載いたしました。  

   ▲ 【万葉集の歌どうり」なら、この写真をメインにすべきか     しかし、イマイチ迫力にかけますもので----尚、写真はクリックで拡大します。

       

             ----<本日の付録>---

   

  【さ ぎ 草 】 原寸では、花の大きさは,径3cm程度。

  写真中央に立ち上がって部分に、雄蕊~黄色味の2片が、 雌蕊を囲む。 

【 さ ぎ 草 】 かっては、日当たりのよい湿地帯には、いくらでも生えていた。

 その名の通り,鷺そっくりそのままです。なんでこんな手間をかけた姿で咲くのか

 進化の不思議です。

   【 白鷺(はくろ)は 塵土(じんど)の 穢れを禁ぜず 】

 ※ 潔白なるものは どんな環境においても 本質はかわらないーー。

  

     泥濘(でいねい)を 振るい飛び立つ 鷺白し   夢 蔡

                          

                                    

             ----<了>------

 

 


018 梅雨の終わりに

2018-07-01 17:07:22 | 日記・エッセイ・コラム

 関東甲信地方が、梅雨入りしたのは、6月の6日でした。

 わたくし、元来、怠け者であります。

 雨の日ともなれば、何の言い訳をせずとも、ゴロリ しておられます。

 

 雨の日は 雨を聞きつつ まどろめば 冷(さ)めてしまった珈琲にがし 

                                夢 蔡                   

 「 たちあふひ 一花開かば 梅雨に入る 青葉ごもりの 梅の実ぬれて 」

 とか、やっておりますうちに、なんと、早くも梅雨明け宣言ではありませんか。

 本来、タチアオイの花が、茎のてっぺんで開いた時が、梅雨明けのはずです。

 まだ、何個も残っているではありませんか・・・

                                                                                  

 

 「梅雨明け宣言」が出るや否や、雷注意報がでました。

 西の空に起ちあがった雲の嶺が、早くも崩れ始めました。しかしです。

  「 雷と 空っ風 義理・人情 」が、お国柄の当地方であります。

 そう簡単には、驚きは致しません。                                                   

     

  この晩に、県南西部では、大雨警報が出されました。

  なんでも、1時間に100mm程度の強さだったとか。

 

    雲の峰 くずれて暗き  子ら走る    夢  蔡

    鷺群れ白く  風に乱れて        沼遊子

 

               ------<了>ーーーーーー