諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

共生の大地から 序

2010-03-30 10:24:33 | 日記・エッセイ・コラム

  鷲は人間であった!!

 鷲は年をとると、上の嘴が伸びて、どんどん曲がってゆき、遂には餓えて死んでしまう。これについては“寓話”注1)が語られていて、鷲がこんなになるのは、かって人間であった時に、客人に不当な扱いをしたからだ、という。 (「イソップ寓話集ー422」・岩波文庫より)

  注1) 難民の餓死する子供らの多し時 トロ食らう大口の下品 ー夢蔡ー 

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  ガラパゴス化する日本  ▼ こんな言葉が流行っている。どうもこの国は、内向きで頑張っているだけの感がする。食料自給率が低いと騒ぎたてるが、現実の問題としては見えてこない。食の安全と言いつつ、人が直接口にする物を平気で輸入に頼る。餃子事件!?忘れてたョ!はいけませんが。▼ TVは、どこかのチャンネルが、競って食い物番組やっている。しかも、ゴールデン・タイムにだよ。* 今日、我々は、奇妙に【 安全地帯に住んでいる 】気になっている。

   蟻はむかしは人間であった。 (「イソップ寓話集」-166)

 蟻が、人間であったころ、農業に励んでいたが、自分の作物に満足せず、他人のものに羨望の目を向け、収穫をくすね続けた。神様がその貪欲さに腹をたて、人間を蟻にしてしまった。しかし、彼は姿を変えても、根性は変わらなかった。今も畑を歩き回って、小麦を拾って自分の穴に持ち帰っている。 

 *教訓 〈陋劣な本性の者はどんなに懲らしめられても生き方を変えないものである。〉

 本日は、イソップ寓話集に依存しっぱなしでありますが、教訓は肝に銘ずべし。▼人は、地球的規模での自然の一部分であること、忘れてしっまたことにある。天然の稚魚を一網打尽にして、いけすで養殖する。養殖マグロは脂がいっぱい!トロいっぱい。環境問題→←食料問題であります。

    蟻のごと 働きつづけ  蟻地獄  ー読人不知 

    きりぎりす鳴き 淡し夕月  ー夢蔡ー

 ▼ 蟻は、勤勉の代表、キリギリスは怠けいる。あながち、そうとも言えません。秋の夜に鳴くキリギリスの短い命も、またそれ故に人の驕りに反省をもたらしてくます。

  

 

 

  

 


春分の日 花の下に遊ぶべし

2010-03-21 18:39:06 | 日記・エッセイ・コラム

  木瓜の花 一輪挿して たわむれむ ー夢 蔡ー

  木瓜咲いて漱石拙を守るべし ー夏目 漱石ー

  大文豪の句と並べるのは、はばかられますが・・。▼ 最近では、世間との接点は薄くなっております。それに、難しく考えるのは疲れます~拙を守る」 いい言葉です。

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  あかやけの冷気にめざむや木瓜の花  ー夢 蔡

  ちょっとこいと鳴き 小綬鶏かけ去りぬ    ー群 峰

  我が窓前にある実際の風景描写であります。木瓜の花は、咲き初めが好いようです。満開になって沢山の花をつけると、ぼけた感じです。

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  この旅死の旅であらうほほけたんぽぽ  ー種田 山頭火ー

 蒲公英の絮を見つけると、この山頭火の句をつい思い浮かべてしまいます。▼托鉢僧の身なりで漂泊する山頭火は半端ではありません。その一生は、破滅的ですが、生への強い執着を感じます。万人には不可能な生です。そのためか、彼の感受性の鋭さに人は魅了されるのかも知れません。

 茎立ちて穂絮ほわた)を高く空に向け種子を風にのす蒲公英の知恵  ー夢 蔡ー

    山頭火ような熾烈な生とその自己表現の世界に身を置いているわけではありません。* マア~適当に~、隠遁生活しております。--

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  蒲公英や裾野の奥に雪の山  ー夢蔡ー

  トンネルを抜けて 駒子 雪靴(くつ)をぬぎ ー群峰 

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 諸葛菜、青梗菜と競い咲く 

 間引きしたチンゲンサイがしかっりねを下ろして、諸葛菜の間で花を咲かせました。まるで黄色い蝶、紫の花に向かって群がり飛んでいるようです。、写真にしました。

  DAN違い 千年の恋も結ばれず  ー夢蔡ー

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  *注 青梗菜(チンゲン菜)--1970年代日本へ。こうして見ると 《・・・すずな・すずしろ 》 以来、中国原産orシルクロード経由中国からの野菜が、日本人の食卓にのぼっております。

  白菜は、チンゲンサイの仲間とカブの交配から生まれたそうです。雑交性ありだそうです。

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 飯飽き 身は閑にして 書に課有り  /   西窓 来たって趁う 夕陽の明るきを

  “訳”【 腹いっぱい食べて、身体は暇だし読書だけは日課が決まっております。夕日が西の窓から差し込んできました。 】 〈「陸游詩選」(一海知義)より 〉 ▼ これも理想的ではありますが・・!

 ▼ 世の中は、結構ヤバク進んでいるとこあるようで・・・。<♪~万朶の桜か 襟の色 / 花は吉野に 嵐吹く  / 嗚呼 一憶の民草は / いつの間にやら総白痴・・#>

 花鳥を楽しむだけの平和ぼけ 世に凄まじきことありし時  ー夢 蔡ー 

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  草木瓜や やまとことばの美しき  ー夢 蔡ー

  エキサイティングな 恋もまたよし  ー貫 行止ー

   まだヤッテおりますが、これにて、本日は終了。紀元2670年 記す。

   

 


諸葛菜 いなか歌の愉しみ

2010-03-16 15:23:43 | 日記・エッセイ・コラム

  朝光の 竹むら巡り 諸葛菜  ー夢 蔡ー 

   竹林の下草の勢いがつき、諸葛菜のムラサキ色が目立って参りました。こうなると、《 筍! 》を待つばかり。イエ、まだ早いのは解っておりま~す。~

  むらさき大根  むらさき花菜  諸葛菜 “大紫羅欄(おおあらせいとう)”=〔正式の名称)  ▼、この近郊ではむらさき大根と呼んでおります。だいたい農家では単なる雑草あつかいであります。畦に生えたりすれば、確実に除草剤の攻撃を受けます。▼ 「お宅~、ダイコンの花なんて、よく咲かせるね~」  * 隣畑の農家の主婦にからかわれております。  

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 気温も上がり、清楚に立ち上がってまいりました。

 雨あがり むらさき花菜色深み やわき花びら艶めきて揺る  ー夢 菜ー

 当所では、むらさき大根と呼ぶのが普通でありました。しかし、どうも、詩情の世界には使いにくかったり致しますのか、今では、むらさき花菜 諸葛菜 言い習わされました。▼ 上京した折、久しぶり北の丸公園に参りましたら、植栽に形良く植え込んでありました。「あ~、わざわざ植えてある~。」ーー  田舎も~ん!であります。

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  諸葛菜  諸葛孔明が、この花の種を兵站地に蒔き食料にしたと伝えられ、この名の由来となっております。(* 実際には、孔明が蒔たのは「蕪」であったようですが、カタイことは言わないでおきましょう。)

  物は試し、一本抜いて見ました。長さ約25cm×太さ5cm程の乳白色の【ダイコン】が出てまいりました。▼ 表面から2cm程がどうやら食べられました。まさに大根の味です。中はカスカス捨てました。口の中には、後まで渋みのある辛味が残りました。* このままでは、食用になりません。花を愛でる! これが一番です。

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  年年歳歳 花相似たり / 歳歳年年 人同じからず

  〈 今人還対落花風 / 年年歳さい花相似 / 歳歳年年人不同 〉

  あまりにも見事に、完成された詩句の表現だったので、「ゆずってちょ~ダイ!」とかのイザコザがあり、、作者=劉希夷は、暗殺されてしまったと伝えられております。▼ 言葉の魂=美しきイメージの世界=その想像力への執念を覗わせる、逸話ではありませんか。

  食欲に戻ります。竹林の下草が、だいぶ伸びました。古い竹も先日の風で傾いたおります。明日は、刈り払機で作業いたします。~!!

 

  


春風そよ吹く 花 三題

2010-03-10 14:21:17 | 日記・エッセイ・コラム

  山路来て何やらゆかしすみれ草  ー芭蕉ー

  【野ざらし紀行】 「大津に至る道、山路を越えて」た時に詠じた句である。江戸深川を8月に出発、中仙道経由で京都・吉野・伊勢・伊賀上野を巡り江戸へ帰る9ヶ月の長旅であった。漂泊の詩人の誕生である。

  「おくの細道」を経て確立していく風雅・抒情の世界は、今日に至るまで影響し続けている。▼ 芭蕉は、江戸元禄文化の寵児である。風雅を求める行脚の旅は、同時に講演旅行でもある。「おくの細道は、曾良のプロデュース能力によるところが大きいのではなかったか。

  山路来て急坂にになり息切れす ー夢 蔡ー

  腰おろす涸木かたへの菫かな

   こんなことしか言えない。

  古りし樫根ぎわの洞やすみれ草  *駄目か?ロケーション悪い・・!!

  朽ちし葉の 積もれる路のすみれ草 鮮らし色に生命(いのち)ととのへ ー夢 蔡ー 

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  【タチツボスミレ〕  庭などに多く茎が立っているスミレの意。花は下向きに咲く。このほうが、啓蟄の頃の不器用な小甲虫がもぐりやすいのである。自然の配慮。

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  川上に洗ふ若菜の流れ来て妹があたりの瀬にこそ寄らめ (万葉・巻11-2838)

  若菜=セリ、なずな・・・。万葉人にとっては、大切な野菜でありました。▼ 3畝程の耕作放棄地があり、ナズナが白い小花を付けて、一面を覆っています。いまや、食欲とは無縁である。雑草である。しかし、敬意を表さねば・・・・。

  冬枯れし路傍になずな葉を広げ地に伏す形の根生葉が生ふ ー夢 蔡ー(2月上旬に詠)   

  “根生葉”・・いかにも根性ありそうです。ロゼット状の均整のとれた葉の広がりで、地面に張り付いて越冬します。

 雲雀たつ耕人のなき荒れ畑はなずなばかりが茎高く伸ぶ  ー夢 菜ー

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   廃屋の庭うめつくしてやなずな哉  

   貧乏草とは 誰が名づけしや ー夢 菜ー

 

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  春雨に花を急かるヽ諸葛菜  ー夢 蔡ー

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  窓前の諸葛菜の群落に、花茎が立ち上がり始めました。【物生ず】であります。

  時うつり いろいろなこと過ぎ去りて こころの淵に身を潜めおり  ー夢 菜ー


啓蟄の詩句  緩やかに光満つ

2010-03-06 09:48:03 | 日記・エッセイ・コラム

 啓 蟄 (けいちつ)ー1時45分。【啓】ー「ひらく。」 【蟄】ー「地中の冬篭りの虫が動き始める」 ▼ 快晴。気温は20℃、汗ばむ。

 啓蟄の菜花に羽音を高鳴らせ ハナアブ急ぎ のどうるおしつ ー夢蔡ー

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  冬ごもりのハナアブですが、相当、喉が渇いているはずです。言ってみれば、サラリーマンが、仕事帰りの一杯の酒に、ノドを鳴らす心境ではないでしょうか。

  草萌や それはそれなり わずらわし  ー夢 蔡ー

  地虫出ず 網戸の穴に ガムテープ

  窓 前の畑は、草が萌え始めました。▼ ジャガイモを植えつけようしているのですが、まずは、草を削らなくてはなりません。▼ 夜、羽虫やら、ごく小型の甲虫が、飛んで来ます。網戸の穴から潜りこみます。田舎生活、結構、虫たちには悩まされます。

  土くれを黒々おこしもぐら塚  野辺行くひとの 歩みとどめむ  ー夢蔡ー

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  土龍打ち (もぐらうち)  *俳句、冬の季語。農耕社会では、畑を荒らすということで、モグラは嫌われ者です。 「奈良坂に百姓家あり土龍打ち」 -三 山ー とか、やられてしまいます。

  此の辺では、11月10日に、藁を束ねて、藁鉄砲なるものを作って子供たちが、「と~うかんや~わらでっぽ~夕飯食ったらぶったたけ~!」 と囃しながら地面を叩きながら、曰く因縁も知らずに、歩き回ったものです。

  モグラは、眼は退化しており、機敏な動物ではないようで、地中に穴を堀を巡らせておいて、そこへ落ちてきた土虫やミミズを捕食しているということであります。急がず慌てずに、それなりに暮らす。▼ 人生 あに長(とこしえ)に謂(い)われ無きを得んや=《人生 いつまでも無意味であっていいものか》ー(李商隠)ーなどと、必要以上に悩むこともありません。その方がらくです。  むしろ、モグラの生息域が狭まった自然環境の方が問題ありです。

         “ 勝ち負け”は 互いにモグラの叩きあい

   “ 肩たたき” モグラ叩きの ようにやり

    叩くかれし モグラの痛み よくわかる 

                         ー 夢 蔡ー