発生時、超大型と言われた台風19号は、九州上陸と共にその勢力は、少しばかり落ちたようであります。(900hPa→975hPa)
ここ関東平野の北隅の真上も久々に、通過コース入っており、少しばかり心配です。
中部地方の3000m級の山脈にあたってその上空で、更に勢力が衰える可能性もあろうかと秘かに「希望的観測」して居る次第です。
《 台風・豪雨・地震・火山噴火 》 私たちは、実は「災害列島」に住んでいるのであると言う視点を置き去りにしてはならないと思います。自然とは、そう簡単に"アンダー・コントロール"できるものではありません。
限りなく 功利求めて ひた走る 生命(いのち)の揺るぎ 捨て去りし世か
夢 蔡 ー<少し時間をさかのぼります。>-
ある晴れた日の午後、沼までの道を散歩いたしました。
”休耕田 ″の浮草が漂う小さい水溜まりの中に咲いた白い小花が
目に入り 、思わず足を止めて観察いたしました。
調べました。
▲≪オモダカ≫でありました。
面高(おもだか)=人面状の葉が高く茎の上に付くからと言う。
また、別表記では、「澤 瀉」(おもだか)沢のそそいでいるところに
生えていることから,ということでした。
また、別称は 「花慈姑」(はなくわい)。
ーー<参照>--
君がため 山田の澤に えぐ摘むと 雪消の水に 裳の裾ぬれぬ (万葉巻10 1839)
(訳注 貴方のために 山の田の澤で えぐを摘んでおりますと け水で衣が濡れてしまいますワ~)
この「えぐ」が、オモダカの球根であります。万葉人にとっては、 貴重な季節の野菜でした。
なお、正月の縁起「くわい」(慈姑)は、改良品種であります。
”ハナアブ”が飛んでまいりました。体長は、1㎝ほどです。
▲ ハナアブ科の”ホソヒラタアブ”のようです。昆虫類は、優れものであります。羽の振動数は、100ヘルツ(1秒間に100回の振動数)。この飛ぶ能力の獲得が、昆虫類を繁栄させました。
いくつかの花を訪ねて、蜜を充分吸ったのか、飛び去ってゆきました。昆虫の特徴は、被子植物との共生にあります。この体の小さも、共生の多様性をもたらしております。小さければ、小さい花を利用すればいいんです。
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オモダカは、イヌビエなどと共に、田圃の雑草群に数えられており、肩身の狭い思いをしております。
ただし種子よりも、球根を主な繁殖の手段にしているもので、田圃の端っこでも、水溜まりを獲得すれば、充分、生きてゆけます。
万葉人の食材であり、情緒の世界に生きた「おもだか」は、今では誰も見向きもしません。
50㎝平方ほどの水溜まりの中に、小さい「生態系」を作って、頑張って生きておりました。ーー
-----<了>----