諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

巨雲流れて春寒し

2012-03-12 22:02:07 | 日記・エッセイ・コラム

  雨が降り続いた後、強い北風が吹いて、西北の国境を越え雲が流れてきます。マア~それなりに陽射しが強いのがすくいですが、陽かげると冷たくて寒い!ーー

 巨いなる雲のかたまり陽をとざし 昏(くら)き梅林風立つを待つ ー夢蔡ー

20120312_027 ▲ 枝が混み合っていたのを、昨年の秋に、かなり落としました。残った枝がガンッバテおりますが、例年よりも寒さが厳しいせいもあって、蕾が動きません。少々、切りすぎましたかナ!?

 ーー 樹下ひそやかな春 犬ふぐり----

 春まだ浅き日から、沼沿いの道端、田の畦、空き地 etcに、淡青色の小花が叢ら咲いておりましたが、この寒さのせいで、どことなく勢いがありませんでした。しかし、このところの良い陽射しで、小花が数を増して開き、元気いっぱいになって来ました。

  陽に向けし青き花弁のけなげさよ 言うをはばかる 犬陰嚢(いぬふぐり)とは ー夢蔡ー

20120312_013【おおーいぬのふぐり】 大犬の陰嚢 (Veronica persica) 欧州原産。明治の頃に渡来した帰化植物。自生種の【イヌフグリ】よりやや大きいので、この名前になった。『イヌフグリ』は、結実した「さく果」が、“∞” こんな形をしているので、名ずけられたという。(牧野植物図鑑) 

 犬ふぐ里 蒼き四弁 の 宇宙かな ー夢蔡ー

20120312_037可憐で美しい花は、その学名は、「 Veronica 」(ヴェロニカ)ではじまっておりますが・・。

  ヴェロニカ 【Veronica】とはーー

 十字架を背負わされて、ゴルゴタの丘に向かうイエス・キリストの血と汗にまみれた顔を布でふいたという 伝説的聖女 の名前です。(広辞苑より)

 瑠璃色の小さい花は、聖ヴェロニカの化身だったのです。

 また、イエスがした血の後が、花の小叢になったとも言われているそうです。

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 カルチャー・ギャップとは、こう言うことかも知れません。こなた、形から即物的・アミニズム的に、かたや、文化の先に“創造主”の存在を・・・

 犬ふぐり星のまたたく如くなり ー虚子ー のように、俳諧の大御所のお陰で、季語として定着しており、今では、「いぬふぐり」と言っても、この花を、誰もが思い浮かべるようになって来ているようです。

           めでたしゝゝ・・終わりーー

 

 

 

 


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