雨が降り続いた後、強い北風が吹いて、西北の国境を越え雲が流れてきます。マア~それなりに陽射しが強いのがすくいですが、陽かげると冷たくて寒い!ーー
巨いなる雲のかたまり陽をとざし 昏(くら)き梅林風立つを待つ ー夢蔡ー
▲ 枝が混み合っていたのを、昨年の秋に、かなり落としました。残った枝がガンッバテおりますが、例年よりも寒さが厳しいせいもあって、蕾が動きません。少々、切りすぎましたかナ!?
ーー 樹下ひそやかな春 犬ふぐり----
春まだ浅き日から、沼沿いの道端、田の畦、空き地 etcに、淡青色の小花が叢ら咲いておりましたが、この寒さのせいで、どことなく勢いがありませんでした。しかし、このところの良い陽射しで、小花が数を増して開き、元気いっぱいになって来ました。
陽に向けし青き花弁のけなげさよ 言うをはばかる 犬陰嚢(いぬふぐり)とは ー夢蔡ー
▲【おおーいぬのふぐり】 大犬の陰嚢 (Veronica persica) 欧州原産。明治の頃に渡来した帰化植物。自生種の【イヌフグリ】よりやや大きいので、この名前になった。『イヌフグリ』は、結実した「さく果」が、“∞” こんな形をしているので、名ずけられたという。(牧野植物図鑑)
犬ふぐ里 蒼き四弁 の 宇宙かな ー夢蔡ー
▲可憐で美しい花は、その学名は、「 Veronica 」(ヴェロニカ)ではじまっておりますが・・。
ヴェロニカ 【Veronica】ーとはーー
十字架を背負わされて、ゴルゴタの丘に向かうイエス・キリストの血と汗にまみれた顔を布でふいたという 伝説的聖女 の名前です。(広辞苑より)
瑠璃色の小さい花は、聖ヴェロニカの化身だったのです。
また、イエスが流した血の後が、花の小叢になったとも言われているそうです。
カルチャー・ギャップとは、こう言うことかも知れません。こなた、形から即物的・アミニズム的に、かたや、文化の先に“創造主”の存在を・・・
犬ふぐり星のまたたく如くなり ー虚子ー のように、俳諧の大御所のお陰で、季語として定着しており、今では、「いぬふぐり」と言っても、この花を、誰もが思い浮かべるようになって来ているようです。
めでたしゝゝ・・終わりーー