ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

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仕事道楽―スタジオジブリの現場を読んだ

2008年11月16日 02時07分55秒 | レバレッジリーディング
仕事道楽―スタジオジブリの現場 (岩波新書 新赤版 1143)
鈴木 敏夫
岩波書店

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ジブリのプロデューサー鈴木さんの本である。

いかに敏腕なビジネスマンなのだろうか、と思って読んでみたら、むしろ作家をなだめすかしながら業務を遂行するという意味では敏腕だが、その核心は全く「いいものをしっかりつくって世に問う」というまったくもってファインアートなアーティストのモチベーションそのものであって、そのピュアな志と、実際の商業的な成功を同時になしとてげていることに感心したわけである。

この本ではジブリの宮崎駿監督との出会いから、徳間の社長との話、徳間から独立した会社にする話など、いろいろ興味深い話が載っているんだが、いずれにしても鈴木氏は、非常に大胆かつピュアで、しかも事業としては無自覚にやっているように思えて(実は徹底的にシュミレーションしているはずです)、すごいです。

クリエイターを束ねてエンカレッジするというのは、これまた半端ではなく本当の信頼を勝ち得ていないと大変なことで、それをうまくやっているところは天才かと。締め切りから逆算して一日何枚セル画を描けというようなプロダクトマネージメントは気が遠くなるほど大変だ。また、ジブリが一時会社をリフレッシュするために全員に半年の一時帰休を命じたというのもすごい、給料をある程度払ってのことだそうだが。

いずれにしても宮崎駿にはこの人あり、という人なのね。鈴木さんがいなければジブリはなく、宮崎駿の千と千尋のアカデミー賞はなかったんだろうな。

でも実は感服したのは、この本に何回か出てくる鈴木さんの手書きの文字やスケジュール表などであって、実にすばらしいきれいでかわいくて個性的な、そのままイラストとして使えるような字を書かれる。手が来て丁寧に作られたスケジュール表はとても素敵で、ちょっとしたイラストが挿入されていたりして、こういうスケジュール表をもらったら、一生懸命やっちゃうなと思った。


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