挑戦するピアニスト 独学の流儀 | |
金子 一朗 | |
春秋社 |
「挑戦するピアニスト」金子一朗を読んだ。
素晴らしい本だった。
数学教師をしながら演奏活動を行うアマチュアピアニストのトップの方が書いた本で
練習方法などについて数学教師の方らしく、非常にロジカルで
わかりやすく書いている。アマチュアピアニストはもちろんだが、
クラシック、ピアニストにだけでなく
ジャズ、ロック、邦楽など、すべてのジャンルに応用できる、
仕事を持って限られた時間で練習をしなくてはならない
全ての音楽家にとって、示唆に富む本だったと思う。
以下、自分のための読書メモですがブログ読者のみなさんと共有させていただきます。
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●いくつか面白かった点。
多くの舞台経験を積みオオ無のレパートリーを演奏することが演奏家としての実力をつける最上の方法である。
●いきなり繰り返しの練習をせず、まず楽譜を分析する
→形式/調性/和声分析/動機(テーマ、モチーフ)の分析/リズム分析
※作品を熟知しなくては優れた演奏はできない
●指使いをピアノなしで決める
→効率的な運指を熟慮する。(通勤電車などで)
曲のスタイルは3つ
1)メロディと伴奏型
2)対位法型
3)和声型
●ミスを少なくしようとすることは本質ではない。それより聴衆を惹きつける演奏をするためには何をするべきか
●作品の魅力に演奏者が酔うのではなく、作品の魅力を聴衆に伝えようとする態度
●早く弾くには力を抜くことが必要
●数回練習して弾けないなら弾けない理由を考えるべき
●緊張するの対処法。→カラダを柔軟にする→ストレッチ→力を入れて抜く動作→呼吸法
●上手いと錯覚するの対処方法。→録音する→録画する→チェックする→テンポ/音の強弱/フレーズ
●弾かない指の脱力
●勢いより和声
●歌ってなぞる
●曲の性格は調性で
●私は腱鞘炎になったことがない。痛みを感じたらすぐに練習を止めるので。力ずくで練習しないように心がける。
●ショパンの弟子達への教え
→反復練習は無意味である
→肩と肘を楽にし、力を入れないこと
→音楽理論を徹底的に学ぶこと
●速く弾くにはゆっくり弾く
→弾けている曲でも4倍のテンポで弾いてみる
→弾けないことがある
→音楽的な理解が不充分なので弾けないのだ
●技術について
→技術のことを考えながら舞台で演奏はできない
→演奏する曲で技術の正誤は変わる
→練習中はさまざまなことを考えるべきであるが、演奏中は何も考えてはいけない
→弱い指の音量から逆算して強い指の音量を決める