ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

両刀遣い

2011-04-24 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
斯波「ほれ。隆坊、行くぞ!」と腕を掴まれ、男湯に連れて行かれた。
その後ろを歩く池田、クルッと能子に顔を向け「クッ」と笑みをかみ殺した。
能子「!?」何か、企んでる!?
初音「能子先輩ッ!早くぅ」と急かす声で我に返り、
能子「あ、ちょっと待ってよ!」と後を追ったが、護衛の二人の姿を見失った。
キョロキョロと見渡し「広い旅館…」の造りに見惚れているフリをした「あ…」と見つけた館内マップ…だったが「現在地…(今いずこか?)」が分からない。
マップの見方を勉強しとくべきだったわ、と後悔しても始まらない。だから「うぅ~ん(池田さん…)」の企みについて推測しながら館内を歩いた。
余計なこと考えつつ、旅館を歩いていたら「迷宮入りだわ…」
廊下でお昼の御膳を運ぶ仲居さんたちとすれ違い、仲居さん「ごゆっくり」と頭を下げられ、
能子「えぇ」とにっこり笑って会釈したが、頭下げて笑ってる場合じゃないのよ。
でも、忙しそうで、お風呂の場所が訊きづらい…と、泊り客のフリをした。チラッと「あら、ステキな部屋♪」とわざとらしく部屋を覗いた。しかし、内心、オロオロ…困っている。
そこへ、グイッと右腕を掴まれ、
能子「ンッ!?」口を押さえられ、客室に引きずり込まれた。
「あの護衛官…罷免ですね」
能子「(やろッ!)」と、咄嗟に左手で刀の柄を持った「ら!?(池田さん!?)」だった。
すう…ッと押さえられた口から手が放れ、
能子「ブチのめすわよッ」左手で刀を抜こうとしたら、すかさず、左手を押さえられ、
池田「そういえば、両刀遣い…でしたね」とにっこり笑った。
能子「いきなり、これは、ないんじゃない?」右腕と左手を押さえられ、
池田「今から、トレードしてもいいですよ」と逆に諌められた。
能子「トレード?」
池田「…。そうそう…お祝いを、言ってませんでしたね」
能子「はぁ?」と大きく吐息を出した。拍子抜けして開いた口が塞がらない…力抜けたわ。
池田「御結婚、おめとうございます」と左手を放してくれた。
能子「あ…」
池田「うちの捕虜から、聞きました」
能子「そ。心から祝ってるくれてるようには、聞こえないけど?」