「先日、娘の高校合格祈願で、広島市東区東山町にある才蔵寺(さいぞうじ)に行ってきました」
「ここにみそ地蔵があって、頭にみそ(味噌)を乗せてお願いすると合格できる、といういわれがあるんじゃ」
「このお寺には、武将の可児才蔵(かに さいぞう)が祀(まつ)られとるんよね」
「今日は、「可児才蔵」「才蔵とみそ地蔵」「ご祈願の仕方」について調べてみようかの」
【可児才蔵】
可児才蔵の像
「可児才蔵は、美濃国(みののくに。現・岐阜県)可児郡の出身で、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将。本名は吉長(よしなが)というんじゃが、通称の才蔵のほうがよう知られとるんじゃ」
「才蔵が槍(やり)の名人というのは聞いたことがあるんじゃけど」
「宝蔵院流(ほうぞういんりゅう)十字槍の達人といわれとる。宝蔵院流を始めた覚禅房胤栄(かくぜんぼういんえい)から槍を学んで、「槍の才蔵」と呼ばれたそうじゃ」
覚禅房胤栄
(井上雄彦『バガボンド 4巻』講談社 1999年)
「才蔵が仕えとった福島正則も、槍の名人じゃったんよね?」
「賤ヶ岳(しずがたけ)の七本槍の一人に数えられとるんじゃ」
「才蔵は、関ヶ原の戦いで、たくさんの敵を討ち取ったそうじゃね」
「ほうなんよ。敵の首を17も取り、一番多く敵を討ち取ったいうて、家康から褒(ほ)められたんじゃ。そのころの戦(いくさ)では、討ち取った敵の首を取って、腰からぶら下げとったんよ」
「うゎ、生々(なまなま)しい話じゃね」
「才蔵はそれをせずに、討ち取った敵の口に笹の葉をくわえさせたそうじゃ」
「それなら、誰が討ち取ったかすぐに分かるね」
「このことから、「笹の才蔵」とも呼ばれたそうじゃ」
才蔵寺にあった、笹の家紋(?)
【才蔵とみそ地蔵】
「なんで槍の名人の才蔵と、みそ地蔵が結びつくんかね? そこが分からんのじゃけど…」
「調べてみたら、いろんな説があったんじゃ」
1.才蔵は晩年、仏門に入った。
人々の脳病平癒(のうびょうへいゆ)の治療に専念し、栄養の多いみそ造りを勧めたり、貧しい人々にみそを配って生活を助けるなど、社会奉仕を行なった。
2.元和5(1619)年、主君の福島正則が改易(かいえき)処分を受け、信濃国(しなののくに。現・長野県)に追われることになった。
才蔵は戦いになったときに備え、食料のみそを集めた。
3.福島氏に替わって、浅野氏が安芸の国の主となった。
才蔵ほか60人の侍は、矢賀(やが)にある小さな城に立てこもった。
浅野の殿様は城を攻めさせたが、才蔵たちは石垣の上から煮えたぎったみそ汁をかけて追い払った。
そこで今度は、兵糧(ひょうろう)攻めにしたが、これに対して才蔵は、ひとつのアイデアを思いついた。
城山にあるお地蔵さまに笹の葉を供え、それにみそと米をのせればどんな願い事も叶えられる、といううわさ話を広めるというもの。
そのうわさ話を耳にした人たちが、城山のお地蔵さまにみそや米を供えた。
こうして、食糧を確保した才蔵たちは城を支えることができ、立てこもった侍たちも何処(どこ)へともなく落ちのびることができた。
(3の参考資料:「可児才蔵のみそ合戦」『広島県大百科事典』中国新聞社 1982年)
「1の話は聞いた覚えがあるね」
「脳病うんぬんというのは、「みそ」と「脳みそ」をひっかけとるんじゃないんかと思うんじゃがの」
「才蔵は福島正則について行かずに、広島に残っちゃったんじゃね」
「才蔵は慶長18(1613)年に、60歳で亡くなっとるんよ。ほいで、福島正則が改易処分を受けたのが元和5(1619)年」
「ありゃ? 計算が合わんね」
「これだけの逸話が残されとるということは、才蔵が社会奉仕をして、民衆から尊敬されたということじゃないんかのう」
みそ地蔵と、お供えされたみそ
【ご祈願の仕方】
「みそ地蔵のご祈願の仕方がおもしろかったんで、ここに書いてみようかの」
みそ地蔵ご祈願の仕方
1.最初にご祈願札にお願い事、名前、年齢を書いて、みそにセロテープでとめる。(年齢は数え年を書く)
2.みそ地蔵さんの頭の上にのせて、サムハラ サムハラ サムハラと3回唱える。
3.次にそれを自分の頭の上にのせて、もう一度サムハラ サムハラ サムハラと3回唱えてしっかりお願いする。(サムハラはご真言)
4.みそとご祈願札を台の上にお供えする。
「寺の人の話によると、みそをみそ地蔵の頭の上に乗せると、みそ地蔵の脳みそがみそに移る。そのみそを自分の頭の上に乗せると、みそ地蔵の脳みそが自分の頭に移る、というわけじゃそうな」
「合格をお願いするんじゃなくて、かしこいみそ地蔵の脳みそをまるごといただく、というわけじゃね」
「ま、わしらの子じゃけぇ、そがぁにいっぺんにえろうなるとは思わんが、信じるものは救われるじゃ!」
「自分を信じて、神様・仏様を信じて、がんばりんさいね」
↓合格祈願についての関連記事は、こちら↓
「落ちない」葉っぱ ヤマコウバシ
http://blog.goo.ne.jp/hiroshima-2/d/20110113
「今日は、「可児才蔵」「才蔵とみそ地蔵」「ご祈願の仕方」について勉強をさせてもらいました」
「今日もひとつ勉強になったでがんす」
「明日からのセンター試験を受験される皆さん、がんばってくださいね」
「時間に余裕を持って行動するんで。ほいじゃあ、またの」
「ここにみそ地蔵があって、頭にみそ(味噌)を乗せてお願いすると合格できる、といういわれがあるんじゃ」
「このお寺には、武将の可児才蔵(かに さいぞう)が祀(まつ)られとるんよね」
「今日は、「可児才蔵」「才蔵とみそ地蔵」「ご祈願の仕方」について調べてみようかの」
【可児才蔵】
可児才蔵の像
「可児才蔵は、美濃国(みののくに。現・岐阜県)可児郡の出身で、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将。本名は吉長(よしなが)というんじゃが、通称の才蔵のほうがよう知られとるんじゃ」
「才蔵が槍(やり)の名人というのは聞いたことがあるんじゃけど」
「宝蔵院流(ほうぞういんりゅう)十字槍の達人といわれとる。宝蔵院流を始めた覚禅房胤栄(かくぜんぼういんえい)から槍を学んで、「槍の才蔵」と呼ばれたそうじゃ」
覚禅房胤栄
(井上雄彦『バガボンド 4巻』講談社 1999年)
「才蔵が仕えとった福島正則も、槍の名人じゃったんよね?」
「賤ヶ岳(しずがたけ)の七本槍の一人に数えられとるんじゃ」
「才蔵は、関ヶ原の戦いで、たくさんの敵を討ち取ったそうじゃね」
「ほうなんよ。敵の首を17も取り、一番多く敵を討ち取ったいうて、家康から褒(ほ)められたんじゃ。そのころの戦(いくさ)では、討ち取った敵の首を取って、腰からぶら下げとったんよ」
「うゎ、生々(なまなま)しい話じゃね」
「才蔵はそれをせずに、討ち取った敵の口に笹の葉をくわえさせたそうじゃ」
「それなら、誰が討ち取ったかすぐに分かるね」
「このことから、「笹の才蔵」とも呼ばれたそうじゃ」
才蔵寺にあった、笹の家紋(?)
【才蔵とみそ地蔵】
「なんで槍の名人の才蔵と、みそ地蔵が結びつくんかね? そこが分からんのじゃけど…」
「調べてみたら、いろんな説があったんじゃ」
1.才蔵は晩年、仏門に入った。
人々の脳病平癒(のうびょうへいゆ)の治療に専念し、栄養の多いみそ造りを勧めたり、貧しい人々にみそを配って生活を助けるなど、社会奉仕を行なった。
2.元和5(1619)年、主君の福島正則が改易(かいえき)処分を受け、信濃国(しなののくに。現・長野県)に追われることになった。
才蔵は戦いになったときに備え、食料のみそを集めた。
3.福島氏に替わって、浅野氏が安芸の国の主となった。
才蔵ほか60人の侍は、矢賀(やが)にある小さな城に立てこもった。
浅野の殿様は城を攻めさせたが、才蔵たちは石垣の上から煮えたぎったみそ汁をかけて追い払った。
そこで今度は、兵糧(ひょうろう)攻めにしたが、これに対して才蔵は、ひとつのアイデアを思いついた。
城山にあるお地蔵さまに笹の葉を供え、それにみそと米をのせればどんな願い事も叶えられる、といううわさ話を広めるというもの。
そのうわさ話を耳にした人たちが、城山のお地蔵さまにみそや米を供えた。
こうして、食糧を確保した才蔵たちは城を支えることができ、立てこもった侍たちも何処(どこ)へともなく落ちのびることができた。
(3の参考資料:「可児才蔵のみそ合戦」『広島県大百科事典』中国新聞社 1982年)
「1の話は聞いた覚えがあるね」
「脳病うんぬんというのは、「みそ」と「脳みそ」をひっかけとるんじゃないんかと思うんじゃがの」
「才蔵は福島正則について行かずに、広島に残っちゃったんじゃね」
「才蔵は慶長18(1613)年に、60歳で亡くなっとるんよ。ほいで、福島正則が改易処分を受けたのが元和5(1619)年」
「ありゃ? 計算が合わんね」
「これだけの逸話が残されとるということは、才蔵が社会奉仕をして、民衆から尊敬されたということじゃないんかのう」
みそ地蔵と、お供えされたみそ
【ご祈願の仕方】
「みそ地蔵のご祈願の仕方がおもしろかったんで、ここに書いてみようかの」
みそ地蔵ご祈願の仕方
1.最初にご祈願札にお願い事、名前、年齢を書いて、みそにセロテープでとめる。(年齢は数え年を書く)
2.みそ地蔵さんの頭の上にのせて、サムハラ サムハラ サムハラと3回唱える。
3.次にそれを自分の頭の上にのせて、もう一度サムハラ サムハラ サムハラと3回唱えてしっかりお願いする。(サムハラはご真言)
4.みそとご祈願札を台の上にお供えする。
「寺の人の話によると、みそをみそ地蔵の頭の上に乗せると、みそ地蔵の脳みそがみそに移る。そのみそを自分の頭の上に乗せると、みそ地蔵の脳みそが自分の頭に移る、というわけじゃそうな」
「合格をお願いするんじゃなくて、かしこいみそ地蔵の脳みそをまるごといただく、というわけじゃね」
「ま、わしらの子じゃけぇ、そがぁにいっぺんにえろうなるとは思わんが、信じるものは救われるじゃ!」
「自分を信じて、神様・仏様を信じて、がんばりんさいね」
↓合格祈願についての関連記事は、こちら↓
「落ちない」葉っぱ ヤマコウバシ
http://blog.goo.ne.jp/hiroshima-2/d/20110113
「今日は、「可児才蔵」「才蔵とみそ地蔵」「ご祈願の仕方」について勉強をさせてもらいました」
「今日もひとつ勉強になったでがんす」
「明日からのセンター試験を受験される皆さん、がんばってくださいね」
「時間に余裕を持って行動するんで。ほいじゃあ、またの」