『無常を考える』平成29年9月・彼岸・配布資料
岩瀧山 往生院六萬寺 副住職 川口英俊
日本の仏教の各派においては、仏教の教えを分かりやすく伝えるために、独自に多くの「和讃」(わさん)が編纂されて、独特の節回しにて詠い継がれています。その中から、この度は、「無常」を題材として、今生において心掛けなければならないことについて書かれてある和讃を幾つか取り上げさせて頂きました。
「無常」は、「諸行無常」として、仏法の大切な基本となる四法印[諸行無常・諸法無我・一切皆苦・涅槃寂静]の第一番目と挙げられる大変重要な教えとなっています。涅槃経には、「諸行無常 是生滅法 生滅滅已 寂滅為楽」とございますが、「全てのモノ・コトは、常ならずに移ろいゆくものであり、この無常における私たちの迷い苦しみの原因としての輪廻生滅のありようをしっかりと理解した上で、迷い苦しみの原因となっているものを仏教の修習によって無くすことによって、輪廻生滅を脱して、悟り・涅槃という安楽な境地へと至るべきである」ということが述べられています。
皆、いずれにせよ、必ず死にゆきます。これは誰もが避けられない理。短くも儚く終わりゆく今生を、どう大切に生きて、そして、どう死後の赴き、後生の大事のためにあるべきかについて、これらの和讃も通じて考えて参りたいものでございます。
曹洞宗・無常御和讃
人のこの世のはかなさは
よみじに急ぐ露の身の
しばし仮寝の旅枕
憐れ常なき世なりけり
昨日の人は今日はなく
会えば別るる世の習い
夜半(よわ)の嵐に散る花の
もろきは人の命なり
遅れ先立つことあれど
往きて帰らぬ旅ぞかし
この身この世に救わずば
いずれの世にか救うべき
露の干(ひ)ぬ間もつかの間も
励みて積めよ善根を
山の高根に咲く花は
永劫(とこしえ)かけて香るべし
簡単解説・・儚い我が身を思い、その中にあっても、できる限りの善き行いに励みて、功徳を積むことの大切さが述べられています。
真言宗・無常和讃
霞(かすみ)にまごう桜花
錦織りなすもみじ葉も
夜半の嵐にさそわれて
色は匂えど散りぬるを
流れ静かに行く水と
人の命の定めなく
呼べど帰らぬ鹿島立ち
我が世誰ぞ常ならむ
黒白(あやめ)も分かぬ冥府の路
独りの旅と思いしに
大師の御手に導かれ
有為の奥山今日越えて
嬉しやここは密厳の
浄土なりけりあな尊(とう)と
諸仏菩薩に守られて
浅き夢みじ酔ひもせず
南無大師遍照尊
簡単解説・・まさに無常観の溢れる内容、弘法大師が考案されたとされる「いろは歌」も挟み込まれて、弘法大師の教えによる導きによっての大日如来様の仏国土である密厳浄土へのいざないについて述べられています。
いろはにほへどちりぬるを → 諸行無常
わがよたれぞつねならむ → 是生滅法
うゐのおくやまけふこえて → 生滅滅已
あさきゆめみじゑひもせず → 寂滅為楽
真言宗・追弔和讃
人のこの世は永くして
変わらぬ春と思えども
はかなき夢となりにけり
あつき涙のまごころを
みたまの前にささげつつ
面影しのぶも悲しけれ
しかはあれどもみ仏に
救われていく身にあれば
思いわずらうこともなく
とこしえかけて安からん
南無大師遍照尊
南無大師遍照尊
簡単解説・・儚くにも亡くなられた方を思い偲んで悲しくあっても、皆、御仏様によって救われてゆくことになる安心について述べられています。
浄土宗・黒谷和讃
帰命頂礼釈黒谷の
円光大師の教えには
人間僅か五十年
花にたとえば朝顔の
露より脆き身を持ちて
何故に後生を願わぬぞ
たとえ浮世に長らえて
楽しむ心に暮らすとも
老いも若きも妻も子も
後れ先立つ世の習い
花も紅葉も一盛り
思えばわれらも一盛り
十や十五の蕾花
十九二十の花盛り
所帯盛りの人々も
今宵枕を傾けて
すぐに頓死をするもあり
朝なに笑いし幼な児も
暮れには煙となるもあり
憐れ儚きわれらかな
娑婆は日に日に遠ざかり
死するは年々近づきて
今日は他人を葬礼し
明日は我が身も図られず
これを思えば皆人よ
親兄弟も夫婦とも
先立つ人の追善に
念仏唱えて信ずべし
あら有難や阿弥陀仏
南無阿弥陀仏
南無阿弥陀仏
南無阿弥陀仏
簡単解説・・円光大師は浄土宗の開祖・法然上人のことで、儚くにも亡くなられていかれた方々が、阿弥陀如来様の極楽浄土にて救われるようにと、阿弥陀如来様への信を起こして、念仏するようにと述べられています。もちろん、この儚いわが身も思い、自分自分の後生における極楽浄土への往生へと向けても阿弥陀如来様への信を起こして念仏することの大切さを考える内容になっています。
臨済宗・無常御和讃
静かに無常の有様を
思えばこの世は仮の宿
生者必滅会者定離
老少不定は世の習い
あれを見よ
とりべの山の夕煙
それさえ風におくれ先だつ
南無大悲観世音
一人来て
一人で帰る
死出の旅
花の浄土に
詣るうれしさ
南無阿弥陀仏
南無阿弥陀仏
簡単解説・・臨済宗(禅宗の一つ)は、本尊をお釈迦様とする宗派でありますが、実は、意外にも、死後は阿弥陀如来様の極楽浄土への引導(往生)を扱います。これには、大乗仏教における悟りへと向けての「見仏」(仏様と会いまみえること)と「授記」(仏様による悟りへと向けた保証・確約)という絶対条件のために、お釈迦様が、入滅された後の「見仏」と「授記」を阿弥陀如来様に託されたということが根拠になっているものと考えられます。
臨済宗・追善御和讃
あわれ無常の世にあれば
生命とどむるすべもなし
せめてよみじに幸あれと
願いてここにつどうなり
安かれと
拝む心に
かよいくる
みたまを照らせ
法のともしび
簡単解説・・はかなきこの世において亡くなりし方々が、安らかでありますように、そして、集まった皆にも仏法の灯が照らされますようにと述べられています。
川口英俊 合掌 平成29年9月18日
『葬儀と供養の意義について』平成29年8月・お盆施餓鬼法要配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/d2c3793b56451efdff407f7090851dc1
「大阪春秋」最新166号・春号・特集「夕陽のまち おおさか」紹介・日想観と往生院
http://blog.livedoor.jp/oujyouin_blog/archives/70160379.html
『般若心経における「空」について』 平成28年8月・お盆施餓鬼法要配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/93cd51b49c2264eb00fcc00a904a3392
「Amazonお坊さん便」の抱える問題について/平成28年3月・春彼岸施餓鬼法要・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/d339cd6c14be7db57860f241caf4984d
「仏教と戦争 ~ 戦後70年と仏教 ~」平成27年8月・お盆施餓鬼法要・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/c479dc1d59328df2708ba23499b4d92b
「仏教の基本的な理解のために」平成27年3月・春彼岸施餓鬼法要・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/55ced9a1512c6ef6e095caa4fbe9eb8c
「死後について」平成26年9月・秋彼岸墓前回向・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/46df9bb57071ef4f2b56161423dba66f
「お葬式について」平成26年8月・お盆施餓鬼法要・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/0816eb5e788bf5ecfc8eed8e901b1a76
・・
お坊さんネットQ&Aサービス・hasunoha
http://hasunoha.jp/
新機能「おきもち」
https://hasunoha.jp/docs/okimochi
hasunoha型クラウドファンディング「おきもち」始動
http://taka.hasunoha-blog.info/okimochi/
「hasunoha」拙回答まとめ集
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/
書籍化『hasunoha お坊さんお悩み相談室』発売中!
http://hasunoha.jp/docs/pr_0002
hasunoha書籍化・印税収益の一部・東日本大震災・被災者支援に寄附
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/89551fac04beefe15a197270ba215a78
・・
日々の修習の記録・・
毎日のお勤め・・
・六座グル・ヨーガ(フルバージョン)-回(朝夕)
・ガンデン・ラギャマのグル・ヨーガ -回
・チッタマニターラ尊成就法 -回(全)
(全)は全て・(半)は義務読経まで
都度のお勤め・・
・甚深道たる上師供養儀軌のグル・ヨーガ -回
・上師供養における供物の供養というもの -回
・ポア(ポワ)観想成就法・三つの真髄の教え -回
・「五次第」読誦(秘密集会究竟次第解説和訳テクスト)-回
「日々の密教修習の内容」2017.5.22
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/70dc1c61aa0103cce9c0a57dd58fae5e
甚深道たる上師供養儀軌福田
口自在たる慧蔵にて至善なる勝者流の、教誨の真髄を持す比類なき御方、無数なる勝者の海を凝集せし御身に祈願せん。最上と共通の悉地を給わんことを。ダライ・ラマ14世ガクワン・ロサン・テンジン・ギャツォ猊下に最敬礼申し上げます。
「偉大なる第十四世の長寿を祈願する如意自在王〔経〕」
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/8f49efb18934ec00993d52e91c603327
・・
ダライ・ラマ法王猊下様・ご法話『ブッダパーリタ註』(龍樹大師『根本中論頌』のブッダパーリタ大師による註釈書)
http://www.dalailamajapanese.com/videos/commentary-on-the-fundamental-wisdom-of-the-middle-way
https://www.youtube.com/user/dalailamajapanese/videos?flow=grid&sort=dd&view=0
深遠なる空と縁起の真実義を御説示なさられておられます。誠にこのようにご拝聴させて頂けますこと、有り難しでございます。
・・
以前にポア(ポワ)に関しての話題にて出させて頂きました『「歓喜の地・兜率天に至る階梯」と言われる「三つの真髄の教え」による観想の段階』の註釈書(ダライ・ラマ2世 ゲンドゥン・ギャツォ大師註釈 マリア・リンチェン氏訳)が、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所のサイトで公開されており、ダウンロードも可となっていますので、是非、ご参照なさられて下さい。
http://www.tibethouse.jp/about/buddhism/text/
11月御来日のダライ・ラマ法王様のご法話・灌頂の事前勉強会が開催されるようです。
『縁起讃・修習次第(中篇)』事前勉強会開催のお知らせ
http://www.tibethouse.jp/event/2017/170918event.html
ダライ・ラマ法王 東京来日法話『縁起讃・修習次第(中篇)・聖観自在菩薩の許可灌頂』
2017年11月11日(土)~13日(月)
http://www.tibethouse.jp/event/2017/teaching171111.html
2015年御来日の際には、聖観自在菩薩様許可灌頂が、より本格的な十一面千手観音菩薩様とカサルパニ観音菩薩様の灌頂へと変更になりましたね。誠に尊く有り難いことでございました。
石濱裕美子先生ブログ参照
http://shirayuki.blog51.fc2.com/blog-entry-746.html
ダライ・ラマ法王猊下様「熊本仏教講演会」
http://dalailama-kumamoto.org/
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「チッタマニターラ尊成就法の実践における御供えについて」2017.1.16
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52232371.html
「チッタマニターラ尊灌頂後のチベット密教の実修について」2016.12.11
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/33da8a793a1f6a08cd586e55de609e68
「チッタマニターラ尊灌頂におけるダライ・ラマ法王猊下様との問答内容について」
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/d814a5bc49ee9ffef9a7f8cf8cf73516
11/11-13「ダライ・ラマ法王猊下様・チッタマニターラ尊灌頂ご報告」
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/3101a23d05b1d35a25b1014052e6a728
ダライ・ラマ法王猊下様御来日/拙予習経過まとめ(2016.11.9)
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/792738f8de7c80c7d85ef6d7d1a2ac74
ダライ・ラマ法王14世日本公式サイト | 法王庁
http://www.dalailamajapanese.com/
公式フェイスブック
https://www.facebook.com/dalailamajapanese/
ダライ・ラマ法王猊下様御加持成就の「金剛杵と金剛鈴」
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52211094.html
2015.4.17「ダライ・ラマ法王猊下様のこと・・」
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52189915.html
2015.4.13「ダライ・ラマ法王14世来日法話 般若心経・菩提心の解説・観音菩薩の許可灌頂」ご報告
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/3ac42f140aef2fb85956f1fcd45e1b13
2014.4.14 ダライ・ラマ法王猊下様によるチベット密教・胎蔵曼荼羅灌頂・ご報告
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/bc5c08f69d78bdda5c6cca62d17d87df
2013.11.19「空と縁起」に関する拙質問に対してのダライ・ラマ法王猊下様の御回答内容について
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/710b99c74854aebc871a6f75e28dde12
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「末法味わい薄けれども教海もとより深し」資延敏雄大僧正師御遺誡
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/f37c7200c0600bab827593980280ffc8
・・
自分上場・VALU参加!
https://valu.is/kawaguchi
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「勝義方便メモ No.12」
https://togetter.com/li/1073026
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3/11東日本大震災七回忌 3/9-10未来の住職塾卒業式・フォーラム 3/10ポタラ・カレッジ訪問
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52235550.html
『未来の住職塾』受講を迷っているあなたへ!!!
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/5c578446835d9bc715a4fd053c352e0d
未来の住職塾・本科・第五期・受講感想(2017.1.24)
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/4c6afe0858cc7be1a89652de98f15062
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悟りへの因縁・修習・階梯について
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/cd86e06b26f70bfa72e8933112ee6e98
以下は、続きとしての定型記事一覧となります。
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/d60b9c69361758c6b7de52bd7f5c863b
ご興味がございましたら、各それぞれご覧下さいましたら幸いに存じます。
岩瀧山 往生院六萬寺 副住職 川口英俊
日本の仏教の各派においては、仏教の教えを分かりやすく伝えるために、独自に多くの「和讃」(わさん)が編纂されて、独特の節回しにて詠い継がれています。その中から、この度は、「無常」を題材として、今生において心掛けなければならないことについて書かれてある和讃を幾つか取り上げさせて頂きました。
「無常」は、「諸行無常」として、仏法の大切な基本となる四法印[諸行無常・諸法無我・一切皆苦・涅槃寂静]の第一番目と挙げられる大変重要な教えとなっています。涅槃経には、「諸行無常 是生滅法 生滅滅已 寂滅為楽」とございますが、「全てのモノ・コトは、常ならずに移ろいゆくものであり、この無常における私たちの迷い苦しみの原因としての輪廻生滅のありようをしっかりと理解した上で、迷い苦しみの原因となっているものを仏教の修習によって無くすことによって、輪廻生滅を脱して、悟り・涅槃という安楽な境地へと至るべきである」ということが述べられています。
皆、いずれにせよ、必ず死にゆきます。これは誰もが避けられない理。短くも儚く終わりゆく今生を、どう大切に生きて、そして、どう死後の赴き、後生の大事のためにあるべきかについて、これらの和讃も通じて考えて参りたいものでございます。
曹洞宗・無常御和讃
人のこの世のはかなさは
よみじに急ぐ露の身の
しばし仮寝の旅枕
憐れ常なき世なりけり
昨日の人は今日はなく
会えば別るる世の習い
夜半(よわ)の嵐に散る花の
もろきは人の命なり
遅れ先立つことあれど
往きて帰らぬ旅ぞかし
この身この世に救わずば
いずれの世にか救うべき
露の干(ひ)ぬ間もつかの間も
励みて積めよ善根を
山の高根に咲く花は
永劫(とこしえ)かけて香るべし
簡単解説・・儚い我が身を思い、その中にあっても、できる限りの善き行いに励みて、功徳を積むことの大切さが述べられています。
真言宗・無常和讃
霞(かすみ)にまごう桜花
錦織りなすもみじ葉も
夜半の嵐にさそわれて
色は匂えど散りぬるを
流れ静かに行く水と
人の命の定めなく
呼べど帰らぬ鹿島立ち
我が世誰ぞ常ならむ
黒白(あやめ)も分かぬ冥府の路
独りの旅と思いしに
大師の御手に導かれ
有為の奥山今日越えて
嬉しやここは密厳の
浄土なりけりあな尊(とう)と
諸仏菩薩に守られて
浅き夢みじ酔ひもせず
南無大師遍照尊
簡単解説・・まさに無常観の溢れる内容、弘法大師が考案されたとされる「いろは歌」も挟み込まれて、弘法大師の教えによる導きによっての大日如来様の仏国土である密厳浄土へのいざないについて述べられています。
いろはにほへどちりぬるを → 諸行無常
わがよたれぞつねならむ → 是生滅法
うゐのおくやまけふこえて → 生滅滅已
あさきゆめみじゑひもせず → 寂滅為楽
真言宗・追弔和讃
人のこの世は永くして
変わらぬ春と思えども
はかなき夢となりにけり
あつき涙のまごころを
みたまの前にささげつつ
面影しのぶも悲しけれ
しかはあれどもみ仏に
救われていく身にあれば
思いわずらうこともなく
とこしえかけて安からん
南無大師遍照尊
南無大師遍照尊
簡単解説・・儚くにも亡くなられた方を思い偲んで悲しくあっても、皆、御仏様によって救われてゆくことになる安心について述べられています。
浄土宗・黒谷和讃
帰命頂礼釈黒谷の
円光大師の教えには
人間僅か五十年
花にたとえば朝顔の
露より脆き身を持ちて
何故に後生を願わぬぞ
たとえ浮世に長らえて
楽しむ心に暮らすとも
老いも若きも妻も子も
後れ先立つ世の習い
花も紅葉も一盛り
思えばわれらも一盛り
十や十五の蕾花
十九二十の花盛り
所帯盛りの人々も
今宵枕を傾けて
すぐに頓死をするもあり
朝なに笑いし幼な児も
暮れには煙となるもあり
憐れ儚きわれらかな
娑婆は日に日に遠ざかり
死するは年々近づきて
今日は他人を葬礼し
明日は我が身も図られず
これを思えば皆人よ
親兄弟も夫婦とも
先立つ人の追善に
念仏唱えて信ずべし
あら有難や阿弥陀仏
南無阿弥陀仏
南無阿弥陀仏
南無阿弥陀仏
簡単解説・・円光大師は浄土宗の開祖・法然上人のことで、儚くにも亡くなられていかれた方々が、阿弥陀如来様の極楽浄土にて救われるようにと、阿弥陀如来様への信を起こして、念仏するようにと述べられています。もちろん、この儚いわが身も思い、自分自分の後生における極楽浄土への往生へと向けても阿弥陀如来様への信を起こして念仏することの大切さを考える内容になっています。
臨済宗・無常御和讃
静かに無常の有様を
思えばこの世は仮の宿
生者必滅会者定離
老少不定は世の習い
あれを見よ
とりべの山の夕煙
それさえ風におくれ先だつ
南無大悲観世音
一人来て
一人で帰る
死出の旅
花の浄土に
詣るうれしさ
南無阿弥陀仏
南無阿弥陀仏
簡単解説・・臨済宗(禅宗の一つ)は、本尊をお釈迦様とする宗派でありますが、実は、意外にも、死後は阿弥陀如来様の極楽浄土への引導(往生)を扱います。これには、大乗仏教における悟りへと向けての「見仏」(仏様と会いまみえること)と「授記」(仏様による悟りへと向けた保証・確約)という絶対条件のために、お釈迦様が、入滅された後の「見仏」と「授記」を阿弥陀如来様に託されたということが根拠になっているものと考えられます。
臨済宗・追善御和讃
あわれ無常の世にあれば
生命とどむるすべもなし
せめてよみじに幸あれと
願いてここにつどうなり
安かれと
拝む心に
かよいくる
みたまを照らせ
法のともしび
簡単解説・・はかなきこの世において亡くなりし方々が、安らかでありますように、そして、集まった皆にも仏法の灯が照らされますようにと述べられています。
川口英俊 合掌 平成29年9月18日
『葬儀と供養の意義について』平成29年8月・お盆施餓鬼法要配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/d2c3793b56451efdff407f7090851dc1
「大阪春秋」最新166号・春号・特集「夕陽のまち おおさか」紹介・日想観と往生院
http://blog.livedoor.jp/oujyouin_blog/archives/70160379.html
『般若心経における「空」について』 平成28年8月・お盆施餓鬼法要配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/93cd51b49c2264eb00fcc00a904a3392
「Amazonお坊さん便」の抱える問題について/平成28年3月・春彼岸施餓鬼法要・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/d339cd6c14be7db57860f241caf4984d
「仏教と戦争 ~ 戦後70年と仏教 ~」平成27年8月・お盆施餓鬼法要・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/c479dc1d59328df2708ba23499b4d92b
「仏教の基本的な理解のために」平成27年3月・春彼岸施餓鬼法要・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/55ced9a1512c6ef6e095caa4fbe9eb8c
「死後について」平成26年9月・秋彼岸墓前回向・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/46df9bb57071ef4f2b56161423dba66f
「お葬式について」平成26年8月・お盆施餓鬼法要・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/0816eb5e788bf5ecfc8eed8e901b1a76
・・
お坊さんネットQ&Aサービス・hasunoha
http://hasunoha.jp/
新機能「おきもち」
https://hasunoha.jp/docs/okimochi
hasunoha型クラウドファンディング「おきもち」始動
http://taka.hasunoha-blog.info/okimochi/
「hasunoha」拙回答まとめ集
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/
書籍化『hasunoha お坊さんお悩み相談室』発売中!
http://hasunoha.jp/docs/pr_0002
hasunoha書籍化・印税収益の一部・東日本大震災・被災者支援に寄附
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/89551fac04beefe15a197270ba215a78
・・
日々の修習の記録・・
毎日のお勤め・・
・六座グル・ヨーガ(フルバージョン)-回(朝夕)
・ガンデン・ラギャマのグル・ヨーガ -回
・チッタマニターラ尊成就法 -回(全)
(全)は全て・(半)は義務読経まで
都度のお勤め・・
・甚深道たる上師供養儀軌のグル・ヨーガ -回
・上師供養における供物の供養というもの -回
・ポア(ポワ)観想成就法・三つの真髄の教え -回
・「五次第」読誦(秘密集会究竟次第解説和訳テクスト)-回
「日々の密教修習の内容」2017.5.22
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/70dc1c61aa0103cce9c0a57dd58fae5e
甚深道たる上師供養儀軌福田
口自在たる慧蔵にて至善なる勝者流の、教誨の真髄を持す比類なき御方、無数なる勝者の海を凝集せし御身に祈願せん。最上と共通の悉地を給わんことを。ダライ・ラマ14世ガクワン・ロサン・テンジン・ギャツォ猊下に最敬礼申し上げます。
「偉大なる第十四世の長寿を祈願する如意自在王〔経〕」
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/8f49efb18934ec00993d52e91c603327
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ダライ・ラマ法王猊下様・ご法話『ブッダパーリタ註』(龍樹大師『根本中論頌』のブッダパーリタ大師による註釈書)
http://www.dalailamajapanese.com/videos/commentary-on-the-fundamental-wisdom-of-the-middle-way
https://www.youtube.com/user/dalailamajapanese/videos?flow=grid&sort=dd&view=0
深遠なる空と縁起の真実義を御説示なさられておられます。誠にこのようにご拝聴させて頂けますこと、有り難しでございます。
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以前にポア(ポワ)に関しての話題にて出させて頂きました『「歓喜の地・兜率天に至る階梯」と言われる「三つの真髄の教え」による観想の段階』の註釈書(ダライ・ラマ2世 ゲンドゥン・ギャツォ大師註釈 マリア・リンチェン氏訳)が、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所のサイトで公開されており、ダウンロードも可となっていますので、是非、ご参照なさられて下さい。
http://www.tibethouse.jp/about/buddhism/text/
11月御来日のダライ・ラマ法王様のご法話・灌頂の事前勉強会が開催されるようです。
『縁起讃・修習次第(中篇)』事前勉強会開催のお知らせ
http://www.tibethouse.jp/event/2017/170918event.html
ダライ・ラマ法王 東京来日法話『縁起讃・修習次第(中篇)・聖観自在菩薩の許可灌頂』
2017年11月11日(土)~13日(月)
http://www.tibethouse.jp/event/2017/teaching171111.html
2015年御来日の際には、聖観自在菩薩様許可灌頂が、より本格的な十一面千手観音菩薩様とカサルパニ観音菩薩様の灌頂へと変更になりましたね。誠に尊く有り難いことでございました。
石濱裕美子先生ブログ参照
http://shirayuki.blog51.fc2.com/blog-entry-746.html
ダライ・ラマ法王猊下様「熊本仏教講演会」
http://dalailama-kumamoto.org/
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「チッタマニターラ尊成就法の実践における御供えについて」2017.1.16
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52232371.html
「チッタマニターラ尊灌頂後のチベット密教の実修について」2016.12.11
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/33da8a793a1f6a08cd586e55de609e68
「チッタマニターラ尊灌頂におけるダライ・ラマ法王猊下様との問答内容について」
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/d814a5bc49ee9ffef9a7f8cf8cf73516
11/11-13「ダライ・ラマ法王猊下様・チッタマニターラ尊灌頂ご報告」
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/3101a23d05b1d35a25b1014052e6a728
ダライ・ラマ法王猊下様御来日/拙予習経過まとめ(2016.11.9)
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/792738f8de7c80c7d85ef6d7d1a2ac74
ダライ・ラマ法王14世日本公式サイト | 法王庁
http://www.dalailamajapanese.com/
公式フェイスブック
https://www.facebook.com/dalailamajapanese/
ダライ・ラマ法王猊下様御加持成就の「金剛杵と金剛鈴」
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52211094.html
2015.4.17「ダライ・ラマ法王猊下様のこと・・」
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52189915.html
2015.4.13「ダライ・ラマ法王14世来日法話 般若心経・菩提心の解説・観音菩薩の許可灌頂」ご報告
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/3ac42f140aef2fb85956f1fcd45e1b13
2014.4.14 ダライ・ラマ法王猊下様によるチベット密教・胎蔵曼荼羅灌頂・ご報告
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/bc5c08f69d78bdda5c6cca62d17d87df
2013.11.19「空と縁起」に関する拙質問に対してのダライ・ラマ法王猊下様の御回答内容について
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/710b99c74854aebc871a6f75e28dde12
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「末法味わい薄けれども教海もとより深し」資延敏雄大僧正師御遺誡
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/f37c7200c0600bab827593980280ffc8
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自分上場・VALU参加!
https://valu.is/kawaguchi
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「勝義方便メモ No.12」
https://togetter.com/li/1073026
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3/11東日本大震災七回忌 3/9-10未来の住職塾卒業式・フォーラム 3/10ポタラ・カレッジ訪問
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52235550.html
『未来の住職塾』受講を迷っているあなたへ!!!
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/5c578446835d9bc715a4fd053c352e0d
未来の住職塾・本科・第五期・受講感想(2017.1.24)
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/4c6afe0858cc7be1a89652de98f15062
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悟りへの因縁・修習・階梯について
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/cd86e06b26f70bfa72e8933112ee6e98
以下は、続きとしての定型記事一覧となります。
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/d60b9c69361758c6b7de52bd7f5c863b
ご興味がございましたら、各それぞれご覧下さいましたら幸いに存じます。