故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

継ぐより寄付

2018-12-08 10:04:23 | プロジェクトエンジニアー

今日のタイトルは、「継ぐより寄付」です。
田舎のお母さんが亡くなった。住んでいた家は、空き家になった。
家を片づけて、解体し更地にするのに300万円かかる。
更地にしたって売れる保証がない。
空き家と共に所有している田畑と共に、寄付した。
こんな話を妻から聞いた。

妻の友人の話である。
友人は、二人姉妹でそれぞれ自分の家に住んでいる。
自分たちの持ち出しがないほうがよい。
市役所に寄付したのではなく、移住希望者に田畑と古家付きを無償で譲り渡したのである。
相続税もかからない見事な決断である。

人口が、現在の12000万人から、2100年には5000~7000万人になると予測されています。
空き家が、2000~3000万軒出ても不思議ではない。
一生懸命開墾した田畑も野に林に帰るのです。
空き家は、放っておいても朽ちて崩れる。
百年も経てば、木が生え見えなくなっていることでしょう。

家は5000円/月、田んぼは半俵/年、畑はタダが相場です。
借りる場合のこの辺りの相場です。
売るのだって、畑付きの古家で400万円です。

古家を解体しないと、固定資産税を高くする。
今が10000円、4倍になっても40000円/年です。
これでは、空き家は減少しない。
移住しようにも、仕事がない。
移住しても近所付き合いがややこしい。
田舎は、交際費が思いのほかかかり、分母が少ない分だけ税金(住民税、介護保険料)が高い。
都会だって、あまりにも入れ替わり(転勤など)が激しくて、近所づきあいも薄い。

私たちは、空間にこだわりすぎている。
その空間(都会、田舎双方)に行ったとて、幸せになるとは限らない。
ないものねだりに終始する。
空間だけではなく、時間を提供する地方自治体が現れない。
見せるイベント(観光)から参加するイベントに変わりつつある。
もっと生活に関わる時間の提案ができないものだろうか。
例えば、子育て期間(幼稚園、義務教育)が無料。
介護期間が無料か極端に低い。
この間(教育期間、終末期間)だけ、次から次に人が移住する。
その期間が終われば、またどこかに移住する。
人が集まれば、いろんな人が必要になる。

お金がすべてではない。
楽しい仕事がある。いろんな選択肢がある。
ニッチでよいではないか。その人がいなければ回らない。
大手ゼネコンが取って、地元業者に半額で投げる。
最初から、半額で地元業者に受注してもらえばよい。
地元業者に資格がなければ、自治体で資格だけ持てばよい。
資格取得と維持のお金を半額から出せばよい。
そのための教育費がかかる。そうすることで教育機関ができる。

都会に出てみたが、想いのほかであった。
田舎に住んだが窮屈だった。
どちらも若者の実感である。
各職種をマイスター制度(教員免許、各種国家資格)にすればよい。
マイスターのランク(経験と能力)によって給料は決まる。
会社の大きさではない。

私たちは、人生の時間軸を考え直すべきである。
必要と思われるもの(携帯、テレビ、家、つきあいなど)を考え直すべきである。
借金がなければ、どこにでも自由に行ける。
家など買うから住まいの自由が奪われる。
大学生は大人です。彼や彼女が家を出ればよい。
夫を単身赴任させる理由など何もない。持ち家が自由を奪っているのです。

アメリカでは、スラム街に投資することがもっともなトレンドと言われている。
ローリスクハイリターンである。
スラム街の閉鎖した工場を買い取り、教育者に安く提供する。
教育者は、なぜスラムになったかを研究し、
教育こそスラムを抜け出せるヒントだと気づき、
地域の子どもたちの教育を熱心にする。
やがて、子供たちは職を得てスラムに住んだままお金を得る。
そのお金が、スラムで循環する。
投資したお金は、何倍にもなって帰ってくる。
帰ってこなくても良いとも思います。

人生では、必要な時間に空間が変わればよい。
少なくとも空間にたどり着くまでの時間が短い方がよい。
ここにきて何がよいかというと、ゴルフ場まで10分で行ける。
しかも、ゴルフ場がたくさんあるから選択肢が広がる。
雪が降れば、少し遠出(1時間)すればよい。

もったいないからと、冷蔵庫にため込む。
そのうち忘れて、何があるのか見えないくらいたまってしまう。
ええい。と捨ててしまう。すっからかんのかー。
今度は、何を入れようかと希望が湧く。
過去必要だったけど、今は無用なものがいっぱいある。
空間より、時間です。
都会では当たり前の1時間以上の通勤時間です。
田舎では、30分で事足りる。
時間が使えるはずなのに、贅沢なはずなのに、携帯やテレビを見てしまう。

「継ぐより寄付」でした。
無用なものを必要と思える人に提供できる自治体が生き残れる。
必要なものにできる人たちが幸せをつかめる。

ごみは邪魔 肥料に変えれば もっと星

2018年12月8日
コメント
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