老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1441;かけ違い

2020-03-08 11:50:00 | 阿呆者
那須高原 余り人が通らない路

かけ違い

ボタンのかけ違い
かけ直すことができる

言葉のかけ違い
相手のこころを傷つける




惚けてなくても、うっかりして、ボタンのか
け違いをすることがある。他人に言われて、
はじめて気づき、慌ててボタンをかけ直す。

やっかいなのは、言葉のかけ違いである。
言葉を発した当の本人自身が「かけ違い」を
したと思っていない。ボタンのかけ違いは、
目に見えるからわかりやすい。言葉のかけ違
いで、相手のこころを傷つけ取り返しのつか
ないことにもなりかねない。

言葉は、「言の葉」と表現され、みずみずし
い新緑の葉を連想してしまう。みずみずしい
葉は生命そのものであり、言の葉も生命を宿
している。

家族や友人、知人が悲嘆にくれたとき、無言
であっても相手に癒されたり、悲しみ消えて
ゆくような気持ちになったりする。「頑張っ
てね」「大丈夫だよ」と言葉にしなくても、
勇気づけられたり希望を持ち始めるのも言葉
の力である。