goo blog サービス終了のお知らせ 

BSE「プリオン調査会」に激震 4月4日

BSE問題を検討する政府の「食品安全委員会プリオン専門調査会」の12人のメンバーのうち、米国産牛肉の輸入再開に慎重な意見を述べていた金子清俊東京医大教授など6名が、1日付けでこぞって辞任という異例の事態が発生した!アンビリーバブル!!

「食べるか食べないかは消費者の選択だ」と言ってのけた吉川座長を筆頭に、はじめに輸入ありきのムード満々だった調査会に、これでブレーキをかける委員が1人も居なくなった。あとは政府の思惑通り、米国の思うがままに、瞬く間に輸入再開が決定し、間違いなくいずれは牛の月齢などのハードルが下げられ、リスクの高い米国産牛肉が日本の市場に再び大量に出回ることになるだろう。

果敢に異論を唱えていた金子座長代理の辞任は、消費者にとって大きな痛手だ。金子氏は、「諮問そのものが妥当かどうか評価できる仕組みでなければ、調査会の本当の独立性は保たれない。そもそも議論そのものが、輸入再開に向けてのものだった。」と激白している。金子氏の「(6名の辞任について)審議の全てのステップを公正にやっていこうという人が辞められたかといえば、そうかもしれない。」との発言は非常に重く、私たち消費者にとっては、溜息が出るような展開だ。

動物衛生研究所プリオン病研究センター前センター長の品川森一氏は、当初から調査会の運営に疑問を持ち、一昨年の12月から会議に欠席していた。「政府に都合の良い結論を強引に決めようとしていたので出席しなかった。今後は根本的に審議のあり方を見直して欲しい。」とはっきりと辞任の弁を述べている。

BSE感染リスクの高い米国産牛肉の取り扱いに関する政府の対応は、誰の目からも明らかなように日本の消費者の立場というよりは、米国政府寄りのものだ。慎重派の委員が居なくなったことで、米国パッカーのモラルやシステムの向上や米国の飼料規制そのものの改善がなされぬまま、リスクを隠蔽し国民を騙すような形で再び輸入が再開される日がやって来る確率は、明らかに高くなったといえる。

承知していたことではあるが、金子氏や品川氏の辞任の弁に、あらためて食品安全委員会の有名無実化に憤りを感じる。結論が決まっているのだから、議論は議論ではない。血税を使って無意味な議論を繰り返し時間を浪費するだけなら、むしろそんな調査会などないほうがましだ。昨年12月、政府は、プリオン調査会の結論をたてに、輸入再開を決定したのだから。

極めて残念なことに、現代のマスメディアは、政府の情報操作の手先と成り下がっている。米国産牛肉に関しては、今後益々、政府即ち米国に都合の良い情報ばかりが、消費者に届けられるようになるだろう。情報の取捨選択能力を磨いていかない限り、私たちは権力の思う壺だ。更に、前原体制のようなアメポチ・アベポチ路線ではなく、果敢に体制派に挑み不正をただし国民のために正義を貫く頼り甲斐のある政党に民主党が生まれ変わって初めて、国民の安全は守られるのだ。民主党の鋭い切り込み以外に、国民の安心・安全を守る方法など存在しない。

注目を浴びる民主党の代表選びは、どんな政策でどういう政党を目指していくのか、肝腎要の議論がまったく国民に伝わっていない。候補者が我を張りすぎると、それぞれのグループによる、権力奪取を目的とした政治ゲームの印象しか与えない。結党以来最低の支持率をもたらした原因は、前原代表を中心とする一部の人々の暴走を許した結束力のなさではなかったか。新代表の座をめぐって、それぞれのグループが牽制し合っているのでは、まったく同じことの繰り返しになる。BSE問題は勿論、懸案のライブドア・防衛施設庁談合・耐震強度偽装の4点セットも含めて代表候補の政策と党運営方針を国民の前に堂々と示し、予め代表就任後の一致結束を確認し合い、その上で代表選挙をたたかうべきだと私は思う。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 北海道の牛乳... 民主党再生な... »