北海道の牛乳廃棄 4月3日

北海道の牛乳が売れない。生産過剰で既に1,000tが廃棄され、酪農家は途方に暮れている。北海道は全国の牛乳消費量の約半分を賄っていたが、全国の牛乳消費量そのものが前年比7%減と、大幅に落ち込んでいる。ところが、昨年来、飼料となる牧草の生育が良く、例年以上に乳の出が良いために、蛇口をひねるように生産調整できないため、大量の生乳廃棄につながっているということだ。

酪農家は、何故、牛乳の消費量の減少を予測することができなかったのだろうか。豆乳やお茶・スポーツドリンクの台頭もさることながら、そもそも現代人が牛乳そのものを受け付けなくなってきている実態を、ホクレンや日本酪農乳業協会は冷静に分析しなければならない。特に北海道では、正式に検査が実施されるようになった2001年以降、ホルスタインにBSE感染牛が6例も発生しており、このことが北海道牛乳の消費減少に拍車をかけていることは否めない。事実、私も、北海道でBSE感染が発覚して以降は、北海道産の牛乳は避けていた。

何を隠そう、私も北海道牛乳を飲まなくなった者の1人であるが、実は今では、牛乳そのものをまったく飲まなくなった。牛乳が、体に毒だとわかったからだ。前にも紹介したが、ベストセラーである新谷医師の「病気にならない生き方」には、このことがはっきりと書かれている。牛乳は油に比肩するくらい酸化の進んだ食物であり、新谷医師は、牛乳を「錆びた脂」と呼んでいる。加工の段階で、生乳に含まれる脂肪球を細かく砕き均等化(ホモゲナイズ)する際、乳脂肪は酸化されて過酸化脂質に変化する。文字通り、牛乳は「錆びた脂」になるわけだ。

おまけに、殺菌処理のために低温であっても60度、通常100度以上で熱処理をするために、抗酸化作用・抗炎症作用・抗ウイルス作用・免疫調節作用を持つラクトフェリンなど体に良いとされる物質は、ほぼ完全に失われてしまう。最終的に私たちの口に入る段階で、牛乳はむしろ健康を阻害する飲料に変貌してしまうのだ。最近では「ノンホモゲナイズ」と称した牛乳も出回っているので、どうしても牛乳を飲みたい方は、そういうものを選んだほうがまだマシだ。

妊婦が牛乳の愛飲者であった場合、子どもにアトピーが出やすいことや、小児喘息やアトピーなどのアレルギー症状を持つ子どもに、牛乳や乳製品の摂取を一切止めさせたら、症状がピタッとおさまる事例があることからも、もはや、牛乳が一種のアレルゲンであることは疑う余地もない。こんにち、アトピーや花粉症などのアレルギー患者が急増した原因は、1960年代に始まった学校給食の牛乳のせいではないかと言われているくらいだ。食の安全に敏感になった日本人が、これらの情報に影響され、間違いなく牛乳を避けるようになったのだ。牛乳消費の落ち込みは、他の飲物の影響が主たる要因では決してないのだ。

一方で、農水省や厚労省が、全国の酪農家の命を奪うようなことを、口がさけても言えるわけがない。しかし、実際には、牛乳は健康を害する飲物だ。人間が牛乳を受け付けなくなるのは、極めて自然のことなのだ。本来、牛の乳は、仔牛が飲むものであって、人間が飲むものではないのだ。牛乳は、学校給食のように強制的に飲まされるものではなく、嗜好品であるべきだ。牛乳を飲めない子どもが居るのは当たり前。むしろ、飲めないほうが自然であると、大人は受け止めなくてはいけない。

酪農家の方々には本当にお気の毒だが、牛乳市場の先行きは暗い。これからは、広大な牧場を畑に転換して、じゃがいも・アスパラガス・とうもろこし・たまねぎ等々北海道ならではの野菜を、完全無農薬で栽培して、全国のロハスな消費者に提供する道を考えて欲しい。私たち消費者が求めているのは、体に良い、可能な限り無添加の食材だ。例えば、1束100円の農薬まみれの中国野菜などではないのだ。完全無農薬栽培や有機栽培にかかるコストは、価格に反映すればよい。少々高くても無農薬野菜のほうを、「健康への投資」だと思って、消費者は手にするはずだ。そういう形での酪農の大転換を、私たち消費者は大いに応援する!
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