山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角にこの世は住みにくい。
の有名な文章で始まる夏目漱石の小説『草枕』、元旦にBOOK・OFFで買いました~。
みなさん、新年明けましてお目出とう御座います。本年も宜しくお願いします。
この本を買ったのはその主人公が「画家」だから。今年は「色気のある絵」が描ける様になりたいと願うので~す。
「本」の世界にはまっている…と僕はいってますが、小説(フィクション)はどうも読みにくいのです。初めからきっちり読まねばならぬのでね。ぱらぱらとめくって読みたいところから入る、というのがこの頃の僕の読み方なのさ…。 そういうわけで、この本もぱらぱらぱら… と、
女「じゃ何が書いてあるんです」
男「そうですね。実はわたしも、よくわからないんです」
女「ホホホホ。それで御勉強なの」
男「勉強じゃありません。只机の上へ、こう開けて、開いた所をいい加減に読んでるんです」
女「それで面白いんですか」
男「それが面白いんです」
(中略)
女「初(はじめ)から読んじゃ、どうして悪るいんでしょう」
男「初から読まなければならないとすると、仕舞まで読まなけりゃならない訳になりましょう」
女「妙な理屈だ事。仕舞まで読んだっていいじゃありませんか」
男「無論悪るくは、ありませんよ。筋を読む気なら、わたしだって、そうします」
女「筋を読まなけりゃ何を読むっていうんです。筋の外に何か読むものがありますか」
(中略)
男「全くです。画工(えかき)だから、小説なんか初から仕舞まで読む必要はないんです。けれどもどこを読んでも面白いんです。あなたと話をするのも面白い」
アッハッハ。こりゃ意見が一致しましたな、漱石先生! 気が合いそうです。
さて、後ろの夏目漱石年譜を見てみよう。
本名夏目金之助…アレレ、夏目金…「金目」ですか! ワハッハハ。漱石先生、あなた、金の目の魚でしたか!
なになに、33歳のときイギリス留学…神経衰弱…そうですか、漱石先生、神経症(ノイローゼ)でしたか。それで気分転換に自転車を、そうですか。100年前のロンドンで漱石先生が自転車に!
帰国して帝国大(東大)の講師に。神経衰弱が昂じて、それで水彩画を…そうですか、漱石先生、水彩画を描かれていたんですね! ほうほう。
女「ええ鏡の池のほうを廻って来ました」
男「その鏡の池へ、わたしも行きたいんだが…」
女「行って御覧なさい」
男「画にかくに好い所ですか」
女「身を投げるに好い所です」
男「身はまだ中々投げないつもりです」
女「私は近々投げるかもしれません」
(中略)
女「私が身を投げて浮いている所を__苦しんで浮いている所じゃないんです__やすやすとして浮いている所を__奇麗に画にかいて下さい」
男「え?」
女「驚ろいた、驚ろいた、驚ろいたでしょう」
女はするりと立ち上る。 …
この画工(えかき)、鉛筆持って考え事をして、結局、画をかかないで詩を作ったり本を読んだりしているんだよな。アッハハハ。
智に働けば角が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角にこの世は住みにくい。
の有名な文章で始まる夏目漱石の小説『草枕』、元旦にBOOK・OFFで買いました~。
みなさん、新年明けましてお目出とう御座います。本年も宜しくお願いします。
この本を買ったのはその主人公が「画家」だから。今年は「色気のある絵」が描ける様になりたいと願うので~す。
「本」の世界にはまっている…と僕はいってますが、小説(フィクション)はどうも読みにくいのです。初めからきっちり読まねばならぬのでね。ぱらぱらとめくって読みたいところから入る、というのがこの頃の僕の読み方なのさ…。 そういうわけで、この本もぱらぱらぱら… と、
女「じゃ何が書いてあるんです」
男「そうですね。実はわたしも、よくわからないんです」
女「ホホホホ。それで御勉強なの」
男「勉強じゃありません。只机の上へ、こう開けて、開いた所をいい加減に読んでるんです」
女「それで面白いんですか」
男「それが面白いんです」
(中略)
女「初(はじめ)から読んじゃ、どうして悪るいんでしょう」
男「初から読まなければならないとすると、仕舞まで読まなけりゃならない訳になりましょう」
女「妙な理屈だ事。仕舞まで読んだっていいじゃありませんか」
男「無論悪るくは、ありませんよ。筋を読む気なら、わたしだって、そうします」
女「筋を読まなけりゃ何を読むっていうんです。筋の外に何か読むものがありますか」
(中略)
男「全くです。画工(えかき)だから、小説なんか初から仕舞まで読む必要はないんです。けれどもどこを読んでも面白いんです。あなたと話をするのも面白い」
アッハッハ。こりゃ意見が一致しましたな、漱石先生! 気が合いそうです。
さて、後ろの夏目漱石年譜を見てみよう。
本名夏目金之助…アレレ、夏目金…「金目」ですか! ワハッハハ。漱石先生、あなた、金の目の魚でしたか!
なになに、33歳のときイギリス留学…神経衰弱…そうですか、漱石先生、神経症(ノイローゼ)でしたか。それで気分転換に自転車を、そうですか。100年前のロンドンで漱石先生が自転車に!
帰国して帝国大(東大)の講師に。神経衰弱が昂じて、それで水彩画を…そうですか、漱石先生、水彩画を描かれていたんですね! ほうほう。
女「ええ鏡の池のほうを廻って来ました」
男「その鏡の池へ、わたしも行きたいんだが…」
女「行って御覧なさい」
男「画にかくに好い所ですか」
女「身を投げるに好い所です」
男「身はまだ中々投げないつもりです」
女「私は近々投げるかもしれません」
(中略)
女「私が身を投げて浮いている所を__苦しんで浮いている所じゃないんです__やすやすとして浮いている所を__奇麗に画にかいて下さい」
男「え?」
女「驚ろいた、驚ろいた、驚ろいたでしょう」
女はするりと立ち上る。 …
この画工(えかき)、鉛筆持って考え事をして、結局、画をかかないで詩を作ったり本を読んだりしているんだよな。アッハハハ。