「白ゆき姫殺人事件」

～私は、私がわからない～

2014年　　日本映画　　　（2014．03．29公開）
配給：松竹　　　　　　　　上映時間：126分
監督；中村義洋
原作：湊かなえ　　『白ゆき姫殺人事件』（集英社刊）
脚本：林民夫
音楽：安川午朗
劇中曲：芹沢ブラザーズ（TSUKEMEN）
出演：井上真央／綾野剛／蓮佛美沙子／菜々緒／金子ノブアキ／小野恵令奈
　　　　谷村美月／染谷将太／秋野暢子／ダンカン／山下容莉枝／宮地真緒
　　　　大東駿介／野村佑香／貫地谷しほり／生瀬勝久

＜見どころ＞
『告白』などの原作者・湊かなえの小説を基に、美人OLの殺害容疑を掛けられた
女性をめぐって人間の悪意を浮き彫りにしていくサスペンスドラマ。
報道によって浮かび上がる容疑者像をきっかけに、インターネット上での匿名の
中傷やマスコミの暴走など現代社会の闇が描かれる。
監督は、『ゴールデンスランバー』などの中村義洋。容疑者である地味なOLを
井上真央が熱演。テレビディレクター役の綾野剛のほか、菜々緒、貫地谷しほりらが
共演する。容疑者がいかなる結末をたどるのか最後まで目が離せない。

＜ストーリー＞
人里離れた山中で10か所以上を刺され、焼かれた死体が発見される。
殺害されたのは典子（菜々緒）で、容疑者は化粧品会社のOL城野美姫（井上真央）。
テレビディレクターの赤星雄治（綾野剛）は、美姫の同僚、家族、幼なじみなどに取材。
典子が美姫の同期入社で、美人で評判だった一方、美姫は地味で目立たない存在
だったことが報道され……。

＜感想＞
原作＝未読。

いやぁ～キャスティング、絶妙。

子役からファンだった井上真央ちゃんと、個人的に好みの綾野剛君が出ているから
楽しみにしていましたが、地味なOL役を好演していました。真央ちゃんも普段十分
かわいいのですが、見事にその可愛いオーラが消えていましたし、証言者によって
異なる印象の城野美姫をうまく演じ分けていたと思いました。さすがです。
綾野剛君もちゃらい記者が、めっちゃ似合っていましたよ。しかし、この赤星っていう
人間、ほんとどうしようもないダメ人間ですね。

しかし、それ以上に驚いたのが、菜々緒ちゃんの見事なまでの女王様っぷり。
もぅこれが「素」なんとちゃう？と思うぐらいのハマリ役でしたわ。

 
「女の敵は女」と言われるように、女同士のバトルは陰湿で見ていて気分が悪いです。
会社じゃないけど、学生時代女子寮にいた時は、似たような経験ありましたよし、
どこにいたって（ママ友同士とか）、女が複数集まればバトルはありますね。
私は、そんな中にいたくないから極力避けますが。。。。
Twitterで起こるサイバーカスケードが描かれていますが、現実でも誹謗中傷が
露骨に出ていますよね・・・・・。これを見ていて、小保方さんの件をふと思って
しまいましたよ。

湊かなえさんの作品は何冊か読んでいますが、人間の闇の部分を映し出すのが
本当にうまいですね。どの登場人物も共感できなかったけれど、私を含めみんな
何かしら自分の都合の良いように解釈して話してるのかもしれません。
それにしても、「あの人はそんな人じゃありません」と味方ぶって、実名を垂れ流しした
学生時代の友人の行動が一番嫌悪感を感じました。でも、こういう人いるよね。

一番印象的だったのが、最後のシーン。
赤星が、ずっと取材していた美姫と出くわすのだが、美姫だと全く気付かないんですよね。
彼は、結局何一つ見えていなかったわけですね。

コインパーキングに停めていた車を（鍵かけてるはずなのに）、犯人はどうやって
カギを得て動かしたのだの、いろいろツッコミはありますが、今の世の中の怖さを
表現しているように感じた作品でした。

にしても、警察が全然出てこなかったな・・・殺人事件なのに（笑）

点数：７点　（１０点中）