夢千夜 1000dreams

漱石「夢十夜」へ挑戦する

947夜

2010-02-25 09:10:36 | Weblog
空き地に雪が降り積もって壁になっている。ビルの十階ほどの高さがある。空き地は私の家から数百メートル離れているが、その壁がよく見える。壁は次第に私の家の方向にせり出してきている。初めは上の方に雪の屋根がせり出し、 屋根の下に家を包み込むような形になる。 そして屋根の重さに耐えられなくなると一気に落ち、家が隠れる。その周囲一帯の家は雪の壁に吸収されたことになる。そのようにして壁は厚みを増していく。雪は空から砂糖をまいたようにパラパラと降っているだけだが、確実に雪の屋根はせり出してきていて、私の家が壁に吸収されるのも時間の問題である。

946夜

2010-02-11 09:25:30 | Weblog
自転車に乗って交差点で止まり、再びこぎ出すと子供が私を追ってくる。私のまたがっている自転車がいつのまにか、その子供の自転車にかわっている。私には何も疚しいところはない。これは何かの間違いだ。お母さんは怒って警察に電話する。やってきた警官によって私の無罪は証明されたが、そのお母さんは数十年も不法滞在している外国人で、私を警察に訴えたがために自分の罪がばれ、本国に強制送還になったという。

945夜

2010-02-10 10:27:52 | Weblog
久しぶりによく眠ったなと思って目覚める。口の周りが毛っぽくなっている。おかしいと思ってふと気づくと、私は枕として私が飼っているうさぎを敷いていた。ウサギは死んでから数時間たっているようで完全に冷たくなり、瞳孔も乾いている。ウサギは眠る前に私とじゃれていて布団のうえで遊んでいたが、いつのまにか私が寝入ってしまったので退屈で私のそばに寄ってきたのだろう。そして頭の下に入り込むと、主人があまりにもうれしそうに眠っているので、じっと我慢し、限界を越えても主人のために我慢し続け、ついに息絶えてしまったのだろう。なんという主人思いのウサギだったのだろうかといとしさで一杯になるとともに、ウサギを殺してしまった罪悪感で発狂しそうになる。

944夜

2010-02-02 10:33:19 | Weblog
家族がいる。両親、十代の息子、小さい娘が散歩に出かける。息子はちょっと忘れ物があると言って、マンションにある一家の部屋に戻る。家族は下で待っている。五分後息子が戻ってきて皆で散歩に出かける。息子は家族に微笑して下りてきたが、その五分の間に隣の部屋の娘を強姦したうえで殺し、止めに入った娘の家族を三人、椅子で撲殺していた。というニュースを聞いたが、それは私の住んでいるマンションで起きた事件だった。そういえば、いつも微笑しているような顔をしたその息子に廊下で何度か会ったことがある。

943夜

2010-02-01 12:03:45 | Weblog
「あーそびましょ、あそびましょ」と大声で言いながら、小学校低学年か、あるいはそれ以下の子供たちが私を誘いに来る。子供たちには私も同じくらいの年齢に見られているらしい。私がついていくと、田んぼの真ん中に教室くらいの大きさがある透明なボックスが設置されていて、中に多くの裸の子供たちが入っている。周りの子供たちがはやしたてると、ボックスの中の子供たちはそこから脱出しようとして一か所にあいている狭い出口に向かうが、出口に達すると上から透明の刃が落ちてきて子供の体は真っ二つになる。見ている子供は大声で笑う。しばらくすると飽きたのか、私の周りの子供は「またあそびましょ」と私に言って去っていく。