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「「いつものパン」があなたを殺す」という本はとてもオススメ!

2016年08月12日 01時00分00秒 | 
「「いつものパン」があなたを殺す」の購入はコチラ

 「「いつものパン」があなたを殺す」という本は、実はパン(穀物)等の炭水化物は、脳の中で炎症を起こして脳の働きを鈍くし、将来の認知症や頭痛や、うつ病、糖尿病、不眠症などにつながっていることについて、分かりやすく説明したものです。

 そして、健康のために具体的な食事や運動、睡眠についても分かりやすく書かれています。

 確かに、人類の長い歴史の中で、炭水化物を多く摂取するようになったのは最近ですし、私はたまに頭痛になるのですが、小麦粉が多いお好み焼きばかり食べた後に頭痛になったりしたので、炭水化物の摂り過ぎは身体に良くないのかと思います。

 祖先が食べていた炭水化物の量に抑え、祖先が食べていたと同じくらいのタンパク質や脂肪を食べることが、健康の秘訣のようです。
 特に今まで悪いと言われていた脂肪やコレステロールを食べることが、脳や健康、長生きにも良いというのには驚きましたね。

 さっそく、私も本書に書かれている食事を実践してみようと思っています♪

 「「いつものパン」があなたを殺す」という本は、健康のための秘訣がたくさん書かれていてとてもオススメですね!

以下はこの本のポイント等です。

・脳に悪い食べ物(パン(精白したもの、全粒のものもすべて)、パスタ、シリアル、ピザ、甘いフルーツ、ドーナツ、焼き菓子類、ケーキ、ポテトチップス、ジャム、炭酸・清涼飲料水、キャノーラ油、サラダ油、紅花油などの油、ビール、アイスクリーム、マーガリン、マヨネーズ、ケチャップ、砂糖、ソーセージ、発酵させていない大豆食品、コーン、サツマイモなど

・脳にいい食べ物(魚介類(天然魚・貝・甲殻類など)、卵、肉(牛肉、豚肉、鶏肉など)、甘さ控えめのフルーツ(柑橘類、ベリーなど)、ナッツ、オリーブオイル、ココナッツオイル、野菜(アボガド、トマト、きゅうり、かぼちゃ、なす、ピーマン、ズッキーニ、ブロッコリー、モヤシ、キノコ類、葉物野菜など)、発酵させた大豆食品、純粋なバター、ハーブ類・香辛料、米(1日1回)、カカオ70%以上のチョコレート、赤ワイン(1日1杯)など

・本書は次のようなことに直接役に立つだろう。
 ADHD(注意欠如・多動性障害)、不安と慢性的ストレス、慢性的な頭痛と偏頭痛、うつ病、糖尿病、集中力の問題、関節炎などの炎症性の異常と疾患、不眠症、セリアック病(グルテン性腸症)、グルテン過敏症、過敏性腸症候群などの腸の問題、記憶問題と軽度認知機能障害(多くがアルツハイマー病の前駆段階)、気分障害、体重過多と肥満、トゥーレット症候群(チック)、そのほか多々。

・脳疾患の原因は多くの症例において、たいがいは食事だ。脳の不具合の発生と進行にはいくつかの因子が関わっているものの、大体の場合、炭水化物を食べ過ぎたとか、健康的な脂肪をほとんど口にしなかったという過ちのせいだ。この事実を理解するには、あらゆる神経系の病気の中でもっとも恐るべきもの、つまりアルツハイマー病を考えることだ。そしてアルツハイマー病を食事だけが引き金となる糖尿病の一種という視点で見てみることだ。質の悪い食事をとっていると肥満や糖尿病になり得ることは誰もがわかっている。

・昔と今、こんなに食べているものが違う
 祖先の食事(脂肪75%、炭水化物 5%、タンパク質20%)
 現代の食事(脂肪20%、炭水化物60%、タンパク質20%)

・高コレステロールであれば、脳疾患を患うリスクが低減し、寿命が長くなることがわかっている。同じように、食事のよる脂肪の量が多いことは(ただし体にいい脂肪であり、トランス脂肪ではない)、健康にとって重要であり、そのおかげで脳はフル稼働できるのだとわかってきている。この話は、これまで「信じなさい」と教えられてきたこととは正反対だ。

・この本を読み終わって「低炭水化物の食事を続けよう」と考えても、これまで大好きだったおいしい食べ物を全部やめるとなると、イライラするかもしれない。しかし、あきらめることではない。それをできるだけ簡単なものにすることを約束しよう。パンの代わりにほかのものを置けばいいのだ。バター、肉、チーズ、卵など、どういうわけかあなたにとって悪いものだと決めつけていて、食べようとしなかったもの、それに、とても健康にいいいたっぷりの野菜などがパンの代わりになるはずだ。何よりうれしいこtに、炭水化物に頼る代謝から、脂肪やタンパク質に頼る代謝に変えればすぐに目標は達成しやすくなる。たとえば、苦労せずに継続的に体重を減らすとか、一日中もっと元気でいられるとか、よく眠れとか、もっと記憶力を磨いて脳の働きがよくなるとか、よりよい性生活を送れるといった目標だ。

・なぜ、これほどたくさんの穀物や炭水化物を平らげることが体にダメージを与えるかというと、穀物や炭水化物が肉や魚、野菜などといった食べ物とは違う方法で、血糖値を上昇させるからである。血糖値が上昇すれば上昇するほど、インスリンはすい臓からどんどん分泌されて糖質を処理しなくてはならない。こうしてインスリンが増加すれば、細胞はインスリンシグナルに対する感受性がますます低くなる。要するに、細胞にはインスリンのメッセージが聞こえない。そのときすい臓はどうするだろうか。メッセージが相手に聞こえていないときは、大きな声ではなそうとするだろう。同様に、すい臓はインスリン分泌量を増やそうとするのだ。インスリン値が高まると、それが原因で、細胞はインスリンシグナルにさらに反応しにくくなる。すると血糖値を下げるためにすい臓は過剰に働き、インスリン分泌量を増やして再び血糖値を正常に保とうとする。たて血糖値が正常であっても、インスリン値は上昇を続ける。細胞はインウリンシグナルに抵抗するので、私たちは「インスリン抵抗性」という言葉を用い、この状態を表現する。状況が進展すると、すい臓は最終的に最大限のインスリン分泌を行うが、それでも十分ではない。その時点で、細胞はインスリンシグナルに対応できなくなり、究極敵には血糖値が上がり始め、二型糖尿病に進行する。血糖値を体内でコントロールするしくみは本質的に崩壊してしまい、血糖値のバランスを保つためには体外から、たとえば糖尿病治療薬などを取り入れなくてはならなくなる。

・グルテン過敏症が引き起こす主な症状一覧
ADHD、アルコール依存症、筋萎縮性側索硬化症、不安、運動失調、平衡感覚の喪失、自閉症、自己免疫疾患(糖尿病、慢性リンパ球性甲状腺炎、関節リウマチなど)、骨の痛み/骨量減少/骨化石症、頭に霧がかかった感覚、がん、胸の痛み、絶えず病気になる、乳製品過敏症、成長遅延、うつ病、消化困難(腸内ガス、膨満、下痢、便秘、激しい腹痛など)、心臓疾患、じんましん/発疹、生殖不能、過敏性腸症候群、食べ物の吸収不良、偏頭痛、流産、吐き気/嘔吐、神経障害(認知症、アルツハイマー病、統合失調症など)、パーキンソン病、発作/てんかん、糖質を摂りたい欲求

・グルテンを含む穀物やデンプン
 大麦、ブルグア小麦、クスクス、ファリーナ粉、グラハム粉、カムット小麦、マッツァー(ユダヤ式パン)、ライ麦セモリナ、スペルト小麦、ライ小麦、小麦、小麦の麦芽

・グルテンを含まない穀物
 アマランサス、クズウコン、ソバ、トウモロコシ、アワ、ジャガイモ、キヌア、コメ、モロコシ、ダイズ、タピオカ(穀物の一種)、テフ

・グルテンが含まれる場合が多い食べ物
 ベイクドビーンズ(缶詰)、ビール、ブルーチーズ、ブイヨン/スープ(市販のもの)、パン粉をまぶした料理、シリアル、チョコレートミルク(市販のもの)、ハム・サラミ等のコールドカット、代用卵、エナジーバー、フレーバーコーヒーや紅茶、フライドポテト(凍らせる前に粉を振りかけることが多い)、揚げた野菜・天ぷら、フルーツフィリングとパウンドケーキ、肉汁、ホットドッグ、アイスクリーム、カニやベーコンなどに似せた練り食品、インスタントの温かい飲み物、ケチャップ、麦芽/麦芽香料、麦芽ビネガー、マリネ、マヨネーズ、ミートボール/ミートローフ、乳製品を含まないクリーム、オートブラン(グルテンフリーであるとの認証がなければ)、オート麦(グルテンフリーであるとの認証がなければ)、プロセスチーズ、ロースとしたナッツ、ルートビア、サラダのドレッシング、ソーセージ、セイタン(グルテンからつくる人工の肉、グルテンミートのこと)、スープ、醤油と照り焼きソース、シロップ、ベジタリアンバーガー、ウォッカ、ウィートグラス(小麦若葉)

・その他グルテンが含まれる製品
 化粧品、口紅/リップクリーム、医薬品、接着剤のついていはい切手と封筒、プレードゥ(子供用の色付き粘土)、ジャンプー/コンディションー、ビタミン剤や栄養機能食品(ラベルを確認すること)

・グルテンが含まれているサインになる成分
 アミノペプチド複合体、カラスムギ、玄米シロップ、カラメル色素(大麦からつくられることが多い)、シクロデキストリン、デキストリン、穀物発酵エキス、ヤバネオオムギ、オオムギ、加水分解物、加水分解麦芽エキス、植物タンパク質加水分解物、麦芽デキストリン、加工デンプン、天然香料、フィトスフィンゴシンエキス、ライムギ、ダイズタンパク質、トコフェロール/ビタミンE、植物タンパク、酵母エキス

・特定の種類の脂肪には健康上の問題が伴う。たとえば、「トランス脂肪酸」は有害であり、明らかに慢性疾患のいくつかと結びついているという科学的確証がある。しかし、ここで抜け落ちているメッセージは単純明快だ。私たちの体は、「いい脂肪」が与えられれば力を得るのであって、コレステロールはそのうちの一つだということだ。それに、もう一つ大事なことは、私たちは大量の炭水化物をさほどうまく処理できないということである。たとえその炭水化物がグルテンフリーで、全粒穀物で、繊維が豊富であったとしても。興味深いことに、人間が食事として必要な炭水化物は、ほぼゼロだ。つまり、私たちは最低限の量の炭水化物で生きられる。そしてその炭水化物は必要に応じて肝臓に供給されるようになっている。ところが脂肪はそうではない。摂らなければ生きていけないのである。残念ながら、現在は脂肪を摂取することは太ることと等しいと考える人が多い。だが実のところ、肥満は、食事による脂肪摂取とはほとんど無関係だ。同じことはコレステロールにも言える。高コレステロールの食べ物を口にしても実際のコレステロール値には影響は出ない。高コレステロールと心臓病のリスクの相関関係が疑われているが、これは完全に誤りだといっていい。

・人類学の研究によると、狩猟採集民だった祖先は、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸をだいたい1対1の比率で消費していた。今日、私たちは進化的に見た標準よりも10倍から25倍のオメガ6脂肪酸を摂取していて、健康的で脳の働きを高めるオメガ3脂肪酸の摂取は大幅に減っている。以下の表に含まれるオメガ6脂肪酸、オメガ3脂肪酸を列挙しておこう。シーフードはオメガ3脂肪酸が豊富だし、牛、羊、鹿、水牛のような野生動物の肉もこの脂肪を含んでいる。しかし動物に穀物(通常はコーンや大豆)を与えている場合、えさの中に十分なオメガ3脂肪酸が含まれないことで、その肉にもその必須栄養素が不足する。つまり、牧草で育った牛や天然の魚を食べる必要があるのだ。

油の種類(オメガ6脂肪酸含有率、オメガ3脂肪酸含有率)
キャノーラ(20%、 9%)
コーン  (54%、 0%)
綿実   (50%、 0%)
魚    (0%、100%)
アマニ  (14%、57%)
ピーナッツ(32%、 0%)
ベニバナ (75%、 0%)
ゴマ   (42%、 0%)
大豆   (51%、 7%)
ヒマワリ (65%、 0%)
クルミ  (52%、10%)

・これまで私たちは、食事による脂肪のせいでコレステロールが上がり、そのために心臓疾患や脳卒中のリスクが増すと思い込まされてきた。この考えは19年前に行われた研究によって、正しくないことが証明されているにも関わらず、なおも幅を利かせている。1994年、「米国医師会雑誌」にこんな実験結果が発表された。コレステロール値が高い高齢者とコレステロール値が正常な高齢者を比較するというものだ。イェール大学の研究者は、4年にわたっておよそ1000人の被験者の総コレステロールと高比重リポタンパク(HDL)を測定した。さらに心臓発作や不安定狭心症による入院、心臓疾患およびほかの原因での死亡率を追跡した。その結果、二つの集団に差は見られなかった。総コレステロールが低い人たちの心臓発作や脂肪の頻度は、総コレステロールが高い人たちとまさに同程度だったのである。より大人数で大規模に行った研究結果からも、コレステロール値と心臓疾患の相関は見出せなかったのだ。このような研究を受け、フラミンガム心臓研究に携わる研究者、ジョージ・マン博士は、次のように発言している。「脂肪やコレステロールを大量に摂取することで心臓疾患が引き起こされるという仮説が間違っていることは何度も示されている。しかし、プライドや利益、偏見といった理由から、科学者や資金集めの企業や食品会社、それに政府機関までもが相変わらず仮説を検証し続けている。人々は今世紀最大の健康詐欺にあっている。」コレステロール値を下げれば健康的に長生きするチャンスが得られるなどという通説ほどいい加減なものはない。

・総コレステロールがとりわけ高い人たちが、がんや感染症(高齢者によく見られる致命的病気)で死亡することは、コレステロール値が低い人たちと比べると、あまりなかったのだ。さらに、コレステロールが低い集団と高い集団を比べたところ、実験期間中に死亡するリスクが、高コレステロールの人たちは何と48%も低かった。つまり、高コレステロールは延命長寿のカギになるのだ。

・1956年から米国心臓協会は「賢明な食事」の推奨を始めた。この食事では、バター、ラード、卵、ビーフをマーガリン、コーン油、チキン、冷たいシリアルに置き換えるよう求めている。そして1970年代までにこの脂質仮説は広く認知されていった。この仮説の核心は、コレステロールは冠動脈疾患を引き起こすという断固とした主張だった。これは当然、米国政府も動かした。そして1977年に米国上院の栄養および人間ニーズに関する特別委員会が「米国の食事目標」を発表するにいたった。この目標では脂肪の摂取を減らし、高コレステロールの食べ物を避け、「動脈を詰まらせる」飽和脂肪は、とくに悪とみなされた。肉、牛乳、卵、バター、チーズ、ココナッツオイルやヤシ油のような熱帯産の食物油も悪いグループに組み込まれた。こうしたとらえ方は、製薬業界に脂質降下の医薬品に力を入れる下地をつくった。同時に保健当局は、目下の悪者である脂肪を、炭水化物や加工された多価不飽和脂肪の植物油(大豆油、コーン油、綿実油、キャノーラ油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ヒマワリ油など)に替えることを人々に勧めるようになった。ファストフードのレストランは1980年代中頃からビーフの脂肪とヤシ油を、部分的に水素添加した植物油(トランス脂肪)に替えることにした。米国農務省(USDA)が相変わらず「脂肪は悪い」「炭水化物はいい」という考えを伝えたばかりに、人々は、どのように、そしてどんな種類の脂肪なら健康的な範囲なのかと右往左往している。

・ドナルド・W・ミラー博士は心臓外科医であり、ワシントン大学の外科医学教授も務めている。2010年に出版した「低炭水化物、高飽和脂肪の食事による健康上の利点」という論評で、博士は次のように説明している。「60年に及んだ「低脂肪・高炭水化物」の食事の時代は終わるだろう。そうなるのは、炭水化物を多く摂りすぎるゆえの健康への破壊的影響がもっと広く認知され、飽和脂肪の健康上の利点がもっとよく認められるときだろう」実際、最近30年間では、「低脂肪、低コレステロールの食事」によって血清コレステロールを下げれば、心臓発作や死亡率を下げることを明確に示す研究は発表されていない。

・たくさんの炭水化物の摂取と糖尿病の関係を裏付けるデータは明白だ。1994年に米国糖尿病学会が米国民に対し、カロリーの60~70%を炭水化物から摂取するように勧めて以降、糖尿病の割合が爆発的に増加したことはここで強調しておく。実際、この国の糖尿病患者数h1997年から2007年の間に倍増しているのだ。さらに1981年から2011年にかけての急速な上昇を見てほしい。この間、糖尿病と診断された米国人の数は3倍を超えた。この事実がなぜ危機的かと言うと、糖尿病になるとアルツハイマー病にかかるリスクが2倍になるということだ。「前糖尿病」になると血糖の問題が見え始め、それに伴って脳の機能低下や記憶中枢の萎縮が起こる。これは本格的なアルツハイマー病のリスク因子でもある。

・脂肪はこれまでもそして現在も、私たちの栄養の基本的な柱だ。人間の脳は70%以上が脂肪で構成されているというだけではなく、脂肪は免疫系を調整するのに極めて重要な役割を果たしている。加えて特定のビタミン、とくに、ビタミンA、D、E、Kを体に適切に吸収するためには脂肪が必要となる。だから、食事による脂肪はこうした「脂溶性の」ビタミンを運ぶために欠かせないのだ。これらのビタミンは水には溶けないので、脂肪と合わせなければ小腸から吸収されない。このように生きるために極めて重要なビタミンが、完全には吸収しきれずに不足することは深刻で、何よりも脳の病気につながる可能性がある。たとえば、ビタミンKが不足すると、傷ができても凝血しなくなり、出血が止まらない(もしも脳でそれが起こるとどうだろうか)。また、ビタミンKは脳と眼の健康にも寄与し、加齢に伴う認知症や黄斑変性のリスクを軽減する一助となる(そして食事によって食べる脂肪は黄斑変性にはいいのだ)。十分なビタミンAが摂取できないと、あなたの脳はうまく機能しないだろう。失明したり、感染症に対して極端に弱くなったりするだろう。ビタミンDの不足は、統合失調症、アルツハイマー病、パーキンソン病、うつ病などの慢性疾患、それに「一型糖尿病」のような自己免疫疾患などへかかりやすくなることが知られている。

・現在、一般的には、総脂肪摂取量をカロリーのせいぜい20%に制限すべき(さらに、飽和脂肪に関しては10%未満にすべき)だと言われている。そしてそれは現実的になかなか実行できない(でも安心してほしい。それは間違った助言だからだ。私のプログラムでは脂肪のグラム数を数えたり、全体の%を気にしたりする必要はない)。ところが、マーガリンや加工食品に含まれる合成トランス脂肪は有毒である一方で、現在では多価不飽和脂肪(アボカド、オリーブ、ナッツに含まれる)は健康にいいとわかっている。また、冷水魚(サケなど)や植物(アマニなど)に含まれる多価不飽和脂肪「オメガ3脂肪酸」は「いい」と見なされている。しかし、肉や卵の黄身、チーズ、バターに含まれるような自然由来の飽和脂肪はどうなのか。これまでは、飽和脂肪は評判が悪かった。ほとんどの人は、どうしてこういった脂肪は健康のためによくないのかと考えてみることすらしない。悪いと決めてかかっているだけだ。しかし、実際には違う、私たちには飽和脂肪が必要で、体は自然の中にある飽和脂肪の源を大量に摂取するように設計されている。あなたの体のすべての細胞は飽和脂肪を必要としている。細胞膜の50%が飽和脂肪だからだ。飽和脂肪はまた、肺、心臓、骨、肝臓、免疫系の役にも立っている。

・病気になった脳には脂肪もコレステロールもひどく不足していることや、年齢を重ねてからの総コレステロール値の高さが、長寿化に関連していることが最近の科学で発見されつつある。脳の重さは体全体のわずか2%にすぎないが、総コレステロールの25%は脳にあり、脳の機能と発達を支えてい。脳の重さの5分の1はコレステロールなのだ!

・何年にもわたって私たちは「低コレステロールの食べ物」に注目するように言われてきた。しかし、卵のようにコレステロール豊富な食べ物は非常に有益だし、「脳にいい食べ物」と考えるべきだ。私たちは200万年以上もコレステロール豊富な食べ物を口にしてきたのだ。

・炭水化物の摂取を本当に必要な量だけに限定し、おいしい脂肪とタンパク質で穴埋めできれば、文字通り、遺伝子のプログラムを組み直し、生まれたときに持っていた自然な状態に体をリセットできる。これこそ、あなたにとって「頭の回転がよく、脂肪も燃やせる」状態だ。血中コレステロールの検査をすると出てくる数値は、実際のところ75~80%はあなたの体がつくり出したものに由来していて、必ずしも食べたものが反映されているわけではない。コレステロールの高い食べ物は、体がつくるコレステロールを減らしている。私たちはみな1日に2000gものコレステロールをつくり出すが、それはどうしても必要だからだ。これはしかも食事で摂る分の数倍に値する。しかし、この驚くべき能力があるにも関わらず、食事からコレステロールを摂取するのはやはり重要なのである。人間の体は、内部でコレステロールをつくるよりも、食べ物からのコレステロールを摂るのを好むのだ。内部でつくるのは複雑で何段階にも及ぶ生物学的プロセスを経なくてはならず、肝臓に負担がかかる。では、現在、多くの人が誤って実践しているように、コレステロールの摂取を制限したら何が起こるだろうか。体は危機(飢餓)を示す警告を発する。肝臓はこの信号を感じてHMG-CoA還元酵素と呼ばれる酵素をつくり出す。この酵素のおかげで食事に含まれる炭水化物を使用して不足を補い、コレステロールを余分につくり出せるのだ。炭水化物を摂りすぎると、コレステロール摂取を減らしても、体内ではコレステロールが絶え間なく過剰生産されるのだ。この体内の異常事態を収めるただ一つの方法は、食事から適量のコレステロールを摂取し、炭水化物を摂らないことに尽きる。これによって高コレステロールの患者は、コレステロール豊富なおいしい食事を楽しみながら、薬を使わずに正常な値に戻っていく。

・引退した75歳の元エンジニアが私のところにやってきて、さまざまな不平を漏らした。不眠、うつ病などだった。彼はこれまでの40年間、睡眠剤を服用してきた。そしてうつ病は私と会う約束の2、3ヶ月前に特にひどくなっていた。彼はすでに数種類の薬を飲んでいた。抗うつ剤、不安症の治療薬、EDのためのバイアグラだ。私はまず彼がグルテン過敏症か検査した。結果は陽性を示した。こうして彼にはグルテンを含まない、高脂肪の食事を実践してもらった。それから約1ヶ月後、電話で連絡をとってみると、うつ病が改善し、加えてバイアグラを飲まなくても妻とのセックスができると言うのだ。彼は私に何度も礼を言った。この話から明らかなことは、セックスは脳の中で起こっていることと、大いに関係があるということだ。つまりセックスは感情、衝動、思考と深く結びついている行動なのだ。そして、ホルモンや血液化学とも厳然としてつながっている。たしかに、あなたが憂うつな気分でよく眠れないとしたら、まずセックスなど思いつきもしないだろう。それでも、EDの理由としてもっともよくあるのは、不眠でもうつでもない。それこそ多くのページを割いて私が述べてきたこと、つまり極端に低いコレステロール値の問題だ。

・血糖をもっとも急上昇させる炭水化物は人を大いに太らせる。生成した粉類でつくったもの(パン、シリアル、パスタ)は何でもどうだし、米、ジャガイモやコーンのようなデンプン、それにソーダやビール、フルーツジュースのような液体状の炭水化物も同じだ。これらすべてが素早く消化されるのは、血流にグルコースをたくさん流し込み、インスリンを急上昇させるため、そしてインスリンは過剰なカロリーを脂肪としてため込んでしまうためだ。同じ炭水化物でも野菜に含まれるものはどうなのか。ブロッコリーやほうれん草などの緑色の葉物野菜に含まれる炭水化物は、消化しにくい繊維と結びつくので、分解されるまでに時間がかかる。そのために、グルコースは時間をかけて血流に送り込まれる。加えて野菜は水分がデンプンに比べて多く、血糖の反応はさらに鈍くなる。フルーツの場合も丸1個食べると、果糖を摂取することにはなるが、その中に含まれる水分と繊維は血糖への影響を「弱め」もする。

・糖尿病になってはいけない。これは何度も繰り返して述べても足りないくらいだ。もしもすでに糖尿病になっているなら、血糖のバランスをとっておくことが重要だ。米国では65歳以上の人の1100万人近くが「二型糖尿病」である。この事実から、その人たち、そしてまだきちんとした診断を受けていない人たちがアルツハイマー病を発症した場合に起こる大惨事が見えてくる。糖尿病とアルツハイマー病の相関関係を示すデータは難解だが、糖尿病が認知機能の低下そのものに対する強力なリスクであることは強調しておきたい。これは糖尿病がコントロールできない人たちにおいてとくに顕著だ。

・2008年に行われたメイヨークリニックによる研究をみてみよう。「アーカイブス オブ ニューロロジー」に掲載された研究は、人がどのくらいの期間にわたって糖尿病を患っているかということと、認知低下の重症度の関係を調べたものだ。そこには明白な関連があった。糖尿病の発症が65歳以前だと、軽度認知機能障害のリスクは220%というとんでもない値になるというのである。そして10年以上糖尿病を抱え続けた人たちの軽度認知機能障害のリスクは176%まで上昇する。インスリンを摂取している人たちなら、リスクは200%まで上がる。

・肥満体(体脂肪指数30以上)の人たちの脳は、標準的な体重で健康な人たちよりも16歳ほど老化しているということを研究者たちは発見した。そしてやや肥満(体脂肪指数25~30)の人たちは、やせた人たちに比べて8歳は老化している。さらに明確なのは肥満の人たちは、正常な体重の人たちと比べて脳組織が8%少なく、やや肥満の人たちは正常な体重の人たちと比べて4%少なかったことだ。中でも、脳の前頭葉と測頭葉、つまり決断を下したり記憶を蓄積したりする場所で組織の多くが失われていた。この研究者たちによると、彼らの発見は、老化が進み、体重過多で肥満の人たちにとって、アルツハイマー病のリスクがより高まることを含め、大きな意味があるのだという。

・重要なのは、余分な体脂肪がつき始めるとただちに変化が起こるということである。つまり、ダイエットはいますぐ始めなくてはならない。

・私が初めてS君に会ったのは、彼が4歳になったばかりのころだった。S君の母親と私は数年来の知己だった。私の患者を何人も癒してきた理学療法士である。母親は息子は何かおかしいところがあると思っていたわけではないが、幼稚園の先生にS君の活発さは異常なので、一度医者に診てもらうのがいいと言われたのだという。このことでS君を診察する医者は私が初めてではなかった。私のところに来る一週間前、母親が訪ねた小児科医は、S君は「ADHD」だと診断し、リタリンの処方箋を出していた。母親は息子に薬を飲ませることを心配し、私に相談しにきたのだ。母親がまず話したのは、息子はたびたび怒りを爆発させること、そして、落胆するとどうしようもないほどおののくことだ。S君にはこんな病歴があった。何度も耳の感染症に苦しみ、数え切れないほどの抗生物質を服用しており、私が彼を診たとき、耳の感染症予防のあえの抗生物質を、半年間服用しているところだった。この耳の病気以外にも関節の痛みをずっと訴えていた。あまりに痛みがひどく、当時はナプロキセンという強力な抗炎症薬も日常的に服用していた。S君はきっと母乳で育てられていないのだろう、と聞いてみたらその通りだった。S君を診ている間に、三つの重要なことに気づいた。まず口を開けて呼吸をしており、これは間違いなく鼻孔内で炎症が起きているという証だった。次に、典型的な「目のまわりのくま」、つまり目のまわりにアレルギー疾患に伴う黒い輪が出ていた。三番目として、非常に活発だった。10秒以上はおとなしく座っていられず、立ち上がっては診察室の隅々まで歩き回り、診察台の周囲のものに手を出した。私はS君にグルテン過敏症の簡単な検査を行い、グリアジンという小麦タンパク質の一つに対する抗体の値を測定した。予想通り、その値は正常と考えられている値よりも300%も高かった。ここまでの状況を見て私は、S君の抱える一番の問題である炎症の原因を標的にしようと決めた。炎症がこの幼い男の子に起きているほぼすべての事柄(たとえば耳の問題、関節の問題、落ち着きのなさなど)における大きな問題になっていると考えたからだ。私は母親に、グルテンフリーの食事を実践してほしいと説明した。それから、これまで長く抗生物質にさらされた消化管を健康に戻すには、食事療法だけでなく、有益なバクテリアであるプロバイオティクスを加える必要があった。最終的にオメガ3脂肪酸であるDHAがそのリストに加わった。二週間半後、これ以上ない素晴らしい報告がやってきた。幼稚園の先生からの電話によると、S君の振る舞いが大幅に改善しているというのだ。実際、母親は息子が穏やかで対話しやすくなっていて、よく眠っていることに気づいた。薬によるものではなく、食事療法だけで大幅な改善につながったのである。その二年半後、私は母親から手紙を受け取ったが、その中で彼女はこう語っていた。「Sは学校では読書や算数に優れていますし、活発さが過剰であることはもはy問題にはならないと思っています。あっという間に成長し、クラスの中でもとりわけ背の高い生徒たちの仲間入りをしました」

・帝王切開で生まれた子供はADHDにかかるリスクが高いのはなぜだろうか。それは、体内環境と体の健康維持のためには、腸内バクテリアが重要であるということを理解することにある。子供は産道を自然に通過するとき、無数の「有益なバクテリア」にさらされる。それによって新生児はプロバイオティクスを接種されることになり、その効果は生きている間中維持される。しかし、帝王切開で生まれると、その子供は「バクテリアのシャワー」を浴びるチャンスを逃してしまう。こうして腸の炎症の土台ができ、のちの人生においてグルテンに過敏になったり、ADHDになったりするリスクが高まるのだ。新たな研究では、子供は母乳で育てることがよいという事実が明らかにされつつある。母乳のみで育てられた赤ん坊は、初めてグルテンを含む食事を口にするとき、母乳で育てられていない子たちと比べて、セリアック病にかかるリスクが52%ほど低くなることがわかったのだ。この理由の一つは、母乳で育てることで胃腸の感染への抵抗力を強め、免疫力の弱い腸内のリスクを低減させているということだろう。グルテンに対する免疫反応も阻止できる。

・腹部の脂肪がさまざまな健康問題(心臓疾患、糖尿病、認知症など)のリスクを高めることはすでに広く知られている。しかし、腹位のせいで頭痛のリスクが上昇するとは誰も考えていないだろう。驚くことなかれ、腹位は、55歳までの男性にとっても女性にとっても、一般的な肥満よりもよほど偏頭痛の予測因子となるのだ。

・頭痛を引き起こす原因はたくさんある。考えうる犯人をすべてあげることはできないが、頭痛を和らげるいくつかのヒントを示しておこう。
 ・睡眠のサイクルをきっちりと守ること。これは体のホルモンを調整し、「ホメオスタシス」を維持するのに重要だ。ホメオスタシスとは、身体的に望ましい状態のことで、その状態だと生理機能のバランスがとれていることになる。
 ・脂肪を減らすこと。体重が重ければ重いほど、頭痛に苦しみやすくなる。
 ・活動的であること。じっとしていると炎症を引き起こす。
 ・カフェインとアルコールの摂取には気をつけること。どちらも摂りすぎは頭痛を誘発する。
 ・食事を抜いたり、不規則な食習慣のままにしたりしないこと。睡眠と同様に食事のパターンによって、頭痛のリスクに影響するホルモンのプロセスをコントロールできる。
 ・ストレス、不安、心配、さらには興奮を減らすこと。こうした感情は頭痛の原因としてごく一般的なものだ。
偏頭痛に苦しむ人はたいがいストレスの多い状況に敏感で、そのために脳内である化学物質が放出される。その化学物質のせいで、血管の病変が起こり、偏頭痛につながる。悪循環だが、不安や心配のような感情を持つと、筋肉が緊張して、血管が拡張し、偏頭痛がひどくなる。
 ・グルテン、保存料、添加物、加工食品を除外すること。炭水化物が少なく、体にいい脂肪の多い食事をとろう。
とくに、熟成チーズ、薫製肉、グルタミン酸ナトリウムには注意すること。これらの成分のせいで偏頭痛のリスクが30%も増す。
 ・頭痛を経験するパターンを調べること。そうすると自分はいつ頭痛を引き起こしやすいかがわかる。たとえば女性は月経周期に連動するパターンが見つかる場合が多い。自分のパターンがはっきりすれば、頭痛のサイクルがよくわかり、それに応じた行動がとれる。

・脳の健康と機能を理想的に保つにはどうすればいいのだろうか。そのためのカギとなる3つの生活習慣を具体的に取り上げる。その3つとは言うまでもなく食事、運動、睡眠だ。3つとも、脳が活発になるかならないか、あるいは衰え出すか出さないか、そのいずれにおいても重要な役割を果たすのである。

・なぜ人類の親戚であるネアンデルタール人は3万~4万年前に地球上にいなくなったのかという疑問である。ネアンデルタール人はかしこいホモ・サピエンスに「消された」とするのが無難なようだが、いまでは多くの学者が、絶滅のおもな原因は食糧難ではないかと考えている。それは、ネアンデルタール人は脂肪を利用して脳に栄養を与える生化学的経路がなかったので、生き抜けなかったかもしれないのだ。ほかのほ乳類の脳と違って、人間の脳は飢餓の際、代わりのカロリー源を用いることができる。通常は毎日の食事によって、脳にブドウ糖が燃料として供給される。食間にも脳には引き続きブドウ糖が安定して供給されるが、このブドウ糖はおもに肝臓と筋肉のグリコーゲンを分解してつくられる。だが、グリコーゲンの蓄えは、同量のブドウ糖しか供給できない。蓄えがなくなると、代謝が変わり、新たにブドウ糖の分子を、おもに筋肉にあるタンパク質のアミノ酸からつくるようになる。この過程はその名も「糖新生」という。プラス面では、これによって必要なブドウ糖が器官に与えられるが、マイナス面では、筋肉が犠牲になる。筋肉を消耗してしまうことは当然、好ましいことではない。

・カロリー制限は私たちにとって目新しいものではない。大昔から認識されていたのだ。カロリー制限は、てんかんの発作をめぐる医学的歴史の中では、一番の効果的な処置だった。現在では、それがどのように、そしてなぜそれほど効果的なのかもわかっている。カロリーを制限すると、神経細胞が保護され、新しい脳細胞の成長が進み、既存の神経回路網の影響範囲を拡大することができる。線虫類をはじめ、サルなどのさまざまな種において、カロリー摂取が少ないことと、長生きは大いに関係があると立証されている。そしてカロリー摂取を減らすと、アルツハイマー病やパーキンソン病にかかる率も減ることがわかっている。

・断食は炎症を抑え、脳を保護する抗酸化物質を増やす。断食によって脳は燃料としてブドウ糖を使うのをやめ、肝臓でつくられるケトンを使うようになる。脳が燃料としてケトンを代謝しているときは、細胞自殺(アポトーシス)も減り、一方、ミトコンドリアの遺伝子は始動して、ミトコンドリアが複製される。つまり、断食で脳がよりクリアに働くようになるのだ。

・精神的探求としての断食は、宗教史に欠かせない。主要な宗教はどれも、儀式をはるkに超えた行為として、断食を奨励する。断食は常に精神的修行の基本だった。たとえばイスラム教のラマダンや、ユダヤ教のあがないの日の断食がある。ヨガ行者は食事で耐乏生活を実践し、シャーマンは霊界との交わりを求める儀式の間、断食する。断食は敬虔なキリスト教徒の間でも一般的な修行であり、聖書には一日、三日、七日、40日の断食の例が見られる。

・カロリー制限はさまざまな反応経路を活性化することができ、それらの反応は脳保護するだけではなく、新しい神経回路網の成長も強化する。一方、同じ反応経路は、ケトン体と呼ばれる特別な脂肪を消費することでも活性化される。このメカニズムから1920年以来、いわゆる「ケトン食療法」がてんかんの処置となり、現在では、パーキンソン病、アルツハイマー病、ALS、さらには自閉症に対しても治療効果のある選択肢だと再評価されつつある。2005年のある研究では、パーキンソン病患者が28日間のケトン食療法を行っただけで、投薬や脳外科による治療にも匹敵するほど著しい改善を見せた。とくにケトン体脂肪が、アルツハイマー病患者の認知機能に著しい改善をもたらすことが判明した。話題のココナッツオイルは、このMCTの摂取源であり、またアルツハイマー病の処置に対する有益なアプローチだとされている。ケトン食療法によって、脳内のアミロイドが減少することがわかっており、さらに、海馬のグルタチオン(体内に生来存在し、脳を保護する抗酸化物質)が増加する。さらに、ミトコンドリアの増加を促し、代謝効率を上昇させる。

・炭水化物を減らし、脂肪を増やすと何が起きるのか。断食をしたときと同様の反応が起こる。つまり、脳を働かせるための燃料として脂肪を使ってケトンをつくるようになるのだ。炭水化物ではんく、脂肪を燃焼させるとケトン症になる。これは本来、悪いことではない。人間の体は地上を歩き回り出してからずっと、この仕組みとともに生きてきた。軽いケトン症の状態は、実際には健康であり、私たちは朝起きたとき、軽いケトン症の状態ともいえる。それは肝臓が体内の脂肪を燃料として使うために動員するからだ。心臓も脳も、血糖よりケトンを使うほうが25%ほど効率よく働く。健康で正常な脳細胞は、ケトンを燃料にすると成長する。完全にケトン食療法を実施しようとするとカロリーの80~90%を脂肪から摂り、残りを炭水化物とタンパク質から摂らなければならない。確かにこれは極端だが、ケトンが脳にとって、はるかに効率的な燃料であることを思い出してほしい。

・私の講義で医師たちに、自然界でDHAをもっとも多く含むものは何かと尋ねると、ありとあらゆる答えが返ってくる。肝油、サーモンオイル、アンチョビオイル。アマニ油やアボカドだと考える者もいる。だがこれらには十分なDHAは含まれない。自然界でもっともDHAを含むのは人間の母乳で。だから母乳養育が子供の神経の健康や成長のために大切だと、しきりに推奨されるのだ。

・頭がさえて、脳疾患になりにくくなるのは、どちらだろう。
A:頭を使う難しいパズルを解く
B:散歩する
Aと答えた人を責めはしない。だが、まず散歩に行き(できるだけ早く)、それから頭を使うパズルに取り組むよう勧める。正解は、もうおわかりのようにBである。体を動かすという単純な行為のほうが、どんな脳トレパズルや数学の方程式、ミステリー小説や、さらには思考そのものよりも脳にいいのだ。運動は体、とくに脳の健康にいい効果が多くある。有酸素運動は脳の記憶中枢の新たな脳細胞の成長を促し、中高年層の記憶力低下を逆転させることが明らかになっているだけでなく、長寿につながる遺伝子を刺激してくれる。運動が脳にいいことは以前からわかっていたが、実際に量的にも質的にもそれが証明されるようになってきたのは、ほんのここ10年である。それには、神経科学、生理学、生物工学、心理学、人類学など、さまざまな分野の研究者と、多岐にわたる医学領域の医師たちの力を結集させる必要があった。ニューロンんど、脳の内部の仕組みに関する分析や解明には、多くの先進技術の発達も必要だった。

・キッチンにある品を調べて処分すべきものは処分うる。まず次のものをかたづける。
●処分すべきもの
 ・すべてのグルテン源
 全粒および全麦のパン、麺類、パスタ、ペイストリー、焼き菓子類、シリアルなど。

 ・あらゆるタイプの加工した炭水化物、糖類、デンプン
 コーン、ヤムイモ、ジャガイモ、サツマイモ、ポテトチップス、クラッカー、クッキー、マフィン、ピザ生地、ケーキ、ドーナツ、甘いスナック菓子、キャンディ、エナジーバー(栄養機能食品)、アイスクリーム、フローズン・ヨーグルト、シャーベット、ジャム、ゼリー、プリザーブ、ケチャップ、プロセスチーズ、スプレッド、ジュース、ドライフルーツ、スポーツドリンク、清涼飲料、炭酸飲料、揚げ物、ハチミツ、アガベ、砂糖(白および白以外のものも)、コーンシロップ、メープルシロップなど

 ・ラベルに「無脂肪」や「低脂肪」とうたっている加工食品
 ただし、本来、正真正銘の「無脂肪」や「低脂肪」のもの、つまり、水、マスタード、バルサミコ酢などは、脂肪を含まないものがよい。

 ・マーガリン、植物性ショートニング、あらゆる市販の食用油
 大豆、コーン、綿実、キャノーラ、ピーナッツ、ベニバナ、グレープシード、ヒマワリ、米ぬか、小麦麦芽などの油。たとえ自然食品でも該当する。

 ・発酵させていない大豆(たとえば豆腐や豆乳)や大豆の加工食品
 原材料名の表示から「ダイズタンパク質分離物」を探す。大豆チーズ、大豆ハンバーグ、大豆ホットドッグ、大豆ナゲット、大豆アイスクリーム、大豆ヨーグルトを避ける(一部の自然醸造されたしょうゆは専門技術でグルテンを除去しているが、多くの商品には微量のグルテンが含まれる。料理にしょうゆを使う必要がある場合は100%大豆が原料で小麦の入っていないたまりしょうゆを使用する)。
 「グルテンフリー」とうたって(市販されて)いる食品に気をつける。これらの食品には、もともとグルテンをまったく含まないため問題ないものもあるが、多くは加工されているので、ラベルにこう記されているのだ。それらはグルテンの代わりに、コーンスターチ、コーンミール、米デンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプンなどの別の成分が用いられている。どれも同じくらい攻撃的になることがあり、血糖値を大幅に増やす。しかも微量のグルテンが残っている恐れがある。「グルテンフリー」という言葉は、現在のとおろ法的意味を持たない。FDAは定義づけを提案しているがまだ決着していない。グルテンが除去されているソース、グレービーソース、コーンミール製品(たとえばタコス、トルティーヤ、シリアル、コーンチップ)には特に用心する。

●処分しなくていいもの
 次のものは自由に飲食できる(無添加食品が選べる地元の自然食品店へ行くといい。急速冷凍も可)。
 ・体にいい脂肪
エキストラ・バージン・オリーブオイル、ゴマ油、ココナッツオイル、放牧で飼育された動物の脂、有機農法または放牧によバター、ギー、アーモンドミルク、アボカド、ココナッツ、オリーブ、ナッツ、木の実バター、チーズ(ブルーチーズを除く)、種(アマニ、ヒマワリ、カボチャ、ゴマ、チアシードなど)。

 ・ハーブ、調味料、香辛料
これらについてはラベルさえ見れば、自然なものが選べる。ケチャップとチャッツネとはお別れだが、マスタード、西洋わさび、タプナード、サルサは、グルテン、小麦、大豆、砂糖が含まれていなければよい。ハーブと調味料についてはほとんど無制限である。ただし小麦や大豆の加工処理工場でつくられた包装製品には注意する。

 ・低糖の実
アボカド、ピーマン、キュウリ、トマト、ズッキーニ、カボチャ、ナス、レモン、ライムなどはよい。

 ・タンパク質
全卵、天然魚(サケ、ギンダラ、シイラ、ハタ、ニシン、マス、イワシなど)、貝・甲殻類(エビ、カニ、ロブスター、イガイ、二枚貝、カキなど)、放牧による牛肉、鶏肉、豚肉、子羊肉、レバー、七面鳥、カモ、ダチョウ、子牛肉、野生の獲物などはよい。

 ・野菜
青菜、レタス、ホウレンソウ、ブロッコリー、ケール、フダンソウ、キャベツ、タマネギ、キノコ、カリフラワー、芽キャベツ、ザウアークラウト、アーティチョーク、アルファルファもやし、サヤインゲン、セロリ、チンゲンサイ、ラディッシュ、クレソン、カブ、アスパラガス、ニンニク、西洋ネギ、フェンネル、エシャロット、ワケギ、ショウガ、クズイモ、パセリ、ヒシ。

・次にあげるものは、適度に飲食できる(「適度」とは、これらの食材を一日一回少量、できれば週に2、3回だけ飲食することだ)。
 ・ニンジンとパースニップ(シロニンジン)
 ・カッテージ・チーズ、ヨーグルト、ケフィール
  料理に、またはトッピングとして、たまに用いる。
 ・牛乳とクリーム
  料理、コーヒー、紅茶にたまに用いる
 ・マメ科植物
  豆、ヒラマメ、エンドウ。フムス(ヒヨコマメでつくる)も食べてよい。
 ・グルテンの含まれない穀物
 アマランサス、ソバ、米(玄米、白米、野生米)、雑穀、キヌア、ソルガム、テフ、オート麦(天然のオート麦はグルテンを含まないが、小麦も扱う製粉所で加工処理されたせいでグルテンがついていることがよくある。グルテンを含まないことが保証されないものは避ける)。グルテンのない穀物が人の食用のために加工処理されると(たとえば全粒オート麦を製粉し、米を調理して包装するなど)、その物質的構造が変化し、これによい炎症反応のリスクが増す。これらの食品を制限しているのはそのためである。
 ・甘味料
 天然のステビア、チョコレート(カカオ70%以上のブラック・チョコレートを選ぶ)。
 ・天然の果実
 ベリー類が一番いい。甘味の強い果実(アプリコット、マンゴー、メロン、パパイヤ、プルーン、パイナップル)には用心する。
 ・ワイン
 飲むなら一日一杯で、赤のほうがよい。

●卵は悪者ではない

・第一週を始める前に、丸一日の断食をすると理想的だ。断食は体の基礎を定め、体が燃料として脂肪を燃やせるよう、また、体と脳の健康に驚くほど効果的な化学物質を生成するよう、より速く変化させるためには一番いい方法である。多くの人にとっては、日曜に断食し(つまり、最後の食事が土曜の晩ご飯になる)、食事プログラムを月曜の朝から始めるのが有効だろう。断食のやり方は簡単である。24時間食べないが、水はたくさん飲む。カフェインも避ける。薬を服用しているなら、もちろん服用を続ける(糖尿病の薬を服用している場合は、まず医師に相談すること)。

・新しい食事と運動の習慣を続けながら、さらに三週目は睡眠に重点を置いていく。すでにいろいろな手順を踏んできたので、睡眠も改善されてきているはずである。もし一晩の睡眠時間が6時間に満たないなら、まずその時間の長さを少なくとも7時間に延ばすといい。体内のホルモンの変動を正常で健康的なレベルにしたいなら、これが最低限必要な長さである。最高の安眠を確保するために、どんなことに気をつければよいのだろうか。夜ぐっすり眠れるこつをいくつか次に列挙する。
①規則正しく眠る習慣をつける
②睡眠を妨げるものは排除する(薬・カフェイン・アルコール・ニコチン等)
③適切な時間に夕食をとる(夕食と就寝時刻の間が3時間くらい空ける)
④不規則に食べない
⑤夜食をとってみる
⑥刺激物に気をつける(カフェインなど)
⑦環境を整える(電子機器は寝室に置かないなど)
⑧睡眠薬は慎重に用いる



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