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「葬式は要らない(島田裕巳)」という本はオススメ!

2010年09月10日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

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 この本は、葬式や戒名、お墓などについて、その相場や変わりつつあるそれら内容を分かりやすく、具体的に書いた本です。

特に以下の点はナルホドと思いました。

・2007年調査の葬儀費用の全国平均は231万円
・死者が出ると医師に死亡診断書を書いてもらい、それを持って役所に行って死亡届を提出し火葬許可証(埋葬許可証)をもらうのは必須。それ以降はどうするか法的に決まっているわけではない。
・墓を作らず、散骨という方法もある
・現在は通夜と葬儀で2日かかるところを1日にまとめたワンデーセレモニーもある
・戒名の相場
・2008年の墓石の全国平均値は176万3000円だった
・一般に1つの寺を維持していくためには300軒の檀家が必要だと言われる

いずれ、必ず誰もが死を迎えることから、この本をあらかじめ読んでおくのは良いことかと思います。

とてもオススメです!


以下はこの本のポイントなどです。

・財団法人日本消費者教会が2007(平成19)年に行った「第8回葬儀についてのアンケート調査」の結果では、葬儀費用の全国平均は231万円である。その内訳は、葬儀一式費用(葬儀社へ支払うもの)が142万3000円、飲食接待費用(料理屋、香典業者などへ支払うもの)が40万1000円、お布施・心付け(寺などへ支払うもの)が54万9000円となっている。葬儀費用については地域差が大きい。四国が全国最低の149万5000円であるのに対して、もっとも高い東北は282万5000円で、四国のほぼ倍である。231万円といえばかなりの高額だが、世界と比較してみても、それは飛び抜けて高い。時代としては少し前のものだが、1990年代の前半、アメリカの葬儀費用は44万4000円、イギリスは12万3000円、ドイツは19万8000円、韓国は37万3000円だった。

・死者が出ると、医師に死亡診断書を書いてもらい、それをもって役所に行き、死亡届を提出する。すると火葬許可証(埋葬許可証)を渡される。そこまdの手続きは必要だが、それ以降、どうするか法的に決まっているわけではない。遺体の処理については「墓地、埋葬等に関する法律」で定められている。これは「墓埋法」と略称されており、重要なのは次の3点である。

(1)死亡後あるいは死産後、24時間経たなければ、埋葬も火葬も行ってはならないこと
(2)火葬は火葬場以外で行ってはならないこと
(3)埋葬は墓地以外で行ってはならないこと

である。火葬や埋葬まで24時間の猶予が確保されているのは、万が一、死亡診断に過ちがあってはならないからだ。こうしたことがないよう24時間の猶予が与えられている。そこだけは法律で決まっているが、あとは自分で火葬したり、焼いた骨を勝手な場所に埋葬してはならないと規定されているだけである。葬式のことは、墓埋法ではまったく規定されていない。

・葬式だけではなく墓の否定、つまり墓を作らないことも可能である。墓埋法では、遺骨の埋葬は墓地以外の場所で行ってはならないと規定されているだけである。もし遺骨を埋葬しないなら、状況は違ってくる。墓を作らないあり方の1つが、「散骨」である。遺骨を砕いて灰にして、海や山に撒くのだ。散骨するなら埋葬の必要はない。よって、墓を作る必要もなくなる。20年ほど前まで散骨は法的に認められていないと考えられていた。ところが1991年10月、「葬送の自由をすすめる会」という組織が、神奈川県三崎海岸のヨット・ハーバーからヨットで2時間ほど航行した相模湾の洋上で散骨を行った。この散骨に対して、法務省刑事局は「遺骨の損壊、遺棄を禁じる刑法190条の規定は、社会習俗としての宗教的感情などを保護する目的だから、葬送のための祭祀で節度をもって行われる限り問題はない」という見解を発表した。また当時の厚生省も、墓埋法との関係について、この法律は「散骨のような葬送の方法について規定しておらず法の対象外で、禁じているわけではない」という立場を表明した。

・直葬とは具体的にどのような方法なのか。もう少し詳しく見てみよう。現在、大半の人は病院で亡くなる。直葬では、故人の遺体を寝台車に乗せ、自宅や葬儀社が用意する一時的な安置場所に搬送し、とりあえずそこに安置する。そこで遺体を棺に納め(納棺)、近親者だけで通夜をする。会葬者は呼ばない。いったん自宅などに搬送するのも、前の章で見たように、火葬までに24時間以上の経過が必要だからである。通夜が済めば、翌日、霊柩車で火葬場へ出棺する。そして、やはり近親者だけで故人に別れを告げ、遺体は荼毘にふす。最後に、収骨、骨あげをして葬式は終わる。これあ、直葬のもっとも基本的なやり方である。ただ、火葬場で僧侶に読経してもらうこともあれば、骨あげが済んでから精進落としのために近親者で食事をとることもある。直葬では基本的に近親者以外の会葬者を呼ばない。その点では、密葬、家族葬の一番簡略化された形態だとも言える。これは、私自身も身内の葬式で経験したことだが、故人が80歳あるいは90歳を超えて亡くなり、大往生を果たしたとすると、たとえ通夜と葬儀・告別式からなる一般的な葬儀を行ったとしても、参列者の数は決して多くない。女性だと、近親者以外に参列者が誰もいないことが起こり得る。故人の友人や知人は、すでに鬼籍に入っていたり、存命でも、葬式に出向く体力や気力が備わっていないことが多いからである。無理に列席すれば、それこそそれが原因で病気になり亡くなることも起こり得る。遺族も、高齢者には、身内の葬式に参列してくれとは声をかけにくい。葬式を近親者だけで営むのであれば、世間一般に向かって故人が亡くなったことを告知する必要もない。近親者が最後のけじめをつければそれで済む。直葬の増加は、寿命がのび、いわば大往生が増えてきたことが大いに影響している。

・通常なら通夜と葬儀・告別式で2日かかるところを、1日にまとめた「ワンデーセレモニー」という形式も生まれている。もともと通夜は、近親者だけで営むものだという感覚があり、一般の会葬者が参列するのは葬儀・告別式のほうだった。ところが、サラリーマン社会の傾向が強くなり、葬儀・告別式に参列するには仕事を休まなければならなくなった。そのため一般の会葬者でも、葬儀・告別式ではなく、むしろ通夜に参列することが多くなってきた。通夜や葬儀・告別式の曜日がいつかも影響するが、通夜の方が会葬者が多い場合も少なくない。ワンデーセレモニーには、いろいろなバリエーションがあり、直葬がそこに含まれる場合もあるし、通夜は近親者だけで自宅などで行い、葬儀・告別式の方にだけ会葬者を招くというやり方もある。会葬者を呼ぶ機会を葬儀・告別式に限定するのがワンデーセレモニーだと考えていいかもしれない。

・一般に墓は、ほとんどが家の墓である。昔は火葬ではなく土葬が一般的だったために、個人単位で葬るしかなかった。土葬は、遺体を棺桶に入れて、それを土に埋めるが、時間の経過とともに棺桶や遺体が腐食し土地の陥没が起こる。そうである以上、土葬した上に石の墓を建てるわけにはいかない。家単位の墓が広く普及するのは、戦後、火葬が一般化してからのことである。

・墓は、寺の境内地にあったり、公営、民営の霊園にあったりする。一般に「墓地を買う」という言い方をするが、実際には、墓地を買うことはできない。もし墓地が買えるなら、個々の墓地は個人の私有地となり、所有者がそれをどのように使おうと自由になる。そうなると極端な話、そこに小屋を建て居住する者があらわれる可能性がある。そうなれば墓地全体の維持が難しくなる。したがって、墓地は販売せず、使用料をとって貸し出すかたちとなる。ただ貸出期間が長期にわたって設定されていて、「掃除料」などの名目で使用者が金を支払い続けるかぎり、そこを自分の家の墓として長期にわたって占有できる。逆に、掃除料が滞り、さらには参拝し管理する人間がいなくなれば、その墓は「無縁化」する。その点で、一般の墓は祭祀を継続する後継者の存在を前提とする。つまり家に跡継ぎがいなければ墓は守り続けられないのである。

・仏教式の葬式では、戒名が必要だと考えられていて、ほとんどの場合、個人は僧侶から戒名を授かり、その戒名によって葬られる。一般に戒名はなくなったときに授かるもので、長いほど、つまり字数が多ければ多いほど立派だと考えられている。とくに院号のついた戒名はランクが高いとされているが、じつはその上がある。それが「院殿号」のついた戒名で、居士の場合もあるし大居士の場合もある。女性なら清大姉となる。戒名を授かるには「戒名料」がいる。戒名料は僧侶に読経を頼んで支払う布施、「読経料」とは別物で、依頼する側は読経料としての布施と戒名料とを別々に支払わなければならない。

・戒名料をいくら支払えばいいのか。それについては相場がある。相場は冠婚葬祭の本や葬儀業者のホームページに示されている。たとえば吉田ちづ著「迷ったときの冠婚葬祭贈答辞典」には次のような表が掲載されている。童士や童女は、幼くして亡くなった子どもが授かる戒名である。

○○院殿□□□□大居士(清大姉) 100万円~
○○院殿□□□□居士(大姉) 70万~100万円
○○院□□□□居士(大姉) 50万~70万円
□□□□居士(大姉) 20万~30万円
□□□□禅定門(禅定尼) 20万~30万円
□□□□信士(信女) 10万~20万円
□□童士(童女) 3万円~

・墓を作るには、墓地を求め、そこに墓石を建てなければならない。墓石については一般社団法人・全国優良石材店の会が2008年に行った「お墓購入者全国アンケート調査」というものがあり、それによれば、墓石にかけた費用は全国平均値で176万3000円だった。墓地の場合には、その土地を買うのではなく、使用料を払って借りる形になるが、それをどこに求めるかでその額はかなり違う。一等地にある都営の青山霊園の場合、一区画が400万円(1.5平米)から1000万円(3平米強)程度である。同じ都営の霊園でも、公害の八王子市にある都立八王子霊園の2009年における公募の使用料は、4.0平方メートルで114万8000円だった。

・都会であるか、地方であるかによっても違うが、一般に1つの寺を維持していくためには300軒の檀家が必要だと言われる。1年間に営まれる葬式の数は、およそ檀家数の5%程度である。300軒なら、15件ほどの葬式がある計算になる。これに、これまで紹介してきた日本消費者協会による2007年の調査で明らかになった戒名料を含む布施の全国平均、54万9000円を掛けると、823万5000円という数字がはじき出される。

・自宅で亡くなれば、火葬を待つまでのあいだ、そこに遺体を安置する。ただ最近では、季節にもよるが、火葬場が混雑しているために、死亡から火葬までに必要な24時間が経ってもすぐに火葬できないことがある。真夏や真冬には死亡者も多く、火葬場は混雑する。自宅に置けなければ、葬斎場、斎場などの遺体安置所に火葬までのあいだ安置しなければならない。

・さらに葬式の出費を抑えたいのであれば、すべて自前でまかなうのも不可能ではない。葬式関係のミニコミ誌に「葬 フリースタイルなお別れざっし」がある。この雑誌を発行する女性は、葬祭業の会社に2年ほど勤務した経験をもち、そのときに葬儀業界の不透明さを痛感したことがミニコミ刊行の動機になっている。その「葬」の創刊号には、自前で葬式をあげる方法が特集されていて、簡単なプチ祭壇の作り方や遺体の搬送方法がガイドされている。葬祭業者に頼んだ場合、祭壇に一番金がかかる。自前で作れば、たしかに相当の節約になる。遺体搬送で一番厄介なのは、体液の処理である。特集記事では「体液が出るのが何より心配です。肝臓を悪くされた方は特に出やすい」と注意事項が記され、吸水シートや防水シート、おむつなどを使って、体液が漏れ出るのを防止する方法が示されている。ただ、現実的に考えた場合、祭壇や遺体搬送を自前でやるのは相当に難しい。

・葬式で、もう1つ出費を抑えられるのが、戒名料を含めた寺への布施である。全国平均では、そこに54万9000円がかかっている。もっとも簡単なのは、葬式に僧侶を呼ばないことである。つまり、仏教式の葬式をやめ、無宗教式の葬式をあげるのである。僧侶に導師を頼まなければ、この分の費用はいっさいかからない。直葬や小規模な家族葬が費用を抑えられるのも、火葬が中心で、僧侶を呼ばないからである。読経がないのは寂しいと、直葬でも、火葬場に僧侶に来てもらい、火葬にする前に読経してもらったりもする。だが、そのときだけなので、通夜と翌日の葬儀、さらには初七日のくり上げ法要の際に読経してもらうのと比べれば、さほど多額の布施をする必要はない。無宗教式の葬式も最近増えており、葬祭業者も、無宗教式を選択肢の一つにしている。故人の好きだった音楽を流し、焼香の代わりに献花する、1つの形式を作り上げている。仏教式か無宗教式かを選択する場合、それに関係してくるのが、寺に墓地があるかどうかである。葬式を出す時点で墓がなかったり、一般の霊園に墓があるという場合なら、無宗教式でまったく構わない。後で問題が起こることはない。


<目次>
はじめに
第1章 葬式は贅沢である
 どんなに寿命がのびたとしても
 古代から人間は葬式を営んできた
 葬式費用231万円は世界一
 葬式は法的な義務ではない
 葬式無用の主張
 散骨はいつから認められるようになったか
 葬式をしない例は少ない
 社葬は日本の文化
 何も残らないにもかかわらず
第2章 急速に変わりつつある葬式
 「直葬」登場の衝撃
 直葬とはどんな葬式か?
 昔「密葬」、今「家族葬」
 葬式のオールインワン方式、ワンデーセレモニー
 葬式だけではない簡略化の流れ
 家から個人の儀式へ
 墓の無縁化と永代供養墓
 創価学会の友人葬
 樹木葬・宇宙葬・手元供養
 宇宙葬ですら100万円しかかからない
第3章 日本人の葬式はなぜ贅沢になったのか
 古墳壁画や埴輪から古代の葬式を想像する
 見出せない仏教の影響
 もし仏教がなかったら
 日本仏教を席巻した密教
 葬式仏教の原点としての浄土教
 地上にあらわれた浄土
 易行としての念仏
 仏教を大衆化させる道を開いた親鸞
 禅宗からはじまる仏教式の葬式
 浄土を模した祭壇
第4章 世間体が葬式を贅沢にする
 仏教式だからこそ
 細部へのこだわりが
 世間体が悪いという感覚
 村社会の成立と祖先崇拝
 柳田國男の祖霊信仰
 山村の新盆と「みしらず」
 村のなかでの家の格と戒名
 世間に対するアピール
第5章 なぜ死後に戒名を授かるのか
 戒名の習慣と戒名料
 戒名料の相場
 戒名のランク
 日本にしかない戒名
 戒名への納得できない思い
 葬式仏教が生んだ日本の戒名
 出家した僧侶のための戒名
 日本的な名前の文化
 戒名の定着と江戸期の寺請制度
第6章 見栄と栄誉
 高度経済成長における院号のインフレ化
 バブル期に平均70万円を超えた戒名料
 仏教界の対応
 戒名はクリスチャン・ネームにあらず
 有名人の戒名に見る、それぞれの宗派の決まりごと
 死後の勲章としての戒名
 生前戒名が広まらない理由
 墓という贅沢
第7章 檀家という贅沢
 介在する葬祭業者
 仏教寺院の経済的背景
 阿修羅像はなぜ傷んでいるのか?
 必要な檀家は最低でも300軒
 減る年忌法要と無住化の危機
 戒名料依存の体質が変わらない訳
 檀家という贅沢
第8章 日本人の葬式はどこへ向かおうとしているのか
 柳田國男の恐れたもの
 核家族化で途絶える家の後継者
 仏壇を祀らせる運動として
 家の葬式から個人の葬式へ
 土葬から火葬へ
 日本人が熱心なお墓参り教
 大往生が一般化した時代
 最後に残るのは墓の問題
第9章 葬式をしないための方法
 葬式をいっさいしない選択
 完全自前の葬式は可能か
 僧侶を呼ばなければさらに
 宗派による葬式と墓の自由不自由
 寺檀関係のない僧侶のぼったくり
 作家と戒名
 戒名を自分でつける方法
 火葬するのも贅沢
第10章 葬式の先にある理想的な死のあり方
 死んだ子どもの思い出に創設されたスタンフォード大学
 裕次郎でさえ寺は残せなかった
 PL教団の花火は葬式だった
 葬式で儲ける!?
 派手な葬式と戒名で財産を使いきる
 本当の葬式とは
おわりに

面白かった本まとめ(2010年上半期)

<今日の独り言>
久しぶりに高齢の親戚と会ったのですが、厄年あたりは注意したほうが良いと含蓄のある言葉を頂きました。注意したいと思います^_^) それから、「また会うのが楽しみ」と言われたのはうれしかったですね^_^)

コメント
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