安倍晋三の相変わらずデタラメ満載の内閣改造記者会見での女性の活躍 詭弁・ご都合主義に誤魔化されるな

2018-10-13 12:04:11 | 政治
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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。 

 2018年10月2日、「安倍晋三内閣改造記者会見」(首相官邸)

 安倍晋三「同じく内閣の最重要課題である地方創生の担当大臣は、片山さつきさんです。旧大蔵省出身で、政調会長代理も務めた政策通であるだけでなく、フットワークも軽く、超人的なガッツの持ち主でもあります。今回、女性の入閣は1人だけですが、2人分も3人分もある持ち前の存在感で、女性活躍の旗を高く掲げてもらいたいと思います」

 【質疑応答】

 シーグ(ロイター)記者「ロイターのシーグと申します。

 総理は、女性が活躍する社会、ウーマノミクスを非常に大事な政策として挙げていますが、今回おっしゃるとおり内閣改造で女性閣僚は1人しかいません。その理由を教えてください。今の時代を考えますと、ちょっと少ないと思われませんでしょうか」

安倍晋三「そういう意味においては、確かに各国と比べて内閣における閣僚の女性の比率は少ないということについては認めざるを得ないわけでありますが、まさに日本は女性活躍の社会がスタートしたばかりでありまして、これからどんどん入閣する人材が育ってくると、こう思います。

 党においては、松島みどりさんに党七役の広報本部長を務めていただくことになったわけでございますし、参議院の会長は橋本聖子さんが務めておられます。今回、片山さつきさんに入閣をしていただき、1人ということになったのですが、2人分、3人分、発信力を持って仕事をしていただけると期待しております」

 詭弁満載の発言・答弁となっている。

 「今回、女性の入閣は1人だけですが、2人分も3人分もある持ち前の存在感で、女性活躍の旗を高く掲げてもらいたいと思います」――

 有能な人材であるなら1人で「2人分も3人分もある持ち前の存在感で、女性活躍の旗を高く掲げ」ることはできるだろう。但し片山さつきに限って言うと、期待薄だが。

 それぞれの人材が持つ能力の多様な可能性は男性に限った所有物ではなく、女性も可能性開花の機会を提供することによって所有物とし得ることの証明がなされている以上、内閣のリーダーとして一人でも多くの女性に閣僚としての活躍の場を提供する立場にありながら、1人のみを閣僚に採用、存在感が「2人分も3人分もある」ことを以って2人、3人採用したのと変わりがないかのように装う。まさに詭弁を用いた誤魔化し以外の何ものでもない。

 ロイター記者の女性閣僚が1人ということは「今の時代を考えますと、ちょっと少ないと思われませんでしょうか」との質問に対する安倍晋三の答弁、「日本は女性活躍の社会がスタートしたばかり」といった弁解も、閣僚が1人である代わりに党七役の広報本部長に松島みどりを、参議院の会長に橋本聖子を採用したことを挙げたことも詭弁を用いた誤魔化しそのものとなっている。

 松島みどりや橋本聖子以外に自民党は筆頭副幹事長に稲田朋美を起用し、衆議院の予算委員長に野田聖子を、議院運営委員長に高市早苗を起用の方針だということだが、女性が持つ能力の多様な可能性を閣僚として試されることと、党役員や国会役員として試されることでは職の重要性という点で格段の差がある。にも関わらず、閣僚以外に女性を採用していることを以って女性閣僚が一人だけであることの埋め合わせに用いて正当性を得ようとする。

 狡猾巧妙な詭弁そのものであろう。

 安倍内閣は2013年6月14日の閣議決定で、「日本再興戦略 - JAPAN is BACK -」で「指導的地位に占める女性の割合を2020年までに少なくとも30%程度とする」目標を掲げた。安倍晋三は「日本は女性活躍の社会がスタートしたばかり」と言っているが、2013年6月には女性の活躍に関する目標を掲げている。5年以上も年月を費やしているのだから、自身の内閣では女性の活躍の機会を提供する責任を負っているはずだが、口先だけで実際の形となって現れていない。

 「指導的地位」とは議会議員や法人・団体などで課長相当職以上の者、専門的・技術的な職業のうち特に専門性が高い職業に従事する者などとされていると言う。

 例えば2012年の日本の国会議員に占める女性の割合は7.9%で160位。欧米各国の割合に遥か追いついていない。他も似たり寄ったりとなっている。

 そして2015年12月25日閣議決定の「第4次男女共同参画基本計画」、「上場企業役員に占める女性の割合を5%(早期)、更に10%を目指す((2020年)」目標を掲げた。

 「就業者及び管理的職業従事者に占める女性の割合(国際比較)」(内閣府男女共同参画局)から見てみると、日本就業者に占める女性43.2%に対して管理的職業従事者12.5%、米国同47.0%に対して同43.4%。日本は就業者に対する管理的職業従事者との格差も大きいし、数も少ない。

 「日本は女性活躍の社会がスタートしたばかり」であるなら、少々過激なアイデアを創造・駆使しなければ、欧米にいつまで経っても追いつかない。安倍晋三自身こそが過激なアイデアを創造・駆使して範を垂れなければならない立場にありながら、事勿れに済ましている。

 2013年6月14日の閣議決定より前の2013年4月19日、安倍晋三は日本記者クラブで「成長戦略に向けて」(首相官邸)と題して講演をしている。
   
 安倍晋三「女性の活躍は、しばしば、社会政策の文脈で語られがちです。しかし、私は、違います。『成長戦略』の中核をなすものであると考えています。

 女性の中に眠る高い能力を、十二分に開花させていただくことが、閉塞感の漂う日本を、再び成長軌道に乗せる原動力だ、と確信しています。

 具体策については、後ほど詳しくお話しさせていただきます。

    ・・・・・・・・・・・

《6.女性が輝く日本》

 さて、ようやく、私の成長戦略の中核である『女性の活躍』について、お話させていただきます。

 『社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上とする』という大きな目標があります。

 先ほど、経済三団体に、『全上場企業において、積極的に役員・管理職に女性を登用していただきたい。まずは、役員に、一人は女性を登用していただきたい』と要請しました。

 まず隗より始めよ、ということで、自由民主党は、四役のうち2人が女性です。こんなことはかつてはなかったことであります。2人とも女性の役員では、日本で最も注目される女性役員として活躍いただいています。そのおかげかどうかはわかりませんが、経済三団体からはさっそく前向きな回答をいただけました。

 ただ、足元の現実は、まだまだ厳しいものがあります。

 30代から40代にかけての女性の就業率がガクンと下がる、いわゆる「M字カーブ」の問題については、少しずつ改善の傾向にありますが、ヨーロッパの国々などと比べると、日本はまだまだ目立っています。

 いまだに、多くの女性が、育児をとるか仕事をとるかという二者択一を迫られている現実があります」――

 「女性の中に眠る高い能力を、十二分に開花させていただくことが、閉塞感の漂う日本を、再び成長軌道に乗せる原動力」と意味づけて掲げた「社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上とする」目標をアベノミクス成長戦略の中核に据え、「経済三団体に、『全上場企業において、積極的に役員・管理職に女性を登用していただきたい」とまでお願いし、「隗より始めよ」と言いながら、安倍内閣では女性閣僚を2人から4人まで起用しておきながら、最後の安倍内閣で1人と尻すぼみの起用となっている。

 どこが「隗より始めよ」なのか。

 「ニューヨーク証券取引所スピーチ」(首相官邸/2013年9月25日)では、「日本の中に眠っている、もう一つの大きなポテンシャル。それは、女性の力です。『人口の半分の男だけに頼ったせいで』閉塞感に直面している日本を、私は、大きく転換してまいります」と、女性への期待を熱く語っている。

 範を垂れ、「隗より始め」なければならない女性閣僚の起用でありながら、実行を伴わせることができないことを有言不実行という。言っていること自体を詭弁・ご都合主義で成り立たせているから、実行力となって現れない。内閣の骨格を支える重要閣僚はそれなりに実力者を揃えたが、最後の最後の内閣ということで順送りと派閥均等を重視したために女性の出る幕が1人きりになってしまったといったところなのだろう。

 所詮、「女性の中に眠る高い能力を、十二分に開花させていただくことが、閉塞感の漂う日本を、再び成長軌道に乗せる原動力だ」、あるいは「『人口の半分の男だけに頼ったせいで』閉塞感に直面している日本」といった物言いは単に少子高齢化を受けた人口減少によって生じている人手不足からの景気減速を避ける意味で用いている女性の活躍の方便――綺麗事にしか見えない。

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加計孝太郎記者会見「愛媛県文書読まなかった」を殺人犯の心理から読み解くと安倍晋三との面会は事実となる

2018-10-11 12:23:58 | 政治
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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。 

 先ず加計学園事務局長渡邉良人が安倍晋三と加計孝太郎とのニセ面会情報をデッチ上げて愛媛県と今治市に吹き込んだ理由についての加計学園理事長加計孝太郎の2018年10月7日の記者会見での釈明が事実かどうか見てみる。

 加計孝太郎の記者会見での冒頭発言からその箇所を抜き出してみる。「朝日新聞デジタル」(2018年10月7日21時33分)

 加計孝太郎「私ども、県、今治市と三者一体となってやってきたが、ハードルが高く、前に進むことができないような状態だった。そういった中で、構造改革特区というのが出てきて、申請したらどうかということになり、10年に亘って15回、申請を出したけれども、5年経っても、7年経っても、10年経ってもなかなか事が前に進まない。

 そのうちに県の職員の方々も、市の職員の方々も、これはいくらやっても壁が厚くてできないんじゃないか、と暗いムードが漂った。県の協力も得られないし、市の協力も得られないということで、私ども一人では到底できるわけではないので、そういう中で(渡辺)常務(理事)が勇み足をしたと言うか、事を前に進めるために、あのような誤解を招くようなことを申し上げた。本人は大変反省しており、学園全体として心からおわびを申し上げたい」

 要するに県と市がなかなか前に進まない加計学園獣医学部新設に向けた動きに「暗いムード」、いわば諦めムードが漂い、県と市の協力が得られない状況に立ち至ったため、協力を維持し、「事を前に進めるため」の安倍晋三と加計孝太郎とのニセ面会情報のデッチ上げであって、「勇み足」だといった釈明を行った。

 中村時広愛媛県知事が参議院から要請のあった加計学園獣医学部新設に関わる文書を提出したのは2018年5月21日であり、平成27年(2015年)3月の日付がある文書に記載されている安倍晋三と加計孝太郎の面会は平成27年2月25日となっている。

 「獣医師養成系大学の設置に係る加計学園関係者等との打ち合わせ会について」
                         27.3
                        地域政策課

1 加計学園から、理事長と安倍首相との面談結果等について報告したいとの申し出があり、3月3日、同学園関係者と県との間で打ち合
 わせ会を行った。

2 加計学園からの報告等は、次のとおり。

① 2/25に理事長が首相と面談(15分程度)。理事長から、獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、国際
  水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そういう新しい獣医学大学の考えはいいね。」とのコメントあり。

  また、柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示があったので、早急に資料を調整し、提出する予定。
 
 ② 下村文科大臣が一歩引いたスタンスになっており、県においても、官邸への働きかけを非公式で実施いただけないかとの要望があっ
  たが、政治的な動きが難しい旨回答。

 ③ 検討中の大学付属施設(高度総合検査センター等)の設置には、多額の費用が必要であるが、施設設置に伴う国からの補助がない
  中、一私学では困難であるので、国の支援が可能となる方策の検討を含め、県・市の財政支  援をお願いしたい。

  なお、3月4日には、同学園と今治市長が面会し、ほぼ同内容の説明があった。
  
3 おって、3/3に開催された国家戦略特区諮問会議では、特区法改正案に盛り込む追加規制緩和案が決定されたが、新潟市の国家戦略特
 区(獣医学部設置に係る規制緩和)は、含まれていない。

 今後、26年度までに出される構造改革特区提案(愛媛県・今治市)に対する回答と合わせて、国家戦略特区の結論も出される模様。

4 ついては、加計学園の具体的な大学校構想が示されたことから、特区提案の動向を踏まえ、今後の対応方針について、今治市としっか
 りと協議を進めていきたい。

 愛媛県側は2015年3月3日の加計学園関係者と県との間の打ち合わせ会で加計学園側から2015年2月25日に安倍晋三と加計孝太郎との15分程度のニセ面会情報を、そうとは気づかずに知らされた。

 では、愛媛県が2015年3月3日以前に加計学園獣医学部新設に関して諦めムードに陥っていたのかどうか、2015年3月3日以前の日付がある愛媛県の内部文書から見てみる。

 獣医師養成系大学の設置に係る加計学園関係者との意見交換会等について

                   27.2.
地域政策課

 1.2月12日(木)、加計学園関係者と県・市との間で意見交換会を行った。

 2.加計学園からは、
  ① イスラム国問題等で多忙を極める安倍首相と同学園理事長との面会が実現しない中で、官邸への働きかけを進めるため、2月
  中旬に加藤内閣官房副長官(衆・岡山5区、当選4回)との面会を予定していること

  ② 文科省の事務レベルでは獣医学部新設の方向性は出されているが、下村文部科学大臣が、自由民主党獣医師問題議員連盟会
  長(日本獣医師会と協力関係)である麻生副総理との関係から、一歩引いたスタンスに変化していること等の説明があった。

   また、吉川副学長からは、アベノミクス・成長戦略に対応した獣医学部の提案や具体的な獣医学部構想等についての説明あった。

  ●学科・定員 ① 110名、② 動物健康科学・120名、③ 動物応用化学・120名
  ●教員・72名程度(教授と助教授の目途は立っているが、大学設置が確定しない中、若い准教授クラスの確保は困難な状況

 3.なお、新潟市の国家戦略特区の獣医学部設置構想を巡る審議の中で、委員から、獣医学部の定員制限は既得権の保護ではないのかと
  の厳しい意見が出されるとともに愛媛県・今治市の構造改革特区申請についても言及があった。

 4.今後とも、加計学園からの情報を参考にしながら、引き続き今治市と連携して対応してまいりたい。

 安倍晋三と加計孝太郎が面会したとする平成27年(2015年)2月25日から約2週間しか遡らない平成27年(2015年)2月12日には加計学園と愛媛県と今治市が獣医師養成系大学の設置に係る意見交換会を開いていて、加計学園側は学科や生徒定員、教員数まで示して「アベノミクス・成長戦略に対応した獣医学部の提案や具体的な獣医学部構想等についての説明」があり、愛媛県として「今後とも、加計学園からの情報を参考にしながら、引き続き今治市と連携して対応してまいりたい」と加計学園側に協力の意思表明をしている。

 この文書の記述を見る限り、加計孝太郎が記者会見で釈明したようには獣医学部実現に関して愛媛県と今治市に「暗いムードが漂っていた」とか、県と市の協力が得られないといった状況は浮かんでこないし、当然、協力を得るために「勇み足」をしなければならない理由も見つからない。

 もう1枚、同じ平成27年2月の文書だが、上記文書に「2月中旬に加藤内閣官房副長官(衆・岡山5区、当選4回)との面会を予定していること」との記載があることから、2月中旬見当の文書を見てみる。

 獣医師養成系大学の設置に係る現在の情勢について
                     27.2.
                     地域政策課

 1. 今治市から、加計学園と加藤内閣官房副長官との面会の状況は次のとおりであり、今治市への設置は厳しい状況にあるとの連絡が
  あった。 
  
   《加藤内閣官房副長官のコメント》

   ① 獣医師養成系大学・学部の新設については、日本獣医師会の強力な反対がある。
   ② 加えて、既存大学からの反発も大きく、文科大臣の対応にも影響か。
   ③ 県・今治市の構造改革特区への取り組みは評価。ただし、関係団体からの反発が極めて大きい。
   ④ 新潟市の国家戦略特区については、詳細を承知していない。
     
 2. そのような中、国では、国家戦略特区申請の積み残し分について、地方創生特区の名のもとに追加承認を行う模様であり、加計学
  園では、新潟市の国家戦略特区の中で提案されている獣医学部の設置が政治主導により決まるかもしれないとの危機感を抱いており、
  同学園理事長が安倍総理と面談する動きもある。

 3. 今後とも、加計学園からの情報提供を踏まえながら、今治市と連携して対応してまいりたい。

 【参考】 新潟市の国家戦略特区について

  ○新潟市は、大規模農業改革拠点を目指して、平成26年12月19日に国家戦略特区「新潟市 革新的農業実践特区」の認定を受け、農
  地法等の特例措置により、ローソンによる農業生産法人の設立や農地での農家レストラン設置な  どに加え、獣医師養成系大学の
  設置や、一体的な保税地域の設置等の追加の規制改革を求め、現在、関係省庁と協議が継続中。
  
  ○本県からは国家戦略特区での提案は行っていない。   

 加計学園が2015年2月中旬に面会した内閣官房副長官の加藤勝信から「今治市への設置は厳しい状況にあるとの連絡があった」が、それでもなお愛媛県は「今後とも、加計学園からの情報提供を踏まえながら、今治市と連携して対応してまいりたい」と、ここでも獣医学部新設に向けた協力を表明していて、愛媛県と今治市側の「暗いムード」はどこにも見当たらない。

 この文書で注目すべき点は2014年(平成26年)5月1日に国家戦略特区指定を受けた新潟市が提案している獣医学部設置に対して加計学園が「政治主導により決まるかもしれないとの危機感を抱」き、いわばそのような決定を覆すために「同学園理事長が安倍総理と面談する動きもある」としていることである。

 この文書は加計学園と加藤勝信の面会の情報を加計学園から伝えられた今治市が愛媛県と情報共有している関係を取っているから、加計孝太郎と安倍晋三の面談の動きがあるという情報にしても加計学園から今治市に伝えられ、それを愛媛県に伝えた構図を描く。

 と言うことは、愛媛県が2015年3月3日の加計学園関係者と今治市を交えた打ち合わせ会で加計学園側から2015年2月25日に安倍晋三と加計孝太郎が15分程度の面会を行ったというニセ面会情報を伝えられる前の2015年2月中旬の加計学園と加藤勝信との面会の情報を加計学園が今治市に伝える中で安倍晋三と加計孝太郎との面談の動きも伝えられ、それが愛媛県にも伝わったという情報伝達を経たことになる。

 2015年2月25日の安倍晋三と加計孝太郎の15分程度の面会がニセ面会情報であるなら、2015年2月中旬頃に今治市と愛媛県に伝えられたこの面談の動きにしても、二人の面会を事実らしく見せるためのニセ面会情報に合わせたニセ情報だったのか、あるいは加計学園から安倍晋三に対する面会への働きかけを事実行ったものの、働きかけが実現しなかったために二人の面会だけをニセ面会情報としたのか、いずれかということになる。

 このいずれかであったとしても、ニセ面会情報のデッチ上げと流布を「事を前に進めるため」の「勇み足」とすることはできない。なぜなら、安倍晋三と加計孝太郎の面談の動きを伝えた2015年2月中旬(2月11日から2月20日)から2015年2月25日に安倍晋三と加計孝太郎が15分程度の面会を行ったとするニセ面会情報を愛媛県と今治市に伝えた2015年3月3日まで10日以上の日数を間に置いていることになるからである。

 少なくとも10日以上も日数を間に置いたニセ面会情報のデッチ上げと流布の企みからは用意周到さを窺うことができるが、「勇み足」という言葉は当初意図していた予想に反して意図しない予想外の結果を招くことに使うのであって、このような行為が示す切羽詰まって深くは考えずに事を行ってしまうといった用意周到さとは正反対の軽はずみなところはどこを探しても見当たらない。

 にも関わらず、加計学園事務局長の渡邊良人のニセ面会情報のデッチ上げと流布を軽はずみな「勇み足」だと理由付けている。

 大体が加計学園と加藤勝信との面会に関わる情報にしても、安倍晋三と加計孝太郎の面談の動きに関わる情報にしても、さらにニセ面会情報にしても、それらは加計学園側から愛媛県と今治市に伝えられる形式を取っているのであって、国への働きかけは加計学園が主体となって動いていることになる。構造改革特区申請の頃から実現した場合の獣医学部は今治市に新設すると決めているのだから、加計学園の国への働きかけに愛媛県も今治市もは協力しなければならない立場にあって、協力を断つことができない関係にあり、加計孝太郎がニセ面会情報のデッチ上げの根拠として「県の協力も得られないし、市の協力も得られない」状況を提示すること自体、矛盾している。

 要するに加計学園から2015年2月中旬頃に今治市と愛媛県に伝えられた、加計学園側から安倍晋三に働きかけた面談の動きが2015年2月25日の二人の15分程度の面会となって実現したと見なければ、終始一貫しないことになる。

 加計孝太郎は10月7日の記者会見で愛媛県公表の文書について記者から質問されると、「内容を読んでいない」と答えたとマスコミは伝えている。このことが事実である場合と、事実でない場合の両面から考えてみる。

 先ず事実ある場合、殺人犯の心理を当てはめ、その心理から安倍晋三と加計孝太郎の面会が事実かどうか読み解いてみる。

 殺人を犯して世間を騒がせ、楽しむ愉快犯、あるいは殺人そのものに性的興奮を覚える愉快犯なら、殺人現場の死体の状況や殺害の状況を伝えるニュースに食い入るように繰返し触れることで殺人の瞬間を何度も思い返して、その都度、そのときに味わった何らかの興奮を反芻して歓びに浸るといったことはするだろう。

 だが、殺人犯が普段は普通の心理の持ち主なら、一般的には新聞やテレビが伝える自身の殺人に関する警察の動きについては、どの程度捜査が進展しているのか、進展していないのか、不安を抱えながらも真剣に確かめることになるだろう。自身に捜査の手が伸びているのか、伸びていないのか、うまく逃げおおせるのか、捕まってしまうのか、切羽詰まった最大の関心事となるからである。

 但し殺人現場の死体の状況や殺害の状況を伝えるニュースを仔細に眺めることことは愉快犯などの異常心理の持ち主ならできるが、普通の心理の持ち主の場合はできないはずだ。怒りや憎しみ、あるいは金銭的欲求などから殺人を犯したとしても、マスコミが殺害の様子や殺害現場を具体的にどう伝えようと、殺人犯が実際に行動した殺人の具体的な方法程にはリアルではなく、現場にいなかった分、リアルさに欠けるものの、ニュースを目にすることをキッカケにニュースが伝えているよりも殺害の状況、結果としての死体の状況をよりリアルに思い出すことになるから、そういったニュスからは目を背けたい心理が否応もなしに働くだろう。テレビをなるべく見ないようにし、新聞や雑誌をなるべく読まないようにする。
 
 勿論、ニュースに触れずとも、何かのキッカケで殺害に至った様子を思い出すことはあるだろうが、慌ててその記憶を頭から振り払おうとするはずだ。であるなら、わざわざ意識的にニュースに触れて、殺人の具体的な様子を思い出してしまうようなことは意識的に避ける。

 加計孝太郎は安倍晋三と事実面会していた。だが、会ったことはないとウソをつかなければならない。ウソをつくことの罪の意識、少なくとも疚しさが愛媛県文書を読むことを避ける心理が働いた結果、記者会見での「愛媛県文書は読んでいない」という発言となった。

 愛媛県文書を実際には読んだ場合、その文字面からウソを突いていることを突きつけられることになる。加計孝太郎は少なくとも教育者である。ウソを突きつけられて耐えることができるだろうか。読まず、触れずが最善の方法となる。

 いわば殺人犯と同じ心理が働いて、愛媛県文書に目を通すことも読むこともできなかった。

実際は読んでいたが、うるさく質問をされることを避けるために読んでいないとウソをついた場合。

 安倍晋三と加計孝太郎との面会に関わる記載をも含めて愛媛県文書記載の事実全体がそれぞれに相互対応した一貫性を見せている。例えば2015年2月25日の安倍晋三と加計孝太郎の面会時に「柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示があ」り、この提出について愛媛県文書の一つに「3/24 又は3/26 (調整中)柳瀬首相秘書官に資料提出」の文言があって、正確な提出日はいつのことか分からないが、2015年4月2日の柳瀬唯夫との首相官邸での面会に繋がり、柳瀬唯夫から、「本件は、首相案件となっている」という言葉を頂いたということは記載されている事実がそれぞれ相互対応した一貫性を見せていることの証明となる。

大体が記述が全体的に一貫性を持たない文書・記録の類いは存在しない。

 当然、安倍晋三と加計孝太郎との面会がニセ面会情報としてデッチ上げた虚偽・捏造の類いであって、事実無根であるなら、なぜ愛媛県文書に記載されている他の多くの事実と符合するのか、事実それぞれがなぜ相互対応した一貫性を現しているのか、安倍晋三と加計孝太郎の面会の真偽のみを確認すれば済む問題ではなくなり、他の事実の真偽もを確認しなければならなくなるし、真偽の確認には文書に記載された全事実の詳しい分析が必要になる。

 加計孝太郎自身が、あるいは他に指示して文書全体を詳しく分析していたなら、加計孝太郎は記者会見で、「5年経っても、7年経っても、10年経ってもなかなか事が前に進まない」から、「暗いムードが漂っ」て、「県の協力も得られないし、市の協力も得られない」ことから、協力を得て「事を前に進めるために」ニセ面会情報をデッチ上げた「勇み足」だったといった矛盾した釈明の言葉は出てこないはずだし、その釈明だけで済ますことができる愛媛県文書ではないことに気づいていなければならなかった。

 だが、その釈明だけで他のすべての事実を無視して、安倍晋三の政治関与の疑惑からの無罪放免を謀っている。記者会見で発言した通りに読んでいなかからこそできる無罪放免の企みであり、自分たちが仕出かした事実から目を背けようとしていることからの殺人犯と同じ心理が働いた「愛媛県文書は読んでいない」の発言でなければならない。

 もし読んだ上での安倍晋三の政治関与の疑惑からの無罪放免の企みであったとしたら、教育者にあるまじく、愉快犯から殺人を犯すような相当な悪党だと言わざるを得ない。出てくるのは安倍晋三と加計孝太郎の面会は事実という答以外にない。

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加計孝太郎の10/7記者会見:加計学園獣医学部は安倍晋三の政治関与の産物とすることによって整合性を獲得可能

2018-10-09 12:50:41 | 政治
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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。

 ――加計孝太郎の2018年10月7日記者会見:安倍晋三と加計孝太郎のニセ面会情報を「勇み足」とする説明は一切の整合性を吹き飛ばす――

 愛媛県今治市への加計学園獣医学部新設・認可は安倍晋三が長年の友である加計学園理事長加計孝太郎への特別な便宜によって関係行政機関を動かした政治関与(政治権力の私的行使)の産物であったのか、なかったのか、疑惑は解明されていない。

 文科省職員の誰かがリークしたのだろう、マスコミや野党が入手・公表した文書が止むを得ず調査した文科省に存在していたことを2017年6月に当時の文科相松野博一が公表、「総理のご意向」、「官邸の最高レベルが言っている」といった政治関与を窺わせる記述自体の存在は事実と確認されたが、発言したとされる当の本人たちが、当然のことだが、発言を否定、疑惑は限りなく黒に近いままに推移することになった。

 そして2018年5月21日、中村時広愛媛県知事が参議院から要請のあった加計学園獣医学部新設に関わる文書を提出。2015年3月日付の「獣医師養成系大学の設置に係る加計学園関係者等との打ち合わせ会について」と題した文書に、〈加計学園から、理事長と安倍首相との面談結果等について報告したいとの申し出があり、3月3日、同学園関係者と県との間で打ち合わせ会を行った。〉とあり、加計学園からの報告を記した文書には、〈2/25に理事長が首相と面談(15分程度)。理事長から、獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そういう新しい獣医学大学の考えはいいね。」とのコメントあり。〉と記されていた。

 勿論、この面会を安倍晋三は否定し、加計孝太郎も否定した。

 安倍晋三はかねがね今治市新設の獣医学部の事業主体が加計学園であることを知ったのは内閣府が今治市への獣医学部新設の事業主体を2017年1月4日に公募したことに対して2017年1月10日に加計学園が新設する獣医学部の事業内容書(事業規模や陣容、募集定員数、学部敷地面積、建物数・階数等々)を提出・応募し、それに対して加計学園を事業主体と認めた2017年1月20日の「第27回国家戦略特別区域諮問会議」の場だとの発言を繰返していた。

 いわば政治関与の否定だが、長年の友人で、ゴルフや会食を重ねている加計学園理事長の加計孝太郎が獣医学部新設に向けて動いているのを知らなかったというのは余りにも不自然だと却って疑惑を深めることになったが、そこは安倍晋三、ああ言えば、こう言うで、晴らすことはできないままに疑惑の状態に収めていることには成功している。

 中村愛媛県知事が参議院に愛媛県の新文書を提出した5月21日から4日後の5月26日に加計学園は上記面談を否定するコメントをファクスで報道各社に送付している。〈当時は、獣医学部設置の動きが一時停滞していた時期であり、何らかの打開策を探しておりました。そのような状況の中で、構造改革特区から国家戦略特区を用いた申請に切り替えれば、活路が見いだせるのではないかとの考えから、当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と(今治)市に誤った情報を与えてしまったように思うとのことでした。〉

 要するに安倍晋三と加計孝太郎との面会はニセ情報で、愛媛県と今治市にその情報をデッチ上げ、流したのは一時停滞していた獣医学部新設に向けた動きに活路を見い出すためだと、ニセ面談情報考案の理由と目的を記している。

 そしてこのコメント公表の5日後の5月31日に加計学園事務局長渡邉良人が愛媛県庁を訪問、ニセ面会情報を考えつき、流布したのは3年前のことだからよく覚えていないが、「多分、自分が言ったんだろうというふうに思います」と記憶を曖昧としながらも、ニセ面会情報考案と流布の張本人であることを認め、謝罪した。
 
 この加計学園事務局長渡邉良人の5月31日愛媛県庁訪問・謝罪の前日5月30日、立憲民主党と国民民主党の国会議員が加計学園加計孝太郎に対して加計学園が5月26日に愛媛県の内部文書に記載されている安倍晋三との面談を否定するコメントを発表した経緯の説明などを求める質問状を提出。質問状に対して加計孝太郎は6月4日付でファックスで回答。

 〈学内で検討した結果、事実関係を公表すべきとの考えに至った。国家戦略特区を用いた申請に切り替えれば活路が見いだせるとの考えから、実際にはなかった安倍総理大臣との面会や会食を引き合いに出し、愛媛県などに誤った情報を与えてしまったことについて、深くおわび申し上げます。〉(NHK NEWS WEB

 5月26日の加計学園の面会否定コメントとほぼ同じ内容、同じ趣旨だが、加計学園はこの線で一件落着を謀ったのだろう。ところが、2018年5月29日に中村愛媛県知事が「これだけの問題なら最高責任者が説明するのが当然。それが学園の信頼を確保することになる」、あるいは「一般論として、偽りなら謝罪、説明し、責任者が記者会見するのが世の中の常識」と加計孝太郎本人の県への説明や記者会見での説明を求めた。

 ファクスを使ったコメント程度で一件落着を謀る性根にカチンときたのかもしれない。対して加計孝太郎は中村愛媛県知事の要求から3週間近くも経過した6月19日になって突如として記者会見を開いた。但し地元記者限定の記者会見だったという。

 地元記者限定からは逃げている姿勢、あるいは問題紛糾を恐れる姿勢しか窺うことができない。記者の一人が加計孝太郎が安倍晋三と共に面会を否定していることについてとニセ面会情報は指示を受けて行ったことなのかを質問した。

 加計孝太郎「それはまあ、記録を調べさせて頂きましたところ、私の方は3年も前のことでございますので、記憶にもございませんですし、記録にもありませんでした。

 そしてまたもう一つのご質問でありますけれども、担当者が、あー、そこ、そのようなことを言ったという誤解をいうようなことを言ったことにつきましては、ま、事を前に進めようとして言ったんだということの報告は受けております」

 安倍晋三との面会は「記憶にもないし、記録にもない」と否定、加計学園事務局長の渡邊良人のニセ面会情報の考案と流布は、要するに指示はしていない、単独犯行だとした。そして「事を前に進める」ことが動機(直接の原因)だと明かした。5月26日のコメントでは「活路を見い出す」ためを動機としていた。

 本質的には趣旨を同じくした動機となるが、動機は動機でしかない。動機は常に自らが利益とする一定の目的を持ち、その目的達成=利益達成を得て初めて動機は自身にとっての正当性を刻印付けることができる。

 要するにニセ面会情報を用いて「事を前に進める」ためには、あるいは「活路を見い出す」ためには、そのニセ面会情報が最終的に生きる相手にまで流布させ、刷り込ませなければ、動機を目的達成にも利益達成にもリンクさせる端緒とはならない。

 ニセ面会情報が加計学園にとって最終的に生きる相手とは獣医学部認可に権限を持つ関係省庁・関係機関のいずれかか、これらの部署に影響力を行使し得る有力政治家、例えば安倍晋三であって、獣医学部認可に何の権限も持たない愛媛県や今治市はニセ面会情報が最終的に生きる相手とはなり得ない。

 ところが、加計学園側の説明ではニセ面会情報の流布・刷り込みは獣医学部認可に何の権限も持たない愛媛県と今治市止まりとなっていて、その先の獣医学部認可に何らかの権限を持つ関係部署へのニセ面会情報を用いた獣医学部新設・認可の働きかけについては一切触れていない。

 となると、何のためのわざわざ捏造したニセ面会情報だったのか、その不徹底さだけが浮かんでくる。仮にも天下の首相を相手にニセ面会情報をデッチ上げるという大胆不敵なことを仕出かしたのである。ニセ面会情報が最終的に生きる相手に流布し、刷り込み、目的を達成し、最大限の利益を得てこそ、大胆不敵な捏造は徹底した一貫性を見い出し得る。

 要するに加計学園側が愛媛県と今治市止まりではなく、その先の獣医学部新設・認可の権限を持つ関係部署へのニセ面会情報の流布・刷り込みについて触れないのは隠しているからであって、このことを以って2015年2月25日の安倍晋三と加計孝太郎の面会否定は事実ではない、面会が事実だと何度かブログに書いてきた。

 だが、この推測が些かピント外れであることが2018年7月11日、愛媛県議会が加計学園に対して対外的な説明責任を果たすよう求める決議を自民系会派を含む全会一致で採択したことを受けて、直ちに行動に移すのは慌てているように取られる恐れからだろう、約3カ月後の2018年10月7日になって開いた加計孝太郎の記者会見発言を「朝日新聞デジタル」2018年10月7日21時33分)記事で見て分かった。

 加計孝太郎「獣医学部は、父親の代からの長年の悲願。私の代になってからも、文科省との接触、交渉をしてきた。そうした中で、私どもの常務(=学園の常務理事で事務局長の渡辺良人氏)がたまたま四国の今治市の出身で、彼が今治に戻ってきたときに、昔からの竹馬の友と酒を飲み交わし、ぜひとも今治を活性化したい、と強い希望を話したそうだ。今治を活性化するにはやはり、学園に出てきていただきたいとの要望があったそうだ。

 岡山に持ち帰り、(学園の)幹部会で検討した結果、やはり父の代からの悲願だった獣医学部を設立してはどうかということになり、獣医学部を前進させようということが決まった。

 私ども、県、今治市と三者一体となってやってきたが、ハードルが高く、前に進むことができないような状態だった。そういった中で、構造改革特区というのが出てきて、申請したらどうかということになり、10年にわたって15回、申請を出したけれども、5年経っても、7年経っても、10年経ってもなかなか事が前に進まない。

 そのうちに県の職員の方々も、市の職員の方々も、これはいくらやっても壁が厚くてできないんじゃないか、と暗いムードが漂った。県の協力も得られないし、市の協力も得られないということで、私ども一人では到底できるわけではないので、そういう中で(渡辺)常務(理事)が勇み足をしたと言うか、事を前に進めるために、あのような誤解を招くようなことを申し上げた。本人は大変反省しており、学園全体として心からおわびを申し上げたい。

 県から指摘があったように、コンプライアンスまたはガバナンスについては、これからはきちっと守っていき、県と市とも連絡を密に取りながら、前へ前へと進んで参りたい」――

 要するに愛媛県と今治市の協力を引き続き得るためにニセ面会情報をデッチ上げて県と市に流し、信じ込ませたことになる。それが動機だった。ニセ面会情報を県と市が信じ込んで一生懸命国に対して働きかけたなら、獣医学部の新設・認可に向けて動き出すかもしれない。結果、獣医学部の新設・認可が実現できたなら、目的達成も利益達成も適う。

 このような考えのもとにニセ面会情報の流布・刷り込みを考えたとしたら、それが愛媛県と今治市止まりだったとしても、正当性あることになる。

 少なくともニセ面会情報をデッチ上げた渡邉事務局長は安倍晋三と加計光太郎が親友であることを利用、安倍晋三の力に頼って、裏から手を回す策を信じ込ませることで県と市を動かそうとしたことになる。

 対して愛媛県と今治市は2015年2月25日に安倍晋三・加計孝太郎が面会、獣医学部のことも話し合ったというニセ面会情報を聞かされ、これなら脈があるぞ、獣医学部新設・認可も夢ではないぞと希望を膨らませ、いわば裏から手を回す策を信じ、安倍晋三の助力に期待をかけて自分たちも従来以上に加計学園に協力して希望実現に邁進しなければならないと奮い立った。

 かくこのようにニセ面会情報は愛媛県と今治市を動かすのに役立った。愛媛県と今治市は加計学園の渡邉事務局長と共に2015年4月2日に内閣府で国家戦略特区担当の当時地方創生推進室次長だった藤原豊と面会し、獣医学部親切に向けて協力をお願いしたことも、そのあと首相官邸を訪れて柳瀬唯夫と面会、同じく協力をお願いしたことも、ニセ面会情報に乗せられて安倍晋三が裏から手を回してくれたお陰だと信じてしていたことになる。

 では、これらの面会での遣り取りを愛媛県職員が記録した文書に書いてある、〈柳瀬首相秘書官の主な発言(総理官邸)15:00 本件は、首相案件となっており、何とか実現したいと考えているので〉といった文言は、柳瀬唯夫自身は言っていないと否定しているが、安倍晋三が裏から手を回したことと完璧に整合性を取ることができるのに対してニセ面会情報が事実であるなら、整合性が崩れることになって、矛盾が生じる。

 整合性があるのかないのか、加計孝太郎が今回の記者会見でニセ面会情報のデッチ上げと愛媛県と今治市への流布・刷り込みは当時の加計学園事務局長渡邊良人が「勇み足をした」と説明している、その言葉から判断してみる。

「goo国語辞書」

 出典:デジタル大辞泉(小学館)

1 相撲で、相手を土俵際に追いつめながら、勢いあまって自分から先に足を土俵の外に踏み出すこと。

2 調子づいて、やりすぎたり、仕損じたりすること。「新任役員の勇み足の失言」――

 つまり当初意図していた予想に反して意図しない予想外の結果を招いたことを「勇み足」と言う。

 だが、ニセ面会情報は「事を前に進める」ため、あるいは「活路を見い出す」ためという意図した動機に基づいてデッチ上げ、流布・刷り込みが行われている。そして意図した動機どおりに獣医学部新設と認可という目的と利益を達成している。大体が意図や目的を秘めた動機を持たないニセ面会情報などあり得ない。

 にも関わらず、ニセ面会情報のデッチ上げを「勇み足」だとする。「勇み足」だとしなければ、安倍晋三が裏から手を回したとすることによって完璧に合致させることができる整合性を崩すことになるからだろう。

 要するに愛媛県と今治市の協力を引き続き得るためにニセ面会情報をデッチ上げて県と市に流し、信じ込ませたとしていることもニセ情報であって、2015年2月25日の安倍晋三と加計孝太郎との15分程度の面会をニセ面会情報などではなく、真正な事実としなければ、一切の整合性は吹き飛んでしまう。

 30年来の親友加計孝太郎の夢だった獣医学部の新設と認可は安倍晋三が裏から手を回した政治関与(政治権力の私的行使)の産物だとすることによって全ての整合性が獲得可能となる。

 ウソをうまくついたと思っても、ウソであることはどこからか漏れる。ニセ面会情報のデッチ上げと流布・刷り込みを「勇み足」だとしたことが逆にニセ面会情報がウソであることを物語ることになっている。

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安倍晋三の相変わらずデタラメ満載の内閣改造記者会見 憲法改正の独善的手法 デタラメと独善性が安倍晋三の風貌

2018-10-08 11:49:49 | Weblog
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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。

 内閣改造後の2018年10月2日「安倍晋三記者会見」(首相官邸)

 質疑応答

 大塚時事通信記者「幹事社の時事通信の大塚です。

憲法改正についてお伺いします。安倍総理は先に憲法改正案の国会提出について、公明党と調整を行いたいと発言されましたが、公明党は事前の与党協議には否定的です。今後、どう調整を進めていく考えでしょうか。

 また、自民党麻生派は、来年夏の参院選までに憲法改正の国民投票を行うよう求めています。国民投票について、参院選までの実施を目指すお考えでしょうか。

安倍晋三「憲法改正については、自民党としては昨年の総選挙におきまして、自衛隊明記を含む4項目について国民の皆様にお示しをし、そして力強い支持を得ることができました。そして、党内においては今回の総裁選挙におきまして、私自身、次の国会に改正案を提出できるよう、党を挙げて取り組むべきであるということを申し上げて、勝利を得たところであります。結果が出た以上は、党においては、下村憲法改正推進本部長の下にさらに議論を深めて、作業を加速させていただきたいと、こう思っています。

 与党である公明党の調整についても、やはりこれは当然丁寧に説明をしていかなければならないわけでありますが、公明党とは、正に風雪に耐えた連立政権を、いわば築いてきたわけでありまして、その信頼関係の中において、真摯にしっかりと議論していくことが大切だろうと思いますが、まずは具体的な条文をしっかりとお示しをしていかなければ、もちろん公明党の皆様との議論も、国民の皆様の御理解も深まらないのは当然のことであろうと思います。その意味におきましては、国会の第一党である自由民主党がリーダーシップをとって、具体的な、もう既にお示しを、党で大体イメージとしては十分お示しをしておりますが、次の国会での改正案提出を目指していくべきであろうと、こう考えております。

 その後のスケジュールは国会次第でありまして、予断を持つことはできないと、こう思っています。3分の2で発議をして、国民投票で過半数というのは大変高いハードルでありますが、与党、野党にかかわらず、幅広い合意を得られるように努力をしていくべきだろうと考えております」

 「憲法改正」に関する安倍晋三の発言はこれ以外にない。冒頭発言では一言も触れいていない。日本国憲法9条への「自衛隊」明記にあれ程意欲を示しておきながら、記者の質問がなかったら、触れずじまいでとなったに違いない。

 2018年9月11日の「自民総裁選立ち会い演説会」NHK NEWS WEB/2018年9月11日)

安倍晋三「いよいよ憲法改正に取り組む時が来ました。

ことしも私は防衛大学校の卒業式に総理大臣として出席し、任官したばかりの若々しい自衛官たちから服務の宣誓を受けました。『事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえる』

この重い宣誓を受けました。

そうです、彼らは国民を守るためにその命をかけるのです。しかし、自衛隊が憲法違反ではないと言い切ることが出来る憲法学者はわずか2割にしかすぎない。合憲性について、議論がある旨、ほとんどの教科書に記述があります。

自衛官たちの子どもたちも、この教科書で学ばなければならないのです。皆さん、このままでいいんでしょうか。彼らが誇りを持って任務を全うできる、そういう環境を作っていくことは、いまを生きる政治家の私たちの使命ではないでしょうか。憲法にしっかりと日本の平和と独立を守ること、自衛隊、と書き込んで、私たちの使命を果たしていこうではありませんか」

 2018年9月14日の「自民党総裁選立候補者討論会」日本記者クラブ/2018年9月14日)

 冒頭発言

 安倍晋三「戦後70年、一度も行えなかった憲法改正に挑戦をし、国民の皆さんとともに、日本の新しい時代を切り開いていく決意であります」――

 総裁選に当選し、首相職を継続することになった場合の憲法改正に関わる自らの姿勢を明示しておきながら、首相継続が決定、その内閣改造報告の記者会見の冒頭発言では一言も触れずじまいで、記者の質問があって初めて触れる。

 ここに安倍晋三のデタラメな姿勢を見ない訳にはいかない。デタラメはこればかりではない。

 「憲法改正については、自民党としては昨年の総選挙におきまして、自衛隊明記を含む4項目について国民の皆様にお示しをし、そして力強い支持を得ることができました」と言っている。

 「昨年の総選挙」とは2017年10月10日公示・10月22日投開票の衆議院議員総選挙。その総選挙で、「自衛隊明記を含む4項目について国民の皆様にお示しをし、そして力強い支持を得ることができました」

 デタラメもいいとこである。これ程のデタラメはない。

 「2017年9月25日解散宣言記者会見」(首相官邸)
  
 安倍晋三「少子高齢化という最大の課題を克服するため、我が国の経済社会システムの大改革に挑戦する。私はそう決断いたしました。そして、子育て世代への投資を拡充するため、これまでお約束していた消費税の使い道を見直すことを、本日、決断しました。国民の皆様とのお約束を変更し、国民生活に関わる重い決断を行う以上、速やかに国民の信を問わねばならない。そう決心いたしました。28日に、衆議院を解散いたします」

 そう宣言した上で解散の理由を二つ挙げた。

 安倍晋三「我が国が直面する最大の課題は、少子高齢化であります。これを克服していくためには、社会保障制度を全世代型のものへと大きく転換をしなければなりません。時間の猶予はない、待ったなしであります。大きな改革には当然大きな財源が必要となります。財源の目当てがないままでは、改革の中身それ自体が小さくなっていくおそれがあります。

そのため、本日、子育て世代への投資を拡充するため、これまでお約束をしていた消費税の使い道を思い切って大きく変えるという決断をいたしました」――

 「子育て世代への投資」とは幼児教育と高等教育の無償化を指す。

 安倍晋三「少子高齢化、緊迫する北朝鮮情勢、正に国難とも呼ぶべき事態に強いリーダーシップを発揮する。自らが先頭に立って国難に立ち向かっていく。これがトップである私の責任であり、総理大臣としての私の使命であります。苦しい選挙戦になろうとも、国民の皆様と共にこの国難を乗り越えるため、どうしても今、国民の声を聞かなければならない。そう判断いたしました。

 この解散は、国難突破解散であります。急速に進む少子高齢化を克服し、我が国の未来を開く。北朝鮮の脅威に対して、国民の命と平和な暮らしを守り抜く。この国難とも呼ぶべき問題を、私は全身全霊を傾け、国民の皆様と共に突破していく決意であります」――

 この記者会見でも憲法改正に関しては一言も口にしていない。要するに記者会見から見る限り2017年総選挙の主たる争点は、「安倍政権の継続の是非」、「消費税増税使途変更の是非」、「安倍政権の北朝鮮対応」、記者会見でも触れている「森友・加計学園疑惑から見た首相としての適格性」等を主たる争点としたことになる。

 そして特に「少子高齢化」問題と「緊迫する北朝鮮情勢」を如何に解決するかの是非を問う「国難突破解散」だと名付けた。

 但し2017年10月選挙向けの「自由民主党政策パンフレット2017」には憲法改正を選挙公約として掲げている。

 〈国民の幅広い理解を得て、憲法を改正します。

 現行憲法の「国民主権」、[基本的人権の尊重]、「平和主義」の3つの基本原理は堅持しつつ、憲法改正を目指します。

 ●憲法改正については、国民の幅広い理解を得つつ、衆議院・参譜院の憲法審査会で議論を深め各党とも連携し、自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参議院の合区解消など4項目を中心に、党内外の十分な議論を踏まえ、憲法改正原案を国会で提案・発議し、国民投票を行い、初めての憲法改正を目指します。〉――

 にも関わらず、2017年9月25日の解散宣言記者会見では憲法に一言も触れなかったデタラメ。

 実際の選挙戦でもアベノミクスの是非や北朝鮮対応、少子高齢化や教育の無償化等に関わる社会保障問題を争点の前面に掲げ、憲法改正問題に関しては争点隠しに走って、触れないようにした。

 そして2017年10月22日投開票の総選挙で圧勝すると、翌10月23日に自民党本部で自民党総裁として「記者会見」を開いた。

 中根東京新聞記者「東京新聞中根と申します。憲法に関して質問です。総裁は衆議院選挙の選挙期間中の演説で、憲法改正に関する話題に殆ど触れることがありませんでした。自民党の公約では、最重点政策の1つとして憲法改正を盛り込んでいましたが、総裁の選挙中の説明は十分でなく、国民の理解も不十分だという印象があります。

 総裁が演説で憲法の話題に積極的に触れなかった理由をお聞かせください。それから今後、自民党として憲法に関する政策の説明をどのように行っていくお考えでしょうか」

 安倍晋三「先ず憲法改正というのは、通常の法案と違って、衆議院で多数、そして参議院の多数を得れば、それで成立するものではありません。

 ですから、政権選択に際してはいわば重要な論点として街頭演説で述べるということは当然であろうと思いますが、憲法においては、まさに決めるのは国会ではなく、国会で発議をするわけでありまして、決めるのは国民投票であります。

 まさにこの国民投票の場において、具体的な条文について説明する責任があろうと思います」――
言っていることは「憲法改正を決めるのは国会ではなく、国会は発議のみで、決めるのは国民投票だから、具体的な条文の説明は国会発議後から国民投票前に行う責任がある。だから、そのときでいい」という意味になる。

 大体が3分の2以上賛成という国会発議に持っていくためには自民党は自民党案を作成し、議院に提出、審議を求める手続きを経なければならない。審議の段階に入れば、否応もなしに他党に対しても、国民に対しても改正の意図・目的の説明責任を果たさなければならなくなる。国民はその条文や改正の意図・目的を斟酌して、改正の是非を判断する。

 具体的な改正条文の提示を国民投票まで待たせる訳にはいかないし、国民も待ちはしない。

 安倍晋三が2017年10月の総選挙に向けて憲法改正問題を争点から外して選挙戦を戦ったこともデタラメなら、解散記者会見で憲法改正問題に触れないこともデタラメ、選挙圧勝後の記者会見で記者から「憲法の話題に積極的に触れなかった理由」を聞かれて、「決めるのは国民投票だから、具体的な条文についての説明は国民投票のときでいい、そのときのみに説明責任が生じる」といった趣旨の発言もデタラメ。

 こうまでデタラメを並べ立てることができる一国の首相というのも珍しいに違いない。今回の総裁選で石破茂が首相の条件として「正直・公正」を掲げたのは安倍晋三のデタラメさ加減に呆れて、それを反面教師とせざるを得なかったからに違いない。

 デタラメの極めつけは内閣改造後の2018年10月2日の記者会見での、「憲法改正については、自民党としては昨年の総選挙におきまして、自衛隊明記を含む4項目について国民の皆様にお示しをし、そして力強い支持を得ることができました」の発言であろう。

 憲法改正問題を選挙戦で争点隠しをし、その選挙に勝利した、「力強い支持を得ることができた」からと言って、憲法改正の支持まで得たといったニュアンスの発言をする。

 しかも「4項目について国民の皆様にお示しをした」と言っても、自民党として正式に決定した憲法改正の条文ではなく、安倍晋三の出身派閥の細田派領袖の細田博之が自民党憲法改正推進本部長として安倍晋三の憲法改正意思を反映させて纏めた「たたき台」に過ぎない。

 それが証拠に〈改憲4項目は、3月の党改憲推進本部で首相案をベースにまとめられたが、(自民党)常設の最高意思決定機関である総務会の了承は得られていない」と、「時事ドットコム」(2018/10/03-20:36)記事は伝えている。

 つまり「4項目」は自民党の正式な憲法改正案として纏まっているところまでいっていない。一方で「憲法改正を決めるのは国民投票であって、そのときに具体的な条文について説明する責任がある」、選挙のときではないといったことを言い、その一方で、自民党の憲法改正案として正式に決定した訳ではない、自民党憲法改正推進本部が取り纏めた段階の「たたき台」であるにも関わらず、「4項目について国民の皆様にお示しをした」と、「4項目」が自民党が決定した憲法改正案であるかのように見せかけ、それを示したことを以って憲法改正案についての国民に対する説明責任を果たしかのようなニュアンスの物言いをし、その結果、昨年の総選挙で「力強い支持を得ることができた」からと、安倍晋三の憲法改正案にまで支持を得たかようなイメージを振り撒く。

 このデタラメさ加減はどのような詭弁を用いても、自身の案で憲法改正を何が何でも成し遂げようとする意思から出ているはずだ。国民に対して丁寧な説明と納得の行く理解を得る心積もりで憲法改正を進める意思を少しでも持ち合わせていたなら、このようなデタラメは顔を覗かせさえしない。

 また、デタラメを働いて自分の思い通りにしようとする行為自体が独善的な人間に仕上がっているからこその発露であって、その独善性が党内や国民世論の反対が多くても、その反対を無理やり押し切って自分の任期中に憲法改正を果たそうとする数々の強引さを生み、その強引さがデタラメとなって現れる悪循環を生じさせしめていることは間違いない。

 デタラメと独善性。これが安倍晋三が内に隠した風貌であろう。

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柴山昌彦の、自身の日本民族優越意識を母体とした「教育勅語」賛美ゆえに戦後の道徳教育の教材としたい願望

2018-10-06 07:06:39 | 政治
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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。 

 柴山昌彦は10月2日(2018年)の文科相就任記者会見で、「教育勅語は現代風にアレンジすれば、今の時代の道徳教育にも使うことができる普遍性を持っている」といった趣旨の発言をした。

 この発言に対して昨日の当「ブログ」で、教育勅語が求めている道徳観だけを取り上げれば、戦後にも通じる普遍性を備えているようにも見えるが、教育勅語は天皇全体主義を前提とし、天皇と国家への奉仕を目的とした道徳の教えであるのに対して戦後の道徳教育は民主主義を前提とし、個人の自由と自律の獲得を目的としているゆえに普遍性があるからとこじつけて教育勅語の道徳観だけを切り離すのは天皇全体主義と全体への奉仕を隠すことになって危険だといったことを書いた。

 次のことは前日のブログに書かなかったが、要するに教育勅語が求めている日本人としての道徳観は天皇全体主義と天皇と国家への奉仕とを相呼応する関係で成り立たせた一体性を持つゆえに前者のみを後者(=天皇全体主義と天皇と国家への奉仕)と切り離して別物として取り扱うことは歴史そのものを歪めることなる。

 このことを言い換えると、当然、教育勅語は自らが骨格としている日本人としての道徳観と天皇全体主義と天皇と国家への奉仕とを常に一体として扱わなければ、教育勅語が持つ歴史性、あるいは時代性を失わせることになる。

 もしかしたら、教育勅語に描かれた道徳の教えを戦後の子どもたちの道徳の教材としたい願望の背後には教育勅語が持つ歴史性、あるいは時代性を現代に蘇らせたい願望をも張りつかせているのかもしれない。

 10月2日の記者会見での教育勅語発言が尾を引いていたのだろう、マスコミが伝えていた柴山昌彦の10月5日の記者会見発言も戦前と戦後の前提と目的の違いを考えない発言を性懲りもな繰返している。

 先ず次の記事からみてみる。「NHK NEWS WEB」(2018年10月5日 13時16分)

 柴山昌彦「教育勅語を復活させようということを言っているわけではない。教育勅語そのものを離れて、友人を大切にするといった考えは現在の教育にも通用する内容もあるという意味から、普遍性を持っているのではないかと申し上げた。
 
 憲法および教育基本法に反する内容の教育を強いることがあってはならないのは至極当然だ。教育勅語を復活させようとか、そうしたことを言っているわけではない」――

 「教育勅語を復活させようという考えはサラサラないが、教育勅語そのものを離れれば、それが求めている道徳の教えは現在の教育にも通用するから、普遍性があることになる」と、教育勅語が持つ歴史性や時代性を捨て去って、道徳観のみを取り出して、それに正当性を与えるペテンを演じている。その正当性は教育勅語そのものへの正当性へと跳ね返っていくことになるはずだ。

 教育勅語が求めている日本人としての道徳観とは無関係に民主主義を前提とした個人の自由と自律の獲得を目的とした道徳の教えをなぜ構築できないのだろうか。10月5日記者会見のテキスト版は「後日、アップロードします」となっていて目にすることができないが、このなぜの理由が同じ記者会見を扱った、同2018年10月5日付「朝日新聞デジタル」記事を読んで理解できた。文飾は当方。

 柴山昌彦「過去に日本人を戦争に駆り立てた部分もあるかもしれない。世界中から日本の規律正しさや、お互いを尊重する気持ちが尊敬を集めていると見て取られる部分もある。

 そういう趣旨から、教育勅語そのものを離れ、友人を大切にするという考えは、現在の教育においても通用すると申し上げた」――

 この発言には教育勅語そのものを賛美する姿を見て取ることができる。「世界中から日本の規律正しさや、お互いを尊重する気持ちが尊敬を集めていると見て取られる部分もある」の発言の裏には、そのような日本人の美徳性は教育勅語の教えのお陰であるという思いを隠しているからである。

 そしてこの日本人の美徳性は日本民族優越意識によって成り立っている。なぜなら、日本人全体が美徳性のみを備えた人間ばかりで成り立っているわけではなく、正反対の悪徳性を持った日本人がどのような時代に於いても少なからず存在しているにも関わらず、美徳性のみで日本人を価値づけるのは日本民族優越意識に囚われていなければ不可能な仕業だからである。

 要するに日本民族優越意識のメガネを通して見るから、日本人の現実の姿を客観的・合理的に眺めることができない。

 『日本疑獄史』(森川哲郎著・三一書房)を読めば良く理解できることだが、戦前という時代も政官財、軍を舞台とした様々な疑獄事件が戦後と同様に発生していることを知ることができる。この書物の巻末に記載されている「日本疑獄史年表」からざっと眺めてみると、1902年(明治35年)の教科書出版会社と多数の県知事、教育委員、教師らを巻き込み、最終的に菊池文相が引責辞職することになった「教科書疑獄事件」

 1910年(明治43年)の大日本製糖が経営悪化を国有化法案の立法化で救うために政界に莫大なワイロを撒き散らし、結果、日糖社長は自殺、代議士20名が連座したが、政治的圧力でそれ以上の捜査が打ち切られた「日糖疑獄事件」

 1913年(大正2年)のドイツシーメンス商会が日本海軍高官と政界を巻き込んだ艦船その他受注獲得を巡って一大汚職事件に発展した「シーメンス事件」。シーメンス日本人社員が自殺することになった。

 「Wikipedia」は「シーメンス事件」について、〈1914年(大正3年)3月には海軍長老の山本権兵衛を首班とする第1次山本内閣が内閣総辞職にまで追い込まれた。〉と書き込んでいる。

 1918(大正7)年には「八幡製鉄と政界をめぐる汚職。押川所長が自殺している」とする「八幡製鉄所事件」、1920(大正9)年には「市会議員、業者をめぐる大汚職で67名が連座した」とする「東京砂利ガス疑獄」。1921(大正10)年には「満州鉄道会社をめぐる疑獄事件で、中西満鉄副総裁が罪に問われた」とする「満鉄疑獄」

 同じ1921(大正10)年の「植民地における阿片密売に関して汚職事件が発生して、世論を騒然とさせた」とする「阿片密売事件」。1922(大正11)年の「震災後の東京復興計画を巡って汚職事件が発生、十河信二氏らが疑いをうけた」とする「帝都復興院疑獄」。

 1925(大正14)年の「遊郭移転問題に関して汚職が発生。箕浦元逓相、岩崎政友会幹事長その他が連座した」とする「松島遊郭事件」、昭和の時代に入っても汚職事件や横領事件が続き、戦後と変わらない政官財、軍の悪行を横行させていた。

 このような戦前の悪徳性を考えると、柴山昌彦の「世界中から日本の規律正しさや、お互いを尊重する気持ちが尊敬を集めていると見て取られる部分もある」云々の教育勅語賛美にしても、日本民族優越意識からのみ見たこのような日本人の価値づけにしても、根拠を失うし、教育勅語が求めている日本人としての道徳観には普遍性があるからと言って、それを戦後の道徳教育の教材にしたい願望も根拠はないことになる。

 日本民族優越意識に囚われ、教育勅語を賛美している。だから、戦後の道徳教育の教材にしたい願望を抱くに至っている。このような政治家が教育行政を与る文科相に踏みとどまっている資格があるだろうか。

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柴山昌彦の天皇全体主義と全体への奉仕を骨格とした教育勅語を普遍的価値あるとした道徳教材化への時代錯誤な意欲

2018-10-05 11:51:21 | 政治
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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。 

 国家主義者・戦前回帰主義者の安倍晋三によって今回文科相に任命された柴山昌彦(東大法学部卒、52歳)が親分が自らの精神としている国家主義・戦前回帰主義を自らもお裾分けに与っているのか、10月2日の記者会見で、教育勅語は「現代風に解釈されたり、アレンジしたりした形で使える分野は十分あり、普遍性を持っている部分が見て取れるのではないか。同胞を大切にするとか、国際的な協調を重んじるとかいった基本的な内容を現代的にアレンジして教えていこうという動きもあると聞くが、検討に値するのかなと考えている」などと発言したと2018年10月3日付「NHK NEWS WEB」記事が伝えていた。何と時代錯誤なと思って、実際、どういった発言をしたのか調べてみた。

 「柴山昌彦記者会見」(文科省/2018年10月2日)

 記者「大臣はご自身のツイッターで今年の8月17日に『私は戦後教育や憲法の在り方がバランスを欠いていたと感じています』とツイートされていますが、戦後教育や憲法の在り方がどのようにバランスを欠いていたと感じてらっしゃいますか」

柴山昌彦「その私のツイートの趣旨はですね、やはり教育というのは当然のことながら私たちの権利と共にですね、義務や規律ということについても教えていかなければいけないと、これは当然のことだと思っております。

 ただ、戦前、義務とか規律が過度に強調されたことへの、これもまた大きな反動としてですね、個人の自由とかあるいは権利ということに重きを置いた教育、あるいは個人の自由、非常に最大の価値とする日本国憲法が今制定をされたということだと思っております。そういう中で憲法については、我々、憲法尊重擁護義務のある公務員ですから、ここではその在り方について言及をすることは避けたいというように思うんですけれども、少なくとも教育においてはですね、権利や義務、あるいは規律ということをしっかりバランスよく教えていくと、こういったことがこれから求めらるのではないかと、そういう趣旨でツイートしました」

記者「関連してなんですけれども、教育勅語について、過去の文科大臣は中身は至極まっとうなことが書かれているといった発言をされているわけですけれども、大臣も同様のお考えなんでしょうか。

柴山昌彦「教育勅語については、それが現代風に解釈をされたり、あるいはアレンジをした形でですね、今の例えば道徳等に使うことができる分野というのは、私は十分にあるという意味では普遍性を持っている部分が見て取れるのではないかというふうに思います。

記者「それはどの辺が今も十分に使えると考えてらっしゃいますか。

柴山昌彦「やはり同胞を大切にするですとか、あるいは国際的な協調を重んじるですとか、そういった基本的な記載内容についてですね、これを現代的にアレンジをして教えていこうということも検討する動きがあるというようにも聞いておりますけれども、そういったことは検討に値するのかなというようにも考えております」

 要するに教育勅語を現代風な解釈、あるいは現代的なアレンジを用いて道徳教育の教材にしようと「検討する動きがある」ことを聞いているが、「検討に値する」と断定するのではなく、「検討に値するのかなと考えている」と第三者の「動き」に一応の賛意を示すにとどまっている。

 東大法学部卒ながら、このはっきりしない態度は「検討に値する」と断定した場合の世間の批判的な反応を避ける意味合いがあったからだろう。なぜなら、前段で教育勅語は道徳という点では「普遍性を持っている部分が見て取れるのではないかというふうに思います」と断っているからである。

「普遍性」とは、「すべての物事に通じる性質」を言う。「すべての物事に通じる性質」とは、「物事のどの場面でも本質に於いて共通する性質」を言う。本質的に共通するからこそ通じる。

 つまり柴山昌彦は戦前の教育勅語が求めている日本人としての道徳観は時代が戦後へと変わろうとも、戦後という時代が求めている日本人としての道徳観と本質的には相共通する考えて、教育勅語を現代風な解釈、あるいは現代的なアレンジしさえすれば、戦後の道徳教育の教材として十分に使うことができ、使用は「検討に値するというようにも考えている」ということになる。

 その道徳観の例として、「同胞を大切にする」あるいは「国際的な協調を重んじる」とかを挙げた。

 稲田朋美も教育勅語が求めている「親孝行とか夫婦仲良くとか友達との信頼関係」等々の日本人としての道徳観は「現代でも通用するような価値観」を有していて、教育勅語のそのような道徳観の涵養によって「日本は単に経済大国を目指すのではなくて世界中から尊敬される高い倫理観と道徳心で世界中から尊敬されて、また頼りにされるようなそんな国を目指したい」と発言していた。

 確かに一つ一つの道徳観を取り上げれば、身につけるべき点に於いて戦前であろうと戦後であろうと時代の違いによって変わらないように見えるし、何の問題もないようには思える。

 但し大きな問題を無視しなければである。例え戦前という時代に教育勅語が求めていた日本人としての道徳観が戦後という時代に教えるべき道徳観と本質的に相共通するからといって、教育勅語を戦後の道徳の教材とすることは、教材とすることを求めている側が無視している大きな問題をウヤムヤにすることになって、戦前という時代を肯定しかねない危険性を抱えることになる。

 その理由は教育勅語が前提とし、目的としていたことと戦後の道徳教育が前提とし、目的としていることとは本質的に似て非なるものでだからである。教育勅語は天皇全体主義を前提とし、天皇=国家への奉仕を目的としていた。当然、ここでは個人の自由や自律を制限した道徳の教えとなる。

 戦後の道徳教育は民主主義を前提とし、個人の自由や自律を目的としている。個人の自由・自律は個人的人権として憲法で保障されている。

 「全体主義」とは、「全体の利益を第一とし、個人の権利や利益、社会集団の自律性や自由な活動を認めず、個人の価値は全体に奉仕する点でだけを認める政治体制」を言うとネットで紹介されている。

 教育勅語が天皇全体主義を前提としていることは天皇が国民を「我カ臣民」と呼んでいるところに象徴的に現れている。国民としての自律性を否定し、天皇に対する従属関係を求めている。そこには本来的な意味での自由は存在しない。

 更に教育勅語は「常ニ國憲ヲ重ジ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」(憲法を重んじ、法律に従いなさい。そしてもし危急の事態が生じたら、忠義と勇気を持って公のために奉仕し、それによって永遠に続く皇室の運命を助けるようにしなさい)と、天皇と国家、いわば全体への奉仕を求めている。

 これが教育勅語の目的である。

 当然、教育勅語に書いてある「臣民」が守るべき道徳の教え「爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ」(汝〈なんじ〉臣民たちよ、父母に孝行し、兄弟仲良くし、夫婦は仲睦まじく、友達とは互いに信じ合いなさい)云々にしても、その他の道徳の教えにしても、目的としている全体への奉仕へと誘導するために求めている良き臣民の姿である。

 かくの如き良き臣民であってこそ、全体への奉仕は誘導しやすくなるし、求めやすくなる。

 天皇全体主義を前提とし、天皇と国家への奉仕を目的とし、個人の自由と自律を認めなかった、そのような背景を持った戦前の教育勅語を背景を無視して、普遍性があるからとこじつけ、現在の民主主義の時代にも通用する道徳観だからと言って道徳教育の教材にしようとする。

 このようなことを一旦罷り通らせたなら、教育勅語を悪者視していたことは間違っていたではないかと勝ち誇らせることになり、現代風な解釈や現代的なアレンジどころか、良き教え・立派な道徳観として教育勅語そのものを道徳教育の教材に格上げしかねない。

 そうなった場合、子どもたちの精神に道徳の教えの姿を借りて教育勅語が求めている天皇全体主義に基づいた全体への奉仕を次第次第に植え付け、自由と自律の精神を侵食していくことになる危険性が生じる。

 大体が天皇全体主義と全体への奉仕を時代的な骨格とした戦前の教育勅語の有用性を戦後の民主主義の時代に持ち出すこと自体が時代錯誤な歴史認識以外の何ものでもなく、そのような時代錯誤の歴史認識に気づかないのは自らの精神のどこかに天皇全体主義と天皇への奉仕精神を血としているからに違いない。

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安倍晋三の相変わらずウソ満載の2018年10月2日内閣改造記者会見 先ずは国難とした少子高齢化問題

2018-10-04 10:54:17 | 政治
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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。  

 安倍晋三が2018年9月20日の自民党総裁選3選を経て内閣を改造、その「記者会見」を10月2日に行い、少子高齢化問題について次のように発言している。文飾は当方。

 安倍晋三「新たな国づくりを進めるに当たって、最大の課題は、国難とも呼ぶべき少子高齢化問題でありまして、これに真正面から立ち向かい、全ての世代が安心できる社会保障を3年かけて改革を行っていきます。これは安倍内閣においては今後の最大のチャレンジと言ってもいいと思います。そのため、今回の組閣に当たっては新たに全世代型社会保障改革担当大臣を設け、茂木大臣を任命いたしました」――

 「新たな国づくりの最大の課題は少子高齢化問題であって、このことは国難に相当するゆえに真正面から立ち向かわなければならない」――

 要するに社会保障制度の支え手側に立つ現役世代の減少に対する年金や医療、介護の受け手側に立つ高齢者のバランスを崩した増加という少子高齢化現象は現役世代により多くの負担を強いることになって社会保障制度の土台である公平性そのものを崩すことになり、国民生活を危うくする「国難」となって降りかかりかねないために少子高齢化問題の解決による公平性確保こそが「安倍内閣においては今後の最大のチャレンジ」となると、最も困難な課題に位置づけた。

 「最大のチャレンジ」と位置づけるのはいいが、「チャレンジ」は結果を出さないと意味はない。この記者会見でも、安倍晋三は誰をどの閣僚に任命したかの人事に関して「最も重要なことは、結果を出していくことであろうと思います。正に全員野球内閣で、国民のために結果を出していきたいと考えています」と発言、役割の割り振りの適格性は「結果」を出すことによって判断できると自らの閣僚人事に自信の程を示している。

 2017年9月28日の衆議院解散を告げ、公約を掲げた2017年9月25日の「記者会見」   

 安倍晋三「急速に少子高齢化が進むこの国が、これからも本当に成長していけるのか。この漠然とした不安にしっかりと答えを出してまいります。それは生産性革命、そして人づくり革命であります。この2つの大改革はアベノミクス最大の勝負です。国民の皆様の支持を頂き、新しい経済政策パッケージを年内に取りまとめる考えであります」

     ・・・・・・・・・・

 少子高齢化、緊迫する北朝鮮情勢、正に国難とも呼ぶべき事態に強いリーダーシップを発揮する。自らが先頭に立って国難に立ち向かっていく。これがトップである私の責任であり、総理大臣としての私の使命であります。苦しい選挙戦になろうとも、国民の皆様と共にこの国難を乗り越えるため、どうしても今、国民の声を聞かなければならない。そう判断いたしました。

 この解散は、国難突破解散であります。急速に進む少子高齢化を克服し、我が国の未来を開く。北朝鮮の脅威に対して、国民の命と平和な暮らしを守り抜く。この国難とも呼ぶべき問題を、私は全身全霊を傾け、国民の皆様と共に突破していく決意であります」――

 今回の2018年10月2日内閣改造記者会見より約1年前の2017年9月28日に「少子高齢化」問題を北朝鮮情勢と共に「国難」と位置づけ、その「国難」に「自らが先頭に立って立ち向かっていく」と大見得を切った。

 そうすることが「トップである私の責任であり、総理大臣としての私の使命であります」と、自らの責任課題とした。いわば首相の立場から「結果」を出すことを誓った。

「結果」を出すことの誓いでなければ、「自らが先頭に立って国難に立ち向かっていく」などとは口が腐っても言えない。

 であるなら、このような国難解消に向けて「全世代型社会保障改革担当大臣として茂木大臣を任命いたしました」と言うだけではなく、この1年間で「少子高齢化問題」の是正に向けてどのような政策を取り、どの程度の
「結果」を出したのか、出さなかったのか、まずは検証して国民に説明する責任が生じる。

 その責任を果たさないままに「少子高齢化問題」「国難」だ、何だ、「真正面から立ち向かう」だ何だ、「自らが先頭に立つ」だ何だと毎度のように言うのは、その実、時間だけが過ぎて何も「結果」を出すことができないでいるからであって、口先だけの「少子高齢化問題」、あるいは口先だけの「国難」と言うことになる。

 ウソ満載もいいとこではないか。

 小泉純一郎政権も社会保障制度や社会資本整備等との関連で少子高齢化問題に取り組んでいた。猪口邦子が2005年10月31日から小泉純一郎が退陣する2006年9月26日まで少子化・男女共同参画担当相を務めた。

 少子化担当ではなかったが、小泉内閣下で金融担当や経済財政担当、総務相を務めた竹中平蔵が総務相時代の2006年6月22日閣議後記者会見で、「日本が人口減少社会になっていくのは実は30年前に分かっていた。残念ながら30年間、我々の社会は有効な手段を準備できなかった」と発言したことを同日付朝日新聞夕刊が伝えている。

 「有効な手段を準備できなかった」主体を「我々の社会」とするよりも、「歴代自民党政権」に置くべきだったろう。この「人口減少」は出産可能な女性人口の減少をも伴う少子化率が高齢化率よりも進行度が高い少子高齢化が主たる原因をなしていることは断るまでもない。

 安倍晋三は同じ小泉政権下の2005年10月31日から小泉退陣の2006年9月26日まで内閣官房長官を務めていた。当然、社会保障制度に深刻な歪みを与える「少子高齢化問題」に当時から直面していた。そして自身が二度目の政権を担当し、2017年9月末に至ってから、「少子高齢化問題」「国難」へと格上げした。

 と言うことは、自民党政権が「少子高齢化問題」に「30年間」も打つ手を見い出すことができなかったことを引き継いで安倍政権も打つ手がなかったことを証明することになる。

 要するに検証を待つまでもなく、「少子高齢化問題」に関しては「結果」を出すことができなかった。だから、「国難」へと格上げせざるを得なかった。

 あるいは「国難」となって降りかかるままに任せていた。

 このような瀬戸際の状況にあるなら、「最も重要なことは、結果を出していくことであろうと思います。正に全員
野球内閣で、国民のために結果を出していきたいと考えています」と発言していることから、「少子高齢化問題」は抜きにしてと断らなければならないはずだが、3年間で「国難」解消に向かうようなことを口にする。

 発言そのものからは見えなくても、読み解いていくと、ウソ満載を隠している記者会見となっている。

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沖縄は自らの民意を安倍政権に再度突きつけた 再度無視するようなら、民主主義ではない

2018-10-02 11:17:09 | 政治
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 2018年9月30日投開票の沖縄知事選は野党各党支援の自由党衆議院議員だったデニー玉城(58歳)が与党自公と日本維新の会、希望の党の推薦を得て巨大な政治勢力をバックにすることになった対立候補の佐喜真淳(54歳)を破って得票率55.1%の39万6632票を獲得して初当選を果たした。

 官房長官の菅義偉を筆頭に自民党幹事長二階俊博、人気者の小泉進次郎等が相次いで沖縄入りし、佐喜真淳を応援したが、佐喜真淳は得票率43.9%、31万6458票にとどまった。いわばバックにした巨大な政治勢力を以ってしても沖縄県民の辺野古移設反対の意思を抑え込んで自分たちが望む意思に持っていき、当選可能な票数を形成することはできなかった。

 対してデニー玉城は任期途中で亡くなった翁長雄志(たけし)前沖縄県知事の遺志を受け継ぐとして米軍普天間基地の辺野古移設反対を真正面から掲げて当選に必要な沖縄県民の意思形成を果たすことができた。沖縄は翁長雄志前沖縄県知事が当選した選挙に続いて自らの民意を安倍政権に再び突きつけた。

 米軍普天間基地の辺野古移設反対の沖縄県民の民意は継続していると見なければならない。

 デニー玉城は当選から一夜明けた10月1日朝、沖縄市の自宅で記者団の取材に応じた。

 デニー玉城「翁長知事の生前の気持ちをムダにしてほしくないという県民の思いが票につながった。辺野古新基地建設の反対と普天間基地の一日も早い閉鎖返還を、日本政府やアメリカ政府に求めていきたい」(NHK NEWS WEB)

 政策を訴え、支持を得て形成されることになった大部分の民意を、それが望む形通りに実現していくのが民主主義であって、政治はそのような民主主義に基づいて実施されなければならないはずだ。実施されなければ、民主主義ではなくなる。
 ところが安倍政権は沖縄県知事選で示されることになった民意の実現を従来通りに拒む姿勢に出た。このことは民主主義実践の拒絶を意味する。

 「産経ニュース」(2018.10.1 12:57) 

 11月1日午前の記者会見。

 菅義偉「政府としては早期に辺野古移設と普天間飛行場返還を実現したい考え方に変わりはない。問題の原点は市街地に位置し、世界で一番危険といわれる普天間飛行場の危険除去と返還だ。移設が実現すれば安全は格段に向上し、騒音も大幅に軽減される」

 日本全体の面積に対して0.6%の面積しかない沖縄に日本全体のアメリカ軍専用施設の約70%が集中し、沖縄本島の約15%を占めている。この不公平・不平等に基づいて大部分の沖縄県民が県知事選で示すことになった民意は普天間基地は同じ沖縄県内の辺野古への移設ではなく、本土か国外への移設であって、単なる土地の取替えではない。

菅義偉は県知事選挙戦告示前も告示後の選挙戦中も沖縄に乗り込んで、辺野古移設反対の民意がデニー玉城当選という形で現実になるのを阻止すべく懸命に努めた。だが、その努力は破れた。単に自分たちが推薦した候補が落選したという意味ではなく、辺野古移設反対の民意に打ち勝つことができなかったという意味を含む。

 いわば辺野古移設賛成の民意を打ち立てることができなかった。

 尤も安倍政権が推す佐喜真淳は辺野古移設への賛否を明らかにせず、日本一危険だからと、普天間基地の返還のみを訴える争点隠しの戦術で沖縄県民の生活向上を主として訴え、辺野古移設反対の民意が当選の原動力となって力を得て、その力がデニー玉城の政策の力となることを防ごうとした。
 
 かくこのように沖縄県知事選は辺野古移設反対の民意が次期県知事の公の政策として罷り通らせることになるのか、そうはさせまいとする戦いであった。安倍政権が選挙で辺野古移設反対の民意を阻止できなかったことが明らかとなり、逆に県知事の政策として信任させることになった以上、民主主義の原則に則って沖縄県民が示すことになった民意を民意として認め、その実現に力を貸すべきだが、安倍政権はそれを無視し、「政府としては早期に辺野古移設と普天間飛行場返還を実現したい考え方に変わりはない」との態度を取る。

 民意の無視は民主主義の無視に他ならない。それを平気で行う。

 安倍晋三は選挙結果を受けて、いわば行き着いた民意を受けて、10月1日、首相官邸に入る際に記者団に対して「先ず改めて翁長知事のご冥福をお祈りしたい。選挙の結果は政府としては真摯に受け止め、今後、沖縄の振興、そして基地負担の軽減に努めていく」(NHK NEWS WEB)と述べたという。

 安倍晋三は辺野古移設反対の民意阻止の選挙として位置づけ、戦いながら、阻止できずに次期県知事の優先政策とすることになるその民意には一言も触れていない。阻止できなかった民意を潔く認めることはしないままに沖縄の振興と基地負担軽減の民意にすり替えようとしている。

 民意の無視は民主主義に反するばかりか、民主主義に則らないこと自体が卑怯な振舞いとなる。

 安倍晋三は2016年7月の都知事選では自公与党が推薦した増田寛也が小池百合子に破れ、同7月の参院選後の「改造内閣発足記者会見」の際、記者の質問に答えて次のように発言している。

 記者「東京新聞の関口と申します。先の東京都知事選についてお尋ねします。

 自民党と公明党推薦の候補を破って、第1次安倍政権で防衛大臣を務められた小池さんが都知事に就任されました。自民党が分裂した選挙結果をどう受けとめられ、小池都政とどう向き合うお考えでしょうか」

 安倍晋三「今回、都知事選挙で示された民意を私たちはしっかりと自民党においても当然かみしめていかなければならないと考えています」

 都知事選の結果は民意と認め、沖縄県知事選の結果は民意と認めない。この民主主義に反する狡猾なダブルスタンダードは如何ともし難い。

 /2016年6月1日の「消費税増税再延期記者会見」(首相官邸サイト)

 安倍晋三「この(2016年7月の参院)選挙でしっかりと、自民党、公明党、与党で『過半数』という国民の信任を得た上で、(消費税増税再延期の)関連法案を秋の臨時国会に提出し、アベノミクスを一層加速させていく。その決意であります」

 安倍晋三は自分たちの選挙に勝ち、それ相応の議席を獲得したなら、即、国民の信任を得た民意と認める。あるいは2014年12月14日投開票の衆議院選挙では解散自体を「アベノミクス解散」だと銘打ち、選挙戦ではアベノミクスの是非を争点の前面に押し立てたものの憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認や自衛隊海外派兵を含めた安全保障政策は争点の背後に置いて大勝するや、安全保障政策にしても国民の信任を得た民意に変え、2016年7月の参院選挙では改憲を可能とする3分の2を自民党のみでか、あるいは改憲勢力を合わせて獲得できるかが話題となったが、安倍晋三は「最大の争点は経済政策だ」と言って、衆院選と同じようにアベノミクスの是非を争点の前面に押し立て、改憲については争点化を避け、その争点隠しのもと、憲法改正に前向きなおおさか維新の会等を加えて3分の2を超える改憲勢力を築くことに成功するや、改憲をも国民の信任を得た民意の如くに取り扱って、改憲に向けた政策をおおっぴらに進めようとする。

 民意に於ける安倍晋三の拡大解釈は自己中心的で巧妙である。今回の沖縄県知事選でも、それが現れた。前回の翁長雄志当選の県知事選と同じだが、デニー玉城当選という形で現れた辺野古移設反対の民意を民主主義のルールを好きなように変えて民意として認める姿勢を示していない。民主主義の完全無視状態にある。 

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安倍晋三は国民騙しはもうやめた方がいい 米との日米物品貿易協定交渉をFTAではないと言いくるめる国民愚弄

2018-10-01 10:52:43 | 政治


 安倍晋三は2018年9月26日、トランプとニューヨークで首脳会談を行い、その後の内外記者会見で日米物品貿易協定の交渉入りをすることで合意したと発言した。

日米首脳会談に同席した経済再生担当相茂木敏充が会談終了後、安倍晋三とトランプが日米2国間交渉の開始で合意した「日米物品貿易協定」について発言している。

「NHK NEWS WEB」(2018年9月27日 6時56分)

 茂木敏充「国際経済の不安定要因が増大している中、日米が関税について自由で公正な新たな枠組みを確立することで日米間の貿易を安定的に拡大させることは、日米のみならず国際経済全体にとってもよい影響を与えるものだ。

 日米物品貿易協定の交渉中は自動車に関する通商拡大法232条に基づく制裁関税を課されることはないと理解している。新たな協定はFTA=自由貿易協定ではない。今回交渉する協定は、あくまで物品貿易に限定されて、投資・サービス等のルールを含まないもので、包括的なFTAとは言えないと考えている。

 決して簡単な交渉ではないが、わが国としては攻めるものは攻め、守るべきものは守る観点から、国益に沿った形で今後の交渉をしっかりと進めていきたい」

 茂木敏充は「日米物品貿易協定はFTA=自由貿易協定ではない」と断言し、その理由としてモノの売り買いに関する「物品貿易に限定されて、投資・サービス等のルールを含まないもの」だから、「包括的なFTAとは言えない」としている。

 「コトバンク」は「自由貿易協定(FTA)」を、〈自由貿易協定。2国間または地域間(多国間)で交わした協定により、関税や非関税障壁を相互に撤廃し、自由貿易を行うための取り決め。現在ではモノだけでなく、サービスや投資なども対象とした広範囲な分野での取引の自由化が含まれる場合もある。〉と解説しているから、サービスや投資を対象としていないことを以ってFTAではないとの茂木敏充の発言は一見して正当性を持つことになる。

 安倍晋三も首脳会談後の同日「内外記者会見」(首相官邸サイト)で同じ発言をしている。

 NHK原記者「総理、今日の日米首脳会談で物品貿易協定の締結に向けた交渉に入ることに合意されましたけれども、トランプ大統領は、貿易赤字の削減に向けて各国との貿易摩擦を厭わない姿勢を示していますが、今後トランプ大統領とどのように向き合っていくお考えでしょうか。

 また、トランプ政権はFTA交渉、FTAの締結に意欲を示してきましたけれども、物品貿易協定の先にはEPAですとかFTAというものを総理は見据えていらっしゃるのでしょうか」

 安倍晋三「先ず申し上げたいことは、貿易制限措置の応酬はどの国の利益にもならないということであります。日本と米国は、長年、自由貿易体制の下で大きな恩恵を受けてきました。時計の針を逆戻りさせるようなことは、決してあってはならないと考えています。

 当然、米国には米国の立場があり、日本には日本の立場があります。双方の違いはお互いに尊重しながら、両国の間の貿易を一層促進することによって、ウィン・ウィンの経済関係をつくり上げていくことが必要であり、そして、それが本日の合意であると思います。

 その上で申し上げれば、今回の、日米の物品貿易に関するTAG交渉は、これまで日本が結んできた包括的なFTAとは、全く異なるものであります。いずれにせよ今後、しっかりと双方にメリットがある結果が得られるように議論を進めていきたいと考えています」

 「日米の物品貿易に関するTAG交渉は、これまで日本が結んできた包括的なFTAとは、全く異なるものであります」と、茂木敏充と同じことを言っている。

 「異なる」ことの理由として茂木敏充の「物品貿易に限定されて、投資・サービス等のルールを含まないもの」だからとのより具体的な説明はないが、同じ理由でなければならない。官房長官の菅義偉も9月27日午前の記者会見でモノの売り買いに限定されているから、FTAではないと理由づけている。安倍晋三のみ、異なる理由を上げていたなら、閣内不一致となる。

 「ロイター」(2018年9月27日/12:16)

 菅義偉「自由貿易協定(FTA)とは異なり、物品貿易に限定されるものであり、包括的なものではない。背景には農産品については国内での懸念が強いと理解している。

交渉中は(米国側が自動車関連に対して)制裁関税を課するものではないと首脳・閣僚間で確認した。今後予定される交渉は、決して簡単なものでないが、国益にかなう形で進めていく」

 要するに茂木敏充が言っていた「物品貿易に限定されて、投資・サービス等のルールを含まない」から、FTAではないと安倍晋三も菅義偉も説明したことになる。

 トランプはアメリカの巨額にのぼる貿易赤字の削減に拘っていた。9月28日(2018年)のブログに載せた新聞記事から引用の中国、日本、ドイツに対する米国の貿易赤字の画像を再度ここに載せてみる。「時事ドットコム」(2017年4月6日)

 但しアメリカのサービスの貿易収支に関しては「世界各国のサービス貿易収支~受取超過 上位50」から2016年のそれを見てみると、アメリカは第1位にランクされていて、2015年から136億9800万ドル減らしているものの、2477億1100万ドルの黒字となっている。

 対して日本は「(収支尻~支払超過) 上位50」の中で上から多い順の12位となっていて、2015年から50億5200万ドルの赤字削減とはなっているものの、108億8900万ドルの赤字を記録している。

 一方、「ジェトロ世界貿易投資報告2017年版」から2016年の日本の米国に対する、米国の日本に対する直接投資額を見てみる。

 2016年日本から米国への直接投資額、521億9400万ドル
 2016年米国から日本への直接投資額、 57億6100万ドル

 日本からの対米投資額の方が464億3300万ドルも上回っている。要するにトランプは種目別の個々のサービス貿易に不満はあっても、赤字となっている日本と比較して黒字を維持していることから、全体的にはそれなりに満足しているはずで、投資に関しても日本の対米投資額が464億ドル(日本円で5兆円を超える)も上回っていて、贅沢は言えない。

 となると、トランプは米国の対日貿易赤字の大部分を占めるモノの貿易からの赤字削減をターゲットとしていて、その中でも自動車関連への追加関税25%をちらつかせた関係からも、8割弱を占めているその赤字を問題としているのであって、投資・サービスを日米貿易交渉に含める必要はなかったと見ることもできる。

 つまりトランプが含める必要がなかったから、投資・サービスが除外されただけのことだとしたら、そのことを以って日本側が「自由貿易協定(FTA)」ではないと定義づけることは可能でも、アメリカ側がモノに限った「自由貿易協定(FTA)」を頭に置いていたなら、茂木敏充が言うようにモノの貿易である「物品貿易に限定されて、投資・サービス等のルールを含まないもの」だからと言って、FTAではないとすることはできなくなる。

 その証拠となる「ロイター」(2018年9月27日/05:45)記事がある。

 記事は、〈ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は9月26日、日本に対し完全な自由貿易協定(FTA)締結を目指す考えを表明〉し、〈協定には米議会の承認が必要で、大統領貿易促進権限(TPA、通称ファストトラック)法に基づき作業に着手する方針を示した。〉と伝えている。

 その上記事はライトハイザー米通商代表部代表の発言を裏付けるためにだろう、〈トランプ米大統領は同日、安倍晋三首相と会談し、二国間の自由貿易協定締結に向け協議を開始することで合意したと明らかにしている。〉と解説している。「自由貿易協定締結」とはFTA以外の何ものでもない。

 トランプが日本とFTAを締結する意向であるのに対して日本側が反対であるなら、はっきりと反論すべきであって、反論しないままトランプの意向には手を付けずに「物品貿易に限定されて、投資・サービス等のルールを含まない」からFTAではないと言うのはトランプに対する言いくるめではなく、日本国民に対する言いくるめとなる。安倍晋三と菅義偉と茂木敏充が揃って日本国民を言いくるめたことになる。

 国民を騙すのはもうやめた方がいい。国民を違った情報で言いくるめようとするのは国民を愚弄していることになる。


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