GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

カルテット ミゾミゾするいいドラマだった

2017-03-22 03:54:24 | MUSIC/TV/MOVIE
カルテットの最終回を見た。
いやぁ面白いドラマだったなぁ。

このドラマ、視聴率はそれほど高くも低くもなかったらしいが、SNSとかではかなり賑わってたな。
観たら何かを呟きたくなるドラマ。
映画「シン・ゴジラ」と同じく、見る人の視点によって捉え方が変わるドラマだった。
深読みしたり、あれはこれと繋がってるとか、あのシーンは何々のオマージュだとか。
自分が見て感じたこと、気づいたことを語りたくなるドラマだったな。

ネットでは、脚本の坂元裕二さんをやたら誉めちぎってるが、それにはちょっと違和感があるのよね。
確かに「なるほど」とか「そうきたか」とか「ちょっと待ってくれ」「そうなるのか」って展開が多々あったし、会話劇の秀逸さは認める(なぜ上から目線?)。しかし、同じだけアラも多かったよな。

アラの部分

第1ヴァイオリンの巻真紀役の松たか子。
結婚してたが気持ちのすれ違いで旦那・宮藤官九郎が失踪。義理の母に息子は彼女に殺されたんじゃないかと疑われる。失踪してたクドカンは何故松たか子が軽井沢で共同生活をしてることを知ってたのだろう。一応二人で暮らしてたマンションに戻った時に、近隣住民にDoughnuts Holeのチラシを渡されたことになってるが、それなら携帯に電話入れないか?
さらに松たか子は戸籍を買って、他人になりすまししてたって。映画「太陽がいっぱい」のパクリ(オマージュともいう)?

第2ヴァイオリンの別府司役の松田龍平。
この役を瑛太がやりたがってたとか、ちょい役でもいいからこのドラマにでたがってたとからしいね。
で、この松田龍平は松たか子に惚れてるんだけど、カラオケ友達の同僚が結婚すると決まったら焦るわ(寝るわ)、丸たか子に「今なら落とせると思ったか」と振られるわ、再度告白するも結局冗談だよって逃げるわ。
そんな人間が、捕まった松たか子を待てずに「解散しましょう」などと言うか?
まぁ、みんなの欠落した部分、いい加減なところが好きだという反面、残りの二人が真面目に働いてらしくない感じになってる苛立ちもあったんだろうけどさ。
あと、別荘を売却しなきゃいけない理由とか、弟との確執なんかも適当に描かれてたな。
一番無駄なシーンは、資料室かなんかに閉じ込められて、スマホの電池も切れてって言うシーン。あれっているか?

チェロの世吹すずめ役の満島ひかり
息子は松たか子に殺されたと、クドカンの母・巻鏡子役のもたいまさこにスパイを命じられ実行するも、松たか子が好きになって罪悪感にさいなまされる。
スパイは元地下アイドルの来杉有朱役・吉岡里帆に引き継がれたが、そのあたりの描写は全くなかった。どっちからアプローチしたんだ?
父にインチキ超能力少女として売り出され、バレて世間につまはじきされた過去はわかるんだが、父の死が迫っていると言ってくる親類たちの人間関係がよくわからんまま。
松たか子が出頭していなくなってから、実は料理ができるのにしていなかったことが分かるシーンがあるが、その後料理をするシーンは一切無い。

ヴィオラの家森諭高役の高橋一生
前にも書いたが美容師免許を持たない30過ぎてシャンプーしかできない人を雇う美容室は無いと思う。
Vシネマの俳優だったらしいが、そこも全然描かれていない。宝くじで6000万当たったが引き換えなかったことを後悔し、暴力妻のせいで入院してた時にクドカンと知り合ってるという強引な設定。さらに怪しい奴に付きまとわれても前菜のことをしゃべらなかったのは、息子のことを考えてのことみたいだったが、そのあたりの描写も弱い。ただ、この息子との最後のシーンはちょっと泣ける。
いろんなことにこだわりを持ってるのが、会話劇で出てくるがうざい。でもこの会話劇かなり印象に残る。特に唐揚げにレモンをかけるか(最終回では付け合わせのパセリも関わる)どうかは印象的。おかげで今居酒屋とかで友人と飲む際に唐揚げを頼むと、レモンをかけていいかどうかを聞くようになってしまったよ。

来杉有朱役の吉岡里帆
いいキャラクターだったな。
目が笑ってないって称されるくらい、狂気の役。主役の四人が、まともなダメ人間ってことが彼女のキャラクターで一層引き立つ。
だけどさ、家が貧しいのか金が欲しいのか名誉や地位が欲しいのかよくわからないキャラなのよね。淀君って学生時代に言われてた性悪女だって妹が言ってるが、そのあたりも全然描かれず、ただの欲望の赴くままに動く女にしか見えない。
真紀のヴァイオリンを盗もうとしたのも意味がわからないし、クドカンと争って2階から投げ出され、雪の地面に背中から落ちて死んだふりできるか?それに死んだふりのまま車に詰め込まれるが、すでにかなりの寒さで凍傷とかになってないか?そんな状態で死んだふり続けられるか?しかもそのあと隙をついて車奪ってプロドライバーのようにバックで細い坂道かけあがるしね。

なんていろいろ書いたが、このドラマはそんなアラはけし飛ぶくらい、面白かった。
近年稀にない「次はどうなるのか」「次週が楽しみだ」ってドラマだった。
名優たちの会話劇の心地よさ、細かな伏線、次はどう展開するのか期待、大河ドラマのように1年くらいずっとこの4人のドラマを見ていたいくらいだ。

最終話でもいろいろ伏線や見どころ、突っ込みどころがあったね。
不起訴になった松たか子が戻ってこないから、諦めかけた松田龍平を高橋一生と満島ひかりが励ますシーンに、ちょっとうるっときてしまった。

さらに週刊誌に載ってた画像からgoogleマップ(ストリートビュー)を駆使して、松たか子の居場所を割り出す。ネット住民並みの検索能力だ。
で、団地のどこに住んでるかわからない松たか子を、音楽(演奏)でおびき出そうとする。天岩戸に隠れた天照大御神をおびきだしたのも歌や踊りだったな。これがモチーフか?ただ、ドアを不躾に叩く批判者やマスコミがいるのに、平気で飛び出していく(しかも鍵もかけず)のはちょっと無理がないかい?

さりげなく、お互いを名字で呼び合っていた松田龍平と高橋一生が、「司君」「諭高さん」と名前で呼び合うようになってたな。
ハサミで切りながら食ってたのはうどんか素麺か?

コンサートのシーンで客席にいた、キャップをかぶった謎の女性は、第5話で登場した安藤輪子かと思ったが違うのか。表に出る機会を得られず裏方で働いている彼女はコスプレで演奏させられたり、リハなしとか無茶を言われ憤る四人に対しかなり厳しい意見を浴びせてたから。
このキャップの女は、ノクターンでのDoughnuts Holeの演奏を聴いて高橋一生に辛辣な手紙(自分は才能がないと自分で判断して音楽を諦めたが、あなたたちは下手で才能もないのにまだ諦めてないのかという内容)を書いて渡した女だと思うのだが。同一人物か?

吉岡里帆は外人の彼氏とコンサート聴きに来て、人生ちょろいぜと言いながら指を見せびらかすが、なぜか右手だった・・・。婚約指輪ってことなのか?

さらにいろいろ書いたが、このドラマは面白いドラマだったのよ。
そして、何と言っても椎名林檎作詞作曲のドラマ主題歌「おとなの掟」が良かった。
番組最後に松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平によるDoughnuts Holeが歌うプロモーションヴィデオのような映像も良かった。
さらに最終話では車(ツアーワゴン)の中で4人がこの曲を歌うシーンが盛り込まれてた。
この曲はドラマのテーマをそのまま反映してるし、楽曲としても最高だ。itunesでダウンロードしてしまったよ。

あぁ、終わっちまったい。
来週からつまんないな。
チーズフォンデュ食べて、スティックドミノでもやって紛らわそうか。



最後まで共感できなかった 下克上受験

2017-03-22 02:56:50 | MUSIC/TV/MOVIE
そろそろ今クールの連続ドラマが最終回を迎える。
ドラマ1回目を見て、この後観ようか止めるかって決まるので、最終回まで見るドラマは少ない。

下克上受験。
中学受験をテーマにしたドラマなのだが、阿部サダヲ演じるお父さんが全く共感できなくて、毎回イライラして観てた。
中卒の夫婦が小学生の子供に「やっぱり世の中は学歴だ」って有名私立中学を受験させようとする。阿部サダヲは娘の勉強を教えるため、会社も辞めて一緒に勉強し取り組む。美談なんだけど、子供はそれで幸せになれるのかね。

もちろん学歴ってのはいろんなところで付きまとう。
俺らの世界は学歴なんか関係ない。しかし、それでもコンサルタントやプロデュース、講習などする際に「どこの学校をお出になったの?」なんて聞かれることは多々ある。だからこのドラマのお父さんの気持ちはわかる。

しかし、学歴が全てじゃないだろう。
このドラマは普通の公立中学、公立高校を出ただけでは社会で底辺になると言ってるようなもんだ。
いい学校、いい大学を出ないと、いい社会人になれなくて、いい生活がおくれないんだと。
俺らの時代の偏差値教育、詰め込み誰でも大学行こうぜ教育のことを、今の時代でぶり返されるとは思わなかったな。

田中角栄のように小学校しか出ていないで総理大臣になった人だっている。
東大や京大出た人で、官僚になる人や会社でエリートになる人もいれば、世界を放蕩したり、手に職をつける人だっている。
中卒や高卒で会社を起こして成功する人もいれば、職人として頑張ってる人いる。

そりゃ中には学歴社会に飛び込んでしまって苦労する人もいるだろう。
それでものし上がっていく人もいれば、学歴関係ない世界でひとかどの地位になる人もいるだろう。
単純作業の仕事しかできず、職を転々としたりしてる人もいるだろう。

このドラマで受験を諦めて勉強を放棄しようとした娘に「負け犬」とお父さん(阿部サダヲ)が言うシーンがある。
このシーンが大嫌いで、「あぁこりゃ俺には無理だわ」と見るのやめようと思った。
しかし深田恭子が可愛いのと、小林茂の演技が良くて結局最後まで見てしまったよ。
最終回まで見てしまったが何の感動も感銘も受けなかった。

阿部サダヲは「マルモのおきて」のイメージが強かったからかな、スパルタなお父さん役が全く似合わない。
中卒のお父さん役だが、ヤンキー時代の片鱗も出てこない。嫁さん役の深田恭子も中卒の設定で、最初のうちは「元ヤンだな」ってセリフや仕草があったんだが、途中からは皆無だった。娘との入浴シーンが毎回と言っていいほど映されるが、ドラえもんのしずかちゃんか?水戸黄門の由美かおるか?ってくらいだな。

最終回前にすでにネタバレしてるし。第一希望の有名私立中学受験に失敗してる。
奥さん深田恭子が機転を利かして、第二志望校の願書を取っておいてくれてて、見事そこに合格できた。
なんじゃそりゃ。一番希望は無理だったが、第二希望がゲットできた。

諦めなければ道は開ける?
努力すれば報われる。
諦めちゃダメだ。
受験は親の協力がなければ無理だ。
親が子供の道を決めてあげるべきだ。
未来のためにだったら今を犠牲にすべきだ。

今、最後の追い込みに必死な受験生、すでに喜怒哀楽感じてる受験生はこんなドラマは見てないと思うが、このドラマはいったい誰に向けてどのようなメッセージを伝えたくて作ったのかさえ意味不明。
大阪弁でいう「時間の無駄」とか「見て損した」ってドラマだったな。

ありゃま、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」で徳川家康(松平元康)役を阿部サダヲが演じてる。
これもまた似合わないなぁ。
阿部サダヲはいい役者だけにちょっと残念だ。

不透明な世界幸福な国ランキング

2017-03-22 01:15:04 | Talk is Cheap
世界ランキング。
ゴルフやテニスの世界ランキングならわかる。賞金獲得や勝利数で算出してるからね。
ボクシングもサッカーもわかる。スポーツの世界ランキングはまだわかる。

しかし、世の中には「何を基準に誰が算出したの?」って世界ランキングが多々ある。
アンケート調査を基にしてるらしいが、いったい誰に誰がどのような質問で何人の人から取ったデータなのかさえ曖昧で、さらにそれを誰が判断してるのかがよくわからんってものがいっぱいある。

「世界で最も幸福な国ランキング」ってのもその一つ。
国連が「世界幸福デー」に定めている3月20日に発表した、世界の155カ国を対象にした「世界幸福度報告書(WORLD HAPPINESS REPORT)。

1位はノルウェー。
2位デンマーク、3位アイスランド、4位スイス、5位フィンランド、6位ネーデルランド(オランダ)、7位カナダ、8位ニュージランド、9位オーストラリア、10位スウェーデン。主要国はアメリカ14位、ドイツ16位、イギリス19位、フランス31位。日本は51位で韓国が55位、中国が79位。
ネパール99位、イラン108位、イラク117位、インド122位、シリア152位、最下位155位が中央アフリカだ。

国民の自由度、1人あたりの国内総生産(GDP)、政治、社会福祉の制度などを元に、2014〜2016年の「幸福度」を数値化しランク付けしたそうだが、なんだそりゃ。GDPが一位だとかならわかるよ。数値がはっきりしてるからな。でもさ、国民の自由度ってなんだ?そもそも「幸福を支える要因」としてる、福祉、自由、健康、収入、寛容ってどうやってランキングに反映さすんだ?

こんなランキングに一喜一憂するのもバカらしいが、これらの権威のある期間が出したランキングをリテラシーなく鵜呑みにして「ほらやっぱり日本は遅れてるんだ」とか「ほら日本はまだまだ世界で劣っているんだ」っていうやつが出てくるから嫌いだ。

この世界で最も幸福な国ランキング2017ではイスラエルが11位だ。出来てから1時間後には戦争を始めたこの国が、日本より住みやすいとは思えない。
22位がブラジルだってさ。あんな警官がスト起こしたり、ストリートチルフドレンがはびこる国より、日本の方が幸福じゃない国なんだとさ。
25位はメキシコ。仕事を求めてアメリカに不法入国するやつが絶えないメキシコより日本の方が不幸せな国?

12位コスタリカ、20位チリ、28位ウルグアイ、40位スロバキア、45位エルバルサドル、49位ロシア・・・。
インフレや失業率が高かったり内戦してる国の人が日本より幸福なのか。
そうなのか、なら教えてくれ、幸福ってなんだ?

日本ほど安全で、蛇口を捻れば水が出て、物と仕事があり、外国人や宗教に寛容な国が他にあるのなら教えて欲しいのだが、そこに住んでる日はそれが当たり前だからそれを幸福と感じないだけではないのか。ずっと内戦してた国が停戦したら平和を感じ幸福を感じるだろう。経済が不安定だった国が援助などでちょっと上向きになったりすれば幸福を感じるだろう。
哲学じゃないが、金のある人はそれを幸せとは感じないし、安全な生活をしてる人はそれを平和で幸せとわからない。

日本でも福祉のことなどで「日本は北欧にかなり比べ低水準でかなり遅れてる」なんてよく言われるが、ノルウェーとかフィンランド、スェーデンのような北欧の国の実情わかって言ってるか?年金が充実してるとかいうけど、消費税が高く、所得税が50%くらい取られる国なら当たり前だろうよ。

ノルェーなんて人口500万人だぞ。これは福岡県と同じくらいの人口だ。フィンランドは530万人で北海道と同じくらい、スウェーデンは960万人で神奈川県と同じくらい、アイスランドなんて310万人で、茨城県や広島県よりちょっと多いくらいの人口だ。
これらの国と1億3000万人の日本を比べること自体間違ってないか。

世界大学ランキングとかもそうだな。
2016-2017年度版では、第1位マサチューセッツ工科大学(MIT)、第2位スタンフォード、第3位ハーバード、第4位ケンブリッジ、第6位オックスフォード、第12位シンガポール国立大学、第24位清華大学(中国)、第27位香港大学ときて東京大学は34位。(京都大学は第37位)
これって何が基準なのかよくわからん。授業内容?研究成果?卒業生の社会貢献度?

これを捉えて「日本の学力が落ちてる」なんて騒ぐバカがいるから困る。
識字率がこれほど高く、読み書き計算ができる国が、日本以外にどれほどあると言うのさ?
WHO(世界保健機構)の禁煙取り組み国ランキングとかで、「日本はかなり低いとこにいる」と騒いでるやつと一緒。2020東京オリンピックをダシにしてただ便乗して騒いでるだけ。

毎週お節介のように公表される視聴率ランキングだって、ニールセンとビデオリサーチでは違うし、関西と関東でも違う。
内閣支持率調査だって讀賣新聞と朝日新聞ではかなり違う。
どのような世代にどのような質問内容をしてどういう風にデーターを分析したのかで変わる。

言い換えれば根拠のないデータ。こんなものに右往左往して騒ぎ立てるメディアが不思議。
フォーブス(Forbes)の発表する世界億万長者ランキングとか、スタンダード&プアーズやムーディーズなどが発表する世界国債格付けとかだって、an・anの「抱かれたい男ランキング」とか、どこかの不動産会社の「住みたい街ランキング」とかと変わらないよな。

俺もいっちょギネスブックに載れるような何かにチャレンジしようかな。
なんでもいいから世界ランキング1位に選ばれてみたいな。
もちろん本音ではありません。