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一度死んでみた 広瀬すずがデスメタル?

2021-06-05 22:45:47 | MUSIC/TV/MOVIE

緊急事態宣言発令中なので映画館に行けない。

なので家でビデオを観る。

ビデオと言ってるがDVDやBlu-rayだ。「Line通話する」を「電話をかける」と言ってるようなもんなので、そこはあんまり気にしないように。

 

一度死んでみた

物騒なタイトルだが、広瀬すず主演の娯楽映画だ。

 

ストーリーは単純明快。

親に反発して「死んでくれ」と言ってた娘が、実際に死んじゃった父を生き帰らすために、存在感の薄い男と一緒に奮闘する。

これじゃぁ何のこっちゃわからんか。もう少しちゃんと説明しよう。

すべてを物理や化学に置き換える理系脳の父・堤真一に育てられた娘・広瀬すず。幼少時は仲が良かったが、母・木村多江の臨終時にも研究に没頭して来なかったことから父に反発し、デスメタルバンドのボーカルとして不満を歌で爆発させてる。

「いっぺん死んでくれ」と。

その父が突然死んでしまった。

影が薄く存在感がないためお目付け役をさせられてた吉沢亮は、広瀬すずに事情を説明する。

「これは開発を進めている若返りの薬を巡っての合併トラブルから、情報を外部漏洩してる社内のスパイをあぶり出すための一時的な死なのだが、このままだと火葬され本当に殺されてしまう」と。

二人で協力して父を生き返らせようと奮闘する。

 

これがこの映画のあらすじだ。

相変わらずあらすじを書くのが下手だなぁ。まぁそんなことは今更気にしてもしょうがない。詳しく知りたい人はググるかwikiでもみてくれ。っていうより映画観てくれ。その方が早い。

 

この映画、はっきりいって面白い。

ヒットしたのか興行収入がどれくらいだったのかは知らないが、この映画が公開されたのは約1年前、コロナの猛威がようやく日本でも理解され始め、自粛だ、いやそれは大げさだと世論が言い始めたくらいの頃なので、そんなものはあてにならない。

 

娯楽映画はこれでいい。

単純明快でテンポよくわかりやすい。

「本当の家族とは何か」とか「人生とは、生きるとは、巨匠なんとかが描くどうたらこうたら」なんてテーマを深く掘り下げて描いた、映画賞が喜びそうな文芸作品ならいざ知らず、気楽に見れる映画はこれでいい。

親に反発して「死んでくれ」といってた娘が、実際に死んじゃった父を生き帰らすために、存在感の薄い男と一緒に奮闘する。

そんな映画に堅苦しいものを入れられても困る。

だいたいそういった重いテーマの映画は画面が暗い。見てて気が滅入ってしまうので、こんなコロナ禍で巣ごもり中はきつい。こっちのメンタルがやられてしまう。

 

この映画は脚本がいい。

観てれば、なるほど、これでそうなったのねって理解できる。昨今の何でもかんでもセリフの中に入れて説明されるのはどうもね。お前らにはここまで丁寧に説明しないとこのシーンの意味とか判らないだろ?ってバカにされてるみたいでね。

父・堤真一が理系脳ってこともよくわかる。娘・広瀬すずがまだ子供の頃から、何でも物理化学で説明して育ててたってことも、上手く描いてる。「花火の色はね、こういった化学反応で、だからこう見えてるんだよ」とかね。

だからと言って頑固でも、扁壺でもない。いつもにこやかで瑣末なことは「まぁいいか」ってところも、いかにも研究者上がりの製薬会社の社長って感じがしていい。だから簡単に策略にはまってしまうのだ。

 

娘・広瀬すずが、母・木村多江の臨終時にも研究に没頭して来なかったことから父・堤真一を嫌いになり・・・っていうよくある黄金パターンも上手く描いてる。

通常ならそこで家を出て一人暮らしをしてたり、疎遠になってるってのが王道だが、この映画はちょっと違う。家では境界線を引き、部屋ではサンドバックに似顔絵を貼り「死ね」とストレスをぶつけているが、朝ごはんは一緒に食べる。

デスメタルバンド「魂ズ」のボーカルで、で不満を歌詞に乗せ「早く死んでくれ」とシャウトしてるが、見に来た音楽プロデューサー・大友康平に「魂がこもってない」「これじゃぁ『魂ズ』じゃなくただの『ズ』だと酷評される。

これらで、口や行動とは裏腹に父をそこまで本当に嫌ってないって事がわかる。父・堤真一が社長を務める製薬会社・野畑製薬に就職する気はないが、面接だけは受けに行ってるくらいだもんね。

 

キャスティングも娯楽映画らしく豪華だ。

あまりの存在感のなさから「ゴースト」と呼ばれているお目付け役・吉沢亮。その影の薄さは随所で描かれる。静電気もちってところが妙に共感できる。俺もそうだから。

野畑製薬古参研究員の藤井さん(通称ジィさん)を演じるのは松田翔太。若返りの薬「ロミオ」開発してる途中で2日間だけ死ねる薬「ジュリエット」を作ってしまう。実際に自分で飲んで治験してるってところがミソ。

コンサルタントの小澤征悦。「経営再建のプロ」と招かれ、情報漏えいのスパイをあぶり出すために「ジュリエットを飲んで2日間だけ死にましょう」と堤真一に持ちかける。「いやいや、お前が一番怪しいだろ」って期待を裏切らずスパイだがマヌケすぎてお茶目。

天国への道先案内人にリリー・フランキー。おとぼけた飄々とした感じがいいね。堤真一がダダを捏ねるのに付き合うちょっとお人好しなところもいいね。

妻夫木聡はクラウンホテルの支配人。

いきなり火葬されたのでは生き返る前に焼かれちゃうので、葬儀をして時間を伸ばそうとする広瀬すずや吉沢亮だが、裏で糸を引くライバル製薬会社・ワトスン製薬の社長・嶋田久作に棺桶発注や葬儀会場を先に全部埋められてしまう。

そこで思い出したのが、郷ひろみのディナーショーが急遽中止になったクラウンホテルの宴会場。妻夫木は葬儀に使うのはNGだと断るが「魂ズ」のクリスマスミサだと言われ許可する。当日受付や式微など「どう見ても葬儀じゃないか」を「いやこれはあくまでもミサだ」と言い返すやりとり(ツッコミとボケ)の演出は見ごたえあり。

 

いや、かなり無駄使いも多い。

竹中直人はお坊さん、城田優は警備員、佐藤健は高級クラブのボーイで池田エライザはそこのホステス。ほぼセリフなしか一言のみ。カメオ出演か?ちなみに郷ひろみはポスター画像と(歌:ジャパーン部分)のみ登場だ。

野畑製薬の研究員に柄本時生、西野七瀬、前野朋哉、志尊淳。社長の堤真一が死んだことより、その死体が安置されてるために食堂が使えないことを嘆いてる。セリフは各自一言二言程度。なんて無駄使いだ。

葬儀シーンでは宇宙飛行士の野口聡一さんまで登場。まぁ、途中に出てきた社長室に飾ってある宇宙服などはクライマックスのネタ振り・伏線なので重要なんだけど、野口さん本人まで登場させる必要があったのかなかったのか。予算がふんだんに使えたのかね。

 

研究ノートを家でようやく見つけた二人の前に立ちはだかる悪者二人。このワトスン製薬から雇われた悪者を演じる(と言っても演技はできてないけど)のは、プロレスラーの真壁と本間。っていうかお前ら二人とも、「ルパンの娘」に田中みな実演じる怪盗の部下で出てなかったか?

真壁は相変わらずぶっといチェーンを首に巻いてて、本間は相変わらず何言ってるわからん滑舌の悪さで、お約束のように広瀬すずにあっけなくやられる。「ネメシス」でカラリパヤットの使い手を演じてる広瀬すずの敵ではない。

その「ネメシス」では中華料理屋のマスターの加藤諒、今回は「魂ズ」のファンを演じてる。デスメタルファンというよりはアイドルのファンのようだが、彼はオタクっぽい役がよく似合う。

広瀬すずのお目付け役の吉沢亮をストーカーか?と怪しがり、ファン仲間とともに居酒屋で詰問するが、薬関係の仕事(製薬会社勤務)をクスリを売りさばく売人やヤク中と勘違いする。挙句には酔っ払った吉沢亮に「呼んだら5分で来い」と舎弟にさせられるところなんか「翔んで埼玉!!」っぽい卑屈さが出てて良し。

 

とまぁ、娯楽映画ならではの豪華キャスト(一部無駄使いだが)で展開されるエンターテイメント娯楽映画。

バンド「魂ズ」の演奏シーンが嘘っぽいとか、広瀬すずのボーカルがデスメタルではないとか、そんなことはどうでもいいのよ。気にしちゃいけない。これは音楽映画ではないのだからね。広瀬すずって意外と歌うまいのねくらいで観てくれ。

劇中、「魂ズ」のドラムスが木魚のリズムに合わせながら、山の手線駅名を念仏代わりに唱えるシーンがある。あぁ俺も、いつも葬儀や何回忌だとかでお坊さんの読経を聞いてると、「あぁこれって究極のラップだなぁ」と思ってしまうなぁと。(罰当たりだけどね)

 

あと、劇中BGMで映画「ゴースト/ニューヨークの幻」のアンチェインドメロディや、「2001年宇宙の旅」のツァラトゥストラはかく語りきが使われてる。

アンチェインドメロディがアレックス・ノースの曲だということは有名だが、「2001年宇宙の旅」のBGMもスタンリー・キュブリックに依頼され作ってたのに、知らない間にボツにされてたって逸話がある。なんか絡んでるのかな?誰かわかってる人がいれば教えてください。

 

広瀬すずは演技うまいなぁ。

今放送されてる「ネメシス」をはじめ、視聴率は取れない女優とされてるけど、これって番宣しない・出ないからじゃないかな。彼女は多分バラエティ番組に出るのが嫌とか苦手になったんじゃないかな。

以前、とんねるずの番組で「なんであの人は照明を仕事にしようと思ったのかな」っていう部分だけ切りとられ、「裏方をバカにしてる」とか「女優が上だと勘違いしてる」って炎上したからね。

「普段暇なときは何してるの?」と聞かれたから「人間観察してる」って答え、さらに「どんな風に?」と聞かれたから「何でこの人はこの職業につこうと思ったのかなぁとか考えたり」って答えたら、さらに木梨に「じゃぁあの人見てどう思う」ってスタジオの ADを指して言われたから「なんであの人は照明を仕事にしようと思ったのかな」って答えただけなのにね。

海街diary」や「ちはやふる」で見せた演技はかなりのもので、かなり評価が高かったからその反面、アンチも多かったのかもしれないね。

成功したり頑張ってる人の粗探しをして、悪口を言う(SNSでつぶやく)事でマウントが取れたと勘違いする変な奴らっているもんね。最近特に増えたもんね。

 

そんな奴らこそ「いっぺん死んでくれ」だ。

って、うまくまとめたつもり。

 



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