日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 いまさらながらの
呉儀ドタキャン事件、まだ謎な部分が多く私の考えもしっかりまとまっていないのですが、随分寝かせてしまったネタですから、それなりに情報が出てきています。そろそろ取り組まないと鮮度が落ちてしまいますね。……というより、ドタキャンの鮮度は落ちてもそこから注目すべき別の話題が新たに出てきているようですが。

 内容が濃い素材だけに、ちょっと長くなってしまうかも知れませんが、そこは御容赦の程を。それから記事標題の翻訳精度もいつもの通りです。適当訳ですから当てにしないで下さい(笑)。

 さて、呉儀のドタキャン自体について当ブログは「速報・鉄腕オバサン呉儀がドタキャン大脱走。」(2005/05/23)で触れました。そのドタキャンと、その前日に行われた自公幹事長・胡錦涛会談が、最近の靖国をめぐる日中間の流れからすると非常に唐突で、中国側の姿勢が突如一変したような印象だ、ということは「靖国参拝宣言3:道は開けた。」(2005/05/24)で書いた通りです。

 その「流れ」を簡単に振り返りますと、



●5月12日
 訪中を終えた山崎拓・首相補佐官(当時)が
「中国側は(首相が)靖国参拝を完全にやめるのが難しいのは分かっている」と発言。

●5月16日
 小泉首相が国会で
靖国神社参拝の意向をにじませる。「戦没者の追悼でどのような仕方がいいかは、他の国が干渉すべきでない。靖国神社に参拝してはいけないという理由が分からない」と、中国や韓国の内政干渉への不快感も表明。

●5月17日
 中国国内メディア、小泉発言を報じるも大半は事実関係のみを伝える記事。論評記事は1本のみで、
抑制された反応という印象。

●5月20日
 小泉首相が国会で、「首相の職務として参拝しているものではない。個人として参拝しているものだ」と
発言がトーンダウン。私的参拝を匂わせる内容に変化。

●5月21日
 自公幹事長、唐家セン国務委員、王家瑞(党対外連絡部長)とそれぞれ会談。

●5月22日
 自公幹事長・胡錦涛(総書記)会談。胡錦涛が政治家の靖国神社参拝停止を強く求める。

●5月23日
 呉儀ドタキャン。繰り上げ帰国。



 ……と、20日までは双方が歩み寄る雰囲気をみせていたのに、「自公幹事長vs胡錦涛」で中国側の姿勢が一転、非常に硬質なものとなります。

「呉儀来日後も小泉首相が靖国問題に言及した(20日)からだ」
「武部・自民党幹事長が『(靖国問題への中国の口出しを)内政干渉と言う人もいる』と指摘して王家瑞を激怒させたからだ」

 という報道が日本側でなされました。でも中国国内メディアは20日の小泉発言をこれまたスルー同様に
騒ぎ立てませんでしたし、激しいやり取りがなされたという21日の自公幹事長・王家瑞会談、その翌日の自公幹事長・胡錦涛会談も特別な扱い方はされませんでした。……でもそのまた翌日になったらドタキャンです。

 ●外相、中国の対応を批判 異例の会談中止(2005/05/23)
 http://www.sankei.co.jp/news/050523/sei098.htm

 ドタキャンの当夜に出たこの記事の末尾に、



「もともと首相と呉副首相の会談は、関係改善に向けた交流拡大の象徴として、7日の日中外相会談で中国側が提案し、設定した経緯がある。訪問先の首脳との会談を断ること自体が極めて異例だが、そうした経緯があるだけに、日本側には『胡錦涛国家主席は日本との関係改善を進める意向だったはず。
中国指導部の中で何かが起きているのではないか』(外務省筋)と不満と同時に、困惑も広がっている。」



 ……と、この赤字の部分、私も同じ感想でした。この外務省筋にしたら、急に交渉相手が変わったような唐突さを感じたのではないでしょうか。そもそも胡錦涛が「靖国」を持ち出して「参拝するな」と言ったこと自体が私には意外でした。それを言ってしまうと胡錦涛が大きなリスクを負うことになるからです。

 小泉首相は参拝しても痛くも痒くもないでしょうが、「参拝するな」と言ったのに参拝されてしまえば、胡錦涛は面子丸潰れで党内から批判やら責任論も出るでしょう。もちろん国民からも軟弱とか弱腰と言った声が上がります。しかも先の反日騒動でもわかるように政治的統制力は磐石とは言い難い。それなのに、なぜそんな危ない真似をしなければならないのか。

 そこで、前回言及したような感想になりました。感想というより漠然とした疑問のようなものです。



 (1)李登輝訪日時の「口だけ」反発に比べ、外交儀礼を無視した行動に出た今回は本気度が高い。

 (2)でもこれは
「胡錦涛、いよいよガチに出た」なのか、「ガチになることを余儀無くされた胡錦涛」なのか。

 (3)報道もバラバラで論評記事にも乏しく、事前に準備されたメディア攻勢にはみえない。



 (1)の疑問は、そこまでやる必要があるのか?ということです。国際社会の目もあるし、五輪と万博の開催を控えているのに……私は取りあえず中華思想の血が騒いで突っ走ってしまったのかと解釈してみました(※1)。
【追記】様々な情報が出てきた現時点からすれば、外交儀礼を無視しても呉儀を呼び戻すしかないほど緊迫した事態が北京で発生していた、とも読むこともできますが。(2005/05/29/11:09)

 (2)については、胡錦涛の豹変、舵の切り方が余りに大きいので、4月の反日デモ同様に対外強硬派が台頭してきて、胡錦涛はその政治的圧力の下で「参拝するな」と言わざるを得なかったのではないか、ということです。ただ「余儀無くされた」のであれば、それは胡錦涛が主導権争いで敗北したことを意味することになります。

 そんなことをつらつら考えている間に外交部報道局長・ヒョットコ孔泉の独演会がありました。当人は得意満面、ネットでは「よくやった」と大好評だったようですが、あれは3月の全人代閉幕時に温家宝・首相がやったのをパクったようなものです。当時、温家宝は記者会見で、

「台湾問題は純粋に中国の内政に属することがらであり、外国の干渉は受け入れないし、望まない。また、外国の干渉を恐れるものでもない」

 と言い放ったのですが、すると
会場にいた中国人記者から嵐のような拍手が沸き起こったそうです。孔泉の独演会ははこのパクリのようなものです。でも温家宝のこのパフォーマンスも結局はパクリなんです。元ネタはやっぱりブルース・リー(李小龍)でしょう。何とかドラゴンとかいう映画で悪役日本人か誰か、とにかくラスボスを倒した後で、

「俺たち中国人はアジアの懦夫ではないぞ!」(我o地中國人並唔係東亞病夫!)

 とポーズを決める。観客は拍手喝采。温家宝のときは記者が喝采。孔泉の場合は網民(ネットユーザー)が喝采。進歩していませんよねえ。結局は痛々しいまでの自尊心の強さと病的なコンプレックス、これがブルース・リーから30年以上経っても解決されていないということでしょう。多分あと30年経っても無理でしょうねえ。


「中」に続く)


 ――――


 【※1】「靖国参拝宣言3:道は開けた。」(2005/05/24)より抜粋。

 外交儀礼に反したドタキャンという行為、それも副首相が首相を袖にするというのは極めて異例であり、国際社会での評判も芳しくないでしょう。要するに日本の得になっても中国に利することは何もない筈です。

 それでもこういう振る舞いに出るというのは、やっぱり
中華思想の発露とでも言うべきものなのでしょうか。中国からみると日本は「小日本」で、「小日本」の癖にこちらの言うことを聞かず小癪な態度だから、ゲスト(呉儀)を途中退席させて主人としての面子を潰してやろう、恥をかかせてやろう、という発想です。

 いや、実際そうとでも考えなければ私には全く理解できません。何せ
中華思想的発想で懲罰だ懲罰だと言ってベトナムに戦争を仕掛けた国(んで負けてやんのw)ですから。基地外の考えることを常人の頭であれこれ推察しても無駄ですが、中国は野蛮ながらも中華思想というカギがあるからまだマシですね。やっていることは基地外と寸分違わぬものですけど。




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コメント
 
 
 
三馬鹿なら行かないほうがましですね (worldwalker)
2005-05-31 14:01:17
http://worldwalker.ameblo.jp/day-20050525.html



三馬鹿なら行かないほうがましですね

この3人は中国にはもう行かないでほしい
 
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