日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 きょう7月7日は七夕ということになりますが、中国国内ではどうも違うようです。「七七事変」70周年記念だそうで、広東語で読み下すとチャッチャッシービン。

「そうか尿瓶の日かあ」

 と思いつつ7月6日付の中国国内メディアの記事漁りをしていたら関連記事が出るわ出るわで盛り沢山。

 たぶん「七七式尿瓶」という有名な型式が発売されて70周年なのでは。ニーハオトイレ同様、尿瓶を大切にするというのは中国三千年の伝統文化なのでしょう。9月18日も「九式尿瓶一八型」の記念日ですし。

 余太はさておき、盧溝橋事件70周年という訳で関連記事がわんさか飛び出してきたのです。どれも日本人が読めば阿呆くさい内容で反日報道と感じる人も少なくないでしょうが、私個人としては、それでも抑制されていたという印象が残りました。胡錦涛政権にしてみれば、まあ縁起物だしこのときだけガス抜きさせておこう、といったところではないかと思います。

 ちなみに「七七式尿瓶」は香港でも大切にされているようで、日本総領事館に複数の団体が賠償しろとか何とか、入れ代わり立ち代わり押しかけては抗議活動を行ったようです。

 一度に押しかけなかったのは、ここは民主派、あそこは親中派、というふうに政治的スタンスが異なるからだと思います。ホント大同団結とかいったことができないんですねえ。所詮香港人も元は中国人ですから(笑)。あと選挙運動という側面もあるのでしょう。

 ともあれ「愚人節」(エイプリールフール)ではないのに真性の愚人が湧いて出てしまったという次第。

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 そういえば香港で尖閣防衛運動を行っている「香港保釣行動委員会」がまた尖閣諸島に向けて船を出すそうです。

 何でも8月15日に尖閣諸島・魚釣島に行き着く予定だそうで。

 今回も昨年10月に使用したボロ漁船「釣魚台二号」で出撃するそうですが、政治的空気を読めないこと、大自然を舐めていること(外海の高波のなか水上バイクで上陸を目指すといった無茶な計画)、そして出港して外海に出た途端ゲロゲロパレードで気息奄々になるヘタレっぷり(訓練ぐらいしとけよ)などなど、馬鹿は眺めていると楽しいものです。

 ●はいはい保釣保釣。(2006/10/13)
 ●尖閣近海に中国海軍展開!なのに主役は台湾沖でヨタヨタ。(2006/10/25)
 ●【本番】保釣漁船が尖閣近海に到達、海保巡視船が接敵行動へ。(2006/10/27)
 ●【尖閣】予定調和の公開処刑で中共もホッとひと安心?(2006/10/28)

 わざわざ苦労して資金集めして海上保安庁から公開処刑されるために出て行くのですから、ひょっとしてMっ気が強いとか?

 広東省でメンテをやってまた中共当局に難癖つけられて足止めを喰らったりするのではないか、それより資金は大丈夫なのか、などと、ネタ続出の気配に私の期待は膨らむ一方。

 でもそれに反比例して香港紙の扱いは小さかったですねー。

 ●『明報』(2007/07/07)
 http://www.mingpaonews.com/20070707/gdc1.htm

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 ところで「七七式尿瓶」、実は当家にとってはとてもおめでたい日なのです。配偶者の誕生日ですから。てな訳で昨夜は外食。帰宅すると私が準備しておいたアレンジ花かごがちゃぶ台に置かれていて、配偶者を喜ばせるというショボい演出もついでに仕込んでおきました。

 二人ぼっちで一蓮托生、ダブルインカムノーキッズですから、私もハレの日はそのくらいのことはした方がいいかと思いまして。

 香港だと貴金属店のCMなんかで、女性の誕生日に彼氏と海の見えるホテルのレストランでフランス料理を食べて、デザートのあたりで男が懐から指輪の小箱を取り出してパッと開いて、

「Happy birthday」

 などと英語でささやいたりするものがあったりして、たぶん香港人にとってはそういう型が「好浪漫」(すごくロマンチック)なのでしょうが、あんなもの私に言わせれば野暮の骨頂。配偶者はそのあたりは香港人らしくないので助かります。まあ、私も香港にいたころから思想教育だけはしっかりとやっていましたし。

「本当の『浪漫』は日常生活の中にあるのだ。放屁して臭い臭いと騒いだり、二人でゴキブリを追っかけたり、洗濯したらシャツの色が一緒に洗った下着に伝染して不気味な色になったのを見て大笑いしたり、大雨のなか傘がないからズブ濡れで家まで一緒に駈けたり、そういったことが本当の『浪漫』で、そういう何でもないようなことこそ記憶に残るものなのだ。どうせ俺の方が先に死ぬ。俺が死んで独りになったらお前にもそのことがわかる」

 と、当時は常々言い聞かせておりました。将来を約束していた相手にあえなく逝かれてしまうと、思い出されるのはそういうことばかりです。……あ、これは仮定の話ということで。

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 ともあれおめでたい日ですから、7月7日に日付が変わると香港から配偶者にお祝いの電話がたくさんかかってきました。

 今日も今日とて昼過ぎに恩師からわざわざ配偶者への電話を頂いて、私は恐縮することしきりです。

 そういえば盧溝橋、マルコ・ポーロが絶賛したあの橋は、恩師の父方の直系の御先祖様のお触れで建築されたものです。

 母方も貴種ですから、中国の近現代史に関する本を読むと恩師の親戚筋がわんさか出てきます。だから慈禧太后のナマジャとかを持っていたりする訳で。

 ですから盧溝橋となると恩師とは楽しい話題になってしまいます。ついでに色々な昔話を教えてくれるので本当に勉強になります。

 ところで中国国内メディアによる「七七事変」関連記事の中で、ひとつだけ面白いものがありました。

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 ●ドラマ撮影班が残していった天皇万歳スローガンに住民は反感(新浪網 2007/07/07/00:20)
 http://news.sina.com.cn/s/2007-07-06/002013384476.shtml

 何でも満州国を舞台にしたドラマを撮るために、撮影班が街の一部にそれらしいセットを組み上げたそうです。ところがそれを片付けないまま撮影班が撤収してしまったために、満州国旗の描かれた、

「日滿親善」
「東亞共榮」

 といった看板や、「日滿親善」と大書され、日の丸と満州国旗が並んで飾られているアーチ型の門などがいまも残されたままになっているというのです。

 ●写真1

 ●写真2

 これはまた素敵に反動・反革命ではありませんか(笑)。

「片付けなかったのは、スタジオで映像をチェックして、問題があれば撮り直す必要があったから」

 とは撮影スタッフの弁。住民も嫌なら自分たちで取り壊せばいいのに。ひょっとして満州国を再興してほしいとか?

 この話を恩師に話したら「文革のときなら銃殺ですね」と大笑いしていました。何といっても恩師の地盤ですから。

 「そのころ兄がシンキョウにいて」とサラリと言うから「どうして新疆に?」と思えば実は「新京」のことだった、と後で気付くようなことがよくあります(笑)。

 今日は電話口で満州国の国歌(中国語)まで歌ってくれました。あと「満州娘が」云々という日本語の歌も。

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 ……とまあ、そんな訳で当家における「七七式尿瓶」の日は毎年おめでたく、また和やかに過ぎていくのです。これぞ正に胡錦涛政権が目指している「和諧社会」の体現。表彰モノでしょう。

 おい王毅、腹話術の人形ばかりやってないで感謝状出せよ。お礼に遊就館で海軍カレーを食わせてやるから(笑)。あとうざったいから日本の孔子学院は全部潰せ。
厳命。




コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
おめでとうございます。 (90)
2007-07-07 18:37:52
こんばんは。

御家人さんの奥様のお誕生日おめでとうございます。
これからも夫婦円満で映画などを一緒にいらして下さい。

映画鑑賞での奥様に関するお話は楽しいので好きです。

映画と言えばチェン・カイコーが梅蘭芳の話を撮影するとかで、その中に日本の俳優も軍人役で出るそうですが、ここで出た日満の番組ってそれじゃないですよね。「さらば、わが愛」は名作でしたが、シナ愚民教育が進んだ今はどうなるのやら。
 
 
 
Unknown ()
2007-07-07 23:30:49
奥様のお誕生日おめでとうございます。
これからも幸せが御家人さんご夫婦にあらんことをお祈りします。

日常にある浪漫というものは、無くしてから気付く時があります。
無くしてからアレが浪漫だったなぁと、懐古する日々です(;´Д`) 
 
 
 
素敵なエントリー! (西村幸祐)
2007-07-10 01:59:02
素敵なエントリーでした。そうですか、奥様のお誕生日が七夕とは。このエントリー、私のブログで引用させてもらいますので、よろしくお願いします。
 
 
 
みなさんコメントありがとうございます。 (御家人)
2007-07-11 00:03:17
>>90さん
>奥様のお誕生日おめでとうございます。
 ありがとうございます。満州国の町並みのセットは映画撮影のためとありましたから、ドラマでないことは確かです。あるいは90さん御指摘のものかも知れません。

 でも撤収してから10日間も放置している住民も住民ですよね。地元当局にも責任ありかと思いますが、大らかになったのか統治がゆるんだ結果なのか、これは興味深いところです。ともあれ恩師が爆笑しまして、色々なことを教えてくれました。ちなみに満州国の国旗は「紅藍白黒地黄」と呼ぶそうです、確か。


>>卵さん
>奥様のお誕生日おめでとうございます。
 ありがとうございます。当家ではボケ(配偶者)とツッコミ(私)という関係が確立されていまして、関西人でもないのにネタには事欠きません。そこで何年目かの結婚記念日だったか、シーケンサーがまだ稼働していたころ、記念に「滑稽夫婦」という奇怪な旋律の曲をつくってやったら喜んでいました。十年後にまだ元気が残っていたら路上ライブをやる予定ですから、その際には恥ずかしながら披露させて頂くことになると思います。

>無くしてからアレが浪漫だったなぁと、懐古する日々です(;´Д`)
 はい。そのお気持ち、私にはよくわかります。


>>西村幸祐さま
 まさか駄文を御覧になられているとは思いもよりませんでした。ありがとうございます。

 西村さんの該当エントリーにおける「何だかユーモラスな写真で、朝日の社説より親近感が湧くのは、支那のメディアの方が朝日より共産党から距離を取っているからだろう」という御指摘には膝を打ちました。なるほど、そういう並べ方もありますね。私は単に色物系ネタとして扱ってしまいました。まだまだ修業が足りないようです。

 あ、それからもう一昨年のことかと思いますが、呉儀ドタキャン事件あたりのエントリーにコメントを寄せて頂いたのに、私が気付くのが遅れてレスの機を逸してしまい申し訳ありませんでした。m(__)m
 
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