呉儀婆さん。呉儀婆。来春で引退が予定されている副首相です。胡錦涛・国家主席は何か辛いことがあったときに、呉儀のその豊満な胸に顔を埋めて思いっきり泣くことが癒しだったとかそうでないとか。鉄の女なんてとんでもない。胡錦涛にしてみればふかふかで心地よいのです。
……いや、「辛いときには呉儀」というのは胡錦涛にとって最高の回復魔法。その証拠にほら、胡錦涛がいちばんピンチだった2005年の新緑のころ、日本訪問中だった呉儀を小泉純一郎・首相(当時)との会見をドタキャンさせてまで北京に呼び戻したではないですか(笑)。
●呉儀事件で始まった新たな物語。・上(2005/05/28)
●呉儀事件で始まった新たな物語。・中(2005/05/28)
●呉儀事件で始まった新たな物語。・下(2005/05/28)
●呉儀事件で始まった新たな物語。・補(2005/05/30)
●おお人民服だ。(2005/05/31)
余太話はともかく、その呉儀婆さんがまた吠えたそうですね。舞台は北京で開催された「食の安全」に関する国際フォーラム、相手は欧州連合(EU)のマンデルソン欧州委員。日本では『産経新聞』電子版が共同電を拾っています。
●「食の安全」で対応策協議 北京で国際フォーラム(MSN産経ニュース 2007.11.26 17:13)
http://sankei.jp.msn.com/world/china/071126/chn0711261713006-n1.htm
中国衛生当局と世界保健機関(WHO)主催で「食の安全」確保に向けた対応策などを話し合う国際フォーラムが26日午前、北京市内で2日間の日程で始まった。中国産食品に対する国際的な不信感が広がる中、中国は国際社会との協力姿勢を強調し、信頼確保に努めたい考えだ。(中略)
欧州連合(EU)のマンデルソン欧州委員(通商担当)は、「食の安全」に関する消費者保護の強化について、中国製品への障壁を築こうとする「保護貿易主義」などと反発する中国国内の動きを「まったく受け入れられない」と強く批判。
中国の呉儀副首相は「食の安全は世界各国が直面している共通の難題。中国の監督能力は世界水準と比べ一定の開きがある」と述べ、安全確保に向け努力する考えを強調した。
中国政府は国内産の食品などの安全性確保に向け、8月から呉副首相をトップに特別対策チームが監督強化に乗り出すとともに、日米欧との国際協力にも積極的に取り組む考えを示している。(共同)
いやー食の安全、この問題ばかりは特別チームを組織して呉儀が陣頭指揮に立ったってどうなるものでもないでしょう。
ただぶっちゃけた話、自国民が何を食べてどうなろうと構いやしない中共政権において、「食の安全」といえば国際問題の範疇に入ります。
「そこで呉儀」
「だからこそ呉儀」
となるのです。強面で厚顔。威嚇・挑発にも長けているばかりか、相手が誰であろうと物怖じすることなく道理を外れた屁理屈を気魄十分にまくし立てられる、という特技こそ呉儀の真骨頂ですから。
そして今回の国際フォーラム。香港紙の報道によると呉儀は式辞を述べた中で、
●中国は一貫して食品の安全問題を非常に重視し、この面で努力を重ね成果を得ている。総じていえば、中国の食品は安全で安心できるものだ。
●今年上半期、28種類計525品目の食品に対して中国当局が実施したサンプリング検査では合格率が90%以上だった。
●中国では比較的厳格な輸出入食品に対する安全保障システムが構築されており、輸出食品の合格率は長年来99%以上を維持している。
●「食の安全」を政治問題化している向きがある。事実をねじ曲げ騒ぎ立てて輸入障壁とするようなことはすべきではない。
●食品安全問題を輸入制限の口実にするというのは貿易における保護主義のよくある手口だ。われわれはそれに賛成しない。
などと早速ハッタリをかました模様。とりあえずドムのような巨体を揺すって威嚇しつつ吠えてみた訳です。
――――
ところが呉儀会心のこの虚喝は効果がなかった、というより逆に脇の甘さを露呈する形となってしまいました。
呉儀に続いて演壇に立ったEUのマンデルソン欧州委員、上の記事でも「強く批判」となっていますけど、アウェーであることに構わず呉儀発言に対して即座に反応しました。
●中国政府には健康に危険を及ぼす中国産食品は1%にも満たないと指摘する官僚がいるようだ。
●しかし、われわれEUは毎日中国から数億ユーロにものぼる産品を輸入しているから、たとえ!%未満だからといって看過することはできない。
●EUは昨年、品質に関する苦情を毎月約1000件受理したが、このうち半分は中国産に関わるものだった。
●しかも今年に入ってからはその中国産関連の品質に対する苦情が50%も増加している。
●中国の定めた基準に対しては批判が渦巻いている。品質の安全基準強化を求める声を保護貿易主義とする物言いには断固反対する。
魅せてくれましたマンデルソン。
「中国政府には健康に危険を及ぼす中国産食品は1%にも満たないと指摘する官僚がいるようだ」
「!%未満だからといって看過することはできない」
というのは紛れもなく呉儀発言への面当てです。真っ向からのこの切り返しを見せつけられた呉儀は地団駄を踏んだものの、出番は終わっているのでもはや後の祭り。報道陣が居並ぶ前で、
「いまのマンデルソン何あれ?すんげームカつく!」(我非常不滿意曼爾森的發言!)
と悔しさ丸出しで荒れていたとのこと(笑)。引退を控えて恐らくこれが最後の一喝になるとみられていただけに、未練を残す結果となってしまいました。呉儀タソ涙目?
――――
ただ香港紙は所詮はチャイニーズですから、この舌戦を面白おかしく書き立てていながらも、タイトルからして
「怒れる鉄の女、EU高官を一喝」
といった構図です。例のブルース・リーが映画でラスボスを倒した後の、
「我們中國人並不是東亞病夫!」(おれたち中国人はアジアの負け犬なんかじゃないぞ!)
という見栄を切るシーンのような形に仕立て上げています。当ブログで常々指摘している民族特有の病態です。中国人が白人をやり込めたという形にして溜飲を下げる、ということでしょう。どうぞどうぞ。いつまでも変わらずそのままの貴方でいて下さい。
●『明報』(2007/11/27)
http://hk.news.yahoo.com/071126/12/2k7tm.html
●『星島日報』(2007/11/27)
http://www.singtao.com/yesterday/chi/1127eo01.html
ところで皆さん御存知の通り、中国産で安全でないのは食品ばかりではありません。輸出先で問題となり回収された玩具などもたくさんあります。中国の子供たちは鉛漬けのオモチャがお好きなようで(笑)。
これについては、国内の製造業者に対する調査を国家質検総局と関連検疫部門が今年8月から腰を入れて共同調査したところ、現在までで輸出資格を剥奪された玩具メーカーが何と1074社に達しています。
「だからもう安全だ」
と言いたいのでしょうけど、まだ調べ始めて3カ月ですし、当局発表でもこれですから実際はさぞや。……と考えてこちらはいよいよ心配になってしまう、というのが正しい中国との付き合い方です。
●『東方日報』(2007/11/27)
http://orientaldaily.on.cc/new/new_b04cnt.html?pubdate=20071127
――――
もっとすごいものもあります。広東省で有名ブランド歯磨き粉のニセモノが製造されていたというものです。広州市の関連部門がこのほど闇業者の摘発に成功しました。
現地の報道によると、この闇業者は「高露潔」(Colgate)、「黒人」(DARLIE)など中国国内における歯磨き粉の有名ブランド十数種類のニセモノを製造。私は中国留学時代、上海市郊外で「abibas」というロゴのスポーツシューズが売られていたのを目撃したことがありますが、闇業者は「黒人」の「DARLIE」を「DABBIL」にすり替え、あとは本物そっくりのパッケージで流通させていたとのことです。
「6元1個の『高露潔』が2元で買えたんだ。でもこの歯磨き粉だと泡も立たないんだ」
とは、広州市白雲区の商店にて10元で「ニセ高露潔」5個を買ってしまった地元住民・胡さんの弁。これまた本物そっくりの包装であるうえ、
「香港(高露潔)公司監製」
などというそれっぽい印鑑も押されていて使用するまで全く気付かなかったそうです。
これら有名ブランド歯磨き粉のニセモノ、無害であれば「騙された畜生」で済むのでしょうが、そこは中国ですからもちろん期待を裏切ることはありません。専門の医師によると、使い続けているうちに肝臓や腎臓などの器官に傷害が生じる可能性があり、ひどい場合は中毒症状を引き起こすとのこと。
上で「もっとすごいもの」と書きましたけど、何がすごいかってその製造現場。環境劣悪なんてレベルではなく、何と工員は防毒マスクを着用して製造作業に従事していたのです。そこで作っているものが口に入れる歯磨き粉なんですから「さすが中国クオリティ」てなもんです。
●『東方日報』(2007/11/27)
http://orientaldaily.on.cc/new/new_b05cnt.html?pubdate=20071127
マンデルソンがこのことを知らなかったのは、呉儀にとって幸いだったといっていいでしょう(笑)。
――――
ともあれ、満堂を圧するような勢いでがなり立てても、屁理屈はやっぱり屁理屈ということを呉儀は学習したか、どうか。
必勝を期するのであればやっぱり黒い三連星でないと。マッシュ(李肇星)、オルテガ(唐家セン)を連れてきてジェットストリーム・アタックを仕掛けるべきだったのではないかと愚考する次第です。
最後にオマケを。気になって本当にぐぐってみたら「ようつべ」で発見しました(笑)。
上海の株、やばそうですね。東証にも連動して私も大損しそうですが、それでも共産党には崩壊してほしいと思います
一食3~4品食えば1日1回「不良食品」を食わされる確率ではないですか。
いわゆる先進国の大量生産の食品は合格率はセブンナイン(99.999999%)とかサーティンナイン(99.99999999999%)とか言われるレベルでっせ。だから赤福の偽装表示とかが今まで表沙汰にならなかったのですよ?
「逆に日本産の方が危ないんです。利益減少や後継者不足のため設備投資が出来ず、20~30年前の設備でやっている。
日本産の食材を海外の支店に持っていこうにも、むこうの国の検疫ではねられるんですよ」
と言われ、そんなもんかと納得してしまいましたが…
きちんとした数字を出してもらうよう言わないといけないのかな。
婆もEU、ACP諸国間のこの問題つつけばいいのに。毎度×∞の的外れ&空気嫁的中華外交展開して場の空気
濁らせればよかったのに。
コトノー協定来月で切れるけど、やっぱACP諸国飲むのかなー、飲むだろなー、援助されてるしなー。腐れEUの補助金農作物と現地の農作物と市場で戦ってどっちが勝つかなんて考えるまでもない。貧困撲滅掲げながら一番貧困巻き起こしてるのがEUだってのが笑えん。さて2008年ACP諸国の製造業何割失業に追い込まれるかな、どうにか3,4割ぐらいに抑えられないものやら・・
先日スーパーに行ったら商品棚がスカスカになっていました。太太曰く”きっと食品安全問題で取り下げたんだよ”。よく見ると、国家安全保障マークの入った大手と思しき食品会社のものは残っていて、中小食品会社の製品が消えていたようです。安いものしか変えない貧困層はドンダケーです。
中国人の一般常識として、①真っ白い小麦粉は漂白剤が入っている②安い油は有害 などといった知識が浸透しています。でも、誰も抗議するでもなく平然と暮らしているのが中国と言う国。不思議だな。
話が飛びますけど、2チャンネルを見ていたら面白いことを言っている人が居ました。”中国は島国だ。巨大な領土の上に都市が点在し、それを細々とした道路が繋いでいる。”というような趣旨でした。なるほどねえ、慧眼ですね。
広漠とした真っ暗闇が広がっているなかに、
ぽつぽつと都市の明かりが散在している、、、
みたいな、これ、
御家人様のオリジナル表現ではありませんでしたか?
その明かり、みんな金太郎飴式、これは
バスツァーの窓からの実感でしたが。
この問題、根が深いですよねぇ。
さて。気にかかったこと。
>てんてけ殿
その話、多分日本産を使いたくないだけ、とみた。
中国産のものは「設備が悪いから」問題になってるのですか、と。
基本的に日本の農産物というのは農協がおおむね関わってます。
兼業農家などは、大概農協を通して肥料などを購入しているわけでして…
また、とりあえず個人での農業の設備というとですな。
例えば稲作。種撒く機械、苗を育てる機械、苗を植える機械、肥料を撒く機械、
刈り取り、脱穀の機械、乾燥の機械、脱穀の機械。最後に精米ですな。
これらに耕耘機などが主に使われます。(乾燥は天日のがいいと思うけど)
…検疫? なにそれ、設備で引っかかるものある? な状況です。かかるのは、肥料くらいっしょ。
ちなみに、これら作業はそれぞれ農協に委託することも可能です。
野菜などは、出荷の時に洗浄とかあるからねぇ。そのへんは農協でやっとりますね。
んで、出荷出来なくなると困るわけで、農協はその辺きっちりやってますよ。死活問題ですし。
まぁ、一度「詳細なデータ」をみせて貰うのが良いと思う。
…この辺で割を食った事例というと、やっぱカイワレ騒動だよねぇ。
日本産のものが危ないと言ってるのにむかついた兼業農家の戯言でした。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。