深井動物病院からのお知らせ

堺市・深井駅近くの動物病院『深井動物病院』からのお知らせのブログです

停留睾丸に注意!

2008年04月20日 | 病気や治療について
オスの精巣(睾丸)は多くは生後数ヶ月のうちに
陰嚢(いんのう)内に収まります。
6ヶ月齢を過ぎても陰嚢内にない場合は停留睾丸
(潜在睾丸、陰睾)の可能性が高く、そのままに
しておいても正常位置に収まる可能性は低いでしょう。
片方だけの場合もあれば、両方の場合もあります。
内股にあって触れるものもあれば、おなかの中に留まって
外からはまったく触れないものもあります。
片方だけでも正常位置にあれば繁殖可能ですが、
遺伝的に受け継がれるのでお勧めしません。
最もやっかいなのは「癌化」の可能性がきわめて
高い、ということです。
内股にあれば飼主さんでも気がつきますが、
おなかの中にある場合は、末期症状が出るまで
気がつかないこともよくあります。
若い時に手術で取り除くのが最もよい対策です。

写真は11歳ヨーキーの仰向け腹部です。
ペニスの右脇、内股部分に大きな「かたまり」
がわかりますか?左精巣は陰嚢内にあります。
飼主さんが最近大きくなってきた、ということで
来院し、切除手術をしました。
結果は「セミノーマ」という悪性精巣腫瘍でした。